ガンジスの藩王(Rajas of the Ganges)

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ダイスがもたらすドラマ

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16世紀インド、ムガル帝国の時代に、「ラージャ」と呼ばれる地方豪族となって富と名声を競うドイツの戦略ボードゲーム。デザインはブラント夫妻で、国際ゲーマーズ賞1位、ドイツゲーム賞3位に選ばれている。ダイスをコストに使ったワーカープレイスメントで、面白い仕掛けがあちこちに仕掛けられており、ドラマチックな展開が楽しめる。

各プレイヤー3人の労働者と4つのダイスをもってゲームスタート。手番には盤面の①~④のエリアに労働者を1人置いて、そこに指定された目のダイスを支払ってアクションを行う。各エリアにはワーカーを置く場所がいくつかあるが、先に置かれたところは使えなくなるという、オーソドックスなワーカープレイスメントである。

①石切り場では、タイルを取って自分のプレイヤーボードに配置する。これは自分の領地に市場や建物を作ることを表す。タイルには道が描かれており、これを自宅からつなげることで、ボーナスも手に入る。

自分の領地に作った市場は、②市場のアクションで収入を生み出す。市場には絹、茶、スパイスの3種類があり、同じ種類の市場を増やして一度に稼働させるのが効果的。また、全種類を1箇所ずつ稼働させるアクションもあり、両方使えば相当な収入が見込めるだろう。

③宮殿では、ダイスを増やしたり、スタートプレイヤーを取ったり、建物の得点を上げたりといった様々なアクションが用意されており、出目と戦略に応じて使う。ダイスを増やしてくれる上にもう1つランダムでボーナスのある「踊り子」と、このゲーム中重要な要素となっている「カルマ」を増やすヨガ行者が特に鍵になっている。

「カルマ」は、ダイスを逆さまにすることができるリソースで、数字が小さくてコストが足りないときなどに使う。しかしガンジス川の途中に、カルマの数だけダイスがもらえるマスがあるため、無駄遣いは禁物だ。

そしてタイトルにもなっている④ガンジス川では、自分の船を進めて止まったマスのボーナスが得られる。もらえるボーナスはダイスや「カルマ」や名声点や収入など多彩で、先に進むのが楽しい。

こうしたアクションを通じて、お金と名声を増やしていくが、このゲームの特徴は、お金トラックと名声トラックがそれぞれ反対側からスタートし、どちらもだんだん増えていって交差したらゲーム終了になるところだ。最後は、より深く交差したプレイヤーが勝利する。市場を主にして収入を先に上げるか、建物を主にして名声を先に上げるか、戦略の分かれるところだ。それぞれのトラックには途中で労働者を増やしたり、ボーナスが入るところもあり、進め方に影響を及ぼす。

アクションなどは全てアイコン化されていて分かりやすく、例外処理は少ないため、ルール説明はあまり時間がかからない。しかしゲームを始めるとすぐ、多くの悩みどころに直面する。ほかのプレイヤーの動向を見据えつつ、自分の前にあるダイス目と相談しながら、どのアクションをどういう順番で選ぶか、12択あるタイルのどれを取るかが悩ましい。

今回は絹市場をどんどん建てて安定収入を先に確保し、建物の得点を増やしてから建物を建てる作戦。カルマも潤沢でダイスにも困らなかったが、一歩及ばず。ダイスの補充をあまりせず、できることが極端に少ない場面がしばしばあったのが微妙に響いたようだ。でもダイス運によるゆらぎがこのゲームの魅力であり、ドラマも演出している。

Rajas of the Ganges
ゲームデザイン・ブラント夫妻/イラスト・D.ローハウゼン
フッフ(2017年)
2~4人用/12歳以上/45~75分

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