オルレアン(Orléans)

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チップ構築ゲーム

オルレアン

フランス中部、ロワール川の曲がりにある都市オルレアン。イングランド軍からこの都市を奪還したジャンヌ・ダルク(1412-1431)が「オルレアンの乙女」と呼ばれたことで知られているが、イングランドとフランスの百年戦争が終わると商業・農業で栄え、フランスでも指折りの大都市となった。

ジャンヌ・ダルクは出てこないが、この中世を舞台に、さまざまな職業の手下を駆使して街の覇権を争うボードゲーム。R.シュトックハウゼンが自身の出版社dlpゲームズ(ドイツ)から今秋発表したもので、人気投票スカウトアクションでは2位に入っている(TGiWニュース)。

このゲームの最大の特徴は、チップ構築というシステムである。布の袋に人物チップを入れて、毎ラウンドそこから何枚か引き、その人物でアクションを行う。使い終わったチップ、新たに獲得したチップは再び袋へ。狙ったアクションが効率よくできるように、獲得するチップを選んだり、不要なチップを「廃棄」したりする。これが新鮮なプレイ感覚を生み出している。

ラウンドの最初にイベントカードをめくる。このイベントはラウンドの最後に発生するものだが、そのラウンド内で対処できるように、予め発表されているのである。人物チップを1枚失う「ペスト」や、農産物を支払う「収穫」などのネガティブなイベントが怖い。

次に、各自、自分の布の袋から人物チップを見ないで引き、それをプレイヤーボード上のアクションスペースに配置する。それぞれのアクションを行うには、指定された組み合わせの人物チップが必要で、引いたチップを組み合わせていく。最初は4枚しかチップがないのでできることは限られるが、次第にチップが増えると、複数のアクションが可能になる。全員が人物チップを置いたら、スタートプレイヤーから1アクションずつ行う。

序盤のアクションは新たな人物チップを獲得することがメインとなる。最初は農夫・船乗り・職人・商人の人物チップが1枚ずつしかない。ここから、騎士・学者・修道僧といった新しい人物チップを獲得し、アクションの幅を広げていく。人物チップの獲得では、人物チップだけでなく、そこのパラメータが上がり、お金や商品をもらったり、新しい自分専用のアクションスペースが手に入ったり、袋から引ける枚数が増えたりする。この成長感も心地よい。

アクションが終わったらイベントが発生して次のラウンドへ。こうして18ラウンド行ってから得点計算となる。得点になるのは6種類の商品チップとお金。これは額面通りに得点になる。そして要所要所を先取りすることで得られる「市民チップ」と、マップ上に建設していく「商館」、さらにゲーム中に少しずつ上げていく「発展レベル」である。計算方法は(市民チップの数+商館の数)×発展レベルという独特の得点計算で、どれも手を抜けない。

ゲームボード上にあるオルレアン周辺のマップ。アクションにはこのマップの上で商人を移動させて、商館を建てるものがある。移動も建設も、1アクションで人物チップを3枚も使うので難しいが、ここを避けては勝つことができない。商人が移動するたびに手に入る商品チップは早い者勝ち、商館は1つの都市に1つだけという制限があるので先手を打たなければならない。

3人プレイで120分。序盤は1アクションか2アクションしかできないので、誰が勝っているか分かりにくかったが、このときの仕込みが中盤以降に効いてくる。tomokさんが最高級の商品チップ「金の織物」を独自生産できる「仕立屋」と、またお金を払って発展ポイントを上げる「薬局」でどんどん点数を増やし1位。bashiさんは「研究所」を使い、少ない人物チップで回せる態勢を作ったが、農夫で出遅れたのが響いて収入減。私はお金ばかり入ってきてチップの引きが悪く、マップに出るのが遅れてしまった。

チップの引き運はあるが、随所にそれを緩和できる仕掛けがあり、それをうまく組み合わせて自分の得点パターンを作るところに面白さを感じた。序盤にどのチップを引くかによって戦略が変わってきそうなので、さまざまな戦略を試してみたい。

Orléans
R.シュトックハウゼン/dlpゲームズ(2014年)
2~4人用/12歳以上/90分
ゲームストア・バネスト:オルレアン

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