オトナのためのボードゲームナイトin銀座レポート

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11月17日、東京・銀座にて「エキスパート達が語る!オトナのためのボードゲームナイト」が開催された。主催者リクルート社のメディアテクノロジーラボで、新規事業開発を手がけている部署だ。
司会は高校野球芸人から最近ボードゲーム芸人になりつつあるいけだてつや氏(人力舎)、パネリストとして丸田康司・すごろくや店長、白坂翔・JELLY JELLY CAFE店長、松永直樹・ボードゲームソムリエの3氏。約40名の参加者は若い方が多く、3人がおすすめの『ハゲタカのえじき』を遊んだことのない人が大半だったことから、ゲーマーは少なかったようだ。
オトナのためのボードゲームナイト:実演
3時間のイベントは前半がトークセッション、後半が軽食をつまみながらの体験会という構成である。トークセッションのテーマは「ボードゲームの面白さ」「面白いゲーム紹介」「今、ボードゲームは盛り上がってきているのか」「ボードゲームでどんな力が養えるのか」の4つだった。
「ボードゲームの面白さ」について丸田氏は「イチャイチャツール」と表現。コミュニケーションより一段階上のつっこんだものと述べた。すごろくやに来店するお客さんにも、2人組のイチャイチャ男子が増えているという。
「面白いゲーム紹介」では、パネリストが2タイトルずつ紹介した。まず白坂氏が交渉と裏切りのゲーム『イントリーゲ』を紹介。すかさずいけだ氏が「このゲームで実際2人電話帳から消えました」とコメントを入れる。もう1タイトルは『知ったか映画研究家スペシャル』で、大喜利系の中ではほかの人が肯定しかできないので終始和み、誰も傷つかないと述べたが、いけだ氏は「お笑いのポテンシャルを測られるような気がして近づけない。」
松永氏は『カルカソンヌ』と『たほいや』、丸田氏は『リッチモンド貴婦人』と『13諸島の秘宝』を画像つきで紹介した。『13諸島の秘宝』をすごろくやゲーム大賞に選んだのがきっかけで、同じ作者の幻の名作『そっとおやすみ』が復刻する予定であるという。初めての人にはよく『チャオチャオ』を紹介するといういけだ氏は「芸人だと芝居を入れ始めるので1時間以上かかる」とか。
オトナのためのボードゲームナイト:トークセッション
「今、ボードゲームは盛り上がってきているのか」というテーマについては3人ともやや冷めた見方である。丸田氏は「盛り上がっているといっても一部。ブームとはいえない」、白坂氏は「ここ1,2年ぐらいでボードゲームカフェが増えているが、ボードゲーム人口が追い付いていない」と述べ、メディアでよく取り上げられていることについても、白坂氏が「業界としてはブームじゃなくて文化として根付かせたい」、丸田氏は「人に合ったものと思うとまだまだ。底上げ(=ルールを読めることなど)されていくことが重要」として、長期的に定着していくこと望んでいた。ちなみに先日、アメトーーク!で『おっぱいおしりサンシャイン』をプレゼンしたいけだ氏は、高校野球で「おー、おっぱい」と呼ばれたそうだ。
「ボードゲームでどんな力が養えるのか」は、白坂氏が「交渉力よりも人間力」、丸田氏は「中期長期でものを考えることや確率計算」と述べた。またいけだ氏が『パンデミック』を遊んだ高校生が医学部を目指し始めたというエピソードを披露。「若手芸人にも遊んでほしい」と締めた。
オトナのためのボードゲームナイト:メンバー
質疑応答を挟んで、ボードゲーム実演『ベストフレンドS』と『ハゲタカのえじき』を4人でプレイして、参加者がモニターを通じて観戦した。その後で参加者がテーブルごとにこの2つのゲームを遊んだ。あとはフリータイム。私のいるテーブルにたまたま同席したこぐま工房さんに、今度のゲームマーケットに出展するという『BABEL』を遊ばせてもらった。
全体としてパネリストの発言もとても興味深いものばかりだったが、特にいけだてつや氏の司会コメントはさすがお手の物で、大いに笑い、ボードゲームとお笑いの親和性を感じた。たくさんの知見が得られ、秀逸なコメントに笑い、実際ボードゲームまで遊べるお得なイベントだった。

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