ブラフボードゲームの類型

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先日、「ボドゲ説法II:法華経如来寿量品とブラフゲーム」というタイトルで講演する機会があり、そのための資料として試みにブラフゲームの分類を行った。1つのボードゲームがいくつかにまたがる場合や、またいずれにも当てはまらない場合もありそうなので、MECE(重複なく、漏れなく)は満たしていないが、好みのブラフゲームの系統を考える上では有用かもしれない。

1.はったり系
“bluff”自体にこの訳語が当てられている。BGGの”Bluffing”は騙すゲーム全般を指すが、ここでは狭義で捉え、「こけおどし」「からいばり」などとも訳されるように、自分がもっているカードなどを大きく見せかけるゲームを分類する。戦術は内心はさておき、自信たっぷりに見せることで、見抜くには、冷静な状況判断が求められる。
例:ブラフ、コヨーテ、キャッシュ&ガンズ、スカルなど

2.人狼系
BGGでは”hidden traitor(隠れた裏切り者)”と翻訳され、「1人ないし複数のプレイヤーが「裏切り者」となり、チームで目的を達成するのをひそかに妨害するゲーム」と説明されている。 戦術は巧みな話術と信用を集めること、見抜くには、話の中の矛盾を注意深く掴むことである。
例:人狼、お邪魔者、レジスタンス、マフィアデクーバ、タイムボムなど

3.正体隠匿系
人狼系よりも広く、自分(たち)が何者であるかを隠して目的を達成することを目指すゲーム。BGGでは”Bluffing”に分類されている。自分そのものが隠す対象なので、戦術は演技力や心理的に優位に立つことになる。見抜くには推理力がカギとなる。
例:犯人は踊る、悪魔城への馬車、クー、マスカレイド、シャドウレイダーズ、エセ芸術家ニューヨークへ行く、インサイダーゲームなど

4.隠蔽系
BGGでは”Bluffing”に分類されているが、はったり系と逆方向で自分に都合の悪いものを隠すゲームを分けるであり、正体隠匿系とは自分自身か所有物かで分ける。戦術はポーカーフェイスで、見抜き方としては態度の嘘反応(作り笑い、つま先の方向がこちらを向いていない、腕時計やアクセサリーをいじる、下唇を噛むなど)を見破ることが必要となる。
例:ごきぶりポーカー、チャオチャオ、いかさまゴキブリなど

5.秘密プロット系
BGGでは”Secret Unit Deployment”(秘密ユニット配置)と呼ばれ、相手に内容が分からないようにコマを配置するゲームを指す。戦術としては相手の裏をかくこと、対抗策としては裏の裏をかくことということで、心理戦の要素も強い。
例:ガイスター、10ミニッツ・トゥ・キル

6.裏切り系
BGGで”Negotiation(交渉)”に分類されている作品のうち、約束を反故にできるゲーム群。自分への信用を覆す。そのためにはある程度信用を得る行動をしておく必要があり、対策としては全面的に信用せず、裏切られたときのためにリスクヘッジをしておくことになる。
例:ディプロマシー、イントリーゲなど

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