2019年2月アーカイブ

竹書房は3月7日、ボードゲームをテーマにしたコミック『天王寺さんはボドゲがしたい』の単行本第1巻を発売する。mononofu(もののふ)作、580円(税別)。

万能タイプの帰国子女、天王寺ユリアを一方的にライバル視している主人公の南森ゆきが、ボードゲームを通して友情を深めていく物語。昨年9月から竹書房のグラビア付き青年誌『キスカ』で連載が始まったコミックがめでたく単行本化されることになった。

発売を記念して、ボードゲームショップ、とらのあな、メロンブックス、ゲーマーズ、喜久屋書店などで購入するとスタートプレイヤーマーカーに使える登場人物のイラストカードがもらえる。

mrjackextM.jpgホビージャパンは3月中旬、2人用推理ゲームの拡張セット『Mr.ジャック:拡張セット(Mr. Jack: Extension)』の日本語を含む多言語版を発売する。ゲームデザイン・B.カタラ&L.モーブロン、イラスト・ピエロ、2人用、9歳以上、30分、3000円(税別)。プレイするためには『Mr.ジャック』基本セットが必要。

発売10周年を記念してグラフィックをリニューアルした非対称型の2人用ゲーム『Mr. ジャック』の拡張セット。オリジナルは2018年に発売された。1888年にロンドン・ホワイトチャペル地区で発生した連続猟奇殺人事件の犯人と探偵をめぐる攻防にマダム、パイザー、ジョセフ・レーン、アバーライン警部、バネ足男という6つのキャラクターを追加する。

ゲーム開始時に基本セットと拡張セットの合計14人のキャラクターから8人を選び、それぞれのスタート位置を決める。ジャックと探偵のどちらが勝利するかは、キャラクターの特性と組み合わせをどれくらいマスターするかにかかっている。

さらにほかの探偵になりすますモリアーティ教授も登場。教授の目的は、ジャックを逃がすことにあるのか、 それとも宿敵のシャーロック・ホームズを出し抜くことか分からない。またジャックがモリアーティ教授になりすましている可能性もある。難航を極める捜査で、ふたりの知恵比べはますます白熱する。

内容物 キャラクターコマ6個、キャラクターカード6枚、アリバイカード6枚、バリケードトークン1枚、「?」トークン1枚

グループSNE/cosaicは4月15日、コミュニケーションゲーム『ゲスクラブ(Guess Club)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・S.ファン、アートワーク・ミスクァイ、2~8人用、8歳以上、20~30分、3500円(税別)。

ずる賢い旅行者が集まる「ゲスクラブ」で金銀財宝を争う当てっこゲーム。オリジナルはモジゲームズ(台湾)から2017年に発売されている。ほかのプレイヤーの答えを読む心理戦に、賭けの要素を加えた。

「オリンピックの球技」「日本のお寺」などのお題を1人が出したら、ほかのプレイヤーは自分のカード6枚にホワイトボードマーカーを使って、1枚1枚違う答えを書く。全員が書き終わったら順番に発表していく。

ほかに同じ答えを書いたプレイヤーがいれば賞金を獲得。自分だけだったり、(親プレイヤーの判断で)答えが間違っていたりした場合は罰金を支払わなければならない。また、同じ答えを先に言われてしまうと賞金がもらえないので、少しの人しか書かなさそうな答えを探すことになる。

このほかに、答えを発表せずにこのラウンドでいくつ正解が出るか賭けることもでき、当たっていれば最後にボーナスが入る。しかしこれも答えを先に言われてしまう恐れがある上に、早いもの勝ちなので、どこで賭けに出るか、タイミングを見極めなければならない。

感性のズレによる楽しさに、賭けの戦略性が加わり、笑いや駆け引きのある作品だ。参考問題集が付属しており、カップルなら、お題を「一緒に行ったレストラン」「共通の友達」などにして楽しむこともできる。

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すごろくやは2月22日、2人用アブストラクトゲーム『ゴブレットゴブラーズ(Gobblet Gobblers)』日本語版を発売した。ゲームデザイン・D.ドヌアール、2人用、5歳以上、5分、2500円(税別)。

オリジナルはブルーオレンジゲームズ(フランス)が2000年に発売したアブストラクトゲーム。コマにトサカを付けてキュートにしたものが2003年に作られ、何度も再版されてきた。日本でも輸入版が流通していたが、昨年秋にTV番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」で遊ぶ風景が放映され、人気が急上昇している。

3×3のマス盤面に相手よりも早く縦・横・斜めの1列を作ったほうが勝つ三目並べ。自分の番には手持ちのコマを盤面の空いているマスに配置するか、サイズが大中小の3種類あり、より小さいコマにかぶせることもできる。前に置いたコマを移動することもできるが、下から思わぬコマが出てきて負けてしまうかもしれない。

運の要素のないゲームだが、あちこちでうっかりが起こりやすく、5分ほどで決着する。集中力だけでなく、空きマスにどのサイズを置くのか、相手がどのサイズのコマを残しているのか、先読みと記憶力も試される。

すごろくや:ゴブレット・ゴブラーズ

ホビーベースは3月10日、ゲームマーケット2019大阪(ブース番号A19)にてコースター型トークゲーム『無礼講ースター(ぶれいこーすたー)』を発売する。イエローサブマリン各店舗では3月16日から発売される予定。作者不明、アドバイス・高橋晋平&あだちちひろ、2~10人用、20歳以上、20分、3215円(税別)。

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「よなよなエール」などのクラフトビールを製造する株式会社ヤッホーブルーイングが8月3日、「世界ビールデー」を記念して30個限定で発売したところ、わずか1分で完売。その後、多くのリクエストがあり、1,000個以上の注文が入った場合のみ限定生産するとして購入希望者を募ったところ、最終的に1437個の注文が入って再生産となった。

「あと5分で起床時間。それでも二度寝してしまう」「鼻毛が出ている人に指摘できてしまう」など、仕事とは無関係の30個のトークテーマを厳選し、コースターに印刷。順番に1枚ずつめくり、手番の人がイエスかノーかをみんなで当てる。簡単なルールで上下関係なく楽しめ、お互いの価値観や性格を知ることができる。

都内に8店舗を展開するビアレストラン「よなよなビアワークス」で体験が可能。

東京・秋葉原に2月28日、プレイスペース「Kotora(コトラ)」がオープンする。秋葉原駅徒歩3分、12:00~23:00、月曜休。

イエローサブマリン秋葉原RPGショップや、ボードゲームが遊べるカラオケボックス「パセラ」と同じ街区に新しいプレイスペースがオープンした。初心者向けから戦略的なボードゲーム、懐かしのボードゲームなど200種類を用意し、7卓24席で自由に遊ぶことができる。

料金はパック料金制で平日昼1000円、平日夜1500円、土日祝3時間1600円、土日祝5時間2000円、ドリンク・スナックが200円から。平日17時までワンドリンクサービス。アルコール類、お菓子フード類の持ち込み可。

オープン記念でテンガチョコレートや、6面ダイスを振って1か6が出るとかどまるスリーブがプレゼントされる(先着45名)。

Kotora
東京都千代田区外神田1-3-13大森ビル3F/TEL:080-5498-4412
[Web ] [Twitter ]

ガンジスの藩王(Rajas of the Ganges)

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ダイスがもたらすドラマ

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16世紀インド、ムガル帝国の時代に、「ラージャ」と呼ばれる地方豪族となって富と名声を競うドイツの戦略ボードゲーム。デザインはブラント夫妻で、国際ゲーマーズ賞1位、ドイツゲーム賞3位に選ばれている。ダイスをコストに使ったワーカープレイスメントで、面白い仕掛けがあちこちに仕掛けられており、ドラマチックな展開が楽しめる。

各プレイヤー3人の労働者と4つのダイスをもってゲームスタート。手番には盤面の①~④のエリアに労働者を1人置いて、そこに指定された目のダイスを支払ってアクションを行う。各エリアにはワーカーを置く場所がいくつかあるが、先に置かれたところは使えなくなるという、オーソドックスなワーカープレイスメントである。

①石切り場では、タイルを取って自分のプレイヤーボードに配置する。これは自分の領地に市場や建物を作ることを表す。タイルには道が描かれており、これを自宅からつなげることで、ボーナスも手に入る。

自分の領地に作った市場は、②市場のアクションで収入を生み出す。市場には絹、茶、スパイスの3種類があり、同じ種類の市場を増やして一度に稼働させるのが効果的。また、全種類を1箇所ずつ稼働させるアクションもあり、両方使えば相当な収入が見込めるだろう。

③宮殿では、ダイスを増やしたり、スタートプレイヤーを取ったり、建物の得点を上げたりといった様々なアクションが用意されており、出目と戦略に応じて使う。ダイスを増やしてくれる上にもう1つランダムでボーナスのある「踊り子」と、このゲーム中重要な要素となっている「カルマ」を増やすヨガ行者が特に鍵になっている。

「カルマ」は、ダイスを逆さまにすることができるリソースで、数字が小さくてコストが足りないときなどに使う。しかしガンジス川の途中に、カルマの数だけダイスがもらえるマスがあるため、無駄遣いは禁物だ。

そしてタイトルにもなっている④ガンジス川では、自分の船を進めて止まったマスのボーナスが得られる。もらえるボーナスはダイスや「カルマ」や名声点や収入など多彩で、先に進むのが楽しい。

こうしたアクションを通じて、お金と名声を増やしていくが、このゲームの特徴は、お金トラックと名声トラックがそれぞれ反対側からスタートし、どちらもだんだん増えていって交差したらゲーム終了になるところだ。最後は、より深く交差したプレイヤーが勝利する。市場を主にして収入を先に上げるか、建物を主にして名声を先に上げるか、戦略の分かれるところだ。それぞれのトラックには途中で労働者を増やしたり、ボーナスが入るところもあり、進め方に影響を及ぼす。

アクションなどは全てアイコン化されていて分かりやすく、例外処理は少ないため、ルール説明はあまり時間がかからない。しかしゲームを始めるとすぐ、多くの悩みどころに直面する。ほかのプレイヤーの動向を見据えつつ、自分の前にあるダイス目と相談しながら、どのアクションをどういう順番で選ぶか、12択あるタイルのどれを取るかが悩ましい。

今回は絹市場をどんどん建てて安定収入を先に確保し、建物の得点を増やしてから建物を建てる作戦。カルマも潤沢でダイスにも困らなかったが、一歩及ばず。ダイスの補充をあまりせず、できることが極端に少ない場面がしばしばあったのが微妙に響いたようだ。でもダイス運によるゆらぎがこのゲームの魅力であり、ドラマも演出している。

Rajas of the Ganges
ゲームデザイン・ブラント夫妻/イラスト・D.ローハウゼン
フッフ(2017年)
2~4人用/12歳以上/45~75分

アソビションは3月10日、ゲームマーケット2019大阪にて、戦略ボードゲーム『Improvement of the POLIS(インプルーブメント・オブ・ザ・ポリス)』を先行発売する。ゲームデザイン・慶應HQ有志、イラスト・木下月乃、アートワーク・別府さい、2~4人用、12歳以上、45分、5000円(税別)。Boardgame Lab! DDTブース(A04)でイベント価格4500円。一般発売日は未定。

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古代ギリシャにおける都市国家(ポリス)の有力者となり、発展を競う拡大再生産ボードゲーム。ゲームマーケット2017秋に慶應HQ(Head Quarter Simulation Game Club)が発表し、昨年のゲームマーケット大賞でエキスパート賞に選ばれている。このたび、『L-Tiles』など国産品のリメイクを手がけているアソビションが、コンポーネントとアートワークをパワーアップして一般発売となる。

各プレイヤーはアテナイ、スパルタ、テーバイなどを担当し、それぞれの固有能力を活かしてゲームを有利に進める。毎ラウンド、ダイスを振り、そのダイスにアクションカードを割り当てる。全員割り当てたらアクションカードを公開し、1から順にプレイしていく。自分のポリスの特性、手持ちの政治カードの内容によってアクションは変わる。さらに政治やイベントなどの効果によって展開がどんどん変わり、多様な戦略が取れる。

ゲームマーケット審査員からは「新人とは思えない緻密な作りで、グループで作ったよさを含めて、学生らしさを感じました」(草場純)、「非の打ち所がまったく見つからない、重量級ゲームのファンにも自信をもって勧められます」(秋山真琴)、「文明発展をテーマに正当派の拡大再生産でありながら、都市国家や政治を変えることでリプレイ性を高め、それでいて1時間で味わえる充分な満足感。より難しいゲームへのステップアップとして、エキスパート賞にふさわしい作品」(ふうか)、「ポリスの特性と、ほかのプレイヤーとの相克の両方を見据えた発展が求められる戦略性の高い作品。ダイスにアクションカードを割り当てるというアクション選択システムもオリジナルティが高い」(小野卓也)などと絶賛された作品。少部数制作でこれまで遊べなかった方も手に取る絶好の機会だ。

一般発売も間もなく開始されるほか、香港と台湾での発売も決定しているといい、BGGストアを通して欧米からも購入できるようにする。

予約フォーム

thegameobake.jpgアークライトは3月28日、『THE GAME オバケやしきのすうじのアクマ』を発売する。ゲームデザイン・S.ベンドルフ、イラスト・326、1~6人用、8歳以上、15~30分、2000円(税別)。

2015年にニュルンベルガー・シュピールカルテン社(ドイツ)から発売され、ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた協力数字並べカードゲームのローカライズ版。数字が言えないという制限の中で、アクマを封印する。

4列の場札は、1から数字を上げていく列が2列、100から数字を下げていく列が2列ある。自分の番になったら、手札からカードを場の列に置いていくが、列によって前に置かれたカードより数字が大きく(小さく)なるように置かなければならない。だんだん置けるカードがなくなっていき、誰か1人でも手札が置けなくなったらゲームオーバーとなる。成績は出せなかったカードの枚数で、10枚以上で終えることを目指す。

プレイヤー同士の相談はできるが、カードの数字を言ってはいけないのがルール。コミュニケーションの工夫が求められる。前のカードより±10のカードを出せば数字を戻せるというルールをどれくらい使えるかがポイントだ。

イラストは悪魔とドクロがおどろおどろしいオリジナル版から、可愛らしいオバケのポップなものに変更。これまでイラストが怖くて遊べなかった人も、新しいフィーリングで存分に協力を楽しめるだろう。

内容物:数字カード98枚、手番順カード1枚、ルール早見表カード6枚、オープニングカード1枚、エンディングカード3枚(カードサイズ:59×91mm)、魔法陣シート1枚、遊び方説明書1枚、白紙カード9枚

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アークライトは3月21日、『クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)』新版の日本語版を発売する。ゲームデザイン・S.ピーターセン、2~4人用、14歳以上、90~90分、30000円(税別)。

オリジナルは2015年、グリーン・アイ・ゲームズ(アメリカ)からキックスターターを経て発売された作品。2017年に日本語版が発売され、高さ2cmから18cmまでの高品質な怪物フィギュア64体と3万円という高価格で話題になった。今回はコンポーネントとルールを整理した新版が発売される。

プレイヤーは旧支配者の一員となり、「大いなるクトゥルフ」「這い寄る混沌」「森の黒山羊」「黄色の印」のいずれかの種族を担当し、力を集めて狂信者を集め、軍勢を移動し、戦闘に加わり、怪物を召喚し、ゲートを建設し、旧支配者を目覚めさせる。種族ごとに異なる怪物・呪文の書・特殊能力を使うため、有効な戦術や戦法も毎回変わる。

新版はプレイ人数ごとに分かれていた儀式トラックが1つのボードにまとまり、ルールが明確化されてより遊びやすくなっている。また、今後発売予定の『クトゥルフ・ウォーズ:新たなる邪神』から新たな陣営を導入すれば、最大8人までプレイ可能となる。

内容物:ルールブック1冊、プレイヤー用ヒントカード4枚(102×140mm)、地球の大型地図ボード1組、儀式トラック1本、破滅トラック1本、6面ダイス20個、陣営カード(289×175mm)4枚、陣営トークン4枚、各陣営専用マーカー(魔力・破滅)8個、呪文書24冊、冒涜マーカー12個、儀式マーカー1個、第1プレイヤーマーカー1個、次元扉マーカー24個、古の印トロフィー・トークン36個、布製の袋1枚、プラスチックフィギュア64体

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フランス年間ゲーム大賞選考委員会は21日(日本時間の22日未明)、カンヌ国際ゲーム祭の前夜祭にて、アズドール・フランス年間ゲーム大賞(As d'Or Jeu de l'année)を発表した。大賞にはコミュニケーションゲーム『ザ・マインド』が選ばれたほか、キッズゲーム部門に『ミスターウルフ』、エキスパートゲーム部門に『ディテクティブ(Detective)』が選ばれた。

賞は一般、キッズ、エキスパートの3部門に分割され、予め発表されていた各3~4タイトルのノミネートの中から1タイトルずつ大賞が選ばれた。

大賞に選ばれた『ザ・マインド』は昨年から話題となっているしゃべらずに気配でコミュニケーションするドイツのカードゲームで、ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート、ドイツゲーム賞9位、アラカルトカードゲーム賞3位とドイツの三大ボードゲーム賞に入賞し、日本語版も発売されている。

キッズゲーム部門の『ミスターウルフ』はブルーオレンジ(フランス)の製品で、狼が来る前に動物たちを小屋に帰す記憶ゲーム。ドイツ年間ゲーム大賞でも推薦リストに入っている。エキスパートゲーム部門の『ディテクティブ』はポーランドの推理ゲーム。

フランス年間ゲーム大賞は1988年から始まった賞で、昨年の大賞は『アズール』、一昨年は『アンロック!』が選ばれている。

【アスドール・フランス年間ゲーム大賞2019】
年間ゲーム大賞
ザ・マインド(The Mind / W.ヴァルシュ / NSV)
ノミネート:トレジャーアイランド、シャドウズ-アムステルダム、ソレニア
エキスパートゲーム部門
ディテクティブ(Detective / I.トルツェヴィツェク / ポータルゲームズ)
ノミネート:キーフォージ、スピリットアイランド
キッズゲーム部門
ミスターウルフ(Mr. Wolf / M.フォート&W.フォート / ブルーオレンジ)
ノミネート:キカフェ(Kikafé ?)、カラーモンスター(Le monstre des couleurs)、ゾンビキッズ(Zombie Kidz)

trictrac.net:L'As d'Or Jeu de l'Année 2019 sont...

数寄ゲームズは3月10日、ゲームマーケット2019大阪にて、トリックテイキングカードゲーム『トランプ、トリックス、ゲーム!(Auf der Pirsch)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・G.ブルクハルト、イラスト・O.フロンデンライヒ、アートワーク・別府さい、3~4人用、8歳以上、30分、2100円(税別)。ゲームマーケット当日は「蒼猫の巣出張所(J01/02)」にてイベント価格2000円で頒布される。

『ボトルインプ』『知略悪略』と通好みのトリックテイキングゲームを日本語版にしてきた数寄ゲームズの第3弾。変形トリックテイキングで定評のあるブルクハルト(ドイツ)がデザインし、ファランクスゲームズ(オランダ)が2005年に発売した。メイフェアゲームズ(アメリカ)が同年、"Trump, Tricks, Game!"というタイトルで英語版を発売しているが、ドイツ語、オランダ語、英語以外の版が出るのはこれが初。ドイツ語のタイトル「忍び猟にて」が示すように、まず獲物を追跡して、集めた弾丸で狩りをする二段構えとなっている。

各プレイヤーが手札から1枚ずつ出して、一番強いカードをプレイしたプレイヤーが全員が出したカードを総取りするという、オーソドックスなトリックテイキングだが、第1~3ラウンド(追跡)は獲得できるトリック数に制限があり、獲得したカードは得点計算した後、そのまま次のラウンドの手札になる。そして迎える最終ラウンド(狩り)は制限がなくなり、総力を尽くして高得点のカードを奪い合う。

第1~第3ラウンドの間に、得点を重ねつつどれくらい強いカードを集められるかがポイントで、1トリックごとに取るか見送るかの判断が悩ましい。最後の1枚を温存できたり、獲得したトリックをほかのプレイヤーに押し付けたりできる追加ルールもあり、好みに応じて加えることができる。オリジナルにはなかったサマリーカードも付属し、より遊びやすくなっての再登場だ。

数奇ゲームズ:Günter Burkhardtの正統派変態トリテ「トランプ、トリックス、ゲーム!」日本語版を出版します

アークライトは3月21日、カードゲーム『緑の幽霊屋敷(Fast Forward: FURCHT)』を発売する。ゲームデザイン・F.フリーゼ、イラスト、2~5人用、8歳以上、15分、1800円(税別)。

タイトルが"F"で全て始まることで知られるフリーゼ(2Fシュピーレ)が2017年に始めた「ファストフォワード(早送り)」シリーズの第1弾。ルールブックを読まずにゲームを始められ、前年に発表された『フルーツジュース』と同様、途中でセーブして続きが遊べる仕組み(「フェイブル・システム」)が採用されている。

幽霊屋敷の中で、たくさんの幽霊に追われるプレイヤーたち。ルールは山札からだんだんと出てきて明らかになっていく。

最初に分かるルールは、手札を1枚引くか、1枚プレイするか。やがて手札の上限は3枚で、先に場札を15以上にしたプレイヤーが負けというルールが加えられていく。これが山札から時々出てくるカードによって2枚プレイしなければならなかったり、0以下の数字が出せなくなったりする。山札の最後まで行ってゲームの全容が分かるには10~15ゲームのプレイが必要となるが、途中でセーブして再開することもできる。

シンプルでテンポの良いファミリーゲームだが、ルールがだんだん分かってくる中で、ハンドマネージメントの腕も問われる。また、作者が「繰り返し遊べるレガシーシステム」と呼んでいるように、最後まで遊んでもまた最初から楽しめるゲームだ。

内容物:特大カード90枚(※カードサイズ:70mm×110mm)、透明の仕分け袋1枚

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3月9日(土)、ボードゲームラボDDT(地下鉄御堂筋線中津駅徒歩2分、4階貸切)にて、「第3回アダルトボードゲームフェスin大阪」が開催される。昼の部15:00~18:00、夜の部18:30~21:30、参加費1500円(昼の部/夜の部/昼夜通し)、18歳以上のみで定員各部25名。申込みはTwiplaにて。

昨年3月に大阪「なんば紅鶴」、11月に東京「阿佐ヶ谷Loft A」にて行われたアダルトボードゲームフェスが再び大阪に帰ってくる。ゲームマーケット2019大阪の前日に、日本でこれからの発展が期待されるアダルトなテーマのボードゲームについて試遊・即売やワークショップなどを行う。

出演は朝戸一聖(タンサンファブリーク)、蕪木P(ボドゲ仕掛けのオレん家)、ゆお(こっち屋)、当サイトの管理人の4名。アダルトボードゲームの世界をじっくりと味わい尽くす。

前回同様、今回もアダルトなテーマの創作ボードゲーム・輸入ボードゲームの出展を受け付ける。来場者に紹介・遊んでもらうことができ、販売もできる。出展は事前連絡(実行委員会ツイッターへDM)が必要で、参加費1500円が無料。飲食の提供はないが持込可能となっている。

Twipla:第3回アダルトボードゲームフェスin大阪 昼の部
Twipla:第3回アダルトボードゲームフェスin大阪 夜の部
Twitter:アダルトボードゲームフェス実行委員会

beatauction.jpgグループSNEは3月15日、カードゲーム『ビート・オークション』を発売する。ゲームデザイン・黒田尚吾、アートワーク・ちゅぱみ、さかいだちひろ、松田実愛、3~5人用、10歳以上、20分、1800円(税別)。3月10日のゲームマーケット大阪で先行発売される。

『デモンワーカー』『リキュール・ザ・ゲーム』などの作品がある黒田尚吾氏の新作。クラブイベントを開催し、ミュージックシーンに名を残すことを目指すオークションゲームだ。

イベントの開催権がオークションにかけられるが、山札から資金カードをめくり、競り値を上げるか、その分のお金を得てパスするかを選択する「めくり競り」というシステム。オークションから降りて資金をコツコツ貯めるか、一千一隅のチャンスをつかむためイベントを開催するために残り続けるかの選択に迫られる。

イベントカードを見て、どれぐらいの資金がもらえるかも重要。想像力と勘、そしてここぞというときの度胸を見せたプレイヤーがゲームに勝利する。コンポーネントは70~80年代のクラブミュージックのジャケットをモチーフにしており、プレイ中に音楽が聞こえてきそうな作品だ。お洒落にアゲて、クラブイベントを競り落とせ!

ブリックス(Brikks)

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回転エネルギー

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クニツィアの『フィット(Fits)』(2019年)をはじめ、テトリスをボードゲームに落とし込んだ作品は数多ある中で、昨年最注目のゲームデザイナー、ヴォルフガング・ヴァルシュ(オーストリア)がデザインしたテトリスゲーム。同氏がドイツ年間エキスパートゲーム大賞を受賞した『ガンツシュンクレバー』など、シュミット社の「小さくて洗練されたゲーム(Klein & Fein)」シリーズに連なっている。

テトリスといってもパズルピースを使うわけではなく、2個のダイスで指示されたピースのかたちを全員、自分のシート(ゲームセンター風のレトロなドット絵も見どころ)に×印で書き込むダイスロール&ライト方式である。その点で『スイーツスタック(Sweets Stack)』(操られ人形館、2016年)に近い。

2個のダイスは手番プレイヤーが振り、気に入らなければ1回だけ振り直しができるところと、指定されたピースを回転させるには「エネルギーポイント」が必要なところがこのゲームの面白さとなっている。

毎回ダイスでランダムに決められるピースは毎度都合よくいかず、ましてやただでは回転できないため、ままならない。そんなとき、手番プレイヤーが振り直しすると、ほかのプレイヤーは悲喜交々だ。「これでよかったのに!」「いやいや変えましょうよ!」手番プレイヤーはときに、ほかのプレイヤーの状況を見て振り直すかどうか決める。「私はこれでもいいんですけどね、皆さんには良すぎるんで振り直します」「えー!」インタラクションの入れ方がうまい。

回転させるにはエネルギーポイントが必要で、これはタイルが同じ色のマスに落ちると得られる。また5エネルギーポイントを使うと好きなピースを落とせるので、ここぞというときに使おう。

2列以上を一気に埋めると、ボーナストラックに×印をつけることができる。こちらはゲーム終了時に入る得点が上がっていく仕組み。またゲーム中3度だけ、気に入らないピースを爆破できる爆弾が使える。これも使わなければ使わないほどボーナスがもらえる。

こういった融通ができるようにしておくのは、各段が最後にどれくらい埋まったかによって得点が入る仕組みと関係している。基本は完全に埋まっている段が5点、1マス抜けていれば2点、2マス抜けていれば1点だが、上の段になるほど高い倍率が付き、一番上の段に至っては4倍となっている。しかしそこから1マスでも上にはみ出してはいけないので、ここを埋めるのは至難の業。エネルギーポイントを貯め、爆弾もキープして終盤に臨みたいところだ。

3人プレイで20分。下の段はなかなか揃わなかったがエネルギーポイントが貯まっており、これを駆使して上の段を埋めることができ1位。最後に大逆転のピースを狙っていたサカモトさんは爆弾を使い切ったがダイス目に恵まれず。

直感的で分かりやすく、それでいて毎回悩みどころがあり、ダイスロール&ライト方式では薄れがちなインタラクションも確保されている。使い古されたテーマに新風を吹き込んだ作品である。

Brikks
ゲームデザイン・W.ヴァルシュ/アートワーク・A.ペツケ
シュミットシュピーレ(2018年)
1~4人用/8歳以上/20~30分

グループSNEは3月8日、『テストプレイなんてしてないよ レガシー(We Didn't Playtest This: Legacies)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・C.シェスリク、イラスト・松田実愛、2~10人用、13歳以上、1~5分、1500円(税別)。単体でも、ほかのシリーズと組み合わせてもプレイ可能。

一昨年秋に白箱、昨年春に黒箱が日本語版で発売され、ほどなくして品切れ。再版までしばらくかかったにも関わらずイエローサブマリンの年間売上ランキングで4位と6位に入るなど、人気を博しているヘンテコカードゲームのシリーズ。オリジナルは2012年、『パンデミック:レガシー シーズン1』の3年前に、アスマディゲームズ(アメリカ)から発売された。

イラストや文字を描き込むカードと、クエスト条件を満たすと開封できる追加パックが4つ入っており、ネタバレ厳禁(?)のサプライズが待っている。

ディライトワークスは3月10日、協力ゲーム『CHAINsomnia~アクマの城と子どもたち~』を一般発売する。ゲームデザイン・青山奨&田谷由壮&下見幸穂、グラフィックデザイン・角谷希和子&鄺煒茵、監修・カナイセイジ&白坂翔、1~4人用、14歳以上、40~60分、5000円(税込)。ゲームマーケット2019大阪でイベント特別価格で販売されるほか、公式オンラインストアなどで取り扱われる。

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昨年11月に東京ビッグサイトで開かれたゲームマーケット2018秋でカナイセイジ作『The Last Brave』と共にイベント限定販売され、完売となっていた作品。プレイヤーはアクマの夢の城に連れ去られた子どもとなり、協力してお城を探索し、脱出を目指す。

アクションポイントを使って、自分のキャラクターのいる部屋の周囲に山札からめくったカードを置き、移動し、探索してアイテムを獲得。全員が終わったら「アクマ」のイベントが発生する。悪夢カードを全て捨て札にして、目覚められればプレイヤー全員の勝利。全員が捕らわれて動けなくなったら敗北となる。

キャラクターは6種類から選べ、組み合わせによってプレイヤー同士の戦略も変わる。成功率12%という難易度で脱出することはできるか、チームワークが試される。

内容物:ルールサマリー4枚、プレイヤーコマ6種類、スタートプレイヤーマーカー1個、ダイス3個、APマーカー6種類、クサリトークン30個、プレイヤーボード6種類、アイテムカード20枚、イベントカード40枚、城タイル22枚、説明書1部、謎の封筒1通

ディライトワークス:CHAINsomnia~アクマの城と子どもたち~

ボドゲde遊ぶよ!! phase 12-12

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ボードゲーム愛好者サーベイ

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当サイトでは、カウンターの1000万ヒットを記念してアンケートを行います。〆切は2月末日で、回答は統計処理をして(個人が特定されないかたちで)発表いたします。

回答欄の最後に、メールアドレスかツイッターアドレスを任意で記入する欄があります。ご記入頂いた方から抽選で3名様に、おもちゃ屋Kimiで3000円までの好きなボードゲームをどれでも1点お選び頂いてプレゼントいたします。

質問は15問。奮ってご応募下さい。

メビウスゲームズは3月上旬、『シリメツレツ(Krass Kariert)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・K.シュトレンメル、パッケージデザイン・タンサン、3~5人用、10歳以上、30分、1500円(税込)。

ほかの人より強いカードを出して、手札を早くなくすことを目指すクライミング系カードゲーム。タイトルは「極端な格子縞」から、ひどく意味が分からないという意味。2018年にアミーゴ社(ドイツ)から発売され、アラカルト・カードゲーム賞で1位になった。これまでドイツ語版を扱っていたメビウスゲームズが日本語版に切り替えて発売する。

順番に手札からカードを出していくが、後から出すプレイヤーは「単独」「2枚連続数字」「2枚同じ数字」「3枚連続数字」「3枚同じ数字」(同じランクなら大きい数字)の順でより強いカードを出さなければならない。出せない/出したくないときは、自分の前にあるリザーブを手札に入れる。

このゲームの大きな特徴は、配られたカードの順番を変えてはいけないところ。このため、強い役は簡単にはできなくなっており、邪魔なカードを出しつつ強い役ができるように調整しなければならない。どの数字にもなるジョーカー、無条件で勝てるストップ、勝者に山札からカードを加えさせるドローの使いどころもポイントだ。

しかしもうひとつの特徴として、たった1人の敗者にならないことが目標となっている。最後まで残ってしまうか、リザーブがないのに出せないと敗者。敗者はチップを支払って次のラウンドを行い、チップが支払えなくなった人の負けでゲームが終わる。

手札のマネージメントは慎重すぎても強気すぎてもならず、ほかのプレイヤーの残り手札枚数を見て駆け引きをしていく。先に上がれたときは嬉しく、最後まで残っているときは緊張感がたまらないカードゲームだ。

ルール量とプレイ時間のバランス

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国産同人ボードゲームの中にしばしば、ルールが多い割に、プレイ時間が短いと感じるものがある。ルールブックも分かりにくかったりして、解読とインストに20分ぐらいかかり、やっとゲームが始められたと思ったら20~30分ぐらいで終了してしまうことも。「えっ、もう終わり?」 ルールを読むコストに比して、ゲームを遊んで得られるパフォーマンスが悪い。

ドイツのボードゲームデザイナー、W.クラマー氏は良いボードゲームの条件を15挙げている が、その最後に「ルールの複雑さとゲームに与える影響とのバランス」がある。

シンプルなボードゲームは必ず、ルールもシンプルで短いものでなければならない。一方、要求の多いボードゲームは、ルーも複雑にできる。以下のグラフはこのバランスを表したものである。X軸はプレイヤーがゲームの展開に与える影響を表し、Y軸はボードゲームの複雑さを表す。個々のゲームをこのグラフに配置していくと、(1)の領域、つまり斜線の上にあるものはなく、全てのボードゲームが(2)の領域に収まることが分かる。このことから、複雑なルールは、プレイヤーがゲームの展開に大きな影響を与えられるボードゲームに置いてのみ許容されることが結論される。

「ゲームの展開に大きな影響を与えられる」というのは「プレイ時間が長い」ということと同義ではないが、手番の数/手番の選択肢が多く、それによってゲームの展開がどんどん枝分かれするように作られていれば、自ずとプレイ時間は長くなる(手番の数/手番の選択肢が少なくても、その後の処理が多ければプレイ時間は延びる)。時間が短いのに、ルールが多いというゲーム(グラフ(1)の領域にあるもの)はバランスが悪く、許容されないのである。

同じことを、T.ヴェルネック氏も『ボードゲームデザイナーガイドブック』の第7章「成功する見込みはあるのか?」で言っている。

ゲーム内容に比してルールが複雑なものは、ゲーム内容とルールの複雑さがマッチしたものより成功の見込みが低い
次のようなボードゲームは、ルールが簡単で、すぐに始められるものであるべきだ。
・説明が簡単で時間がかからない
・プレイヤーがゲームの進行を左右することが少ない
・運の要素が自分の選択よりも本質的に強い
・興奮して熱くなりやすい
・部数がたくさん発行されるのにふさわしい

プレイ時間の割にルールが複雑なのは、盛り込みすぎてルールの整理ができていないという事情がありそうだ。メインコンセプトはオリジナリティが高くても、いろいろな付加要素がその良さを薄れさせてしまう。こっち屋のゆお氏は『正気度ヌルから始めるゲーム製作』で次のように述べている。

ゲーム好きが高じてゲームを作ろうとすると、どうしても「俺が好きなあのゲームの要素、このゲームの要素、そしてオマケにそのゲームの要素を入れてハイドーン!」という、ちゃんこもとい闇鍋をやってしまいがちである。無計画に具材を投入して美味しい料理ができるのなら誰も苦労しない。気まぐれで料理して許されるのは腕に覚えのあるシェフだけなんだよ!?

したがって改善する方向としては、ルールの複雑さに合わせてプレイ時間を延ばすのではなく、プレイ時間に合わせて要素をうまく削ぎ落とし、ルールをシンプルにするほうだ。ただラウンド数を増やしたりして時間を延ばすと、クラマーによる良いボードゲームの13番目「緊張感」が失われる恐れがあるからだ。要素を落とすと単調になるかなと思っても、プレイ時間に見合ったものであるほうが大事である。どうしても加えたい要素は、バリアントルールとして提示する方法もある。ゆお氏は削ぎ落とすポイントを具体的に示している。

インストの際に長々と説明したのに結局使われない能力、まず起きない例外のために長々と書かれた判定文、最終ラウンドだけ急に処理が変わる条件分岐などなど......、全て悪あがきである。限られた状況でしか出番がない要素というのはあっても良いが、それならば滑らかな姿をしているべきである。出番が少ない上に手触りも悪いでは、プレイヤーへの嫌がらせにしかならない。

プレイ時間とルールの分量のバランスについては、海外輸入ゲームのヒット作が参考になるだろう。ルールだけでなく例も入って、『ハゲタカのえじき』(20分)が2ページ(折りたたみ)、『カルカソンヌ』(30分)が4ページ、『アズール』(30~45分)が5ページである。

ごめん、これしか思いつかなかった

instantproposal.jpg
「君は猫、僕を犬、我慢できないんだ大切にするよ」

配られたカードを組み合わせて、即席でプロポーズのメッセージを作るコミュニケーションゲーム。ゲームマーケット2018春に札幌のボードゲームサークルが発表したもので、非常に話題となり、初版は瞬殺。第2版も完売となり、現在第3版待ちである(もうちょっと待てば定価で買えるだろう)。その間、ゲームマーケット大賞で優秀作品に選ばれ、ゲームマーケット2018秋だけでも2日で1000個以上を売り上げた。

人気の原因は分かりやすさ、遊びやすさ、おかしさである。親が10数える間にカードを組み合わせるのはちょっと慌ただしいが、みんな出来ていないようであれば、親は数え方をゆっくりにしたりして対応できる。

大事なのはヒネリをきかせることではなく、慌てて作ることだ。あまりいいものができなくても時間のせいにできるし、意図せずして味わいを生み出すこともある。「こんな下手でいいんだろうか」などと迷うヒマもないから、発表でスベっても大丈夫。

できあがったら1人ずつ発表し、親に指輪を差し出して求婚する。親はその中から気に入ったものを1つ、独断と偏見で選ぶ。こうして3回選んでもらった人の勝ち。キザなもの、笑えるもの、ナンセンスなもの、シモネタなど、さまざまなプロポーズが飛び出して、そのたびに笑いの渦が巻き起こる。

男性だけ、女性だけですると虚しいのではないかという心配は無用だ。かえって遠慮のない、思い切ったプロポーズが飛び出すかもしれない。むしろ婚活イベントなどで本気で結婚を考えている人や、本命の相手がいるところで出すほうが心配なくらいだ。このゲームが本当の結婚につながることはないとは言わないが、それはさておいて、どんな相手であれカジュアルに、遊び心いっぱいでプレイするのが楽しい。

たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ
daipo/CRIMAGE(2018年)
3~6人用/13歳以上/15~30分

キックスターターで現在、ボードゲームデザイナーのドキュメンタリーフィルム制作プロジェクトが行われている。20ドル(2200円)の出資でダウンロード版、40ドル(4400円)以上の出資でDVDまたはブルーレイ、目標額3万ドル(330万円)、3月8日まで、英語。

世界的なブームを支えるボードゲームデザイナーたちの仕事をインタビューを交えて紹介するビデオ。『パンデミック』のM.リーコック、『花火』のA.ボザや、新人デザイナーに密着取材した。出資金はBGMや音響、色彩補正やグラフィックデザインに使われる。

制作にあたってR.クニツィア、U.ローゼンベルク、B.カタラ、V.フヴァチル、F.フリーゼ、M.ゲルツ、J.ステグマイアー、E.ラング、カナイセイジなどの各氏にもインタビューをしたというが、どこまで収録されるかは明らかにされていない。

本日現在のところ目標額の9割まで達成しており、もう一息といったところだ。

Kickstarter: The Game Designers By Zoom Out Media

クランドファンディングサイト「キックスターター」のテーブルトップゲーム部門は2018年、1億6500万ドル(183億円)の資金を集めたことが、ゲームサイト「Polygon」の調査によって明らかになった。2017年の1億3777万ドルから2723万ドル(前年比19.8%)の増。

テーブルトップゲーム部門にはボードゲーム、ミニチュアゲーム、カードゲーム、テーブルトークロールプレイングゲームが含まれる。合計で2337のプロジェクトが目標を達成しており、平均すると1プロジェクトあたり約7万ドル(770万円)が出資されたことになる。ビデオゲームのプロジェクトと比較すると総額で10倍、1プロジェクトあたりでも1.6倍。ビデオゲームの出資額が減少傾向にあるのと対照的になっている。

テーブルトップゲーム部門で昨年最も資金を集めたの『テインテッド・グレイル:アバロンの陥落(Tainted Grail: The Fall of Avalon)』で、歴代4位となる632万ドル(7億円)。ほかにも『バットマン:ゴッサムシティ史(Batman: Gotham City Chronicles)』が440万ドル、『ネメシス(Nemesis)』が428万ドルで歴代トップ10に入っている。いずれも精巧なフィギュアのついたボードゲームだ。日本からは昨年、アークライトの『デカスレイヤー』が485万円、ホビージャパンの『老師敬服』が220万円を集めて製品化・一般発売された。

テーブルトップ部門の出資総額は2015年の8460万ドルから、2016年には1億12万ドル、2017年には1億3777万ドルと著しい成長を見せており、この調子で伸びれば今年は2億ドル(220億円)に到達する勢いだ。

Polygon: Tabletop games dominated Kickstarter in 2018, while video games declined

ドイツ年間ゲーム大賞の審査員U.バルチ氏が昨年秋に始めたキャンペーン「ボードゲームを遊んで寛容になろう(Spielend für Toleranz)」のTシャツとトートバッグを取り寄せてみた。色やサイズの種類も豊富な上に思ったよりも安く手に入るのでおすすめ。

昨年のエッセン・シュピール会場で何人か、このTシャツを着ている人とすれ違った。もしかしたら会場内で売っているかも?と思い、ドイツ年間ゲーム大賞のブースで聞いてみたが「多分売ってないと思う」という答え。そこで帰国したら注文してみようと思っていた。

注文は下のサイトで受け付けている。男性・女性・子ども用ベーシック8.02ポンド(1200円)、良い生地を使ったプレミアム9.80ポンド(1500円)、おむつ止めのあるベビー用11.09ポンド(1700円)、トートバッグ6.86ポンド(1100円)。送料は今回、Tシャツ1着とトートバッグ(小)1枚で4.41ポンド(660円)だった。色はベーシックで4色、プレミアムで10色揃えている。支払いはペイパルが便利。

このロゴは無料で使用することができ、売上の一部が寄付されるということもないようだが、ドイツでは現在、各地で難民を含む外国人とボードゲームを遊ぶ集いが行われており、ドイツ年間ゲーム大賞も後援についている。

Shirtee> Spielend für Toleranz

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テンデイズゲームズは2月15日、『チューダー(Tudor)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・J.キルシュナー、イラスト・D.ローハウゼン、2~4人用、12歳以上、プレイ人数×20分、7000円(税別)。

コラクスゲームズ(ドイツ)から昨秋のエッセン・シュピールで発売された作品。スカウトアクションでは7位を獲得した。デザイナーのキルシュナーはライプツィヒ在住のドイツ人で、これがデビュー作となる。チューダー朝第2代イングランド国王のヘンリー8世(1491-1547)に仕える貴族となって名声を競う。

システムは変形ワーカープレイスメントで、自分のコマを3つの「謁見室」に送り込んでアクションを実行するが、その謁見室のアクションをほかのプレイヤーもできるようになる。

それから各謁見室でできる2つのアクションから選んで実行し、宮廷の中で自分のコマを進めたり、カードを獲得したりする。宮廷を進むうちに宮廷トークンや指輪を獲得でき、指輪は指に模したついたてにはめると特殊アクションができるようになる。どの指にはめるかによってアクションが変わる。しかし指輪は後からきたほかのプレイヤーによって奪い取られることもあるから、それまでどれくらい活用できるかがカギとなる。

規定ラウンドでゲーム終了となり、条件に基づいて得点を競う。条件はゲームごとに選ぶ2枚の得点カードで指定されており、毎回戦略も変わる。またたくさんのシナリオカードがあって、毎回ゲーム展開をダイナミックに変える。独自のワーカープレイスメントシステムと、指輪による特殊アクションを核として、変化に富んだプレイを楽しめる戦略ゲームだ。

テンデイズゲームズ:チューダー 日本語版

テンデイズゲームズは2月15日、『オーディンの祝祭:ノース人(Ein Fest für Odin: Die Norweger)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・G.クレプケ&U.ローゼンベルク、イラスト・D.ローハウゼン、1~4人用、12歳以上、プレイ人数×30分、4800円(税別)。

昨秋のエッセンで発売された『オーディンの祝祭』の大型拡張セット。モジュラー式でプレイ人数に合わせて使う面を選ぶゲームボード、基本セットと組み合わせられる探検ボード4枚、2×5マスで6点の馬と、2×3-1マスで1点だが毎ラウンド増える豚、ゲーム中に建設できる各プレイヤー独自の職人のための倉庫などを加える。

こういった新要素の追加によってまた違った戦略で「オーディンの祝祭」が楽しめる。

テンデイズゲームズ:オーディンの祝祭:拡張 ノース人 日本語版

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(写真はドイツ語版)

日本テレビ系列の情報番組「ズームイン!!サタデー」で本日7:15から、いち押しコーナーでボードゲームが紹介された。

子どもがボードゲームにハマっているという俳優の中尾明慶氏がゲストMCとして、ジェリージェリーカフェ池袋2号店 を訪問。最初に手にとったのは1人でも遊べるパズルゲームの『ラッシュアワー 』だった。

店内で『パックンギョ! 』を遊んでいるお客さんにインタビュー。5時間ぐらいいることもあるとか、「初対面でもゲームを通してすぐ仲よくなれたりする」と、1人で来ても相席で仲間が見つかるという話が聞かれた。2日連続で来店してるという高校3年生というグループはテレビゲームやスマホゲームは飽きて「一周回って」ボードゲームにはまりかけているという。

次に中尾氏が訪れたのは「名物店長で人気のお店」西早稲田のGOTTA2 CAFE 。店長のばろぬこと柳川一隆氏の実況付きで、GOTTA2のオリジナル作品『Dig it!』と国産の人気パーティゲーム『ボブジテン 』を実際にプレイした。

ボードゲームカフェのほかにもボードゲームが広がっているという話題になり、ボードゲームを無料で借りられるカラオケルームパセラ 、警視庁が採用を狙って制作した警察官のお仕事体験ゲーム、陽岳寺の仏教ボードゲーム『檀家-Danka-』、「世界40か国で200万個以上売れる大ヒット」『ラブレター 』のデザイナー、カナイセイジ氏などが紹介された。

最後にカナイセイジ氏が考えたジャンケンゲーム『5枚限定じゃんけん』を試し、「目と目を見て、話して、笑い合ってっていうのが、本当ボードゲームはいい世界だなって感じました」と結んだ。

日テレでは11年前にBSでボードゲーム番組「Theゲームナイト 」を放映したことがあり、昨年4月の「ヒルナンデス!」でボードゲームカフェ「上野上さま」と『ボブジテン』などを取り上げるなど、ボードゲームを積極的に取り上げている。

feelinksJ.jpgアークライトは3月14日、共感をテーマにしたコミュニケーションゲーム『フィーリンクス(Feelinks)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・V.ビドー&J-L.ルービラ、イラスト・F.シャラール&W.テリー、3~8人用、8歳以上、30分、4000円(税別)。

『ディクシット』の作者がデザインし、オリジナルは2015年に自費出版で制作された作品。提示されるさまざまな状況に対してどんな感情になるかをお互いに推測し合う。

状況カードを引き、今回の状況を選んで読み上げる。それに対して各プレイヤーは、場の感情カードの中から自分の感情に近いものを1枚選ぶとともに、今回のパートナーがどの感情を選んだかもベットする。パートナーの選んだ感情を当てるか、パートナーに当ててもらうことができればポイントを獲得。パートナーを入れ替えて次のラウンドへ進む。

状況カードは「修学旅行で、人生で初めて飛行機に乗ることとなった」「兄弟が髪の毛を緑に染めた」「朝起きたら、超能力者になっていた」などさまざまで、児童編、学園編、社会人編の3種類があり、年齢に合わせたテーマで遊ぶことができる。

パートナー同士、お互いに正解するとより多くのポイントが獲得できる。共感力を高め、ほかのプレイヤーへの理解を深めよう。

内容物:共感ボード1枚、感情カード24枚(80×120㎜)、状況カード120枚(63×87㎜)、パートナーカード9枚(42×63㎜)、伝心カード72枚(42×63㎜)、プレイヤーコマ8個、ルール説明書1冊

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アークライトは3月14日、『ライナー・クニツィアのSAKURA(Sakura)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・R.クニツィア、イラスト・K.ホン、2~6人用、10歳以上、20~40分、3200円(税別)。

オリジナルはオスプレイゲームズ(イギリス)から昨年発売された。皇宮おかかえの絵師となって、春の庭園を歩く天子を桜の前のベストポジションで描くことを競う日本テーマのボードゲーム。

各プレイヤーは、手札から1枚を同時に選び、カードのナンバー順に自分のプレイヤーコマと天子コマを移動させる。途中のマスでところどころ得点計算を行い、最終的には桜の木にたどり着いたとき、天子ももっとも近いプレイヤーが名声を得るが、近づきすぎると天子にぶつかってしまい、トークンを捨てなければならない。

ナンバー順が小さければある程度の予想は立てられるが、大きくなるほどほかのプレイヤーの思惑を読まなくてはならない。裏の裏をかくような運要素のコントロールが鍵となるライトな戦略ゲームである。天子の動きを見極めて、ライバルより一歩前に出るのは誰か?

内容物、ルール説明書1枚、ゲーム盤1枚、褒美トークン54個、プレイヤーコマ6個、天子コマ1個、カード60枚(※カードサイズ:58mm×89mm)

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ホビージャパンは3月中旬、スピードパターン認識ゲーム『ジャングルスピード(Jungle Speed)』新版を日本語版で発売する。ゲームデザイン・T.ヴアルシェ(トム)&P.ヤコヴェンコ(ヤコ)、アートワーク・SKWAK、2~10人用、7歳以上、15分、2600円(税別)。

1997年にフランスで発売され、これまでに300万個以上を売り上げているパーティーゲーム。長らく品切れしていたが今年、ボックスアートやトーテムのデザインを一新したリニューアル版として再登場する。パッケージはこれまでの赤から白を基調としたものになり、トーテムはカラフルな彩色が施されている。

各プレイヤーは配られた自分の山札を順番にめくっていき、他のプレイヤーと同じ形の図形が現れたら、そのプレイヤー同士で、テーブル中央に配置されたトーテムを相手よりも早くつかむ。遅かったほうは勝者の捨て札の山すべてを自分の山札に加えなければならない。こうして先に自分の山札と捨て札のすべてがなくなればゲームの勝者となる。

カードには類似の図形がたくさん入っており、お手つきをしてしまうと全員の捨て札を引き取るとうペナルティがある。瞬時の判断力と、緊張に負けない力が試されるアクションパーティゲームだ。

内容物:カード70枚、木製トーテム1本、キャリーバッグ1枚

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ホビージャパンは3月上旬、『アグリコラ:アルティフェクスデッキ(Agricola: Artifex Deck)』を発売する。ゲームデザイン・U.ローゼンベルク、アートワーク・K.フランツ、1~6人用、12歳以上、プレイ人数×30分、1800円(税別)。プレイするためには『アグリコラ:リバイズドエディション』が必要。

2016年にリニューアルしされた『アグリコラ』に120枚のカードを追加する拡張セット。デッキ名はラテン語で「芸術家」の意。オリジナルは2017年に発売され、現在は第2弾の「ブブルクス(Bubulcus)デッキ」まで発売されている。

1スペースの農場に無料で厩を建てられる「雨除け」、手札の職業を3枚選び、ランダムに1枚取って出せる「ペーパーナイフ」、木の家から改築ができなくなる代わりに部屋が増える「板張りの小屋」、畑と牧場に接していれば1部屋に2人住める「家政婦」、種をまくアクションの代わりに空いていないアクションも選べる「怠惰な種まき」、ほかのプレイヤーが種をまくとき小麦を渡せば1点もらえる「居酒屋の店主」など、多彩な効果があり、戦略と楽しさを大きく広げる。カード名にはルビが振られるようになった。

カードにはデッキ名のイニシャルを取って「A」と記されているが、このデッキだけでも、ほかのデッキと混ぜてもプレイできる。

内容物 カード120枚(小さい進歩60枚、職業60枚)

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狩猟の時代(Age of Hunting)

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混雑の狩場で

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いくつかの狩場でクマやマンモスを手に入れ、集落を発展させるワーカープレイスメントゲーム。ゲームマーケット2018秋に「A.I.Lab.遊」から頒布された。ワーカープレイスメントは現在、国内外で数多くのボードゲームに用いられているが、オリジナリティの高いアイデアを盛り込んでいる。

狩場ボードは14枚あり、そのうち7~8枚を使う。裏表も違うので毎回新しい組み合わせでゲームができる。各自、族長コマ2個と部下コマ1個をもってスタート。

自分の手番には、族長コマをいずれかの狩場ボードに配置し、そのマスに対応する食料(クマ、マンモス、ぶどう、緑の穀物、黄色の穀物)やお金などをもらう。部下コマも一緒に連れていけば、より奥のマスに族長コマを置くことができ、もらえるものもグレードアップする。

自分の個人ボードには、獲得した食料を貯蔵する洞穴と、部下、小屋のストックがあり、指定された食料やお金を支払うと開放されるセットコレクションとなっている。後になるほど必要な資源が増え、1ラウンドでは集めきれなくなるので、貯蔵のために洞穴を開ける必要があり、また部下を増やせば族長をより奥のマスに置けるようになる。

小屋は狩場ボードに置き、その狩場ボードを使うたびに対応するマスの品物が入るようになるスグレモノ。序盤に建てればそれだけ長く使えるし、場所は早いもの勝ちなので先手を打って建てておこう。

洞穴、部下、小屋のどれから、どのような順序で開放していくかにも戦略があるが、ほかのプレイヤーの動向によって必要な資源が取れず変更を余儀なくされることもある。それは一旦配置した族長コマが、ほかのプレイヤーが同じ狩場に来ると奥に押し出されるというルールと、族長を自分の手元に帰すときにも対応するマスの品物がもらえるというルールによる。

奥に押し出されると、よりよい品物がもらえるようになるが、それが自分が必要な品物とは限らない。「そんなにマンモスいらねーよ!」 また、狩場ボードがいっぱいになると、誰かが帰るまで入れなくなる。「早く誰か帰ってくれよ!」 そして後から来た族長が帰ると、奥にいた族長も手前に戻されてしまう。「もう帰るのかよ!」このようなインタラクションで欲しい品物が狙い通りに取れず、ゲーム中に悲鳴が上がる。

最後は勝利点勝負。洞穴・部下・小屋をどれだけ開放できたかと、得点のあるマスに置いた小屋の合計で競う。
5人プレイで1時間弱。今回は勝利点が入る狩場ボードがなかったので、建設合戦になった。私は小屋を優先して建てる作戦で、どんどん建てる場所がなくなる中で最後まで建てきったが、ゲーム中の効果を重視して勝利点が高いマスを避けたのが祟り2位。1位は部下コマを全部開放して効率よく品物を集めたかりぬさん。

1つのマスに入れるか入れないかという話になりがちなワーカープレイスメントにファジーさをもたせ、インタラクションのドラマを生み出す手法は素晴らしく、狩場ボードを変更すれば戦略もその都度変わるやりこみゲームである。

狩猟の時代
ゲームデザイン・A.I.Lab.遊/イラスト・うるり(2018年)
3~5人用、10歳以上、30~45分
ゲームストア・バネスト:狩猟の時代

ニュルンベルク'19:注目の新作

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センチュリー:ニューワールド(Century: A New World)
ゲームデザイン・E.マツウチ、イラスト・A.カナーニ&C.クイリアムズ、出版・プランBゲームズ、2~4人用、8歳以上、30~45分。
『スパイスロード』『イースタンワンダーズ』に続くセンチュリー3部作の最終作。16世紀のアメリカで、新大陸を探検し、原住民と交易し、発見を記録し、狩猟採集で生き延びる。ワーカープレイスメントで資源を交換するシステムはシリーズ共通。3タイトルはそれぞれ単体でも、自由に組み合わせてもプレイできる。

トゥキ(Tuki)
ゲームデザイン・G.レヒトマン、イラスト・C.クイリアムズ、出版・ネクストムーブゲームズ、2~4人用、8歳以上、30~45分。
『ウボンゴ』のデザイナーによる積み木ゲーム。タイトルはイヌイットの言葉で標識として使われた石積みを表し、「イヌクシュク」が有名。このゲームではダイスで支持れた石(カラー)と雪(白)のブロックを積み上げて、このイヌクシュクを作る。バランスを取りつつ、カードで指示されたパターンを先に作る。難易度は2つあり、腕前によって変えることができる。

ラスベガス・ロイヤル(Las Vegas Royale)
ブルゴーニュ(The Castles of Burgundy)
20周年を迎えるアレア(ドイツ)が同社の人気作品『ベガス』と『ブルゴーニュ』の豪華版を製作。『ベガス』はモジュラーボードになってボードごとにダイスの配置や順位決めの条件が変わり、『ブルゴーニュ』はこれまでの拡張やプロモ10種類が全部入る。


エラ:中世(Era: Medieval Age)
ゲームデザイン・M.リーコック、イラスト・C.クイリアムズ、出版・エッガートシュピーレ、1~4人用、12歳以上、45~60分。
ダイスを振ってペグを差し込む文明発展ゲーム『ロール・スルー・ジ・エイジズ』(2008年)の続編で、今度はダイスロールと建設を行う。ダイスは中世社会のさまざまな階級を表し、これらを使ってプレイヤーは自分の都市を最も繁栄させることを目指す。建設は立体のコマをプレイヤーボードに差し込む方式で、見た目も素晴らしい都市ができあがる。都市では強奪、焦土、災害が起こり、プレイヤー同士のインタラクションも問われる。エッガートシュピーレでは、この作品を皮切りにロール&ビルドシリーズを立ち上げる。


ハダラ(Hadara)
ゲームデザイン・B.シュヴェア、イラスト・D.マイアー、出版・ハンス・イム・グリュック、2~5人用、10歳以上、45~60分。
『リビングストン』『イェーティ』の作者によるミドルクラスの文明発展ボードゲーム。3つの時代にわたり、小さな開拓地を高度な文明都市に育てる。さまざまな文化・大陸・年齢の人々を集め、同時アクションで人物を選ぶ。農業、文化、軍事と総合的に発展させて名誉を競う。


レッドピーク(Red Peak)
ゲームデザイン・C.A.ロッシ、イラスト・V.デュトレ、出版・ラベンスバーガー。2~6人用、8歳以上、20~30分。
冒険者たちが火山島で溶岩が迫り来る中、ジャングルを抜けて帰還することを目指す協力ゲーム。溶岩タイルが次々と置かれる中、必要なアイテムを集めていかなければならない。ヴァルシュが昨秋発表し、日本語版も発売された『富士』とテーマが重なっているが、ロッシらしくスピーディーなプレイ時間となっている。


マインクラフト・ボードゲーム(Minecraft Board Game)
出版・ラベンスバーガー、2~4人用、8歳以上、30分。
人気ビデオゲームがボードゲームになる。クリーパーやゾンビを避けてレアな資源を集め、理想のお家を作る。


マハラジャ(Maharaja)
W.クラマー&M.キースリングが2004年にファランクスゲームズ(オランダ)から発表したゲームが、今年クラニオ・クリエーションズ(イタリア)からリメイク。領主、遊行者、商人など6つの職業の特殊能力を駆使しつつ、アクションをプロットして指定された都市に宮殿を建てるゲームだ。


イワリ(Iwari)
ゲームデザイン・M.シャハト、イラスト・M.ミザク、出版・サンダーグリフゲームズ、2~5人用、14歳以上、45分。
日本語版にもなっている『王と枢機卿』をスペインの出版社がリメイク。種族プレイヤーボード、新しいマップ、組み合わせて入れるモジュール、協力ゲームルールなど多くのものが追加されている。


クレオパトラと建築士たちデラックス(Cleopatra and the Society of Architects: Deluxe Edition)
ゲームデザイン・B.カタラ&L.モーブロン、イラスト・M.コインブラ、出版・モジトゲームズ。
デイズオブワンダー社から2006年に発売された立体コンポーネントぎっしりのボードゲームがアメリカの会社によりさらに豪華になる。4月1日からキックスターター開始予定。


リートブルクの解放(Die Befreiung der Rietburg)
『アンドールの伝説』の世界で繰り広げられるスタンドアローン(拡張ではなく単体で遊べる)ボードゲーム。今秋の発表予定。



ジャイプル(Jaipur)
ジョードプル(Jodhpur)
アンコール(Ankhor)
スペースカウボーイズ(フランス)が2人用ゲームシリーズを一挙リリース。『ジャイプル』は2009年にゲームワークスから発売された作品のリメイクで、残りの2タイトルは『ジャイプル』の作者S.ポーションに加えて、『8ビットボックス』をデザインしたスイス人デザイナーコンビのF.クリティンとG.ラルギーがクレジットされている。


ニューデール(Newdale)
ゲームデザイン・A.プフィスター、出版・ルックアウトゲームズ。シュピール'19で発表予定。日本語版も発売された『オー・マイ・グーッズ!』のボードゲーム版で、キャンペーンルールなども踏襲している。


マラカイボ(Maracaibo)
ゲームデザイン・A.プフィスター、出版・ゲームズアップ(ドイツ)。リソースマネージメント、ピック&デリバリー、建設と拡張といったクラシックなユーロスタイルにプフィスター独自の味付け。シュピール'19で発表予定。


エルドラド:黄金寺院(El Dorado: Die goldenen Tempel)
ゲームデザイン・R.クニツィア、2~4人用、10歳以上、60分。一昨年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされたレースゲームに、拡張第2弾が登場。単体でも遊ぶことができる。


5211(5211)
ゲームマーケット2017秋にGALLERY OUCHI(香川)から発表されたカードゲーム『5 COLORS ~ファイブカラーズ~』のリメイク。『アズール』のネクストムーブがライセンスを取得し、プレイ人数を2~8人になる。ゲームデザインはオリジナルがJ.バニスターだったが、今回は"Tsuyoshi Hashiguchi"と表記。発売日未定。


Coffee Roaster(コーヒーロースター)
ゲームマーケット2015秋でSaashi & Saashi(京都)が発表した1人用ゲームをdlpゲームズ(ドイツ)が出版予定。dlpゲームは『横濱紳商伝』のドイツ語版を発表し、国際的評価を高めるのに一役買ったことがある。


tenshodo-kitasenju.jpg東京・北千住に2月2日、プレイスペースを具えたボードゲームショップ「天晶堂(てんしょうどう)」がオープンした。北千住駅徒歩4分、11:00~19:00、月休。

店主は電撃やファミ通などのゲームメディアで執筆しているライターの"YU"こと中川氏。すごろくやのアルバイトで店頭販売や通販業務に携わったのが開店のきっかけとなった。店名は『ファイナルファンタジーXI』に登場する商業組織から取られた。

取り扱い品はアークライト、オインクゲームズ、すごろくや、ニューゲームズオーダー、ホビージャパンなどから、30~60分で遊べるものがメイン。今後はカワダ、メビウスゲームズも加えていく。販売している商品については1つずつパッケージを開けたものを用意し、購入前にどんな中身なのか見たり、プレイスペースで実際に遊んだりできる。

プレイスペースは海外系のものから同人系まで約100種類のボードゲームが遊べる。こたつ机・クッション座椅子2卓8席で料金は平日1時間600円~(最大2000円)、土日祝1時間800円~(最大2500円)。飲食の提供はないが、下の階にカフェダイニングがある。

今後の予定としては、ゲームライターの経験を活かしたオリジナル説明書を、商品ごとに付けていく予定。メーカー添付の説明書とは別に、分かりやすい説明書で新規ユーザーが遊びやすいようにするという。

複数の路線が乗り入れる北千住は千葉・埼玉・茨城方面から都内への入口となっており、近年再開発が進んでいる。乗り換えついでの利用も期待される。

天晶堂
東京都足立区千住2-28カシェット2F
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ボドゲde遊ぶよ!! phase 12-11

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ethnosJ.jpgケンビルは2月中旬、ファンタジーボードゲーム『エスノス(Ethnos)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・P.モーリ、イラスト・J.ハウ、2~6人用、14歳以上、45~60分、4500円(税別)。

イタリア人デザイナーのモーリ(『アウグストゥス』『バスコ・ダ・ガマ』)がデザインし、CMON社(シンガポール)から2017年に発売された作品。ファンタジー世界の12の部族の民を集めて部隊を編成し、「エスノス」の大陸で3時代にわたって栄光点を競う。

部族カードは6色あり、ボード上の6つのエリアに対応している。各プレイヤーは手札1枚と、プレイヤー人数×2枚の部族カードを自分の前に並べる。各エリアに栄光点トークンを3枚ずつ置いてスタート。自分の番には新たな部族カードを1枚、山札か場札からリクルートするか、手札から部族か色が同じカードを自分の前に出して、対応する地域に支配トークンを置き、その部族の特殊能力を発動させる。

第1時代が終わると、各エリアで支配トークンが最も多いプレイヤーが栄光点を獲得。同様に第2時代は2位まで、第3時代は3位までが得点し、合計点で勝敗を決める。

12の部族から毎ゲーム5~6部族しか登場しない。ゲームごとに組み合わせを変えられるため、毎回多様な展開が楽しめるセットコレクションとエリアマジョリティのゲームだ。

ケンビルはこれまで『ゾン噛ま』『バイバイレミング』などのオリジナル作品や、独自ルートの輸入ボードゲームを取り扱ってきたが、日本語版を手がけるのは今回が初となる。

内容物:メインボード1枚、セットアップカード12枚、部族カード12セット、ドラゴンカード3枚、栄光点トークン18枚、支配マーカー156個、オークボード6枚、マーフォークボード1枚、ジャイアントトークン1枚、トロールトークン6枚

ケンビル:エスノス日本語版予約サイト

行きはよいよい 帰りはこわい......

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「聖ヤコブ」を意味するサンティアゴを冠した地名は、チリの首都をはじめ世界各国に点在し、『サンティアゴ』(アミーゴ、2003年)『サンティアゴ・デ・キューバ』(エッガート、2011年)などボードゲームにもなっている。この作品はスペイン北西部にある巡礼地がタイトルになっており、巡礼の仲間を集めてパリから往復するゲームとなっている。ユーロスタイルの日本の同人作品。

1~9の番号がついた巡礼者カードを並べ、その手前にプレイヤーカードを並べてスタート。自分の手番には、プレイヤーカードを好きなだけ進めて、進んだ先の巡礼者カードを取る(旅の途中で仲間に加えたことを表す)。いくら進んでもよいが、戻ることはできない。ほかのプレイヤーに取られたくないカードがあれば早めに進んでおきたいが、進みすぎれば最終的にカード枚数は少なくなるというジレンマ。クニツィアの『ツタンカーメン』(アミーゴ、1993年)やボザの『東海道』(ファンフォージ、2012年)でも用いられたシステムだが、悩ましく楽しい。

その悩ましさをさらに面白くするのが得点計算だ。獲得したカードは、同じ数字は重ねて並べ、新しく取った数字は、並んでいるカードの右か左に置く。ラウンドが終了したら、獲得したカードの種類と、その数字で集めた枚数を足し、その数字以上ならば得点できる。すなわち、9点などの高いカードで得点するには、いろいろな数字を幅広く取るか、9点のカードをひたすら集めなければならない。

さらに得点計算は右端の列から行い、終わったら1枚ずつ取り除き、左端の列までいったら再び右端の列に戻るという順番で行う。小さい数字でも、種類を増やすのに役立つ上に、得点もしやすいので無視できない。列の順番も重要で、カードを1枚取るたびに左か右のどちらに置くかをよく考えておかなければならない。

2ラウンド(往路と復路)の合計の多いプレイヤーが勝利。カードの並びや、ほかのプレイヤーの状況によって展開がだいぶ変わるので、同じことの繰り返しではない。ほかのプレイヤーの動向を見るタクティカルな側面と、得点が増えるように自分の列の並べ方を考えるテクニカルな側面を兼ね備えた遊びごたえのあるゲーム。あまり考えないで第1ラウンドを遊ぶと、得点計算が終わって第2ラウンドは一転、深く考えることになるだろう。

Santiago de Compostela
ゲームデザイン&イラスト:mor!/四等星(2018年)
2~4人用/10歳以上/20~40分

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