アルルの丘(Arler Erde)

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北ドイツの開拓ロマン

『アグリコラ』の作者U.ローゼンベルクの2人用ゲーム。舞台はローゼンベルクの父の故郷であるアルル(アルレ)という村で、システムは『アグリコラ』と同じワーカープレイスメント。最大の特色は2人専用ゲームというところだ。ドイツ年間エキスパートゲーム大賞推薦、ドイツゲーム賞5位。

アルレはドイツ最北部、北海沿岸にある人口1100人ほどの港村で、ローゼンベルクが生まれたアウリヒからは20kmしか離れていない。さらに60kmほど進めばオランダに入る位置で、このゲームに湿原が登場するのも分かる(湿原を干拓して泥炭を取り出すというテーマは、『アグリコラ:泥沼からの出発』でも用いられている)。

2人用なのに、普通のテーブルでは収まらないほどの大きなボードを使う。中央にアクションスペースと建設できる建物タイルのあるゲームボード、各プレイヤーに建物や家畜を置くホームボード、そのほかにもタイル・チップを置くボードがある。このうちゲームボードのアクションスペースに、交互に労働者コマを置いてアクションを行うのがゲームのメイン。そのアクションスペースの数は実に30! 夏と冬で半分ずつに分けられており、実にいろいろなアクションができるようになっている。

アルルの丘

アクションは多様だが、基本路線は資材を集めて建物を建てる方向と、家畜を増やして得点を上げる方向と、旅の目的地に運搬車でアイテムを届ける方向の3つがある。前ニ者はローゼンベルクの作品に何度も見られたが、このゲームで初めて登場するのが「運搬車」というシステムだ。運搬車は「荷車製造人」というアクションを選び、資材を支払うことで製造できる。「手押し車」から「四輪馬車」までグレードがあり、コストとキャパシティーが異なる。製造した運搬車は、自分のボードの「納屋」に置いて使えるようになる。

この「運搬車」には、丸太を置けば木材に、粘土を置けばレンガになる。さらに亜麻布は夏服、毛織物は冬服、革は革服になり、アイテムとしての価値が上がる。こうして価値の上がった資材やアイテムを、旅の目的地に届けることで収入と得点の両方が入るのだ。旅の目的地タイルも運搬車に置き、そこに指示されたアイテムを支払って収入を得る。この運搬車のキャパシティーはいつも不足しがちだが、ハイグレードな運搬車を製造するのもコストがかかるため苦労する。

豊富な建物もそれぞれの作戦を後押ししてくれる。自分の方針に見合った建物を建てていきたい・・・とその前に自分のホームボード、最初は空きスペースがあまりない。家畜を置くスペースさえ事欠くほどだ。土地を広げるには、湿原を乾燥させて泥炭を全て取り出すか、堤防ラインを海辺に移さなければならない。それぞれ別なアクションがあって、どの順番で進めるかは頭を使う。ここぞというときに相手に先取りされ悶絶することも。

アルルの丘(2)

とはいえ2人だけだし、アクションスペースはたくさんあるしで自由度は大変高い。その自由度の高さは、初めてだと何をしていいか見当がつかないぐらいである。ゲーム終盤になってやっと、詰め方が見えてくるだろう(非公開の情報がない2人用なので、終盤は読みが大切)。

鴉さんと3時間ほど。序盤に「新参者のあばら屋」を作って空きスペースを確保できたため、建物をどんどん建てていくことにした。運搬車と家畜で後れを取ったが手応えは悪くない。鴉さんは序盤「職人」のアクションにつぎ込んでアクションの効果を上げ、大量の資源をゲットして運搬車へ。これで旅を早めに進め、終盤は高得点の建物を狙う余裕ができた。結果、100点対77点という大差で鴉さんの勝利。

終盤はどのアクションで何点増えるかが完全に分かるため、細かい計算を要求されるのが少し息苦しいが、自由度の高さゆえにいろいろな作戦が試せる奥の深いゲームである。

Arler Erde
U.ローゼンベルク/フォイヤーラントシュピーレ(2014年)+テンデイズゲームズ(2015年)
1~2人用/13歳以上/60~90分
テンデイズゲームズ:アルルの丘

コメント(1)

辛みが薄く、二人用である特性を全く活かせていない多人数ソリティアだと思います。
プレイ時間やコンポーネントの都合から渋々二人用になったのでしょう。

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