デザイナーと出版社でトラブル相次ぐ

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アメリカのボードゲームデザイナーD.ヴァッカリーノ氏は、『キングダムビルダー』版元のクイーンゲームズ(ドイツ)が2014年分の印税を支払わないまま、次の拡張セットのプロジェクトをキックスターターで発表したことを明らかにし、これ以上の猶予を与えたくないと不快感を表した。

『キングダムビルダー』は2012年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞し、拡張セットとして『遊牧民(Nomads)』と『十字路(Crossroads)』がこれまで発売されている。3番目となる拡張セット『湿原(Marshlands)』は6月19日からキックスターターで資金募集が開始され、目標額の5000ドルの10倍にあたる50000ドル(約620万円)の出資を約800人が表明していた。

ヴァッカリーノ氏の発言を見た出資者がキックスターターのコメント欄に殺到。クイーンゲームズは週明けに対応すると回答したが、ヴァッカリーノ氏によるとクイーンゲームズから謝罪があり、来年分の印税も支払うという。クイーンゲームズは第3拡張セットのキックスタータープロジェクトについて、ヴァッカリーノ氏は反対していないとしながらも、現在のところプロジェクト自体がキャンセル扱いとなっている。

また、イギリスのボードゲームデザイナーM.ワレス氏は、イーグル・グリフォンゲームズ(アメリカ)が『ブラス』の再版プロジェクトをキックスターターで開始したことに対して、すでに版権が切れていると述べ問題となっている。

『ブラス』はM.ワレス氏の個人メーカーであるウォーフロッグ(現・ツリーフロッグ)から2007年に発売され、イーグル・グリフォンゲームズが2009年に第2版を発売した。この際の契約は2013年までで、再版プロジェクトが立ち上がってからワレス氏はイーグル・グリフォンゲームズに何度も問い合わせたが返事がなかったため、事態を公にした。このままならばキックスターター事務局に連絡して、このプロジェクトを止めさせるという。

イーグル・グリフォンゲームズはM.ワレス氏の告発が事実に基づいていないとし、『ブラス』の版権は継続していると主張。両者の協議が決着するまで、『ブラス』再版プロジェクトは始められない見通しとなっている。

今回はたまたまどちらもキックスターターがきっかけとなったが、出版社がデザイナーを軽視していることが相次いで明らかになり、デザイナーの権利保護が改めて問題となりそうだ。

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