オーデンの触祭(Tsuntsunmaru’s Finger in Oden)

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おでんの具材と真剣勝負

オーデンの触祭

ツンツンされていないおでんを見分けて食べる記憶ゲーム。北条投了氏の作品で、ゲームマーケット2017神戸で芸無工房から発売された。タイトルはウヴェ・ローゼンベルクの『オーディンの祝祭』のパロディで、元ネタはお騒がせYoutuberという、分かる人がかなり限定される分、爆発力が高い。ゲーム内容は記憶だけでなく、協力や心理戦の駆け引きもあり、それでやっていることがおでんの移動というのが笑う。

自分の番には山札からおでんの具カードを引いて、鍋ボードに配置する。鍋ボードはグリッドが入っており、それに合わせて置かなければならない。そろそろ具が揃ったかなと思ったら、カードを引かないで、食べる宣言をする。さあ、ツンツンタイムの始まりだ。

手番プレイヤーが後ろを向いている間に、ほかのプレイヤーは1周、鍋ボード上にある具を移動・回転させる。その後で手番プレイヤーが戻り、みんながニヤニヤしている中で、移動・回転(ツンツン)しなかったかを当てる。ツンツンされていない具を当てることができたらゲット。ツンツンした具を選んでしまったら、ツンツンした人がもらう。

ほかに具カードの中にツンツン丸カードが入っており、これが出たら逆に、ほかのプレイヤーに後ろを向かせて具をひとつ移動・回転させる。その具を誰も当てられなかったらもらえるが、当てられてしまったら取られるという寸法だ。

具の位置を覚えようと、おでん鍋を真剣に見ている姿に笑いがこみあげてくる。さらには移動・回転の際、ほかのみんなで協力していくつかの具をまとめて移動し、混乱させる作戦などもあっておかしい。後ろを向いている間、ほかのプレイヤーの会話が聞こえるが、それはブラフかもしれない。

全員が2回食べる宣言をしたら終了。ここでもうひとひねり、鍋ボードに残った具と山札を混ぜて1枚引き、その具をもっているプレイヤーが勝者となるのだ。プレイヤーが取った具は引かれる確率が下がるため、レアな具を求めて駆け引きが生まれる。ゲーム終盤に初めて出てきた具などは、あからさまでもツンツンされることになるだろう。

元ネタを知らない人でも、その無駄なくらい高い完成度で夢中になれるはずだ。「北条先生の作品を遊べる日本人でよかった」と思える作品。

オーデンの触祭
デザイン・北条投了/芸無工房(2017年)
3~4人用/30分

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