2015年6月アーカイブ

『デウス』日本語版、7月下旬発売

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デウス日本語版ホビージャパンは7月下旬、ベルギーの文明発展ゲーム『デウス(Deus)』日本語版を発売する。S.ドゥジャルダン作、2~4人用、14歳以上、60~90分、8,000円(税別)。

ゲーマーに人気のパールゲームズ(ベルギー)が2014年のエッセン・シュピールで発表した作品。ドイツ年間エキスパートゲーム大賞2015で推薦リストに入っており、これから発表されるドイツゲーム賞の入賞は確実とみられる。日本国内では英語版が流通していたが、人気で品薄になったため、日本語版が製作されることになった。

プレイヤーは各自5枚の建築物カードをもち、これらを使って建築物を建てるか、捨て札にして神々に捧げる。建物を建てるときは、ゲームボード上にコマが置かれ、カードは個人ボードの上にそれぞれの色ごとに重ねておく。このとき、以前に置いたカードも効果が発動する。カードの種類は6種類あり、赤い軍事カード、茶の資源カード、黄の交易カード、青の得点カード、紫の寺院カード、緑の様々な効果をもつカードがあり、どれに特化させるかによって展開が大きく左右される。

捨て札にして神に捧げるときは、捨てたカードの種類に関連する神の助力を得るが、捨てるカードが多ければ多いほど、その力は大きい。どこまで出して、どの時点で捧げるかの選択もしびれる。

ゲームボード上の蛮族の村をすべて包囲して攻撃するか、すべての寺院が建築されたらゲーム終了。カードの効果で得た得点を競う。どの行動を取ればアドバンテージが取れるかも悩ましく、カードのプレイと陣取り要素がミックスした作品だ。

TGiWレビュー:デウス(Deus)

デウス日本語版(コンポーネント)

7月18日(土)と19日(日)の2日間にわたって、シダックスホール(JR渋谷駅徒歩8分)にて、ホビージャパンゲームフェスティバル2015が行われる。第5回ドミニオン日本選手権のほか、各種大会や物販も行われる。

ドミニオン日本選手権は18日に予選、19日に決勝が行われる。優勝者は8月にアメリカ・ジェンコンで行われる世界選手権への出場権と、渡航費補助10万円を獲得。世界選手権は過去4回中、3回を日本代表が制しており、今年も日本代表の活躍に期待がかかる。予選は事前予約の先着順(午前午後各128名)。予約はこちらのページで受け付けている。予選では基本セットと『異郷』、決勝では未発売の『冒険』を除く全セットとプロモーションカードが用いられる。

今回、世界選手権につながる大会は『ドミニオン』だけだが、18日に『キング・オブ・ニューヨーク』と『ジャングルスピード』の日本選手権、19日に『ブルームーン:レジェンド』と『宝石の煌き』と『世界の七不思議』の日本選手権も行われる。また、テンデイズゲームズ主催による『ペッパー』大会も19日に開かれる。いずれも当日受付。

物販コーナーはホビージャパンの新作、B級品、会場先行販売などが予定されている。真剣にゲームを遊び、買い物も楽しんでこよう。

ホビージャパン:ホビージャパンゲームフェスティバル2015

王への請願(Um Krone und Kragen)

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パズルライクに盛り上がる

王への請願

ドイツで10年近く前に発売されたダイスゲームが今年、日本語版になった。オーストリアやアメリカでいくつかの賞にノミネートされているものの、ドイツでは受賞歴のない作品である。しかし日本では発売後もずっと人気が続き、絶版後も中古市場で高値がついていた。日本でだけ人気が高かったのはどうしてなのか、興味深い。

最初は3個だけダイスを振ることができる。1個以上確定させれば、残りを振り直しできる。この結果で、カードをもらう。ペアができれば「農夫」、出目の合計が15以上なら「職人」、スリーカードができれば「衛兵」。この辺りが最初の狙い目だ。カードを取ると、次の番からダイスが1個追加されたり、出目を変えたりすることができるようになる。その力を使って、フォーカード、ツーペア、出目の合計が20以上......といった上級のカードを取りに行く。

カードが増えてくると、考えることが多くなる。どのカードの効果をどのタイミングで使うか、センスが問われるからである。一か八か高いカードを狙ってもいいし、手堅いところを取りにいくのもよい。このあたりは性格が出て面白い。

以前アミーゴ版を遊んだときには、カードの効果の組み合わせを考えるのがダイスゲームにしてはテンポを悪くしていると感じた。一投するたびに、あの効果を使うか、それともこの効果を使うかと悩むのはまるでパズル。シンプルなルールの割にプレイ時間が長めで、ドイツで評価されなかったのもそのせいかもしれない。

しかし今回コザイク版を遊んでみて、このパズル風味こそが、このゲームの醍醐味であり、日本で評価されたポイントではないかと思った。カードを使う順番が決まって当初は無理かと思われたカードが手に入ったときの嬉しさ。あと一歩というところまでもっていきながら、最後の一投を外したときの悔しさ。取得条件がどんどん難しくなっていくのがチャレンジ精神を刺激する。

最後は、誰かが同じ出目を7つにして「国王」を取ると、そこから1周の間、それよりも強いゾロ目を出す挑戦をする。ダイスがより多いか、ダイスが同じ個数ならより出目の大きいほうが強い。1周の間に誰かが上回ればそこからまた1周。こうして誰も上回る人がいなければその人の勝ちとなる。

最初に「国王」を取れば、ダイスが1個追加される「王妃」もついてくるが、これで勝てるとは限らず、まくられることが多い。そのため、「国王」を取れる状態でも無理に狙わず、別のカードを取って力を蓄える作戦もある。誰が「国王」を取って終了トリガーを引くか、最後の駆け引きも独特の面白さがある。「このゲームは国王を取ってからがスタート」というのも分かる。

ダイスゲームにしてはじっくり考えるところと、最後に大役を目指して盛り上がれるところがこのゲームが日本で評価されたポイントではないだろうか。イラストも油絵調のアミーゴ版から擬人化された動物に変わり、より楽しそうになっている。

王への請願
T.レーマン/アミーゴ(2006年)・cosaic(2015年)
2~5人用/10歳以上/45分

デザイナーと出版社でトラブル相次ぐ

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アメリカのボードゲームデザイナーD.ヴァッカリーノ氏は、『キングダムビルダー』版元のクイーンゲームズ(ドイツ)が2014年分の印税を支払わないまま、次の拡張セットのプロジェクトをキックスターターで発表したことを明らかにし、これ以上の猶予を与えたくないと不快感を表した。

『キングダムビルダー』は2012年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞し、拡張セットとして『遊牧民(Nomads)』と『十字路(Crossroads)』がこれまで発売されている。3番目となる拡張セット『湿原(Marshlands)』は6月19日からキックスターターで資金募集が開始され、目標額の5000ドルの10倍にあたる50000ドル(約620万円)の出資を約800人が表明していた。

ヴァッカリーノ氏の発言を見た出資者がキックスターターのコメント欄に殺到。クイーンゲームズは週明けに対応すると回答したが、ヴァッカリーノ氏によるとクイーンゲームズから謝罪があり、来年分の印税も支払うという。クイーンゲームズは第3拡張セットのキックスタータープロジェクトについて、ヴァッカリーノ氏は反対していないとしながらも、現在のところプロジェクト自体がキャンセル扱いとなっている。

また、イギリスのボードゲームデザイナーM.ワレス氏は、イーグル・グリフォンゲームズ(アメリカ)が『ブラス』の再版プロジェクトをキックスターターで開始したことに対して、すでに版権が切れていると述べ問題となっている。

『ブラス』はM.ワレス氏の個人メーカーであるウォーフロッグ(現・ツリーフロッグ)から2007年に発売され、イーグル・グリフォンゲームズが2009年に第2版を発売した。この際の契約は2013年までで、再版プロジェクトが立ち上がってからワレス氏はイーグル・グリフォンゲームズに何度も問い合わせたが返事がなかったため、事態を公にした。このままならばキックスターター事務局に連絡して、このプロジェクトを止めさせるという。

イーグル・グリフォンゲームズはM.ワレス氏の告発が事実に基づいていないとし、『ブラス』の版権は継続していると主張。両者の協議が決着するまで、『ブラス』再版プロジェクトは始められない見通しとなっている。

今回はたまたまどちらもキックスターターがきっかけとなったが、出版社がデザイナーを軽視していることが相次いで明らかになり、デザイナーの権利保護が改めて問題となりそうだ。

ICv2:Designer Comments Roil 'Kingdom Builder' Kickstarter
ICv2:Another Game Designer-Publisher Dispute Sparked by Kickstarter

タカラトミーは25日、ロッテと共同開発による『ビックリマン 悪魔vs天使 人生ゲーム』を発売した。2~6人用、6歳以上、5,800円(税別)。

チョコレート菓子「ビックリマンチョコ(悪魔vs天使)」の発売30周年を記念して制作された人生ゲーム最新シリーズ。懐かしの「ビックリマンカード」を105枚収録。ビックリマン<悪魔vs天使>シリーズのストーリーに沿って、天使として仲間(ビックリマンカード)を増やし、次界を目指す。最終的には1位ではなく、「ビックリポイント」の最も多いプレイヤーが勝利する。

「ビックリマンカード」にはホログラムのヘッドももちろん入っており、悪魔・天使・お守りのカードが揃うとポイントが高まる。また、ビックリマンチョコを模したパッケージに、ウエハース型の内箱と見た目にもこだわった。マス目にも人気のキャラクターのほか、「聖神パシーでヘッドロココにパワーアップ」や「シャーマンカーンの理力パワーが悪魔をキャッチ」などの懐かしいテキストが散りばめられている。

これと同時にパッケージやシールのデザインが異なる「30th限定ver.」も発売されている。価格は同じだが受注生産で、注文受付は終了している。

タカラトミー:ビックリマン 悪魔vs天使 人生ゲーム

『ウェブDBプレス』にボードゲーム記事

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6月24日発売のプログラミング技術情報誌『WEB+DB PRESS』87号に、「ゲームルールの作り方―ボードゲーム開発から学ぶ「楽しさ」の源泉」という特集記事が26ページにわたって掲載されている。

Webアプリケーション開発者向けの雑誌で、プロダクトアーツの坂上卓史氏が執筆した。グラフィックや音楽だけでなく、ゲームのルール自体を深く掘り下げる。

ボードゲーム以外の雑誌で異例ともいえる長い記事は章立てになっている。第1章「夢中にさせる魅力はどこから来るのか」では、ボードゲームの特性を社会性、芸術性、物質性、思考性という4つのキーワードで分析。さらにボードゲームでよく使われるシステムをエリアマジョリティ、拡大再生産、ワーカープレイスメントなどを紹介する。

第2章「コンセプトの決定」では、プロダクトアーツの『ART OF WAR the card game』を実例として、ターゲットやテーマの設定、アイデアの生み出し方などデザイン過程を明らかにしていく。「テーマが先かシステムが先か」といったボードゲームデザインではおなじみの議論も。

第3章「ゲームデザイン」第4章「完成に向けて」では、プロトタイプやテストプレイといった製品化への過程を紹介。なぜ面白くないかを自己分析する基準や、バランス調整の方法、さらにはリリース後のアップデートにも触れられている。

ゲームアプリ開発者が急増していることに応えた記事だというが、ボードゲーム愛好者にも、ボードゲームを普段とは違った視点で見られる記事となっている。

技術評論社:WEB+DB PRESS Vol.87

文禄オリジナルは、4月から戦国時代カードゲーム『秀吉軍団』の製品化プロジェクトを発表し、クラウドファンディングMakuakeにて資金募集している。3000円以上の出資で製品版が送られる。目標額80万円はすでに達成済み。6月30日まで。

豊臣秀吉が天下統一を果たした直後が舞台で、プレイヤーは加藤清正、小西行長など秀吉軍団の総大将となり、戦功を競い合いながら、大大名へと出世することを目指す。豊臣家の派閥争い、関ヶ原の戦いを経て、最終的に最も戦功報酬を獲得したプレイヤーが勝者となる。2~7人でプレイ時間は約60分。4人、6人でのチーム戦も可能。

文禄オリジナルは、エンタメ系ライターの澤田英繁氏がこの製品のために立ち上げたブランドで、このカードゲームが初作品となる。目標額を達成したので、1000セットの製作を予定。出資者には製品版3240円から割引になるほか、発売日前に届く特典がある。1500円の出資で試作版、7000円以上の出資で製品版とTシャツが送られる。

Makuake:目指すは100万石の大大名 戦国時代カードゲーム「秀吉軍団」を商品化したい

アブラカ・・・ワット?(Abraca...what?)

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とりあえず「4」!

アブラカ・・・ワット?

名作の数当てゲーム『ドメモ』(1975年)が発売されてもう40年になる。日本でも2009年に待望の日本語版が発売されロングセラーとなっているが、これに要素を加えた作品が昨年、韓国で出版された。今年になってドイツ語版"Simsala... Bumm?"が発売になり、ドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに選ばれている。プレイ感がだいぶ変わり、一発逆転のギャンブルに出たり、配牌がうまくないときでも勝てたりといった新しい戦略が可能になっている。

1が1枚、2が2枚、3が3枚・・・という札を全員に規定枚数だけ配り、各自自分は数字が見えないように、ほかの人に向けて並べる。自分の番が来たら数字を言って、その数字が自分の前にあったらとなりの人に倒してもらう。こうしてほかの人より早く、自分の札を全部倒してもらえば勝ち。ここまでは全く『ドメモ』である。

違うところは主に3つある。ライフポイント、数字があたったときの特殊効果、連続手番では数字を下げられないルールである。

まずライフポイントは各自がもっているもので、外れると減ってしまう。だから当たったときに、それ以上続けるか、やめて次の人の番に替わるかという選択肢がある。特殊効果で増減することもある。誰かのライフポイントが0になったら1人負けでラウンド終了。このため『ドメモ』と違って、まだ全部当てられていない状態でラウンドが終わることがある。自分の札がなかなか減らせないとき、ライフポイントをセーブして生き残りを狙うという戦略も取りうる。

数字が当たったときの特殊効果は、ほとんどが他プレイヤーのライフポイント減か、自分のライフポイント回復である(数字によって対象や強さが異なる)。一般に数字が低いほど効果が強まり、1枚しかない「1」を当てると、ダイスを振ってその分だけ全員のライフポイントを減らすことができる。「2」でも全員がライフポイント-1、自分だけ+1。ついつい小さい数字を言いたくなる。

ゲームのポイントとなるのは「4」で、これが当たると、配られなかった札を1枚、自分だけ見ることができる。この情報は限りなく有利なので、迷ったら「4」というのがよい(そして撃沈する)。

そして連続手番では数字を下げられないルール。数字が低いほど特殊効果が強いならば、大きい数字から消去法的にいいたくなるのがゲーマーだが、それは許されない。数字が当たった場合、連続して手番ができるが、当たった数字以上を言わなければならない。これがうまく機能していて、どれくらい低い数字から始めるかというチャレンジがドキドキする。

ラウンドが終わったら、1人負けか1人勝ちかによって得点をつけ、誰かが規定点に達するまで続ける。だいたい3~4ラウンドで終わるようだ。

5人プレイで30分ほど。推理の要素はそのままで、小さい数字をいう理由がブラフ以外にもあるが、ゲームをより一層エキサイティングにする。手札は大きい数字ばかりなのに小さい数字からいってなかなか当たらないときでも、特殊効果で誰かが負けてくれて助かったことも。「1」はなかなか言えないが、「4」は結構ありそうな数なのでついつい言いたくなるのがワナのようだった。「とりあえず4!」「ないですよー」「私も4!」「だからないって」「だったら私が4!」「あっ、ありました!」

比べると『ドメモ』のほうがシンプルでいいという方もいるだろうが、推理偏重で息が詰まるという方にはこちらをお試し頂きたい。

Abraca...what?
G.キム/コリア・ボードゲームズ(2014年)、ペガサスシュピーレ(2015年)
2~5人用/8歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:アブラカ・・・ワット?

SmaSTATION!!で『枯山水』

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テレビ朝日系列で6月20日に放送された「SmaSTATION!!(スマステ)」上半期ヒットランキングにて、7位に『枯山水』が紹介された。

おにぎり茶漬けから日めくりカレンダー「まいにち、修造!」まで15アイテムをランキング形式で紹介。7位に『枯山水』が登場した。

ナレーターの小林克也氏が、「日本人特有のわびさびがきいた???」「若い人も買っています」というクイズをゲストの前園真聖氏に質問。第1回東京ドイツゲーム賞で大賞を取ったこと、品薄状態となっていることが紹介された。

ゲームの内容については「ボードゲームとしての完成度が高い」とし、タイルと石を配置するゲームの流れと、9つの採点基準が紹介。「この考えぬかれた採点基準の中でいかに美しい庭を作り上げるかにプレイヤーは没頭するのだ」という。実際に遊ぶ様子や女性のコメントを映し、「メイドインジャパンのボードゲーム、ハマってみませんか」と結んでいる。

『枯山水』は昨年11月に発売されたボードゲーム(TGiWレビュー)。今年3月に朝日新聞で取り上げられてから、テレビ放送局がこぞって取り上げていた(TGiWニュース)。品薄状態は続いているが継続して生産されており、当時と比べてだいぶ入手しやすくなっている。

エリジウム(Elysium)

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深遠なる神々のコンボ

エリジウム

オリンポスの神々に名を連ねようとする半神たちが、勇者たちを使って伝説を作り上げるカードゲーム。イギリス人デザイナーコンビの作品で、フランスの出版社から発売され、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされている。タイトルの「エリジウム」とは、ギリシャ神話に登場する死後の楽園「エリュシオン」のラテン語読み。死後の楽園に送られたカードは、得点になる代わりに効果が使えなくなる。どのタイミングで死後の楽園に送り込むかがポイントだ。

毎ラウンド場札がずらりと並ぶので、コンボなどを考えて順番に1枚ずつ取っていく。全員がカード3枚と「クエスト」というタイルを取ったら、このラウンドの得点計算。使わないカードを選んで、死後の楽園に送り込む。これを5ラウンド繰り返して、得点を競う。至ってシンプルな進行である。

悩みどころはまずカードの選択。前に取ったカードとの効果や得点のコンボを考えて、あれこれと迷う。さらに、カードには獲得条件がある。各プレイヤーは4本の丸柱を持っており、1枚取るたびに1本ずつ捨てなければならない。みんなが取るにつれてカードが少なくなっていくのに、丸柱が減って選べるカードがなお一層少なくなる。それを見越して、どのカードを先に取るか、ほかの人はどのカードを狙っているかまで踏まえるのはかなり頭を使う。カードを取ったあとに、どの丸柱を捨てるかも悩む。ここがゲームの中心部分である。

カードの効果は取ったらすぐに発動するもの、好きなタイミングで発動できるもの、ずっと効果があるものがあり、その効果は多岐にわたる。しかも、8つのデッキが入っているが、1ゲームで使うのはこのうち3つのデッキだけ。デッキによって、得点を増やす、収入を増やす、ほかのプレイヤーを攻撃するといった傾向があり、組み合わせによってゲームの展開ががらりと変わるだろう。

ラウンドの最後にカードを死後の楽園に送り込むが、無条件に送り込めるわけではない。「クエスト」によってこのラウンドに送り込める枚数が決まっている上に、カードのレベルに応じてお金を支払わなければならない。さらに、死後の楽園ではカードは同じレベルか同じ系統のセットにしなければならず、セットを集めれば集めるほど得点が増す。終盤まで使って、最後に一気に送り込むということができないわけである。一度も効果を使わずに獲得したラウンドで送り込まなければならないことも。「一度も活躍せぬまま伝説となられました・・・」

4人プレイで90分ほど。送り込むときよりも、選ぶときのほうが悩む悩む。「このカードを取って、この丸柱を捨てたら、次の人はあのカードを取るだろうから、別な丸柱を捨てて・・・いやいやこのカードじゃなくて別のカードを選んだらどうなる?」明らかなミスになる手もあるので、じっくり考えた。ポセイドン系統の「金羊毛」(同じ系統のカードを取るか楽園に送り込むたびに収入に)を取り、同じ系統で攻める。「アンタイオス」でほかのプレイヤーのカードを捨てさせ、さらに「略奪者」でお金を奪ってやりたい放題。しかしお金に余裕がある一方、肝心の得点化が甘くなってしまった。コストの高いレベル3のセットを作っているうちにほかのセットが揃わず最下位。

あのときこのカードを取っていればとか、もったいぶらずすぐに楽園に送り込んでおけばとか、まだまだ上手にできる余地があるように思われた。カード選択に熟達が見込まれる作品である。系統ごとに別々のイラストレーターが手がけたというイラストの美麗さも見もの。

Elysium
B.J.ギルバート、M.ダンスタン/スペースカウボーイズ(2015年)
2~4人用/14歳以上/60分

日本遊戯思想史

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遊びは世につれ、世は遊びにつれ。『日本遊戯史』の著者が各時代の遊戯観を、文学作品や役所の記録をもとに構成する。

現代人にとって、ボードゲームは手軽に遊びにくい趣味である。時間を合わせて人が集まるというだけで困難が伴う。自然と時間の短いミニマルなゲームが好まれるようになり、時間がかかる上に値段も高いゲーマーズゲームは(一部のマニアを除いて)敬遠される。この傾向は、ヨーロッパよりアジアが顕著である。さらにいい大人たちが真っ昼間から集まって遊ぶということへの冷たい目や後ろめたさが輪をかける。どうしてそうなるのか。宗教的・経済的な背景とともに、忘れてはいけないのが歴史的な背景だ。

本書を読んで分かるのは、中世から現代にいたるまで一貫して、遊戯は賭博と切り離せなかったことである。中世には貴族が賭け囲碁や賭け双六に興じる一方で、庶民には賭博を度々禁じていた。確かに家財一切どころか宅地まで賭けたり、喧嘩で傷害事件が起きたりするのは治安に悪影響を及ぼしただろうが、不公平なことである。明治初期には賭博をしたものだけでなく、ダイスやカルタを売る者も犯罪者であった。大正創業の奥野かるた店の会長が以前のシンポジウムで、「長い間いい商売だと思いませんでした」と仰ったのも無理もないだろう。

その中で双六打ちが芸能の職人と目された時代があったことは興味深い。これは『本双六』という、バックギャモンのようなボードゲームに高度な習熟を必要としたためであるという。貴族の娯楽/職人の芸能という方向性はそのままカジュアルゲーマー/ガチゲーマーにも通じそうだ。

明治になると、賭博だけでなく遊び一般にも「未開の醜風、賭博同様の所業」「自然に遊惰の風習に陥り」と捉えて敵視されるようになる。富国強兵を目指す明治政府の方針だったが、今日の遊びに対する冷たい目や後ろめたさにもつながっていると思われる。一方で「教育玩具」が登場し、子供たちを軍国主義に染め上げていく。純粋な遊びの道具としてではなく、知育玩具としてボードゲームを子供に与えることへの抵抗感があるとすれば、このあたりの反省ももしかしたらあるのかもしれない。

現代については、公営ギャンブル関係者による賭博の正当化と、ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』とカイヨワ『遊びと人間』をはじめとした哲学が紹介され、『レジャー白書』をもとに公営ギャンブルの凋落、伝統遊戯の減少、オンラインゲームの堅調という傾向で結んでいる。

遊戯といえば賭博、賭博といえば遊戯という時代がほとんどだった日本において、賭博に全く関心がないボードゲーム愛好者はどう位置づけられるだろうか。この問題が最後に残る。本書では戦後の高度成長期から、日本レクリエーション協会などによって余暇の問題が考察され、関心が高まったという。全く賭けないでコミュニケーションや勝敗を楽しむプレイヤーの増加は、余暇が市民権を獲得したことや、テレビゲームの隆盛が背景にありそうだが、ほかにも要因があるかもしれない。読者のみなさんはどう考えますか?

ライツ(Rights)

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取るべきか取らざるべきか

ライツ

カードをほかの人より多く集めることを目指すゲーム。オインクゲームズが『海底探険』に続いてゲームマーケットで発表した作品である。タイトルは「著作権」からで、ほかの人より多く集めた人が権利を取り、同じカードを集めているほかの人から収入を得られる。

自分の番には山札から1枚引き、手札からカードを1枚出す。ほしければ自分の前に置き、いらなければ左となりの人に渡す。となりの人はお金とともにカードを受け取るか、1金をつけてさらに左どなりの人へ。いわゆる『ゲシェンク』方式である。

カードを集めるゲームなのに、どうしていらない場合があるのかというと、ゲーム終了時の得点計算に理由がある。各種類ごとに、一番多く集めた人は、同じカードを集めている人からお金を取る。しかも、1枚につき2金(デザイン使用料だという)。そのため、1位を取れそうにないカードを受け取ると、マイナスになってしまう。ほかの人の状況と、自分の手札を見て、取るか取らないか大いに悩もう。

カードの総数は種類ごとに決まっていて、「5」のカードは5枚、「10」のカードは10枚。「5」のカードなら3枚集めた時点で1位確定だが、「10」のカードは3枚集めてもまだ分からない。

誰かが決められた枚数を取ったらゲーム終了。残った手札を自分の前に加え、種類ごとに枚数を数え、一番多く集めた人にお金を払う。お金のやりとりをして、一番多かった人が勝ち。残った手札を加えるというところがポイントで、一発大逆転もありうる。1位を取れそうにないカードを集めている人がいたら、同じカードが手札にいっぱいあると考えてよいだろう。

4人プレイで20分ほど。序盤に「5」のカードが3枚出てしまったので、「10」をめぐる攻防戦がメインとなる。みんなが「10」に熱中している間に、「7」や「8」といった微妙な枚数のカードを集めに走り、できるだけ場札に出さないようにして貯めこんだが同じことを考えている人がいた。1位タイではお金をもらえないというルールがあり、枚数がことごとくかぶって収入がほとんど入らず3位。「あれ? そういえば8が出てないですね」「誰か貯めこんでるんでしょ」などと探りを入れたりするのも楽しかった。

お金を支払うリスクを承知でカードを取るか、お金が入るように取りにいくか。左どなりの人が集めているカードが自分のところに回ってきたとき、止めるか渡すか。1位を取れなさそうなカードが回ってきたとき、お金がいくらついていればもらうとよいか。シンプルなルールの中にクニツィア的なジレンマが仕込まれている作品だ。

Rights
佐々木隼/オインクゲームズ(2015年)
3~5人用/9歳以上/10~20分

スピンデレラ(Spinderella)

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捕まりそうで捕まらない

スピンデレラ

上から降りてくるクモに捕まらないように、自分のアリ3匹をゴールまで進めるゲーム。2015年のドイツ年間キッズゲーム大賞を受賞した。2段になっているボードと、磁石を使ったギミックが子供心を誘う。作者は一風変わった作品で知られるフラガ。キッズゲームでも『ジャングルの秘宝』や『象のトランペット』など、記憶に残る作品を作っている。タイトルは「シンデレラ」と「シュピーネ(クモ)」を掛けあわせたもの。

下の段にはアリの巣があり、コースを通って果物のあるゴールを目指す。上の段には2匹のクモがおり、磁石と糸でもう1匹のクモ(スピンデレラちゃん)とつながっている。上の段の2匹に連動して、スピンデレラちゃんはアリを捕まえに行く。

自分の番にはダイスを3つ振る。緑のダイスでアリが出れば、白いダイスの数だけアリを進め、緑のダイスでクモが出れば、茶色いダイスの数だけクモ(上の段にいる2匹)を移動させる。

クモは1匹がスピンデレラちゃんの位置を、もう1匹が糸の長さを決めるというギミックになっている。狙ったアリをめがけてクモを降下させると、カチリ! 磁石でアリがクモに捕まるのだ。捕まってしまったアリはスタートへ。ほかのプレイヤーのアリを捕まえた人は、白いダイスの数だけアリを進めることができる。

アリは同じマスに入ると、来た順に積み重なっていく。『ウミガメの島』のようだが、下のアリは単に移動できない。その代わりクモが来たとき捕まるのは一番上だけ。クモに捕まるリスクを踏まえて、3匹のアリのどれを進めればよいか考えなければならない。

緑のダイスではもうひとつ、葉っぱの目があって、これが出ると切り株を移動できる。クモに捕まらないように自分のアリの上に切り株をのせるもよし、ゴール直前のほかのアリの上において足止めするもよし。切り株の上にアリがいれば一緒に移動するので、ゴール近くまでワープすることも可能だ(ただし切り株の上のアリはクモに捕まりやすいので注意が必要)。しかも葉っぱの場合は、アリかクモを移動することができる。葉っぱの目はとても嬉しい。

3匹のアリが最初にゴールした人の勝ち。「アリに捕まったクモはスタートへ」というルールで想像が付いたかもしれないが、大人だけ4人でやったら、当然足の引っ張り合いで30分かかった。こうなると、3匹同時にコースに出さず、1匹ずつ進めていったほうが確実である。最後は神尾さんの3匹目がゴール直前で捕まったすきに後ろから差して勝ち。

クモがアリを捕まえるかどうか(磁石にくっつくかどうか)が微妙なところがアナログの面白さだ。捕まるかと思ったらぎりぎりで踏ん張ったり、クモが揺れた弾みでとなりのマスのアリが捕まったりといったハプニングが楽しめた。

Spinderella
R.フラガ/ツォッホ出版(2015年)
2~4人用/6歳以上/20分
メビウスゲームズから発売予定

オランダゲーム賞(Nederlandse Spellenprijs)の審査委員会は11日、今年の大賞作品を発表した。5月に発表されていたノミネート作品2部門計6タイトルから、ファミリー部門は『宝石の煌き』、エキスパート部門は『コンコルディア』が選ばれた。

ボードゲームショップ店長、ボードゲームジャーナリスト、ボードゲーム関連団体のメンバーなど10名によって選ばれる賞。かつては大賞1タイトルのみを選んでいたが、一昨年から2部門に分けて大賞を発表している。受賞した『宝石の煌き』は昨年のドイツ年間ゲーム大賞ノミネート作品、『コンコルディア』は昨年のドイツ年間エキスパート大賞ノミネート作品。昨年の受賞作『クウィックス』と『アンドールの伝説』と同様の結果となっている。

授賞式は11月のアイントホーフェン・ボードゲーム祭にて行われる。

この賞の対象は過去1年間にオランダでリリースされた新作であるため、1年遅れでの受賞となった。両作品とも日本でも流通しているが、『宝石の煌き』はこれから日本語版が発売され、『コンコルディア』の日本語版はすでに入手難となっている。

Nederlandse Spellenprijs
TGiWレビュー:宝石の煌き
TGiWレビュー:コンコルディア

『宝石の煌き』日本語版、7月中旬発売

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ホビージャパンは7月中旬、話題の宝石コレクションゲーム『宝石の煌き(Splondor)』日本語版を発売する。M.アンドレ作、2~4人用、10歳以上、30分、5,000円(税別)。

昨年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされたほか、ゴールデンギーク賞・ファミリー部門大賞、オリジンズ賞・カードゲーム部門大賞(ともにアメリカ)、オランダゲーム賞・ファミリー部門大賞、日本ボードゲーム大賞・投票部門1位と国際的に高い評価を得ている作品。昨年11月に日本語を含む多言語版が発売されたが、ほどなく品切れとなっていた。

プレイヤーは商人ギルドの長となり、資産である宝石を使って鉱山に投資したり、自分の船を新世界へ送り出したり、優秀な職人たちを雇ったりしていく。最後は莫大な資産をもつ後援者を得て、栄光と名声を勝ち取る。

宝石や黄金のトークンを取り、このトークンで発展カードを購入。これが威信ポイントやボーナスになる。ボーナスによりその後の発展カードを安く購入できるようになったり、貴族の訪問を受けて威信ポイントになったりする。いずれかのプレイヤーが15威信ポイントを得た時点で、そのラウンドの終了時に最も威信ポイントの高いプレイヤーが勝者だ。

簡単なルールとプレイ時間の短かさに加え、プレイするたびに変わる深い戦略性で、1回プレイするとすぐにもう1回プレイしたくなる傑作ゲーム。日本語版の発売でやっと入手しやすくなった。

TGiWレビュー:宝石の煌き

テンデイズゲームズ(東京・三鷹)は15日、コミュニケーションゲーム『私の世界の見方』日本版について、第2回となるお題アイデアコンテストを開いた。制作日程の都合上、明日(17日)が〆切。

『私の世界の見方(Wie ich die Welt sehe...)』はスイスのゲーム。1人が読み上げた「お題カード」を聞いて、ほかの全員は相応しいと思う「単語カード」を手札から出す。誰がどのカードを出したのかわからないように混ぜてから発表し、選ばれた人には得点が入る。ランダムに1枚入るダミーカードを選ぶと失点になってしまうのがまた盛り上がる。

日本版の制作は2012年に発表され、第1回お題アイデアコンテストが開かれたもののその後難航。ようやく今年、発売の目処が立った。

日本版ではお題カード、単語カードともにいくつかローカライズされるが、お題カードのアイデアを募集している。1人5点まで、名前、ペンネーム・ハンドルネーム、連絡先メールアドレス、テンデイズゲームズにひとことと、単語カードに入っていたら面白いと思うものもあれば書いてメールで送る。審査の上、6月20日頃に入賞作品が発表され、日本版への収録と、商品発売時に商品が進呈される。

第1回は「専業主婦の母親が突如ブログを公開。そのタイトルは○○。」「近所のスーパーの名物○○の詰め放題」「面接にお越しいただく際、筆記用具の他に◯◯をお持ちいただき、受付にお渡しください。」「私のお婆ちゃんがツイッターでつぶやいた。−○○なう」が受賞し、日本版に収録されることになっている。

詳しい応募要領や送り先のメールアドレスは下記のリンクを参照のこと。タイトな日程だが、急いで応募してみよう。

Daily Life is a game:急遽開催!第二回「私の世界の見方:日本版」発売記念!お題アイデアコンテスト!

カタン・リキシャラン

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コスモス社(ドイツ)は、『カタン』発売20周年を記念して4月に、インド北部をリキシャーで横断するプロジェクト「カタン・リキシャラン」を行った。チャイルドエイドの寄付金募集を行い、2700kmを走破した。

リキシャは日本語の人力車を語源とする電動三輪車で、インドでは2人乗りのタクシーとして全国的に利用されている。このリキシャに、カタンのロゴをラッピングし、コスモス社の社員2人が運転して、パキスタンに近いジャイサルメールから、ジャイプール、アグラ、ヴァラナシ、パトナーを通って、バングラデシュに近いシロンまでを走った。

道中はガソリンや食料の調達だけでなく、道路の悪状況や砂嵐にも悩まされたが、2週間をかけて無事完走。コスモス社によれば、期間中に募集されたチャイルドエイドでは、15000ユーロ(200万円)の寄付金が寄せられたという。

Catan Rickshaw-Run 2015
Kosmos Verlag:CATAN Rickshaw Run
Stuttgarter Nachrichten.de:Im Dreirad quer durch Indien

Posted by Catan on 2015年4月15日

ザ・ゲーム(The Game)

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どんどん息苦しく

ザ・ゲーム

1~100までの数字を昇順・降順に並べて出しきることを目指す協力カードゲーム。小箱ながら2015年のドイツ年間ゲーム大賞でノミネートされている。ドイツ年間ゲーム大賞では、同じデザイナーと出版社による『クウィックス』が2年前にノミネートされたばかり。アミーゴ、コスモスなど、このサイズの小箱を製造している出版社の中で、急速に注目を集めている。

場札は4列あり、1から数字を上げていく列が2列、100から数字を下げていく列が2列ある。自分の番になったら、手札からカードを2枚以上出し、手札を6枚まで補充する。2枚は、同じ列に置いても、別々の列に置いてもよい。列によって、前に置かれたカードより数字が大きく(小さく)なるように置かなければならない。

1つ例外があって、それは前のカードよりちょうど10の差であれば、数字を戻せる。例えば1→6→10→15→22と来たとき、その後に12を出すことができる。この場面をできるだけたくさん作ることが重要だ。列が最後まで行ってしまうと、その列はもうカードが置けなくなり、どんどん苦しくなる。このようなカードを出せるチャンスを決して見逃してはならない。

プレイヤー同士の相談は、カードの数字をいわなければよい。「この列、できれば待ってもらえますか」「こちらの列はそのままにしておいたら、良いカードが出せます!」

山札がなくなったら補充なしで続け、できるだけ手札を多く置けるように頑張る。誰か1人が、どの手札も置けなくなったらゲームオーバーで、全員の手札枚数(+残っていたら山札の枚数)だけ失点となる。10枚以下で終えれば成功、全部置ければパーフェクトゲームという判定である。

4人プレイで30分くらい。10戻せるカードのチェック、3枚以上出せないかのチェック、前に出たカードを見て、絶対出てこない数字のチェックなど、考え始めると考えることが多い。特に10戻せるカードを1回でも見逃すと致命的な状況になるので、列の動向から目が離せなかった。序盤は順調で、もしかしたらパーフェクトゲームかと思われたが、終盤は手札も少なくなるため、数字がどんどん飛ぶ。今回は残り3枚でゲームオーバー。一応合格だがなかなか悔しい。

難易度の調整は手札と、毎手番出すカードの枚数を変更する。手札が少なくなり、手番に出さなければならないカード枚数が増えるとどんどん難しくなる。より先の先を読まなければならなくなるだろう。

The Game
S.ベンドルフ/ニュルンベルガーシュピールカルテン(2015年)
1~5人用/8歳以上/20分

LOGY GAMESは5月から1ヶ月にわたり、2人用アブストラクトゲーム『スカイスクレイパーズ』のオンライン&実プレイプロジェクトをキックスターターで行っている。30ドル以上の出資で製品版、100ドル以上でセラミック製版が送られる。6月17日まで、目標額50,000ドル。

LOGY GAMESは2人用アブストラクトの手焼きタイル製ゲームに特化した独特な路線の創作ゲームサークル。ゲームマーケットだけでなく、エッセン・シュピールにも出展している。

今回のプロジェクトは『スカイクレイパーズ』というボードゲームを使ってオンラインプレーと実プレーを楽しめるコラボレーション型のサービス。ゲームボードは自分でデザインできるようになっており、めいめいのボードデザインを登録して世界中の人がプレーを楽しめる仕組みを作るという、今までに類のない参加型のゲームエンターテインメントとなる。出資前に、ウィンドウズでプレイできる体験版が無料でダウンロードできるので試してみよう。

キックスターターはクラウドファンディングの最大手。英語ページということもあって国産作品のプロジェクトは珍しいが、操られ人形館の『The Majority』英語版が昨年秋に目標10,000ドルを達成して製品化されている。

Logy Games:Sky Scrapers Project

金沢ボードゲームマーケット、8月9日

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8月9日(日)、もてなしドーム内地下イベント広場(金沢駅東口前)にて、金沢ボードゲームマーケットが開かれる。11~16時、入場無料。

昨年7月に行われ、500名以上を集めた北陸ボードゲームフリーマーケットから1年。北陸新幹線が延伸したばかりの金沢駅前でボードゲームマーケットが開かれる。今回は新作ゲームがメインで、中古ゲームは入札形式で取引される。

出展するのは名古屋のボードゲーム専門店ゲームストア・バネストをはじめ、北陸で活動するちゃがちゃがゲームズ(福井)、大門さいころ倶楽部(富山)、関東・関西の同人ゲームサークルなど。ゲームマーケット東京・ゲームマーケット大阪の常連が並ぶ。

このほか、ご当地イベントとして『ごいた』の体験会や限定カード版の頒布や、中古ゲームの入札が行われる。中古ゲームは予め出品リストが公開されており、当日、用紙に入札金額などを記入して投函し、最も高い金額を付けた人が落札する。昨年の北陸ボードゲームフリーマーケットでは、中古ゲームを買い求める長い列が生まれたが、この仕組みにより、会場内を回ってゆっくり遊べそうだ。

金沢ボードゲームマーケット

オリジンズ賞2015に『宝石の煌き』ほか

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アドベンチャーゲーミング・アーツ&デザイン・アカデミー(The Academy of Adventure Gaming Arts and Design)はアメリカ・ゲームメーカー連盟(GAMA)は7日、アメリカのオハイオ州コロンバスにて開かれたオリジンズ・ゲームショーにて、第41回オリジンズ賞を発表した。

毎年3月のトレードショーでボードゲーム小売業者の投票によって選ばれたノミネート作品が4月に発表され、その中から一般投票によって各部門の大賞が選ばれている。今年はボードゲーム、カードゲーム、キッズ・ファミリー・パーティ、TCG、アクセサリー、歴史、歴史ミニチュア、歴史ミニチュアルール、歴史ミニチュアサプリメント、ミニチュア、ミニチュアルール、RPG、RPGサプリメントの13部門。

ボードゲーム部門で大賞に選ばれたのは『ノッティンガムのシェリフ(Sheriff of Nottingham)』。ブラジルのデザイナーが制作した『手荷物検査(2006)』のリメイクで、門番をしているシェリフの目をかいくぐって商品を販売する。

またカードゲーム部門では『宝石の煌き(Splendor)』、キッズ・ファミリー・パーティ部門には『ウサギとカメ』が選ばれている。いずれもフランスのゲームで、日本でも流通している。

このほかにオリジンズ・ゲームショーではお気に入りゲーム投票も行われた。ボードゲーム部門では『デッド・オブ・ウィンター(Dead of Winter)』、カードゲーム部門では『スターレルム(Star Realms)』、ファミリー・パーティ・キッズ部門では『グラヴウェル(Gravwell: Escape from the 9th Dimension)』が選ばれている。

【第41回オリジンズ賞】(ボードゲーム関連のみ)
(ボードゲーム関連のみ)
ボードゲーム部門
大賞:ノッティンガムのシェリフ(Sheriff of Nottingham / アルケインワンダーズ)
ノミネート:アビス(Abyss / アスモデ)、五つの軍隊の戦争(The Battle of Five Armies / アレスゲームズ)、キャッシュ&ガンズ第二版(Cash n Guns 2nd Edition / ルポ)、デッド・オブ・ウィンター(Dead of Winter: A Crossroads Game / プレードハットゲームズ)

カードゲーム部門
大賞:宝石の煌き(Splendor / アスモデ)
ノミネート:星々のあいだで(Among the Stars / ストロングホールド)、リンコ!(Linko! / ラベンスバーガー)、スターレルム(Star Realms / ホワイトウィザード)、スシゴー!(Sushi Go! / ゲームライト)

ファミリー・パーティ・キッズ部門
大賞:ウサギとカメ(The Hare and the Tortoise / イエロ)
ノミネート:アーチャー(Archer: The Danger Zone! Board Game / クリプトゾイク)、グラヴウェル(Gravwell: Escape from the 9th Dimension / リネゲイド)

The Academy of Adventure Gaming Arts & Design:Origns Award Winners 2015

『ドラコン』日本語版、7月18日発売

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ドラコン日本語版アークライトは7月18日、竜の棲み家から財宝を持ち帰るボードゲーム『ドラコン(Drakon)』第4版の日本語版を発売する。T.ジョリー作、2~6人用、14歳以上、20~60分、4,800円(税別)。

オリジナルは2001年にファンタジーフライトゲームズ(アメリカ)から発売された作品。2004年にポーランド年間ゲーム大賞を受賞している。版を重ねて今年、第4版が同社より発売されるのに伴い、日本語版の発売が決定した。

財宝を求めて竜の棲み家に忍び込んだ英雄たち。しかし、そこに住みつく古竜ドラコンに捕らえられてしまった。ドラコンは英雄たちをすぐに食ってしまうより、ただひとりだけを助けるという残酷で貪欲なゲームを開くことを選んだ。迷宮から最初に10ゴールドを持ち帰ったものだけが開放され、残りはドラコンの昼飯となる。

プレイヤーは手番に「部屋の配置アクション」か「移動アクション」を行う。「部屋の配置アクション」ではプレイヤーの手札から部屋タイルを配置し、「移動アクション」では自分の英雄コマを、隣接する部屋タイルへ移動させる。部屋タイルの多くには、特殊な効果がアイコンで指定されており、金貨を得たり失ったり、妨害を受けたりする。

オプションルールを追加することで、短時間戦やチーム戦も可能。スピーディーに展開するダンジョンで宝探しを楽しもう。

play:game評価コメントリスト:ドラコン

ブルームサービス(Broom Service)

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急がば回れか、善は急げか

ブルームサービス

魔法のポーションをあちこちのお城に届ける配達ゲーム。名作カードゲーム『魔法にかかったみたい(2008年)』のリメイクながら、今年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた。ほかのプレイヤーとかぶらないようにカードを選択する読み合いを、ゲームボードを使って可視化したものである。

『魔法にかかったみたい』は、全員同じ内容のカード12枚から5枚を選び、そのカードを使って魔法の材料を集めたり、集めた魔法の材料で飲み物を作ったりしていき、出来上がった飲み物の点数を競うゲームだった。トリックテイクのシステムを応用しており、同じカードを選んだ人は出さなければいけない。カードを出すとき、効果の強いほうと弱いほうを選ぶことができ、強いほうは後の人が同じカードを出すと何もできなくなるが、弱いほうは確実にできる。どちらを選ぶか、ほかの人の状況をよく見て考えるところが面白さである。

『ブルームサービス』もこのシステムを踏襲しており、全員同じ内容のカード10枚から4枚を選ぶ。そのカードを使って飲み物を集め(こちらはすでに完成している設定)、近隣のエリアに移動し、そのエリアにある塔に届ける。雲があるエリアには入れないので、「雲の精」というカードで取り除かなければならない。同じカードがあれば出すところも、効果の強いほうと弱いほうを選ぶところも同じだ。

違いはゲームボードにある。ゲームボード上には自分のコマが2つあり、これが「魔女」というカードで移動していく。森、山、丘、畑、湖という5つの地形があって、湖以外、それぞれ対応する魔女カードがある。カードを選ぶとき、ほかのプレイヤーがどのエリアを目指しているか、コマの位置で推し量ることができる。少なくとも、後のプレイヤーが移動しないはずの地形があれば、その魔女を効果が強い方で出してもよいだろう。また、各エリアにある塔は配達できる飲み物の色が指定されているので、手持ちの飲み物を見ればどこに配達に行きたいかも読める。

アクションはトリックテイクのように、スタートプレイヤーが1枚カードを出して効果を選び、時計回りにほかのプレイヤーも同じカードをもっていれば出して効果を選ぶ。もっていなければパス。効果の強いほうを実行できた人が次のスタートプレイヤーとなる。最後に出す番であれば、もう覆されないから効果の強いほうを確実に実行できるが、最後から2番目だと微妙なところだ。「こんなアクション、するつもりないでしょ?」「ざまあ!」

飲み物を配達するたびに得点が入り、最後に除去した雲の数や手元に残った飲み物などでボーナスが入って合計の多い人が勝つ。

『ブルームサービス』の新しいところとして、毎ラウンドはじめにめくられるイベントカードがある。「このラウンドの最後にこの地形に自分のコマがあったらマイナス点」「選べるカードを減らすと得点」など、戦略に大きな影響を与える。さらに選択ルールで、雲や、各地形に置かれているチップで特殊効果が発生するルールもある。

4人プレイで90分。ボード上を見ると、とても点数の高い塔(ボード右上の緑の7点)があるのでとりあえずそこを目指すことにした。幸い誰とも競合せず早い段階でその塔に到着し、ほとんど移動せずに飲み物を手に入れては配達する体制を築いた。強いほうの効果や雲の特殊効果で得点を増やして1位。『魔法にかかったみたい』よりもカードが少ないためにバッティングしやすくなっており、その分考えることが多い。弱い効果で着実にいくか、勇気を出して強い効果を選ぶかが常に悩ましい。

Broom Service
A.ペリカン/アレア(2015年)
2~5人用/10歳以上/45~75分

ニューゲームズオーダーはゆかいなさかなと共同で8日、R.クニツィアのカードゲーム『ペンギンパーティ(Pingu-Party)』日本語版を発売した。デザイン・タンサンファブリーク、イラスト・goo氏、2~6人用、6歳以上、15分、1500円。

2008年にアミーゴ社(ドイツ)から発売され、ドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに選ばれた作品。2012年にオインクゲームズがテーマを変更し『さるやま』というタイトルで国内発売しており、子どもから大人まで楽しめる作品として定評がある。

ペンギンたちのピラミッドで、自分の手札にあるペンギンを出してできるだけたくさんのせることを目指す。ペンギンをピラミッドにのせるには、下の段の色と同じでなければならず、出せるペンギンはだんだん少なくなっていく。カードを出せなくなったら手元に残ったカードの枚数分、マイナスポイント。逆に手札をすべて出し切ることができれば、引き取ったマイナスポイントを返すこともできる。自分の手札を見ながら、どの色を先に出していくか考えるのが楽しい。

ゆかいなさかなは千葉・木更津の木のおもちゃ屋さんで、日本語版制作は昨年秋の『ゆかいなふくろ(Absacker)』に続いて2タイトル目となる。ボードゲームを幅広く扱っているが、特に低年齢の子どもと遊べるゲームが人気のお店だ。ニューゲームズオーダーとの共同制作は『ゆかいなふくろ』でのコラボがきっかけだという。タンサンファブリークとgoo氏のアートワークで、オリジナルとは違った賑やかな雰囲気となっている。

B2FGames:ペンギンパーティ日本語版を、ゆかいなさかなさんとのコラボ製品として発売します。

AERAウィズキッズにボードゲーム特集

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6月5日発売の季刊誌AERAウィズキッズ(朝日新聞出版)15夏号に、「ボードゲーム&カードゲームは賢い子を育てる」という8ページの特集記事が掲載されている。

AERAウィズキッズは、主に小学生の親を対象にした子育て情報誌。特集の冒頭では女流棋士の北尾まどか氏と、学習塾長の宝槻泰伸氏が登場し、ボードゲームが考える力などを養うと語り、これを「子どもにいい5つの理由」としてまとめる。

次は「"灘高脳"を作ったのはゲームだった!」というコーナーで、兵庫・灘高校の生徒がゲームにハマった理由を語る。ここではポケモンカードゲームや将棋・トランプと並んで、『ブロックス』や『アルゴ』が紹介されている。「ゲームと算数は頭の動かし方が似ている」とも。これをうけて、ゲームで算数が強くなる理由としてひらめきや戦略などが上げられている。

しかしここで「"知育教材"として与えるのはNG!」という注意書き。NPOゆうもあの一階良知理事長が「親が子どもと真剣に遊んでこそ、子どもにもその楽しさが伝わります」と説き、親がルールをわかりやすく説明して一緒に楽しむことを勧める。初心者は「ゲームソムリエ」に遊び方を習うのもよいとして、大阪・日本橋のキウイゲームズと全国5会場のゆうもあゲーム会が紹介されている。知育効果ばかり強調されがちな子育て情報誌で、愛好者の視点が付け加えられているのが素晴らしい。

最後に「小学生におすすめのボードゲーム&カードゲーム」として10タイトルを見開き紹介。『ドブル』『ワードバスケット』から『チーキーモンキー』『ウミガメの島』まで、楽しめる年齢・難易度付きで挙げられ、メビウスゲームズ、すごろくや、テンデイズゲームズ、ゲームストア・バネスト、アマゾンなどで買えること伝える。

また、同日発売の『プレジデントFamily』7月号でも、「最新知育グッズ」として2ページ、ボードゲームが紹介されている。こちらもNPOゆうもあの一階理事長が選者で、『パンデミック』『ドミニオン』『カタンの開拓者たち』『宝石の煌き』などの対象年齢が高めのゲームが紹介されている。「世界の主要都市の知識が身につく」「計画的・効率的な買い物方法を学習」「サイコロの目の和の確率分布を体感」など、それぞれのゲームについて知育効果も謳われている。

ここで紹介されたゲームを中心にチョイスし、夕食後のちょっとしたひとときや、親戚の子供が遊びに来る機会などに遊んでみるのもよいだろう。

Q96:ゲームマーケットで最も注目しているものは?

A.輸入新作ゲーム 59票(39%)
B.同人ゲーム 60票(40%)
C.中古ゲーム 32票(21%)

昨日当サイトで発表した国産新作評価アンケート結果では、投票者数が2014年の春(289名)から20票ほど減少していました。Googleフォームを導入したことでGoogleアカウントが必要になり、投票しにくくなったことが主原因と考えられますが、この減少を同人ゲームへの関心が下がったのではないかと見る方もいらっしゃいました。

アンケートでは、輸入新作ゲーム:同人ゲーム:中古ゲームの関心はおおよそ、2:2:1となっています。3年前の春に同じアンケートを行いましたが、そのときは同人ゲームが輸入新作ゲームを7ポイント上回っており、確かにわずかながら輸入新作ゲームに関心が移っている状況です。とはいえ、大きな変化ではありません。欧米で発売され、日本にもたらされるゲームと同じくらいの注目が、同人ゲームに集まっているわけです。

先日のエッセイ「ゲームマーケットのジレンマ」で書いたように、ゲームマーケット限定発売でないゲームが増えています。そのためレア度というバイアスなしに、同人を含む国産ゲームが輸入ゲームと比肩し、何かにつけて比較されるようになりました。同じ土俵に立ったこれからが正念場といえるでしょう。

6月のアンケートは、ドイツ年間ゲーム大賞の予想です。先月発表された3タイトルのノミネートの中から、7月6日に大賞が発表されます。国産の『街コロ』が選ばれるのかどうか期待がかかるところですが、日本人の期待は一旦わきにおいて、審査委員になったつもりで、最も大賞を取りそうなものをお選びください。

ドイツ年間ゲーム大賞選考委員会は8日、ハンブルクにてドイツ年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)の発表と授賞式を行った。先月ノミネートされていた3タイトルの中から、『スピンデレラ(Spinderella)』が大賞に選ばれた。日本国内ではメビウスゲームズからまもなく一般発売される予定。

クモに捕まらないように、アリたちがゴールを目指すゲーム。フランス人デザイナーのR.フラガの作品で、今年ツォッホ社から発売された。自分の3匹のアリをゴールに向かって進める一方、2匹のクモの兄弟であるロベルトとクラウスが、上で待ち構えており、妹のシンデレラを糸にぶら下げて森に下ろし、アリを捕まえにくる。シンデレラには磁石がついており、その下にいたアリが捕まってしまう。切り株を上手に使ってクモがこないようにしたいが、切り株はコースを邪魔するものにもなる。

審査委員会は、二段になったボードのメカニズムと磁力で、古典的なすごろくゲームに新たな地平を開いたと評価し、ほかのプレイヤーを邪魔するか、ゴールを目指すかという選択肢に、素晴らしいコンポーネントがマッチしており、ギミックだけではないとしている。ツォッホ社が受賞するのは2011年の『カラフルミミズ』以来4年ぶり2回目。R.フラガは『マーレ・ポラーレ(Mare Polare、2004)』『言うとおり描いて!(Gesagt - getan!、2007)』の2回のノミネートを経て初の大賞受賞となった。このゲームは、ベッドで寝ているときに上からクモが降りてきてひらめいたという。

本賞とエキスパートゲーム賞の発表と授賞式は7月6日、ベルリンで行われる。

Spiel des Jahres:"Spinderella" ist das Kinderspiel des Jahres 2015
ふうかのボードゲーム日記:スピンデレラ

TGiWアンケートロゴ東京ビッグサイトにて5月5日に行われ、8,500名が参加したゲームマーケット2015春。国産ボードゲームの新作発表数は212タイトルにのぼりました。その中でどの作品が面白かったか、当サイト恒例の新作評価アンケートを約1ヶ月間にわたって実施しました。

各ゲームの5段階評価を、とても面白い=5~全く面白くない=1として数値化し、平均の高かった順に並べたものが以下のランキングです。右の数字は評価数を表しています。総投票(269票)の約1割にあたる27票以上を掲載しました。

評価平均で1位はたけのこ攻防の2人用陣取りゲーム『スチームウォーズ』。ヘックスのボードをロボットが移動し、歯車タイルを置いて陣地を広げていくゲームで、前回のゲームマーケットでの試作版から満を持して製品版になったものです。2位はOKAZU Brandの『ミネルウァ』。ギリシャを舞台に、縦横にタイルを並べて街を作るゲームで、評価数でも5位に入りました。3位の『ドラゴン』はHOY GAMESの作品で、ドラゴンを育てて戦わせるゲームです。

評価数最多はオインクゲームズの『ライツ』でした。規定投票に届かなかったものの評価が高かったのは『横暴編集長(プロディジ)』、『My Fair Princess(ManifestDestiny)』『パクパクパーク(カワサキファクトリー)』、『Quadra(吉々庵)』『ボードライナー(篠原遊戯重工)』などです。

アンケートに投票頂いた皆様、ご協力ありがとうございました。

【ゲームマーケット2015春新作評価(評価平均/評価数)】
1.スチームウォーズ(E15 たけのこ攻防) 4.15/34
2.ミネルウァ(Minerva)(B17 OKAZU brand) 4.11/54
3.ドラゴン(J06 HOY GAMES) 4.00/32
4.しまんちゅ(I10 イリクンデ) 3.92/53
5.ゲット☆スイートラブ(E07 しらたまゲームス) 3.90/39
6.Eight Epics(F15 カナイ製作所) 3.83/41
7.ゴー・ダッ・チーズ(B17 OKAZU brand) 3.82/44
8.ひとひら(G17-18 桜遊庵) 3.79/66
9.ピクテル(B19 ボドゲイム) 3.78/54
10.原始人の晩餐(B05 TAGAMIGAMES) 3.76/34
11.ワトソンの条件(D29 3D6) 3.73/40
12.マスターレス人狼(J35 TSUTTE!) 3.71/31
13.ポケット&ビスケット(J38 米光と優秀なゲームデザイナーズ) 3.67/39
14.神九(D05 緋色の兎亭) 3.67/36
15.きょうあくなまもの(C02 Studio GG) 3.67/27
16.じょだんじょ!(F25-26 MoBGAMES) 3.65/34
17.ブレーメンズ(G19-20 大気圏内ゲームズ) 3.58/73
18.ひらがなセンテンス(I06 YACO PRODUCTS) 3.56/39
19.酔いどれメデューサ(F17 こっち屋) 3.56/27
20.フラムルルイエ(A32 BakaFire Party) 3.33/45

【ゲームマーケット2015春新作評価(評価数)】
1.ライツ(A30 オインクゲームズ) 77
2.ブレーメンズ(G19-20 大気圏内ゲームズ) 73
3.ひとひら(G17-18 桜遊庵) 66
4.猛牛が倒せない(I05 こたつパーティー) 63
5.ミネルウァ(Minerva)(B17 OKAZU brand) 54
6.ピクテル(B19 ボドゲイム) 54
7.しまんちゅ(I10 イリクンデ) 53
8.猿道(A43 ワンドロー) 52
9.俺の街~Ore City~(H29 Wisteria) 50
10.フラムルルイエ(A32 BakaFire Party) 45

年齢:10代1%、20代33%、30代48%、40代16%、50代2%、60代0%
性別:男90%、女10%
居住地:北海道・東北3%、関東52%、都内22%、東海・近畿16%、信越・北陸2%、中国・四国3%、九州・沖縄2%
今回のゲームマーケットへの参加:参加82%、不参加18%

→過去のゲームマーケット新作評価アンケート結果:2005200620072008200920102011春2011秋2012春2012秋2013春2013秋2014大阪2014春2014秋2015大阪

先月5日に東京ビッグサイトで行われ、過去最高の8500人が参加した「ゲームマーケット2015春」。212タイトルの国産新作が発表されました。その翌々日から、当サイトで行っている「国産新作評価アンケート」が、本日〆切となります。プレイしたボードゲームがある方で未投票の方はお忘れなく投票にご協力お願いします。

対象となっているのは先月のゲームマーケットで新たに発売された国産のボードゲームです。年齢・性別・居住地・ゲームマーケットの参加の有無のみ必須項目です。結果発表は、近日中に当サイトで行います。

Googleフォーム:ゲームマーケット2015春国産新作アンケート

アークライトは7月11日、協力型ファンタジーボードゲーム『アンドールの伝説』の拡張セット『新たなる勇者たち(Neue Helden)』を発売する。M.メンツェル作、1~6人用、10歳以上、60~90分、3,000円(税別)。プレイするためには『アンドールの伝説』本体が必要。

2014年にコスモス社(ドイツ)から発売された拡張セット。『星の盾』『北方への旅立ち』に続く第3弾となる。この拡張セットには、これまでのシリーズでは登場しなかった勇者たちが収録されており、最大プレイ人数を4人から6人に増やすことができる。新たに収録された勇者たちは「河畔の番人」、「南の森の追跡者」、「<嵐の谷>のタル族」、「闇の文書館の守護者」の4人。それぞれバラエティに富んだ能力を盛っており、今までとは違うパーティーでアンドールの世界を冒険できる。

さらに「絆の盾」「酔いどれトロール」「水の精」「早起き鶏」などのゲームバリエーションが収録されており、ゲームの難易度を変えることができる。これらの要素を好みで加えて、今まで遊んだ物語を再プレイするのも楽しいだろう。

アンドールの伝説:新たなる勇者たち(コンポーネント)

3人で遊ぶ、入口に戻るという選択

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4人よりも3人のほうが楽しいボードゲームが増えてきたと感じたことはないだろうか。原因として考えられるのは、インタラクションの減少、人数別コンポーネントの調整もあるが、私にとっては所要時間が一番大きい。

1人30秒なら3人プレイで待ち時間は1分、4人プレイで1分半。これくらいならあまり差を感じないが、1人1分だと3人プレイで2分、4人プレイで3分。それ以上かかると「クソゲー」(トイレで大をしてきてもまだ自分の手番でないゲーム)だ。3人でプレイ時間が2時間のゲームだったら4人だと3時間近くなる。休憩なしでぶっ続けで遊ぶにはつらくなり始める時間だ。それだけ、選択肢の多いゲームが増えてきたということだろう。

ボードゲームの二極化は、ミニマルでライトなゲームと、重厚長大なゲームの両極端を生み出した。そしてゲーマーは重厚長大の極端の中で、さらに極端なものを求める。このニーズに応えるかたちでどんどん複雑なゲームが生まれ、評価されているのが現状である。

年のせいかもしれないが、そのようなゲームを遊んでいると人間の処理能力を超えていると思うことが私にはしばしばある。多様な選択肢があり、そのどれを組み合わせれば一番勝利に近いのかを、ほかの人の状況も踏まえながら判断していかなくてはならない。脳汁が出まくるのは確かだが、終わった後、心地よいとはいえないぐらい疲れが残ることもある(そりゃ年のせいだと言わないで!)。

「気にすんな お前が弱いんじゃねえ ゲームが難しすぎるんだ」(伊達臣人)

こんな重ゲーリタイヤ気味は私だけかと思ったら、E.マーティン氏もそうだと聞いて安心した。概要を聞いてどんなゲームかをレポートするだけで、『カヴェルナ』も『テラミスティカ』も遊んだことはないという。

そのような重ゲーリタイヤ気味として注目しているのは、ドイツ年間エキスパート大賞ノミネート作品だ。この賞は2011年から始まって今年で5年目を迎えるが、当初からエキスパート/フリーク/ゲーマーの入口にいる人を対象としている。本当のエキスパート/フリーク/ゲーマーは自分で選べるでしょ?というスタンスである。そのためロシアンレールロード、テラミスティカ、祈り働けは推薦リスト止まりだ。

フリークの世界にいる人たちが、入口まであえて戻ってみると、そこにはほどほど遊びやすい作品が待っている。ブルームサービス、エリジウム、オルレアン。今年もノミネート3作を、全部遊んでみるつもりだ。

ホビージャパンは6月下旬、ゲームマスター・脱落者なしの人狼系ゲーム『レジスタンス』の拡張セット『極秘任務(Hidden Agenda)』と『敵対意思(Hostile Intent)』日本語版を同時発売する。D.エスクリッジ作、5~10人用、13歳以上、30分、各1,500円(税別)。プレイするには『レジスタンス』本体が必要。

どちらもインディー・ボード&カード(アメリカ)が2014年秋に発売した作品。『極秘任務』は3つの新ルールを加える。政府データベースへのアクセスができるレジスタンス司令を暗殺することを目指す「暗殺者」、いずれの側に立つか、葛藤し続ける「離反者」、政府に紛れ込んだスパイをあぶりだす「罠」を導入できる。

『敵対意思』も3つの新ルールを加える。ミッションの成否だけではなく、敵指導者を無力化する特定の個人を狙う「監察」、至難のミッションを成功させたり、逆に成功がなかったことにされたりする「裏切り者」、追及して真実を語らせる「審問官」を導入できる。

これらのルールは好みによって自由に組み合わせられるので、遊ぶたびにさまざまな展開を楽しめるだろう。このところ『レジスタンス:アヴァロン』ばかり遊んでいるという方も、この機会に『レジスタンス』を遊び直してみてはいかが。


ずるいキャラクターたち

マルコポーロの足あと

13世紀に24年かけて15000㎞を旅し、『東方見聞録』を著したマルコ・ポーロ(1254-1324)の仲間となって、イタリアから中国に至る数ルートをたどり、交易品を集めたり、たくさんの都市を訪れたりして手柄を立てるボードゲーム。『ツォルキン:マヤ神聖暦』のデザイナーコンビが今年リリースし、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞の推薦リストに選ばれるなど高い評価を得ている。ダイスを配置してアクションを行う「ダイス・プレイスメント」がメインだが、各プレイヤーに最初から与えられている特殊能力が半端ない。

全員がダイスを振り、順番に配置してアクションを行う。アクションは6つあり、それぞれ必要なダイス個数や出目が異なる。通常のワーカープレイスメントと比べて、空いているスペースがあるからといっても、よいダイス目がなければそのアクションができない。

一方、ほかの人がすでにダイスを置いてしまったアクションでも、ダイス目分だけお金を支払えば置くことができる。そのため出目が大きければ大きいほどよいというわけでもないが、アクションによっては大きな出目を必要とするところもある。小さい目から大きい目まで一揃いあるほうが選択が楽である。

アクションは収入を得る、市場で商品やラクダを得る、契約カードを得る、移動するの4つがメイン。得点に結びつくのは主に、契約カードに指定された商品やラクダを揃えるか、移動して目的カードに指定された都市をできるだけ多く回ることである。どちらかに特化すればいいわけではなく、ほかのアクションをうまく組み合わせて両立させなければ勝つことができないだろう。

通常のアクションのほかに、ラクダを支払ってダイスを振り直したり出目を上下したり、ダイスを増やしたりすることもできる。ここぞというところで使いたい。

ここまではオーソドックスな作りで、ダイス・プレイスメントも『トロワ』(2010年)という作品がすでにある。この作品の新しいところは、最初に各プレイヤーに配られるキャラクターカードである。これが信じられないくらいに強い。

シーア派の指導者ラシード・ウッディーン・スィナーンは何と、ダイスを振らない。置くときに好きな目にすることができる。マルコ・ポーロの叔父マテオ・ポーロはダイス1個と毎回契約がもらえ、クビライの兄ベルケ・ハーンはダイスを置くときお金を払わなくてよい。クビライ・ハーンに至っては、目的地である北京に、最初からいる。これらのキャラクターに沿って戦略を組み立てたい。

3人プレイで2時間ほど。私はマテオ・ポーロでコツコツ契約を達成していたが、商品を集めるのに力を入れすぎて旅行がおろそかになり最下位。聞くところではマテオ・ポーロはプレイが結構難しいという。勝者はベルケ・ハーンを駆使してヴェネツィアから北京を往復したcarlさん。このキャラクターだったら次はこうしようというのがそれぞれのキャラクターについて考えてしまう、研究しがいのある作品である。

Auf den Spuren von Marco Polo
S.ルキアーニ、D.タスキーニ/ハンス・イム・グリュック(2015年)
2~4人用/12歳以上/40~100分

6月3日(水)から、日本橋三越本店7階「はじまりのカフェ」にて、展示販売とトークショーのイベント「はじめてのボードゲーム」が行われる。10~19時(最終日18時)、9日(火)まで。参加無料。

ホビージャパンが取り扱っている輸入ボードゲームから、ドイツ年間ゲーム大賞で大賞・ノミネート・推薦に選ばれた日本語版タイトルを中心に展示販売が行われる。

また、『ラブレター』のデザイナー、カナイセイジ氏のトークセミナーが3日16時半から、『チケットトゥライド』『ディクシット』『花火』『アクエリアス』日本語版のワークショップ(体験会)が6日と7日の14時/16時から行われる。こちらは要予約。

「はじまりのカフェ」は、三越本店が昨年オープンした複合型コンセプトショップ。飲食も楽しめるオープンなスペースで、料理や手芸などのワークショップが日替わりで開かれている。

Dream News:日本橋三越本店 本館7階 はじまりのカフェ ゲートA「はじめてのボードゲーム」 展示・販売・トークセミナー6月3日(水)~9日(火)開催

ホビージャパンは6月下旬、協力ゲーム『パンデミック』のカードゲーム版『パンデミック:接触感染(Pandemic: Contagion)』を発売する。C.グレイソン作、2~5人用、13歳以上、30分、3,000円(税別)。拡張セットではないため、単独でプレイ可能。

我は人類を脅かす病原体である。治療法はまだない。
長きにわたり、人類は病原体による疾病に悩まされてきた。その果てに人類は治療薬を開発し、地上から病原体を一掃する手段を手に入れた。そして今、再び病原体の脅威が人類に襲いかかろうとしている。君達は病原体となり、人類を恐怖のどん底に陥れることができるだろうか?

人類を脅かす病原体から世界を救う協力型ボードゲーム『パンデミック』から、カードゲームが生まれた。オリジナルは2014年にズィーマンゲームズ(カナダ)から発売され、今年ドイツ語版とともに日本語版が発売されることになった。ダイスゲーム版の『パンデミック:完全治療』と同じ時期の発売となる。

ゲームのテーマはボードゲーム『パンデミック:新たなる試練』と同じだが、立場が180度変わって、各プレイヤーが世界中に蔓延する凶悪な4種類の病原体の1つとなり、人類と戦うことになる。

各プレイヤーは自らの病原体を「潜伏」、「感染力」、「抵抗力」といった3つの要素で変異させ、世界中の都市に感染していく。プレイヤーたちに立ちはだかる「イベントカード」や「WHOカード」といった、人類のささやかな抵抗をかわしつつ、最終的に人類に最も多くの被害を与えた病原体のプレイヤーがゲームの勝者になる。

これまでの『パンデミック』シリーズとは一味違った新たなパンデミックファミリーのゲームだ。


写真は英語版です。

朝日新聞「梅雨こそボードゲーム」

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朝日新聞6月1日朝刊子育て欄に、「梅雨こそボードゲーム」という記事が掲載された。外出しにくくなる梅雨の時期に、子どもとボードゲームを遊ぶことを勧める。

紹介されているのはNPOゆうもあ、名古屋大学の有田隆也教授、そしてすごろくや。ゆうもあの一階良知理事長がボードゲームの対面で遊べる魅力と、みんなでルールを守ることで身に付く社会性について語っている。大学の授業にボードゲームを取り入れている有田教授は、考える楽しさを感じてもらう狙いがあるという。

興味をもった人に、各地の愛好者サークルや育児支援団体などが開くゲーム会に参加することを紹介するほか、すごろくやの丸田店長が勧める『パカパカお馬』『ヒューゴ』『ラミィキューブ』『キャプテンリノ』を紹介している。丸田店長の「ボードゲームは基本的に大人が知的に楽しむもの」というコメントが興味深い。

最後にゆうもあとすごろくやのホームページが紹介されており、おすすめゲームや通販がチェックできるようになっている。

朝日デジタル:梅雨こそボードゲーム 思考力・社会性を育む

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