2020年3月アーカイブ

ケンビルは4月23日、『シティブロックス(City Blox)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・J.ベルイ、2~4人用、6歳以上、15分、3500円(税別)。4月10日までの予約で先行入手可。

ジェイコブ・ブリック・ゲームズ(デンマーク)から2019年に発売されたパズルゲーム。ブロックを重ねたり並べたりして自分の3つのプレートに配置し、お手本カード通りの形の建物を完成させることを目指す。

各プレイヤーにはブロックを設置するプレートと、家、学校、スーパーマーケットの形状を指定する穴の空いた地形カードが配られる。親が用意したブロックから選択して、自分のプレートに配置し、3つのプレート全てで指定された形状の建物を最初に完成させれば勝利する。

しかし1つのプレートが完成するたびに引くイベントカードで思わぬアクシデントが発生する。ブロックを交換する「誤配」、ブロックを取り除く「ハリケーン」、ほかのプレイヤーにブロックが配られる「ボーナス」など、ゲームを大きく変えるイベントで、先行しても油断はできない。

ケンビル:シティブロックス日本語版

ホビーベース・イエローサブマリンは4月25日、カードゲーム『Gloom(グルーム)―不幸な物語と悲惨な結末―』日本語版を発売する。ゲームデザイン・K.ベイカー、イラスト・M.ネフュー&J.S.リーヴス、2~5人用、13歳以上、60分、3600円(税別)。

オリジナルはアトラスゲームズ(アメリカ)から2004年に発売された作品。今回の日本語版は2014年の第二版に基づく。ほかにクトゥルフ、フェアリーテール、マンチキン、宇宙版も発売されている。社会に適応できず人間嫌いな一族のキャラクターが死亡するまで、できるだけ多くの悲劇を味わわせることを目指すマゾヒスティックなカードゲームだ。

透明なプラスチック製カードを使用し、キャラクターカードに、不幸度が記載された運命カードを重ねていく。上から見えている数値の合計が、そのキャラクターの不幸度になる。ほどよく不幸度が溜まったところで、「時ならぬ死カード」でキャラクターを死亡させ、不幸度を確定させる。

一方、他の一族のキャラクターには幸せで健康的で退屈な人生を送らせる。誰かの操るすべての一族が死亡した時点で、自分の操る一族の不幸度がもっとも高いプレイヤーが勝利。

一風変わったルールと、芸術性の高い古色蒼然としたアートが織りなす独特な世界観が魅力のゲームだ。


(写真は英語版)

ボードゲーム『パンデミック』のデザイナー、マット・リーコック氏がニューヨークタイムズ(2020年3月25日)に投稿したオピニオンを翻訳。


オピニオン

プレイヤー1人だけでこのボードゲームに勝つことはできない。それが『パンデミック』である。
私はみんなが一緒に遊ぶことを奨めるためにある協力ゲームを作った。Covid-19はこれまで以上に関連性が高まっている。


妻のドナと私の生活は、2月下旬に緊急事態となった。彼女の調子が悪く、インフルエンザの症状を発症したのに、4週間にわたってコロナウイルスの検査を受けることができなかったのである。結局検査を受けて、陰性だったときはほっとした。

しかし、このことはいくつかの意味で私に関わることだと感じた。ドナは2008年に発売されたボードゲーム『パンデミック』を発案し、私は彼女と遊ぶためにゲームをデザインしていたのである。

私たちは新婚時代、あらゆる種類のゲームを一緒にプレイした。うまくいったものもあれば、そうでないものもあった。特に悲惨な交渉ゲームを思い出す。私の心理的操作、執拗な競争、プレイ中の裏切りが感情が現実世界につながり、私たちの関係を悪化させた。

初めて協力ゲームを一緒にプレイしたとき、私たちは著しく異なる体験をした。課題は共有されることでいっそうエキサイティングになる。勝ったか負けたかに関係なく、私たちは一緒に行動でき、二人ともゲームを楽しんだ。

それを念頭に置いて、2004年に最初の協力ゲームのデザインを始めた。その頃SARSの流行が起こり、ウイルスはプレイヤーが直面する完璧な敵対勢力になると思った。ウイルスは容赦なく、執拗で恐ろしいものである。

私は、ゲームボード、カードのデッキ、木製のキューブを使って、ウイルスの行動の簡単なモデルを作り始めた。

その結果が『パンデミック』である。このゲームでは、4つの致命的な病気から人類を救うため、全てのプレイヤーが協力する。皆が順番に世界中を飛び回り、短期的脅威への対処として感染集団を治療し、長期目標として治療法が発見されるまで時間稼ぎをする。

各プレイヤーは異なる役割を受け持ち、独自のスキルを持っている。感染症の治療に熟練した医者や、治療法の開発のために重要な知識を共有するべく世界を駆け巡る研究者、他の専門家が都市間を移動するのを助ける通信指令員などになる。

プレイヤーは、必要に応じてお互いを理解し、承認し、挑戦できるように、自分の考えを明確かつ効果的に伝えなければならない。病気の蔓延を遅らせるのに最も効果的になるよう、計画を調整しなければならない。何よりも、協力しなければならない。プレイヤー1人だけでゲームに勝つことはできない。

『パンデミック』が発売されたとき、協力ゲームはほとんど存在しなかった。協力ゲームの人気が高まるにつれ、協力ゲームが流行するまでなぜこんなに長い時間がかかったのか疑問に思った。最近まで私たちが、なぜゲームと競争が同義であると考えていたのかも。

現在の状況を考えると、『パンデミック』いうゲームが人気があるのは驚くことではない。ソーシャルメディアの投稿を見ると、『パンデミック』をプレイしたり、『コンテイジョン』のような災害映画を見たりすることは憂鬱で、おそらく社会的に受け入れられないのではないかと心配している人が多い。しかし私にとって、そのような活動は新しい現実に対処する自然な方法である。人々が恐怖に立ち向かい、状況を理解し、大胆に巨悪を打ち負かそうとするため、いくらかはコントロールしている感覚さえも得ることができる。

しかし、リアルに人々が苦しんでいるとき、ゲームは現実の出来事に似ていたほうがいいと聞いて、不快になるのは仕方がない。

私の希望は、『パンデミック』がこの危機の時代に行動モデルを提供できることである。私たち全員が、役割を果たすために世界中を駆け巡るヒーローである必要はない。私たちはそれぞれ特別なスキルを持っており、それらを使って、街や州全体の封鎖をより安全で辛抱しやすくできる。私たちは効果的にコミュニケーションをとり、友人や愛する人に手を差し伸べなければならない。また、事実に基づいていることを確認した上で、ソーシャルメディアでシェアしなければならない。

私たちは協力し、近所に住む老人の世話をし、可能な限り在宅で仕事をする方法を見つけなければならない。また、子供たちを楽しませ続けるため、入手困難な物資を手に入れるのを助けるため、最前線の医療従事者を支援するため、アイデアを調整し、共有しなければならない。ウイルスの蔓延を遅らせるため、真剣な集団行動と犠牲を払うことになるだろう。組織、個人、一部の政治指導者が頑張っているのを見ると心強い。

しかし、私がドナとの新婚の頃にプレイしたあの悲惨なゲームのように、全員が協力し合っているわけではないことは明らかである。買いだめや便乗値上げは危機に際してあってはならない。指導者の一部が他の国や政党を非難したり、病気の危険性を誤解させたりするような、仮想敵戦略も取ってはならない。

ボードゲームはあまり儲からないが、私にたくさんのことを教えてくれた。私たちは皆、自分の強みを発揮し、短期的な脅威と長期的な目標のバランスを取り、共通の利益のために犠牲を払う必要がある。コミュニケーションと調整、そして効果的な協力ができれば、私たちはこの容赦のない恐ろしい敵をよりきっと克服できるだろう。

New York Times:Opinion No Single Player Can Win This Board Game. It's Called Pandemic.

日テレ「ニノさんSP」に草場純氏出演

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日本テレビ系で28日に放送されたバラエティー番組『ニノさんSP』に、「出川哲朗を知らない人」としてゲーム研究家の草場純氏が登場した。

マニアフェスタで囲碁で絵を描く活動をしているという2人組の紹介で発見された「69歳男性」が草場純氏。出川氏だけでなく番組出演者も全く知らないという。スタジオに招かれた。

草場氏の自宅はテレビも冷蔵庫もなく、「情報はいらない」「情報ありすぎ」と語る草場氏。テレビを見なかった理由として挙がったのがボードゲーム。珠洲ノらめる氏らが「レジェンド」と呼んでいるシーンが流れ、自宅には40年かけて集めたという2000個のボードゲームがずらり。

草場氏は「プレイ人口200万人以上、続々と登場するボードゲームカフェ」というボードゲームカフェのブームの仕掛け人であることが明かされた。「自分だけが知ってる楽しみをみんなに知ってもらいたい」と38年前にボードゲームサークル(なかよし村)を始め、今では2万人以上が集まりゲームマーケットを20年前に始めた創立者のひとりでもある。

ゲームマーケットの創立に関して、「後追いって嫌じゃないですか、流行の先端を行く人たちはいるけど、その1つ前にイノベーターっているんですよ。流行を作る人ね。私はそのもう一個前にいきたいなと思って。明日の男じゃなく明後日の男になりたい」と語った。

その後、スタジオで草場氏イチオシのボードゲームとして『ボブジテン』を実際に遊び、盛り上がった。

ORICON NEWS:『ニノさんSP』で"出川哲朗を知らない人"を捜索 キンプリ平野も"熱々おでん"に参戦!?
ゲーム研究家・草場純さんの研究を収集するサイト

deadlineJ.jpgアークライトゲームズは4月23日、協力型ミステリーゲーム『デッドライン(Deadline)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・A.B.ウエスト&D.シュネイク、イラスト・T.バビー&P.ギフォード&G.オービク、2~4人用、14歳以上、60分、4500円(税別)。

オリジナルは2017年、ウィズキッズ社(アメリカ)から発売された。探偵となり、協力して怪事件の謎を解き明かす謎解きボードゲーム。

舞台は1930年代のニューヨーク。プレイヤーは元警察官のボスが集めた精鋭の探偵となり、協力して手札を出し合い、手がかりカードを集め、物語を進めて、事件の真相解明を目指す。

プレイヤー同士がコミュニケーションをとりながら推理を進めていくが、必要な情報はすべてカードのやりとりで手に入れて確認できるため、メモを取る必要はなくプレイアビリティーが上がっている。しかしプレイヤー全員が協力してカードを出していかないと、あっさりと失敗してしまうスリルもある。

事件は12種類。ウソをつく関係者たち、現場に残されたさまざまな証拠、そして二転三転する物語......いずれの事件にもミステリーマニアが喜ぶようなトリック、仕掛けが満載で、ミステリードラマの主人公になりきって推理の腕が試される。

内容物:探偵カード 8枚、弾丸トークン 3個、紙マッチトークン 4個、調査カード 45枚、イベントカード 20枚、手がかりカード 233枚(12セット)、事件簿 1冊、探偵バッチ 1個、質問帳 1冊、解答篇 1冊、早見表カード 4枚(カードサイズ:63×88mm)

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(写真は英語版)

グループSNE/cosaicは4月24日、マーダーミステリーゲーム『人狼村の祝祭』(ゲームデザイン・桜井理人&秋口ぎぐる、アートワーク・タンサン、7~8人用、15歳以上、120分)と、『ダークユールに贖(あがな)いを』(ゲームデザイン・友野詳、7~9人用、15歳以上、180分)を発売する。アートワーク・タンサン、各3200円(税別)。

昨秋発売された『九頭竜館の殺人』『何度だって青い月に火を灯した』に続くパッケージ型オリジナルマーダーミステリーシリーズ第3弾・第4弾。前者は『九頭竜館の殺人』を担当した秋口ぎぐる氏と税理士も務める桜井理人氏がコラボ。後者はTRPG作家・小説家の友野詳氏が制作した。

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『人狼村の祝祭』は人狼伝承の残る小さな村が舞台。古から続く祝祭の翌朝、旅の商人の死体が発見された。死体はおぞましくも殴られ、毛髪をむしられ、喉の肉をえぐられていた―あたかも人狼に襲われたかのようである。村では2か月前にも鍛冶屋の妻が同様の死体となって発見されている。これは本当に人狼の仕業なのか? 王都から派遣された騎士はどこに消えた? なぜ占い師がふたりいる......?
大阪のマーダーミステリー専門店「フーダニット」で公演されているシナリオがいよいよ製品版となる。

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『ダークユールに贖いを』は十年に一度、北の果ての町で開催される吸血鬼の大集会で事件が起こる。人間たちをいかに扱うかで、吸血鬼たちは2つの派閥に分かれ、対立の緊張が高まっていた。そして、暗く長いダークユール=冬至の夜、大集会開幕直前に黒く焦げた死骸が見つかった。派閥いずれかのナンバー2である吸血鬼が滅ぼされたのだ。被害者はどちらか? 睨みあう上位の吸血鬼たち。秘めた目的のため、事件解決に挑む新参者たち。見え隠れするヴァンパイアハンターの罠。そして、遠い過去からよみがえる旧き吸血鬼の影。贖罪を果たしたのは誰なのか......?もつれあう愛憎の糸をほどき、真相に至ることは果たして......。

MYSTERY PARTY IN THE BOX 公式サイト

アメリカ卓上ゲーム賞(The American Tabletop Awards、以下ATTA賞)委員会は24日、2回目となる今年の大賞を4部門にわたって発表した。ボードゲームを紹介する在米のブロガーやユーチューバーなど10名の委員が選んだ作品は以下の通り。

ATTA賞は、アメリカのボードゲーム市場が急速に拡大する中、ドイツ年間ゲーム大賞、フランス・アスドール、スペイン年間ゲーム大賞、オーストラリア・カンガ賞のような一般向けの賞がアメリカになかったことから昨年創設された。

対象は英語ルールがあること、現物があること(プリント&プレイ版などでないこと)、前年に初版でリリースされたこと、小売またはクラウドファンディングが条件で、委員が5タイトルまでをランキングを付けて推薦し、これを集計して決定する。

共同設立者で、レビューサイト"What's Eric Playing?"を運営するE.ユルコ氏は、「昨年にこの賞を立ち上げて喜んでいます。業界から大きく受け入れられフィードバックを頂きました。その一部で、今年はスケジュールを早めています。今年の大賞を発表できることを本当に楽しみにしていました」とコメントしている。

大賞受賞作品のうち、『ウイングスパン』と『ティーフェンタールの酒場』はアークライトから日本語版が発売されており、『ドラフトザウルス』は数寄ゲームズが日本語訳付き輸入版を取り扱っているほか、ジェリージェリーゲームズが日本語版を計画している。

【アメリカ・テーブルトップ賞2020】
初心者ゲーム部門:ドラフトザウルス(Draftosaurus)
ノミネート:アクイコンカブ(Aquicorn Cove)、ラマ
推薦:スノーマンダイス、マイ・ファースト・キャッスルパニック(My First Castle Panic)

カジュアルゲーム部門:シップシェイプ(ShipShape)
ノミネート:雅、シルバー&ゴールド(Silver & Gold)
推薦:ポイントサラダ、ウェーブレングス(Wavelength)

戦略ゲーム部門:ウイングスパン
ノミネート:勝負、ハダラ
推薦:クランク・レガシー(Clank! Legacy)、エコス:最初の大陸(Ecos: First Continent)

コンプレックスゲーム部門:ティーフェンタールの酒場
ノミネート:パイプライン(Pipeline)、クトゥルフ~死もまた死すべし~
推薦:バラージ、パックス・パミール(Pax Pamir)

The American Tabletop Awards:2020 American Tabletop Award Winners

membersonlyJ.jpgグループSNE/cosaicは4月24日、『メンバーズオンリー(Members Only)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・R.クニツィア、3~5人用、12歳以上、60分、3000円(税別)。

オリジナルは1996年、ブラッツ社(ドイツ)から発売された。その後、メイフェアゲームズ(アメリカ)が2010年にリメイク作品『グレンズ・ギャラリー』を発売しているが、オリジナルで外国語版が出るのは初めてとなる。絶版となってからもしばらく、日本ではThe One Hundredに入るなど名作として名高い。

テーマはイギリス社交界。日々、暇を持て余した紳士たちがおかしな賭けに興じている。テーマは「今月は何日雨が降るか」「新聞に皇室スキャンダルがいくつ載るか」「英国首相が公式の場で何倍紅茶をこぼすか」「何人の議員が辞職するか」「競馬場で何回奥様がたの帽子がダブるか」の5つ。最終的な結果は、皆が手札から出すカードによって決まる。

少しずつ状況が明らかになっていく中、最終的な枚数を予想して賭けよう。しかし中には出したカードを打ち消す「No!」カードも混じっているので、結末は最後まで分からない。手堅く賭けるか、ハイリスクを承知で大胆に賭けるか。クニツィアらしいジレンマたっぷりのゲームだ。

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tohobumletter.jpgアークライトは4月16日、カードゲーム『ラブレター』の東方Project版『東方ボムレター―届け弾幕!―』を発売する。ゲームデザイン・カナイセイジ、2~5人用、10歳以上、5~20分、2200円(税別)。

クトゥルフ、おそ松さん、ロード・オブ・ザ・リング、スターウォーズ、バットマンなど、国内外でこれまでさまざまなバージョンが発売されてきた『ラブレター』が、弾幕シューティングゲームシリーズ東方Projectとコラボ。霊夢や魔理沙といった自機組に加え、最新作「東方鬼形獣」から埴安神袿姫も収録。幻想郷を舞台に複合的に発生した異変をいち早く解決する。

新ルールが追加されており、東方Projectファンのみならず、『ラブレター』の新バージョンとしてエキサイティングな新境地を堪能できる。『ラブレター』の基本ゲームとしてもプレイ可能。

内容物:自機カード 5枚、基本ゲームカード 15枚、拡張ゲームカード 4枚、ボスカード 6枚、得点カード 10枚、早見表カード 5枚、ボムトークン 12枚、説明書 1冊(ボスカードまでの30枚にテキストレスカード、早見表カード以外サイズ63×h88mm)

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ゲームマーケット事務局は24日、4月25~26日に開催される予定だったゲームマーケット2020春について、新型コロナウィルスの流行拡大を受けて開催自粛することを発表した。今月開催予定だったゲームマーケット2020大阪に続く2回連続の中止で、国内ボードゲームシーンへの影響はますます大きくなっている。

事務局では関係機関と協議を続けてきたが、安全が確保されるという結論に至らず、またマスク着用や検温チェックの義務化、入場規制や試遊中止など万全の対策を行った場合、もはや楽しく過ごせるイベントではなくなってしまうという思いや、この時期に大規模な感染拡大があった場合、ボードゲーム全体のイメージが低下する危惧があったという。

ゲームマーケット2020大阪は政府の中止・延期要請を受けて開催11日前に中止が発表されたが、今回はキャンセルにかかるコストを抑えるため、早めの1ヶ月前の発表となった。

「ゲームマーケット20周年記念カタログ」となったカタログは販売を継続し、チケットは今後のゲームマーケットで使えるようにする。支払い済みの出展料については、返金・次回以降で使用・寄付のいずれかを選ぶことができる。また当日販売できなくなったゲームについては手数料0円の通販サイトを始めるほか、コラボイベントで直接販売する機会も設けるという。

これによって次回のゲームマーケットは11月14~15日に行われる2020秋となった。開催まであと8ヶ月、事態の収束を祈りたい。

新型コロナウィルスは現在、欧米で感染が急拡大しており、ボードゲームイベントにも影響が出ている。3月27日から3日間にわたって開催予定だったシュピール・ドッホ!(ドイツ)が中止、5月29~31日に開催予定だったUKゲームエキスポ(イギリス)が8月21~23日に延期することになっている。6月17~21日に開催予定のオリジンズ(アメリカ)は5月1日に開催の可否を判断するとしている。

ゲームマーケット公式:【重要】ゲームマーケット2020春 開催自粛のお知らせ

グループSNE/cosaicが発売しているマーダーミステリーゲーム『九頭竜館の殺人』について、人気Youtuber「東海オンエア」が実況動画を配信したことにネタバレとの批判が相次ぎ、公開が停止された。この影響で大阪のマーダーミステリー専門店「フーダニット」はこの作品について公演休止を決定している。

マーダーミステリーは昨年から注目を集めている正体隠匿の推理ゲームで、各プレイヤーには殺人事件の登場人物が割り当てられ、会話を通して情報を集めて真犯人を探す。それぞれの登場人物の背景や、事件当日の行動などがシナリオに沿って設定されており、まるで推理小説の世界に入ったような体験ができる。結末は最後に発表されるが、一度知ってしまうとその作品はもう遊ぶことができないネタバレ厳禁のゲームだ。

「東海オンエア」は19日に実況動画「【ネタバレ注意】人生で一度しかできないボードゲーム 「マーダーミステリー」やってみた生配信」を公開。ネタバレについてはタイトルやコメント欄で再三注意を喚起していたが、翌日、グループSNE/cosaicの公式ツイッターで「現在弊社商品のプレイ動画が上がっているということで確認調査中です」という告知があったため、許可を得ていないことが明らかになり、ネットで批判が相次いでいた。

グループSNE/cosaicは公式サイトに「プレイ動画やリプレイ記事の配信やアップロードはできるだけやめていただきますようよろしくお願い申しあげます」「どうしてもプレイ動画、リプレイ記事等を作りたい方は下記に記載されておりますアドレスまでご連絡くださいませ」と記載している。

22日には大阪のマーダーミステリー専門店フーダニットが「動画投稿におけるネタバレの存在により、ネタバレを知ってしまった参加者が混ざってしまう危険を考慮し、(『九頭竜館の殺人』の)公演を休止します」と発表。この間も動画の再生数は150万回を超えていたため、批判は更に強まった。24日、グループSNE代表の安田均氏が、東海オンエアからの連絡は20日からあったが三連休を挟んで返事ができなかったという対応の遅れを認めると共に、東海オンエアが動画を公開停止とする連絡があったこと、これ以上の措置は取らないことを明らかにした。

マーダーミステリーに限らず、近年のボードゲームには謎解き・脱出ゲーム系が人気で、ネタバレには敏感になっている人も多い。今回の一件はまるごと2時間以上にわたって配信してしまった極端な例だが、ちょっとした感想でもネタバレと取られることもある。なお、グループSNE/cosaicは公式サイトで「ネタバレを含まない紹介については大歓迎です」と記載している。

cosaic:パッケージ型マーダーミステリー公式サイト
流行りのマーダーミステリー炎上問題について(小田ヨシキ/グループSGR)
livedoor news:東海オンエア、重大なネタバレ動画で炎上 ゲーム公式も注意喚起

ホビーベース・イエローサブマリンは4月28日、カードゲーム『赤い扉と殺人鬼の鍵 BLACK MAZE DEEP』を発売する。ゲームデザイン・オズプランニング、イラスト・仮眠、2~6人用、10歳以上、10~分、2400円(税別)。4月25日のゲームマーケット2020春にて先行発売予定。

オリジナルはオズプランニングがゲームマーケット2019秋で頒布した作品。ゲームマーケット2019春に頒布され人気を博した『赤い扉と殺人鬼の鍵』の第2弾で、ゲームマーケットでは300人以上の列ができ、販売開始から30分で完売した。これに新しいカードを加えて一般発売される。

プレイヤーは、並べられた「赤い扉カード」を順番に取り、カードに書かれた指示に従って、殺人鬼の潜む迷宮から脱出することを目指す。「銀の鍵」を3枚集めて「脱出口」を見つけることができれば脱出成功。しかし途中で「殺人鬼の鍵」をめくったプレイヤーは裏切り者となり、ひそかに他の全員を殺し始める。殺人鬼を見つけ出して、無限の黒い迷宮から生きて出ることはできるだろうか?

難易度は40段階で調整可能。ゲームごとに難易度を変えて挑戦し続けられる作品だ。

3月21日の日曜随想掲載分。前回はこちら



 新型コロナウィルスで世界的に混乱が続く中、臨時休校・外出自粛による「巣ごもり需要」でボードゲームが注目されている。日本トイザらスではボードゲームやカードゲームなどの売上げが前年同時期4割増、博品館(銀座)ではパズルゲームやボードゲームの問い合わせが増えているという。WHOが「ゲーム障害」を依存症に認定し、香川県がネット・ゲーム依存症対策条例を制定するなど、健康への悪影響が取り沙汰される中、親としては子供をテレビゲームやインターネット漬けにしたくないという思いがあるのだろう。

 9年前、東日本大震災後にもボードゲームが注目されたことがあった。「節電ブーム」と「家族の絆」によって、一つの部屋に集まってボードゲームを遊ぶことがもてはやされたのである。電気を使わず、人と人がふれあって遊べるボードゲームはそれ以来、認知度が急激に高まった。それと比べると今回はみんなで過ごすことが主眼ではなく、対戦相手が必要なボードゲームは、一人でできる娯楽よりも分が悪そうだ。

 それでも子供にボードゲームを買ってくる親は「頭が良くなりそう」「知育にいい」と思っている節がある。実際、「脳が活性化し、分析力・協調力・集中力・記憶力などが育まれ、家族みんなで遊ぶことで、愛着と共感性が強まる」(東北大学・川島隆太教授)といった知育効果も謳われているが、肝心な点は、子供が自ら遊びたいかどうかである。親が知育目的で買ってきたボードゲームは、学習ドリルと同様、たいてい見向きもされない。それはもはや遊びではなく、お勉強になってしまうからである。

 筆者は県の家庭教育アドバイザーとして、学校などで親や祖父母を対象にお話をする機会があると、何でもいいから子供と一緒に楽しく遊ぶよう強く勧めている。散歩、自転車乗り、おいかけっこ、草花集め、虫取り、釣り、キャッチボール、砂・泥遊び、木登り、石投げ、そり、雪だるま作りなど、昔ながらの外遊びが一番だが、昨今の交通事情や治安事情から難しくなっているのが現状である。そこで代わりに勧めているのがトランプやボードゲームだ。トランプだったら神経衰弱や七並べなど、だいたい誰でも分かるだろう。ボードゲームなら『ブロックス』『ラミィキューブ』『ウボンゴ』あたりが入手しやすい。

 これらはまず第一に、手軽である。簡単なものなら平日でも夕食が終わった後、寝るまでの15~20分くらいで遊ぶことができる。第二に、部屋にこもりがちな子供をみんなのいる部屋に自然に留めておける。中学生ぐらいにもなれば親子の会話もなくなりがちだが、ボードゲームを遊びながら、学校であったことや友達のことなどを話してくれるかもしれない。第三に、実はこれがいちばん大切なことだが、親も本気で楽しめる。子供にただ付き合っているだけではつまらないし、子供もそのことを見抜いてしまう。勝負に真剣になっている表情、勝ったときの笑顔、負けたときの悔しい顔......親が普段見せない人間らしさを、子供は見るのが大好きだ。

 一緒に遊んだ思い出は、親や祖父母が亡くなった後も子供の心に一生残る。筆者も、祖父と将棋やオセロをしたことを今でも覚えている。いつもコテンパンに負かされていたが、今思い出すと「悔しい」という感情ではなく、温かい、懐かしい気持ちになれる。今の世の中、親はスマホ、子供はゲーム機を見つめるだけの生活では、大人になってから親と一緒に何をしたか思い出せない。子供がやがて親となったとき、その子供と何をして遊ぼうかというときに、自分が親や祖父母と遊んでもらった記憶が頼りになるはずだ。

doublenine.jpgアークライトゲームズは4月16日、スイッチゲームズのレーベルでカードゲーム『ダブルナイン』を発売する。ゲームデザイン・H1R0、イラスト・プラネ&チヨコ、2~4人用、8歳以上、10~20分、1800円(税別)。

オリジナルは妄想ゲームズがゲームマーケット2017秋に発表し、ゲームマーケット大賞で一次審査を通過した作品。カードの能力を駆使して自分の前にあるカードをダブルナイン(99)に近づけることを目指す。

手番には2枚の手札から1枚を選んで自分の場に出す。カードには0~9の数字があり、場には「ジュウノクライ」と「イチノクライ」があって、2桁の数字ができるようになっている。カードはどんどん上書きされていき、山札がなくなった時点で、自分の場のカードの数字が最も多い人が勝つ。

各カードにはキャラクター能力があり、カードを出すたびに刻一刻と戦況が変化していき、勝敗は最後の最後まで分からない。ゲームを彩るかわいいキャラクターイラストも魅力的なカードゲームだ。

今回の一般発売に当たって、ペア戦ルールとランダム目標ルールが新たに収録され、10種20枚の拡張カードも加わって、楽しみ方の幅が広がっている。

内容物:基本カード 20枚、拡張カード 20枚(カードサイズ:63×88mm)、00カード 4枚、勝利チップ 4枚、説明書 1枚

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caboJ.jpgアークライトゲームズは4月16日、『カーボ―まぼろしのユニコーンをさがして―(Cabo)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・M.ヘニング&M.ライムズ、イラスト・A.ムキート、2~4人用、8歳以上、45分、1600円(税別)。

オリジナルはイーヴンタイドゲームズから2010年に発売された作品。ユニコーンのテーマを乗せてベジエゲームズ(アメリカ)が2018年にリメイクした。トランプのルール「ゴルフ」をベースにしたカードゲームで、かわいくて臆病なユニコーン"カーボ"に最も近づくことを目指す。

毎ラウンド、プレイヤーは手札として数字の書かれたカード4枚を配られるが、一部は内容を確認することができない。そこで手番にカードを交換したり、特殊能力カードを使用して相手の手札をのぞき見たりしながら、推理とハッタリで互いの手札の合計値を予測する。

caboJ2.jpg自分の手札の合計値が、皆で最も小さいと思ったら「カーボ!」宣言。予想が正しければ失点ゼロ。外れていれば合計値に加えて10点のペナルティーがある。ほかのプレイヤーも手札の合計値だけ失点になる。誰かが規定点に達するまでプレイし、合計値の最も少ないプレイヤーが勝利する。

手軽に心理戦が楽しめ、意外な結末に盛り上がれるカードゲームだ。

内容物:ゲームカード 52枚(※カードサイズ:63.5mm × 88.9mm)、早見表カード 4枚、メモパッド 1冊、ルール説明書 1枚

agricola2bbJ.jpgホビージャパンは4月中旬、2人用ゲーム『アグリコラ:牧場の動物たち THE BIG BOX(Agricola: Die Bauern und das liebe Vieh - The Big Box)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・U.ローゼンベルク、イラスト・K.フランツ、2人用、10歳以上、30分、5000円(税別)。

ゲーマーズゲームの定番『アグリコラ』を2人プレイ専用にした同タイトル(2012年)に、これまで発売された2つの拡張セット『牧場にもっと建物を』(2012年)『さらに牧場にもっと建物を』(2013年)を同梱した改訂版。いずれも日本語版が発売されていたが、現在は入手困難となっている。

ワーカープレイスメントで交互にアクションを行い、牧場を作り、できるだけたくさんの動物を飼う。基本の建物に加え、拡張の建物の効果を組み合わせ、効率よく動物を増やしつつ、飼う場所を確保しなければならない。

特別な建物タイルが54枚入っており、この中から毎回ランダムに4枚(経験者ルールでは8枚)を使う。これによってゲームの方向性は毎回変わり、繰り返し遊べる作品となっている。ルールブックでは、各建物タイルの効果やほかの建物との関係について詳細が記されている。

これまでディスクだった資材コマと労働者コマがそれぞれを模した木製コマになり、雰囲気もアップした決定版の登場だ。

内容物:ゲームボード1枚、農場ボード2枚、農場拡張ボード5枚、基本の特別な建物タイル4枚、特別な建物タイル54枚、代用マーカー9枚、スタートプレイヤーマーカー1個、労働者コマ6個、動物コマ65個、資源コマ37個、飼葉桶コマ10個、境界コマ26本他

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crazyeggzJ2.jpgアークライトゲームズは4月23日、『ロベルト・フラガのクレイジーエッグ―タマゴ収穫狂騒曲―(Crazy Eggz)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・R.フラガ、アートワーク・C.マット&I.パロヴェル、2~4人用、7歳以上、15分、2400円(税別)。

ハバ社(ドイツ)から2003年に発売された『ダンシング・エッグ』を、ハッピーバオバブ社(韓国)が2018年にリメイク。手番制から同時プレイになり、激しいアクションをなくして遊びやすくなった。

タマゴを1個、スタンドに乗せてスタート。サイコロを振って「コケコッコーという」「タマゴを取る」「サイコロを取る」「片手を上げ片手を下げる」という指示が出たら、一番早く反応してアクションを行ったプレイヤーはタマゴを1個獲得。別のサイコロの目で指定された「脇の下」「肘の内側」「首と肩の間」「顎の下」「膝の間」に挟み込まなければならない。

一方、「唇に人差し指を当ててシッという」「タマゴに触れる」の目が出たら、一番遅かった人がタマゴを返す。また、ストックのタマゴが全部なくなった場合は、全員が一回転してタマゴを落とさないようにチャレンジする。

タマゴを獲得すればするほど、落とさないようにしてみんなのポーズはどんどん変なものになっていく。さらにブルーのタマゴはほかのタマゴより重くて固く、落としやすくなっている。5個のタマゴを抱えて「コケコッコー」と勝利の声をあげよう。

内容物:オレンジのタマゴ 9個、ブルーのタマゴ 1個、タマゴ・スタンド 1個、アクション・ダイス赤 1個、カラダ・ダイス白 1個、ゲームの箱(タマゴケース) 1個、ルール説明書 1冊

セネターズ(Senators)

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プレイ時間に比例しない深さ

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このゲームの日本語版がリリースされたゲームマーケット2019秋、B2FGamesの吉田店長からプレイ時間の長さとゲーム体験の深さは別物だという見解を伺った。プレイ時間が長いからといってルールをなぞっているだけでは深くならないし、プレイ時間が短いからといってライトゲームとは限らない。このゲームを遊んでみて、吉田店長が何を言わんとしているか理解できた。箱も小さく、プレイ時間は40分程度というミドルクラスでありながら、一手番一手番に濃厚なジレンマがあり、終わってからの満足感が半端ない。しかも「あの時こうすればよかった」「ここでこのカードが出ていたら展開は勝てたかも」と、ゲームが終わってからもしばらく余韻が持続する。

基本はセットコレクションである。カードを入札で獲得し、揃えて売り、そのお金で元老院の支持を上げる。手番ごとにめくられるイベントカードの中から「戦争」が4回出たところでゲーム終了となり、その時点で支持が最も高いプレイヤーが勝利する。

入札の値付けは選択式だが、それでも悩ましい。手番プレイヤーがその金額を受け取って入札したプレイヤーにカードを渡すか、その金額を入札したプレイヤーに支払って自分で取るか選ぶことができる。お金はいつもカツカツで、自分が要らないカードはできるだけお金にしたいが、みすみすカードを相手に渡したくもない。どれくらいの金額なら手を打てるか、ものすごい駆け引きがある。

入札にかけられる4枚のカードのうち3枚は、色と数字のついているカードで、揃えてお金にする。最後の1枚は元老院カードで、その色ならどの数字にもなる「属州監督」、票を奪う「監察官」、票を安く買える「執政官」、どんな組み合わせでもカードを売れる「財務官」がある。タイミングが良ければ逆転できるカードだが、「属州監督」は、イベントで「属州監督裁判」が出ると捨て札になってしまうなど、リスクも伴う。1位のプレイヤーは、「監察官」がほかのプレイヤーの手に渡らないようにするだろう。

さらに毎手番の最初にめくられるイベントカードにいちいち頭を抱える。「財政赤字」が出たら、全員がコインを握り、合計額が規定以上なら一番多く握った人が票を得、規定以下なら一番少なく握った人が票を失う。最多/最少でなくても握ったコインは全て支払わなければならず、囚人のジレンマを味わう。

イベントカードから4枚目の「戦争」が出るのは、いつになるか分からないところも緊張感がある。先行逃げ切りは攻撃を受けやすく、3枚目が出ると皆一斉に票を買いに走るが、そこで間に合うかどうかは分からない。

さらに手番には「強請」というアクションがあり、他プレイヤーから欲しいカードを提示額で買い取ることができる。相手は提示額を逆に支払うことで拒否できるが、お金はできるだけ票を買うのに使いたいし、不意の支出もある中で、プールしておけるお金はさほど多くない。

このように至るところに駆け引きとジレンマが組み込まれており、タフさが求められる。終わった後の疲れが心地よく、深いゲーム体験というものがどういうものかをとことん味わうことができる。

Senators
ゲームデザイン・H.タータ&R.タータ/イラスト・S.グスタフソン他
フェルティ(2017年)+ニューゲームズオーダー(2019年)
3~5人用/10歳以上/40分

著・高橋弘徳(大阪商業大学アミューズメント産業研究所研究員)、朝倉書店(2020年2月1日)。

ボードゲーマーの多くは、現代の欧米ボードゲームを中心に遊んでおり、伝統ゲームと言われてもピンとこないかもしれないが、『マンカラ』『ごいた』『投扇興』『彦根カロム』などと言われれば聞いたことぐらいはある人も多いのではないだろうか。これらをはじめとして、日本および世界各国で古くから遊ばれてきた伝統的なゲームを242種、分類して紹介する。

各ゲームの概要には、どこの国のゲームか、ほかのゲームとどのような関係があるかなどの解説があり、実際に遊べるように「使用するもの」「ゲームの準備」「ゲームの進行」「ゲームの終了と勝敗」が記載されている。ほとんどのゲームは紙に線を引いて、適当なコマを使うくらいなので、読んでいる内にやってみたくなったゲームはすぐに遊ぶことができる。

ゲームの分類は「盤のゲーム」「札のゲーム」「サイコロ」「動作のゲーム」「スポーツのゲーム」「言葉のゲーム」「飲食と五感のゲーム」「動物のゲーム」「くじと当てもののゲーム」「比べ合うゲーム」に分かれており、さらに細かい分類がある。索引では地域別や五十音順に探すこともできる。日本のゲームが圧倒的に多いが、名前も聞いたことがないような世界中のゲームも少なくない。

ボードゲームのシステムに関心のある方は、各分類の説明が参考になる。例えば陣取りゲームは、『囲碁』が紀元前から中国に存在しており、『リバーシ』が1870年代にイギリスで発明されるまで、2500年以上も空いているという。複数のゲームを歴史的・系統的に関連付けているのは大変興味深い。

現代のボードゲームも、つまるところこういった伝統ゲームの要素を抽出し、他のものと組み合わせ発展させて出来上がっている。単純であるからこそ、面白さの源泉が詰まっているともいえるだろう。ゲームデザインのヒントにもなりそうだ。

ゲームの紹介だけでなく、まくら投げや雪合戦から、マウスパッドや携帯電話を投げる大会まで、国内外で行われているゲーム(珍スポーツ)のイベントも集めている。遊びの世界は本当に奥が深い。

海拓者(Kaitakusha - See Settlers)

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迷走してもどの島に寄るか

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真っ直ぐには進めない船で島を巡り、建物を作りつつ向こう側を目指すボードゲーム。ゲームマーケット2020大阪で発表される予定だった作品で、関西のボードゲームカフェとプレイスペース付きショップ9店舗による「ボードゲームセレクション2020」で大賞に選ばれた。

各自、自分の船をゲームボードの四辺からスタートさせる。自分の手番には、3枚の手札から1枚を出して船を移動させ、移動先の島で食料やカードなどを得た後、島に船員コマを置く。船員コマを置いた島はレンガ・鉄・石の資源が得られることになり、何手番か使って集めた資源で建設も行える。

3枚の手札は前進がないだけでなく、同じカードが固まることもあって船は思いっきり迷走する。中央には得点チップがあるが、なかなかたどり着くことができないばかりでなく、たどり着いたとしてもほかのプレイヤーの船に囲まれ、脱出が難しい。しかもその中で、場札の建設カードに指示された資源をほかのプレイヤーより先に揃えなくてはならない。食料が不足すると船員が死ぬので、食料の調達も疎かにできない。

誰かがスタート地点の向かい側に到達するか、規定点に達したらゲーム終了。建設したカードの点数、種類によるボーナス、金塊や中央のタイル、到達したゴール地点の点数を加えて勝利点を競う。要素たっぷりで、どこに特化するかを手札と相談することになる。ほかのプレイヤーと狙いがかぶると得点が下がるが、手札のコントロールしにくさによって選択がライトになっている。

4人プレイで45分ほど。中央付近で渋滞が起こり、空き待ちで膠着状態になったところを、bashiさんが遠回りしてゴール。遠回りする内に集めた資源も上手に使って建設の得点も積み増した。手札運は大きいが、だんだんできることが増えていく拡大の方向ではなく、いろいろな得点方法が用意されている多様化の方向によって、僅差で勝敗が最後まで分からないゲームである。

海拓者
ゲームデザイン&アートワーク・コヤマタダシ(2020年)
2~4人用/10歳以上/30~45分

ボドゲde遊ぶよ!! phase 14-5

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ビバリーは本日、カードゲーム『ユビチッチ』を発売した。2~4人用、7歳以上、1200円(税別)。

「いっせーのせっ!」で指を立て、合計本数を当てるおなじみのゲームがカードゲームになった。各プレイヤーに「0」「1」「2」を各2枚、「5」を1枚渡してスタート。「いっせーのせっ」で数字を宣言し、全員手札から1枚カードを出す。宣言した数字が当たっていればカードを獲得でき、間違っていれば手札に戻す。全員の手札が無くなったらゲーム終了で、獲得したカードの合計点を競う。

指の数が得点になるシステムや、0本カードのボーナス、使ったカードがなくなることによるカウンティングの要素が加わって、戦略性が増したカードゲームだ。

内容物:数字カード28枚、説明カード2枚

TBS系列で3月14日に放送されれた「王様のブランチ」に、「トレンド部:おうち時間が楽しくなるトレンド3」として、Uber Eats、ユニークおうちグッズに続いてボードゲームが取り上げられた。

藤森慎吾、黒沢かずこ、石田ニコル、高田夏帆の各氏がすごろくや丸田氏の説明でカードに描かれた問題を素早く解く『コーテックス』、カードをペアに分ける『適当なカンケイ』を実際に遊んだほか、『バンディド』が画像で紹介された。

「あの子おバカなんじゃない?」などと冗談を言いつつ、「老化防止にいい」「人間性がみえてきた」など楽しんだ様子。最後は「インドアライフをもっと快適に、もっと楽しいおうち時間を過ごしてくださいね」と結んだ。

「王様のブランチ」では2017年に徳井義実氏(チュートリアル)と高橋茂雄氏(サバンナ)がすごろくや、東出昌大氏がJELLY JELLY CAFE渋谷店、千原ジュニア氏がすごろくや、2018年に小西真奈美氏がJELLY JELLY CAFE池袋2号店を訪れてボードゲームを遊ぶ様子が放送されている。

folditJ.jpgアークライトゲームズは4月16日、『フォールド・イット(Fold-it)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・Y.ゴー、イラスト・A.イム、1~5人用、7歳以上、20分、3000円(税別)。

オリジナルはハッピーバオバブ社(韓国)から2016年に発売された作品。スマッシュヒットとなりこれまで10カ国で発売されたほか、続編で『レイヤーズ 』も発売され、昨秋日本語版となっている。

さまざまな料理が描かれた布を各自がもち、手番プレイヤーが山札から注文カードを1枚めくる。その注文カードに描かれている料理だけが見えるように布を折りたたみ、いち早くそのパターンにすることを目指す。

裏表の絵柄をうまく組み合わせる柔軟な発想、手先の器用さ、冷静な判断力が問われる新感覚の早解きパズルゲームだ。

内容物:レシピの布 5枚、注文カード 42枚、完成マーカー 4個、星トークン 15個、ルール説明書 1冊

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エッセンに近いドイツ北西部の都市デュイスブルクで3月27日から3日間にわたって開催予定だったボードゲームイベント「シュピール・ドッホ!」が、新型コロナウィルスの感染拡大防止のため中止することを、主催であるノストハイデ出版が発表した。

ドイツでも新型コロナウィルスの感染者は増加しており、昨日現在、日本の約3倍にあたる1473人の感染が報告されている。国別では中国・イタリア・イラン・韓国・フランス・スペインに次いで7番目に多い(日本は9番目)。

このような状況から10日、デュイスブルクを管轄するノルトライン・ヴェストファーレン州政府が、1000人以上の参加者がある大規模イベント(コンサートやサッカーの試合も含む)を中止するように布告。今年3回目を迎えるはずだった「シュピール・ドッホ!」は昨年の参加者が14000人で、今年はそれ以上の人数が見込まれていたため、中止を余儀なくされた。

ノストハイデ社は「私達はこのイベントが何とか開催されることをずっと望んでいましたが、ご不便をおかけしますことをお詫び申し上げます。もちろん私達自身落胆していますが、参加者の健康と安全を優先することは当然のことと考えています」とコメントしている。チケットは有効で、払い戻しにも応じるという。

日本ではゲームマーケット2020大阪(3月8日)が中止になったほか、フォアシュピール2020春(3月29日)の中止が決定されている(TGiW:ゲームマーケット2020大阪、新型コロナウィルスで中止)。感染者は依然として増加傾向にあり、東京オリンピックへの影響についても取り沙汰されている現在、4月以降のイベントにも影響が出そうな状況だ。

SPIEL DOCH! in Duisburg findet wegen des Coronavirus nicht statt!

tmturmoilJ.jpgアークライトゲームズは3月26日、『テラフォーミング・マーズ:動乱(Terraforming Mars: Turmoil)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・J.フリクセリウス、イラスト・I.フリクセリウス、1~5人用、12歳以上、120~150分、3200円(税別)。プレイするためには『テラフォーミング・マーズ』基本セットが必要。

『ヘラス&エリシウム(2017)』『ヴィーナス・ネクスト(2017)』『プレリュード(2018)』『コロニーズ(2018)』に続いて昨年秋に発売された拡張セット。自然災害や社会運動を乗り切るべく作られたテラフォーミング委員会で、政治的な闘争が繰り広げられる。

さまざまな政党に代議員を送るアクションがあり、ほかのプレイヤーよりも代議員が多ければ党首となり、さらに代議員が最も多い政党は与党となる。政党によって政策と与党ボーナスが異なるので、どこに代議員を送り込むかで戦略が分かれる。

さらに議長、与党の党首、与党の代議員になることで影響力をもち、イベントでさまざまな恩恵が得られる。ほかのプレイヤーが何を目指しているかも考慮して、利害を調整することが必要になるだろう。

新規のプロジェクトと企業も同梱され、やりこんでいるプレイヤー向けの上級拡張セットだ。

内容物:プレイヤーの代議員コマ 35個(各色7個)、中立の代議員コマ(14個)、プロジェクト・カード 16枚、企業カード 5枚、早見表カード 2枚、世界的命題カード 31枚、政策タイル 6枚、造星者の称号タイル 1枚、テラフォーミング委員会ボード 1枚、命題進行ボード 1枚、第一党マーカー 1個、ルール説明書 1冊(カードサイズ 88×63mm)

SenbonToriiJ.jpgアークライトゲームズは4月9日、『千本鳥居(The One Hundred Torii)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・S.カプート&E.バラフ、イラスト・V.デュトレ、1~4人用、8歳以上、45分、4500円(税別)。

ペンシルファーストゲームズ(アメリカ)がキックスターターで資金を集めて今年製品化したばかりの日本テーマのタイル配置ゲーム。1100人が58000ドル(600万円)を出資した。美しくも神秘的な日本庭園を作り、途中で出会う旅人の協力を得て、数多くの鳥居をくぐって勝利点を競う。

手番にはタイル1枚を場に出し、タイルに描かれた名所トークンを1つ獲得する。さらに、始点となる中央のタイルから配置したタイルまでの道筋にある赤い鳥居の数だけ同じ種類の名所トークンを、青い鳥居の数だけ異なる種類の名所トークンを獲得できる。名所トークンは組み合わせて、他の旅人から協力を得たり、勝利点を増やしたりしていく。

他のプレイヤーの狙いを阻みつつ高得点を獲得できる道筋を見出し、旅人の能力によって状況を逆転させるところに駆け引きやドラマが生まれる。

また、ソロゲームとして強力なライバル「おナツさん」と勝負するルールも収録。V.デュトレによる美麗なグラフィックで、神秘的なゲームの世界をさらに鮮やかに描き出す。

内容物、スタートタイル 1枚、庭園タイル 42枚、名所トークン(小) 120個、名所トークン(大) 24個、銭貨トークン 8枚、旅人トークン 20個、囲い地トークン 4個、達成トークン 10個、侍&歌人コマ 2個、早見表 2枚、ソロゲーム用ボード 1枚、ルール説明書 1冊

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NPO法人世界のボードゲームを広める会「ゆうもあ」は8日、日本ボードゲーム大賞2019を発表した。選考部門(ゆうもあ賞)、投票部門ともに『ラマ』が大賞に選ばれた。

今年で18回目を迎える日本ボードゲーム大賞。昨年1年間に日本国内で新発売された国産・日本語版・輸入・同人ゲーム336タイトルの中から大賞を選んだ。

投票部門は昨年12月から今年2月まで、約2ヶ月にわたってネットなどで行われ、27都道府県から127名(昨年比-97名)が参加した。各自ベスト5まで記入できる方式で、1位5点、2位4点、3位3点・・・として集計した結果、『ラマ』が1位となった。昨年の『テラフォーミンズ・マーズ』から一転、ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされたライトなカードゲームが選ばれた。メビウスゲームズから日本語版が発売されている。

2位以下の順位は下記の通り。国産ゲームでは5位に『ボブジテン』、9位に『なつめも』が入賞している。

選考部門(ゆうもあ賞)は、ゲームをあまり遊ばない家族向けにゆうもあがお薦めする作品。こちらも大賞は『ラマ』が選ばれた。日本ボードゲーム大賞でダブル受賞したのは、2017年の『キングドミノ』以来2年ぶり2回目となる。

【日本ボードゲーム大賞2019】
選考部門
ゆうもあ賞:ラマ(L.A.M.A)
ノミネート:空手トマト(Karate Tomate)
ノミネート:スライドクエスト(Slide Quest)

投票部門
大賞:ラマ(L.A.M.A)141点 (得票率:34.65%)
2位:レスアルカナ(Res Arcana)59点 (得票率:14.50%)
3位:クランク!(Clank!)54点 (得票率:13.27%)
4位:ゲスクラブ(Guess Club)46点
5位:ボブジテン 45点
6位:ニュートン(Newton)43点
7位:おろかな牛(Blode Kuh)40点
8位:適当なカンケイ(Qui Paire Gagne)38点
9位:なつめも 35点
10位:ザ・マインド(The Mind)33点

NPOゆうもあ:日本ボードゲーム大賞2019 ゆうもあ賞 決定
NPOゆうもあ:日本ボードゲーム大賞2019 投票部門 発表!

クレーブラットは3月19日、『グラビティスーパースター(Gravity Superstar)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・J.アレン、イラスト・ギョーム、2~6人用、7歳以上、25分、4200円(税別)。

オリジナルは、『マジックメイズ』のシットダウン社(ベルギー)が2018年に発売した作品。重力がころころ移り変わる不思議な惑星で、重力の方向をうまく変化させて星のかけらを集める。

5枚の手札から1枚を選んでプレイし、移動や回転といったアクションを行い、重力の方向に従って壁にぶつかるまで落下する。その間に通過した星のかけらをゲット。またリプレイディスクを取れば、ここぞというときに連続手番ができ、ほかのプレイヤーにぶつかれば、星のかけらを奪ってスタート地点に戻せる。手札はアクション回復システムを採用しており、1手番休んで再び使えるようになる。

コンポーネントの可愛さとは裏腹に、手札の構成も全員同じであるため先読みが可能で、ボードの並べ方は毎回変えることができ、少人数なら運の要素のない戦略ゲームに、多人数ならワイワイ楽しめるパーティーゲームになる。子供から大人まで幅広い楽しみ方ができる作品だ。

内容物:アクションカード 30枚、プレイヤーカード 6枚、スタートプレイヤーカード 1枚、プレイヤーコマ 6個、出現マーカー 1本、両面の惑星タイル 6枚、星のかけら 78個、袋 1個、リプレイディスク 18枚

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KinKi Kidsのブンブブーンでボードゲーム

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本日11時からフジテレビ系列で放送されたバラエティ番組「KinKi Kidsのブンブブーン」で、KinKi Kidsのふたりがゲストの永野芽郁氏、高嶋政伸氏とボードゲームを遊んだ。

「世界各国でめちゃめちゃいろいろなボードゲームが出ているらしいですよ」(堂本剛)「モノポリーとかやりたくなって」(高嶋)「最近おうちから出なくなったので、おうちでできる遊びを知りたいなと思って」(永野)などと言いながら一同が向かった先はJELLY JELLY CAFE 渋谷店。900種類以上のゲームが楽しめるという。

店長の説明のもと、4人でバランスゲーム『ノアの箱舟』、早口ゲーム『トマトマト』、演技ゲーム『ベストアクト』の3タイトルをプレイ。いずれも盛り上がりどころ満載で、出演者のキャラクターも立っており、テレビ映えする内容だった。『ノアの箱舟:船を揺らさないで!』は現在各店で在庫僅少だが、『トマトマト』と『ベストアクト』は入手しやすい状況。

永野氏の「最近お家からでなくなったので」は、新型コロナウィルスの影響でさまざまなイベントが中止・延期になっていることを受けている。全国小中高校が今月休校措置になっており、ボードゲームの売上が伸びていることを、トイザらスや銀座博品館の担当者が明らかにしている。東日本大震災直後にも、節電ブームのもとボードゲームが脚光を浴びたことがある。

フジテレビ:KinKi Kidsのブンブブーン
FNN Prime:外出自粛で"売り上げ急増" 勉強も遊びも自宅で...
カナロコ:広がる〝巣ごもり〟消費 臨時休校で特需

argentJ.jpgアソビションは3月6日、『アージェント:ザ・コンソーティウム(Argent: The Consortium)』日本語版を発売した。ゲームデザイン・T.チェンバース、イラスト・E.アースレイ&A.ティウ、2~5人用、10歳以上、プレイ人数×20分、7500円(税別)。3月15日までゲームマーケット特価税込7000円で通販している。

オリジナルはレベル99ゲームズ(アメリカ)から2015年に発売された。アージェント魔法大学の次期学長を目指して、ライバルと熾烈な選挙戦を繰り広げる。

自分の学派の学生たちを配置してアクションを行うワーカープレイスメント方式。有権者が求めるさまざまな条件で表を獲得し、最多得票を目指す。有権者の多くは非公開であるため、それぞれの条件をアクションで探っていかなければならない。

候補者であるプレイヤーだけでなく、アクションを行うために配置する学生たちにもいろいろな特殊能力があり、それぞれの得意分野を生かしてゲームを進めることが鍵となる。ほかのプレイヤーの特殊能力にも注意が必要だ。思わぬ特殊能力や呪文が炸裂し、ゲームごとに戦略が大きく変わる作品だ。

アソビション:Argent: The Consortium 日本語版

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hadaraJ.jpgアークライトゲームズは4月9日、『ハダラ(Hadara)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・B.シュヴェア、イラスト・D.マイアー、2~5人用、10歳以上、45~60分、5800円(税別)。

オリジナルは昨春、ハンス・イム・グリュック社(ドイツ)から発売された。『リビングストン』『エマラの王冠』の作者によるミドルクラスの文明発展ボードゲームで、国際ゲーマーズ賞にノミネートされている。日本語版は、パッケージを刷新した第2版に基づく。

タイトルはアラビア語で「文明」の意。各プレイヤーは文明の指導者となって、3つの時代にわたって最も繁栄した文明を築くことを目指す。ホイールで指定された軍事、文化、食料、経済などの文明カードの山札から2枚を引き、1枚を捨て、もう1枚を購入するか売却してゲームを進める。

捨てられたカードも、後で改めて購入するか売却するかを選択するタイミングが訪れるため、手元だけでなく捨てられたカードも見て、方針を計画していかなければならない。きらびやかな芸術の国か、高い経済力を有する大国か、はたまた強大な軍事国になるかはあなたの采配次第だ。

内容物:文明カード 162枚、準備カード 5枚、概要シート 5枚、国力コマ 20個(各色5個)、コイントークン 62個、ボーナストークン 40個、10点トークン 48個、植民地タイル 25枚、金のメダルトークン 10個、ゲーム盤 1組、個人ボード 5枚、スコアシート 1束、ルール説明書 1冊(カードサイズ 44×67.5mm)

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関西のボードゲームカフェとプレイスペース付きショップ9店舗による「ボードゲームセレクション2020」が本日発表され、『海拓者』(コヤマタダシ)が大賞に選ばれた。今週末に開催予定だったゲームマーケット2020大阪は新型コロナウィルスの影響により中止となり、ボードゲームショップ&スペース「ギルド」で8日に行われるミニ即売会で頒布されるほか、通販を検討しているという。

「ボードゲームセレクション」はゲームマーケットに出展される作品の中からベストボードゲームを選出するコンペティション。最新作の中からゲームマーケット直前に発表されることで、当日の来場者が試遊購入する際のガイドにしてもらうことを目指し、昨年から始まった。

選考にあたったのはデザート*スプーン、賽翁、inst、ギルド、BOARD GAME Lab ! ddt、駒の時間、DDT、キンケッドテイル、1306の9店舗。昨年からキウイゲームズとファミーリエが抜け、キンケッドテイル、1306が加わった。エントリーした46(昨年比-19)タイトルを約1ヶ月間にわたってこれらの店舗間で回し、遊んだお客さんのアンケートを集約して決定した。

『海拓者』は海上を移動し、島々で資源を集めて施設を作るボードゲーム。船は手札の航海カードで進めるが、前に進むカードはないため右往左往することになる。手札のカードを見て状況を的確に判断し、効率よく建設して勝利点を競う。

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大賞のほか、以下の通り各店舗賞も発表されている。受賞者にはトロフィーが贈られ、参加店舗に掲示されるが、ゲームマーケット2020大阪の中止により、入手は主に通販か、次回のゲームマーケット2020東京になりそうだ。

【ボードゲームセレクション2019】
大賞:海拓者(コヤマタダシ)
BOARD GAME Lab!賞:サイ富豪(イマジンゲームズ)
デザート*スプーン賞:行商の時代(A.I.Lab.遊)
賽翁賞:セブンヴァイス(妄想ゲームズ☆)
ギルド賞:エイジオブタイラント(サザンクロスゲームズ)
DDT賞:コーディネイツ~アメリアとふしぎな森~(ヤネカンのボードゲーム工房)
キンケッドテイル賞:コドクのロンド(Made in Pocket)
1306賞:ガラクタリウム(遊陽ゲームズ)
駒の時間賞:インフィニティミライボックス(東京なかよしデザイン)
inst賞:ゴリラ人狼(日本語研究部)

ボードゲームセレクション2020

金のない客ばかりでも

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お金とビールを増やして自分の酒場をにぎやかにするダイスドラフト&デッキ構築ゲーム。『クアックザルバー』に続くヴァルシュ&シュミット社の作品で、ドイツゲーム賞では『ウイングスパン』に次ぐ2位となった。ほどよい運の要素と、幅広い戦略の可能性が心地よい作品である。

毎ラウンド、自分のデッキからお店に客を並べてスタート。各プレイヤーが4つのダイスを振ってその中から1つ選び、残りをそれぞれ左どなりに渡していく(ダイスドラフト)。このダイスを自分のボードやカードに配置して客から収益を得たり、ビールを醸造したりする。お金は酒場のグレードアップに、ビールは新しい客の獲得に使い、自分のデッキにカードが加えられていく(デッキ構築)。8ラウンドで作った自分のデッキにあるカードの勝利点を競う。

基本的な目標は大量のビールを醸造して、高得点の貴族を獲得することにある。18ビールを醸造すれば、貴族が一挙に3人も獲得できて、それだけでもう30点だ。一般客の得点が1桁台ということを考えると、これがいかに大きいか分かるだろう。

しかし1ラウンドに18ビールを醸造するのは容易ではない。通常はダイス1個で1ビールしか醸造できず、ダイスは4つしかない上に、出目が合わないといけない。「ウェイトレス」でダイスを増やしたり、「皿洗い」でダイス目を増やしたり、「納入業者」で醸造量を上げたり、「貯蔵庫」で前のラウンドからビールを繰り越したりしなければならない。

これらのカードの購入にはお金が要るので、まずは常連客で小金を稼ぐところから。最初はギリギリだったのが、少しずつ収入が上がるにつれて、いろいろなことができるようになってくる順調さが心地よい。幸いなことに、お金持ちかどうかは別にして、毎ラウンド満席になるまで客は来てくれる。

お金の使い道だけでなく、ダイスの振り分けについても多様な成長曲線が用意されている。ひたすら客にビールを出してお金を貯めてもいいし、ビール醸造を頑張って上客を待つのもいいし、修道院に喜捨してポイントを稼ぎ、いろいろな恩恵がもらえってもいい。ただしダイスはドラフトで手に入るので、絶好のダイスは上家に取られることもあるだろう。

インストにはやや時間がかかるが、プレイ時間は3人で45分くらい。前半はいい客に恵まれず(醸造したビールの数に場札の客がマッチしない)、設備投資に力を入れた。収入が増えなくて苦しい展開だったが、後半で納入業者カードが4枚も出てきて、そこにダイスを3個投入でき、他のカードの効果で18ビールを達成。これで逃げ切った。

基本ゲームだけでももっといろいろなパターンが試せそうで、またプレイしたいと思えるが、さらに拡張モジュールが4つ入っていて自由に組み合わせられる。プレイ時間もほどよい長さで、繰り返し遊びたい作品である。

Die Tavernen im Tiefen Thal
ゲームデザイン・W.ヴァルシュ/イラスト・D.ローハウゼン
シュミットシュピーレ(2019年)+アークライトゲームズ(2020年)
2~4人用/12歳以上/60分

竹書房は2月27日、ボードゲームをテーマにしたコミック『天王寺さんはボドゲがしたい』第2巻を発売した。mononofu(もののふ)作、580円(税別)。

竹書房のグラビア付き青年月刊誌『キスカ』で連載中のボードゲームコミック。昨年9月に第2巻が発売されてから5ヶ月で第3巻の発売となった。コミック万能タイプの帰国子女、天王寺ユリアを一方的にライバル視している主人公の南森ゆきが、ボードゲームを通して友情を深めていく。今回の収録は第11~15話で、『ソレニア』が登場する。

今回もゲーマーズで購入 linkするとオリジナルイラストカードがもらえる。試し読みはコミックガンマ+ linkにて。

すごろくやは2月28日、手探り四目並べゲーム『フォーセンシズ(Four Senses)』日本語版を発売した。ゲームデザイン・山本光夫、2~3人用、8才以上、10~20分、3200円(税別)。

オリジナルはLOGY GAMESがゲームマーケット2017秋に発表した『Megateh(めがて:目我天)』。これを昨年、ヘルベティク社(スイス)がリメイクし、このたび逆輸入の形で日本語版となった。

アイマスクを装着し、盤面もコマも見えない状態で、手探りで盤面を把握しコマを置き、縦横斜めの1列に穴の有無か高さを揃える四目並べ。指先から得られる情報を元に頭の中に戦況を思い描くには、指先の感覚だけでなく記憶力も求められる。たとえ勝利条件を満たしても、自分で指摘しない限りゲームは続行されるところも面白い。

シングルの平たいコマと穴あきコマが各8個、ダブルの2種組み合わせコマが8個ある。この中から1コマを選んで順番にボードに配置する。ダブルのコマは平たい面と穴あきの面のどちらを上にしてもよい。盤面は2段分の深さの穴が空いているが、通常コマ+ダブルコマで最大で3段まで積むことができる。縦横斜めに1段2段3段の階段状に並べるか、同じ高さか、穴の有無が同じ面で4目にすれば勝利。

木製のコンポーネントは手触りがよいだけでなく、コマの段差が分かるようにしたことで機能性も高めた。目隠しをしなくてもアブストラクトゲームとして奥が深く、やり込むほどに手先と目から得られる情報の差がなくなっていく。視覚障害者も対等にプレイできるユニークな作品だ。

すごろくや:フォーセンシズ

阿佐ヶ谷のイベントホール「ロフトA」にて3月17日、お笑い芸人がとっておきのボードゲームを紹介しプレイするトークショー「芸人ボードゲームパーティー」が開かれる。19:30~、前売1500円(当日2000円)+飲食代。

2018年6月に同会場で開催されたイベントが1年9ヶ月ぶりに返ってくる。前回出演したセブンbyセブン・宮平、R藤本、ランパンプス・寺内、レインボー・池田に加え、こりゃめでてーな・広大、いけだてつや、ランパンプス・寺内、インポッシブル・えいじの各氏が出演し、伝説的なゲーム・新作のゲーム・超マニアックなゲームを紹介・プレイする。

前回の『ストリーム』と同様、参加者全員で遊べるゲームも用意。飲みながら食べながら、詳しい人からちょっと興味だけある人まで、ボードゲームの世界を芸人と一緒に楽しむイベントだ。

阿佐ヶ谷ロフトA:芸人ボードゲームパーティー

プラッドハットゲームズは28日、2015年から傘下に入っていたアスモデグループから再独立することを明らかにした。同社が開発し、日本語版も発売されている『ヌイグルミ騎士団と少女の夢』『どうぶつの戦場』『ラクソン』『デッド・オブ・ウインター』『マイス&ミスティクス』の権利はアスモデ社が引き続き保有する。

プラッドハットゲームズはゲームデザイナーのC.ドーチ氏によって2009年に設立。2015年にF2Zエンターテインメント社(カナダ)に買収され、翌年にはF2Zエンターテインメント社がアスモデグループと合併したが、その間も依然として独立スタジオとして制作を続けていた。

この間、2011年にズィーマンゲームズがフィロソフィア(カナダ)に買収され、そのフィロソフィアも2015年にF2Zエンターテインメント社と合併した。こうしてプラッドハットゲームズ、ズィーマンゲームズ、フィロソフィアの3社が2016年からアスモデ傘下となったが、翌年にフィロソフィアが離脱してプランBゲームズを設立。この10年間にダイナミックな企業再編が行われている。

このたびの再独立は、プラッドハットゲームズ設立者のドーチ氏が権利を買い戻したことにより起こったもの。ヒットタイトルの権利はアスモデグループに残し、新作の開発に注力することになる。

アスモデ傘下でプラッドハットゲームズと関わってきたズィーマンゲームズとファンタジーフライトゲームズは残留。プラッドハットゲームズがアスモデグループに残したタイトルの出版やサポートを行う。

今年1月には、ルポ・プロドゥクシオンがアスモデグループに買収された一方、エッガートシュピーレ関係者がプランBゲームズから独立し、新たにディーププリントゲームズを設立。ボードゲーム業界の発展に伴って、ダイナミックな企業再編はしばらく続きそうだ。

Plaid Hat Games:PHG Re-acquired by the Orginal Founder link

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