秋葉原水曜日の会 06/08/30

お盆をはさんで2週間ぶりに参加した秋葉原。開店の12時過ぎからすでに人が集まっており、さらにどんどん人が集まって相変わらずの盛況である。夏のせいか頭を使うゲーム・長時間ゲームが敬遠され気味で、ギミックの楽しい短時間ゲームが数多く持ち込まれていた。RPGのプレイヤーが盛り上がりすぎて大声を上げるのが時折気になるが、こうしたゲームではこちらも盛り上がっているので人のことは言えないかもしれない。

テラノバマウストラップ皿洗いゲーム秀才コースゲームけいさんピラニアスートップバナナ犬の散歩魚市場オーナーズチョイス

テラノバ(Terranova / R.レオカタ&G.エヴォラ / ウィニングムーヴズ, 2006)

テラノバ欲張りは禁物

詳細はこちら。1回目より2回目、2回目より3回目とプレイヤーの上達が実感でき、次はああしたいこうしたいと思わせる魅力がこのゲームにはある。プレイヤー間のアヤを除いては運の要素が全くなく、要所要所では詰め将棋のように思考力を要求されるのがカジュアルプレイヤーにはキツイけれども、ゲームの完成度は間違いなく高い。
 このゲームでは欲張ったら負け。序盤、1エリア独占を狙って私がもたついているうちにFRTSさんがそのエリアも含む2エリアをまとめて囲い込み、大量得点をもぎ取った。エリアの統合と分割を使い分ける発想の柔軟さに感心。
 そして終盤、相手をブロックする人柱がお互いにつぶしあって写真のような展開に。コマは移動しないと壁を置けないので、このエリアは最後まで残る羽目になってしまった。
 1ゲーム30分ほどなのに、頭の使い方は90分クラス。トーナメントプレイヤーには研究しがいのある傑作となるだろう。

マウストラップ(Mouse Trap / 作者不明 / MB, 1999)

微調整にアナログ感

ネズミ捕りの仕掛けを作ってほかの人のネズミを捕まえるゲーム。めざマシーンの発売に触発されてゲーム会にお目見えするようになったらしい。1999年のリメイクものだが、オリジナルは1963年に発売されたたいへん古いゲームだ。PANTAさんのお持ち込み。
 ネズミ捕り機は20以上の工程から作られる。プレイヤーはダイスを振って、止まったマスの指示で1つずつ組み立てる。じわじわと見えてくる全容にワクワク。ネズミのコマがボードを回ってゴールにつく頃にはだいたい完成する。
 ゴールのところは6マスのループになっており、そのうちの1マスがネズミ捕り機を作動させるマスだ。ここに止まったら、まず餌食となるほかのネズミをチーズのマスにおびき寄せる。ここではゲーム中にゲットしたチーズ1つにつき1回ダイスを振り、その数だけほかのネズミを連れてくるようになっている。チーズのマスにちょうど止まってくれればシメタもの。スイッチオン!
 ここで初めて動き出すネズミ捕り機。歯車が回り、バーでボールが弾かれて、ボールが階段を下り、また別のバーに当たって、その弾みで次のボールが飛び出し、シーソーに落下して反対側のお爺さんがバック転! その振動でネズミ捕りカゴが上から落ちてきてネズミを捕まえる!!
 捕まったネズミは脱落し、1匹が生き残るまで続ける。終盤はどんどん捕まっていくのでグダグダにならず収束するのがよい。今回は運よく1回で成功したが、ネズミ捕り機の組み立てが微妙にずれると成功しないこともあるらしい。そうなったら失敗で、次回は微調整をして臨むことになる。収束性と並んで、こういうアナログ感もとても好ましい。
 はじめにRaelさんのネズミを捕まえた私だったが、直後に自分が捕まって敗退。でもそんな勝敗は別にして、ネズミ捕り機が動くたび大いに盛り上がった。(動画:YouTube

皿洗いゲーム(Who is going to do the dishes? / 作者不明 / アバロンゲームズ)

皿洗いゲーム押し付けられるのも計算のうち

食べ終わった食器を押し付けあって、皿洗い当番を決めるゲーム。ギークにも登録されていないというマイナーなゲームながら、国内の愛好者の一部でたいへんな支持を得ている。Raelさんのお持ち込み。
 肉料理、魚料理、ワイン、デザート、フォーク、ナイフ。各プレイヤーの前に並んでいるのはこの6枚のタイルだけである。この後どんな暑い戦いが起こるか想像もできない。
 手番にはタイルを1枚裏返して食後の絵柄にするか、すでに裏返したタイルを重ねるかのどちらか。重ねるのは、自分のタイルにでもいいし、ほかの人のタイルにでもいい。ただし同じ種類か同じ色でなければならない。
 こうして順次食べ終わって自分のところに重ねたり、それをさらにほかの人に押し付けたりして、最後に一番多く押し付けられた人が負け。1ゲーム5分。
 はじめは手探りでタイルをめくるだけなのに、ある時点からどのタイルをどこに重ねれば最後に押し付けられないで済むかだんだん分かってくる。そのためにはタイルの裏側が何色かをほかの人より先に読んでいくことが必要。推理と駆け引きの暑い戦いでプレイヤーはだんだん寡黙になり、終盤になってニヤニヤし始めるのだ。
 これ以上内くらいのシンプルなシステム、そしてシステムにぴったりマッチしたテーマが素晴らしい。でも2回やって2回とも皿洗い当番でした。

秀才コースゲームけいさん(Shusai Course Game Keisan / 作者不明 / タカトク)

感覚勝負でぎりぎりの見切り

年代がかった恥ずかしいタイトルからは想像もつかないアクションゲーム。これも国内の愛好者の一部で名作とささやかれているらしい。国産ゲームもなかなか奥が深い。Raelさんのお持ち込み。
 中央から大玉を転がす。これが落ちきる前に自分のボールを発射。大玉より先に落ちれば得点だが、ほかの人より後に落ちればより得点が高い。ところが大玉より遅れてしまうと減点になってしまう、という単純なゲーム。
 得点を「けいさん」して秀才になるというよりも、このギリギリの見切りに集中力を磨いて秀才になるというコンセプトかもしれない。プレイ感覚としては真剣白羽取りの境地。あるいは、ほかの人より先に発射してはいけないというチキンレース。
 大玉は回転の仕方によってなかなか落ちなかったり、急速に落ちたりするので反射神経だけでなく観察力も必要とされる。皆やるたびに上達していって、大玉と落下点で接触するという瞬間も何度か見られた。2回目に無我の境地で1位。(動画:YouTube

ピラニア(Piranha / 作者不明 / ラベンスバーガー, 2004)

ピラニア背びれにまで噛みつくとは

おサルさんが垂らした釣竿の先にある帽子に、ピラニアを噛みつかせるバランスゲーム。自分のピラニアを全部噛みつかせたら勝ちだ。
 帽子は糸で垂れており、力を加えると回転し始める。そのうちに最初にガッチリ噛みついていたはずのピラニアの口がだんだん外れていき、ちょっとした振動でお池にボチャーン。落としたピラニアは、落とした人が引き取ってまたチャレンジしなければならない。魚に大小があるので、バランスを考えながらかけていこう。
 基本的に子どもゲームだと思うが、大人がやれば当然のように厳しい一手の連続。次の人が落としやすいようにキワドイところにばかりアンバランスに噛みつかせる。それが結局自分の首を絞めたりしてどんどんピラニアが落下する中、私が安全に全部を噛み付かせて終了。
 ロッティ・カロッティなどラベンスバーガーの売れ筋の箱で、コンポーネントの大きさにたいへん迫力があった。ゲームには関係ないけれども、ピラニアをもの欲しそうに見つめる目がイっちゃったおサルさんもチャーミング。

スー(Sioux / F.シュターク / ニュルンベルガー, 2006)

スー油断禁物!トップと最下位は紙一重

インディアンの部族が獲物を派手に奪い合うカードゲーム。今年になって盗人(Räuber)と共にニュルンベルガー・シュピールカルテン社から発売され、今年のドイツ教育ゲーム賞(9才以上部門)にノミネートもされたが、ドイツではレビューすら見かけない。それがバネストから発売されてこのところ水曜日の会で流行しており、Raelさんのオススメでプレイと相成った。
 全員同じ内容のインディアンカード(1〜11)を持っており、一斉にビッドして一番大きい数字を出した人が、次に大きい数字を出した人との差分だけ獲物を得るというシステム。誰かの獲得した獲物が規定点に達したらラウンド終了。獲物の多い順に備蓄カードをもらい、3ラウンドの備蓄カードで勝敗を決める。
 これだけならば、ハゲタカの餌食に毛が生えたようなゲームかもしれない。しかしこのゲームには2つのどんでん返しが仕組まれている。
 1つ目はビッドで一番大きい数字がバッティングした場合。ここで決勝戦を行い、それでも差がつかなければ何と、それまで取った獲物を全交換する。獲物をたくさん集めたのに、0枚の人と全交換になった日には……!
 2つ目は獲物をゲットしたとき、ほかの人と同点になった場合。その場合は同点の人からそっくり獲物を頂戴できるのである。さらにそれが連鎖することもある。2点とって、2点の人から獲物を頂戴して4点となり、今度は4点の人から獲物を頂戴して8点となり……!
 この2つのどんでん返しによって、トップといえども決して安心できず、ビリでも諦めなくてよくなり、緊張感が最後まで持続する。これにラウンドトッププレイヤーに与えられる鹿狩りカード(誰も妨害しなければ、9点もらえる)や、それを防ぐカラスカード、数字を後で決められるシャーマンカードが入ってゲームをさらにエキサイティングにする。
 さらにRaelさんはバリアントルールから「大きな目」(一斉ビッドではなく、前の人の札を見て順番に出していくルール)などを加え、戦略的な要素を高めた。これによって守る場面、攻める場面がはっきりし、何をしなければならないか(そしていつその裏をかくか)がよく見えるようになったと思う。

 今回は取って取られての大激戦。第1ラウンドは早めに取りに行ったが取るそばから持っていかれ、第2ラウンドも大量得点したものを全交換で持っていかれるという不遇が祟って最下位。どんでん返しになるかならないかの攻防で、ことごとく裏目に出た。カードのカウンティングはある程度効くが、相手が特殊カードを持っている限り決め打ちしにくく、一か八かの賭けに出なければいけない。見どころ満載のゲームだが、その読めなさ加減にためらってしまった。

トップバナナ(Top Banana / J.ウィンスロー / ラベンスバーガー, 2002)

トップバナナサルと○○は高いところが好きとか

カードを出してサルを上ったり下げたりし、一番高いところを目指すボードゲーム。一応、子どもゲームの部類に入るけれどもその読みきれなさは大人も十分熱中させる。
 各自がもつ1〜5のカード。そのうち1枚を出してサルを進めるか下げる。ボードはらせん状になっていて、中央が一番高い。途中にサルがいたら飛ばしてその先へ。全員が5枚のカードを使い切ったとき、一番上にいるサルがバナナ2本、次点が1本。その状態から次のラウンドのスタートとなり、誰かがバナナ5本を取るまで続ける。前の人と同じカードは出せないという制約があるが、それだけのルールだ。
 簡単な子どもゲームと高をくくると、始まった途端にたじろぐことになる。下のほうにいて最後に一気に登りつめるか、ずっと上のほうにいて場所を明け渡さないか。でも一番上まで行って数が余れば戻るし、ほかのサルが途中に入れば計算も違ってくる。カードのカウンティングを完璧にしたとしても、上がるつもりが下がったりするサルがいて要するに読みきれない。そんな中で最後に一番高いところにいたとき、無性に嬉しいのは○○なのだろうか?
 3ラウンドで決着がついてSさんが優勝。私は2位にすら1度もなれないというダメっぷりだった。やっぱり考えるふりだけじゃいけないのか……(←考えてないのか!)。

犬の散歩(Walk the Dogs / A.R.ムーン&A.ワイスブルム / シンプリーファン, 2004)

犬の散歩和みと癒しのワンちゃんパレード

大行進中のワンちゃんの行列から同種の犬を取って並べるゲーム。ムーンとワイスブルムのコンビ作が最も多い2004年の作品(結婚したせいか分からないが、ムーンは2005年以降ワイスブルムと共同作品を出していない)。
 圧巻のワンちゃん、フルカラー彩色フィギュアが63体! これをランダムに並べたらゲームスタート。手札からカードを出して、カードの指示に従って行列の前から3匹とか、後ろから3匹とか、前と後ろから1匹ずつとか取り、自分の前に並べる。できるだけ同じワンちゃんが続くようにすると得点が高い。1匹なら1点、2匹なら4点、3匹なら9点、4匹なら16点、5匹なら即勝者。
 ところがのんびり並べてもいられない。山札から補充したとき、保健所のおじさんカードが出ると、一番得点の高いところを持っていかれてしまうのだ。取られないようにほかのワンちゃんでブロックするか、それとももっと伸びるようにリスクを承知で空けておくか?というように見かけだけではないゲームの盛り上がりどころもちゃんとある。
 保健所のおじさんが来る直前に4匹の子犬をガードできて1位。どの犬もカワイイが、自分が集めている犬にはだんだんと愛着が湧いてくるから不思議なものだ。

魚市場(Fischmarkt / M.パピーニ / クレメントーニ, 2006)

詳細はこちら。前回は氷を使い捨てとして激しい買い控えを生んだので、今回は毎ラウンド2種類までは必ず保存できることにした。ルールには使った氷を捨てたり買い戻したりするなんてことは書いていないので、こちらが正しいルールだと思われる。
 そうなると、売れなくても集めるだけ集めて保存しておき、翌日に備えるというゲーム展開が普通になる。3種類以上余ってしまった場合に限り売却処分するが、そこで得られる儲けは、集めていた魚に注文が来たときの儲けと比べれば微々たるものに過ぎない。客の注文にうまくマッチするかどうかというくじ引きが勝敗を大きく分けている点に変わりはなかった。
 しかし2回目では船の競りにこのゲームの焦点があるのではないかと思えるようになった。ロブスターなどを積み込んだ船にどれぐらい思い切った高額をかけられるか、そして同時に誰も要らないような船を見抜いていかに安価で競り落とせるか、そして手元にいくら残すかという読み合いがなかなか面白い。大金をはたいて大量に仕入れ、ほかの人への売却でお金を稼ぐ方法、あるいはお金をセーブして誰もいらない魚を安価で集め、翌日に期する方法など、戦略のとり方に幅がある。ここでの小さい積み重ねが、大規模な買い注文を呼び寄せるのかもしれない。

オーナーズチョイス(Owner's Choice / 池田康隆 / ゲームリパブリック, 2006)

オーナーズチョイス社長もツライヨ

 ダイスで高下する株を売買して、財産を増やすボードゲーム。今年のJGC直前に発売されたという、出来たてホヤホヤの国産ゲームだ。同じゲームリパブリック社の第1作シャドウハンターズと同様、箱絵やボードのイラストが格調高い。
 はじめに手持ちのお金で好きな株券を買ってスタート。会社は4社あり、それぞれ最も多く株券をもっている人が初代社長だ。安定成長する会社から、ほかの会社の株価を下げてしまう凶暴な(恨みを買いそうな)会社まで性格が違うので吟味しておきたい。
 コマは全員共通で、ボードを1周したらゲーム終了。手番にはこのコマを1〜3マス(好きなだけ)進める。どのマスに止まるかは手番プレイヤーのチョイス。配当がほしい会社に止まりたいものだが、配当があるかどうかは社長次第だ。
 止まったマスが会社のマスだったら、(手番プレイヤーではなく)その社長がダイスを振って株価を高下させたり、配当を得たりする。ここで2つのダイスが用意されている。株価が上がったり配当が出たりするダイスは有料。つまり社長の負担である。もう1つのダイスは株価が下がるが無料で、しかもファンドからのお金が入る。どちらのダイスを振るかは社長のチョイス。株価を上げて株主と一緒に喜ぶか、それともファンドからお金をもらって株主を裏切るか。
 コマを進める前後に株を売買でき、株券の枚数によって社長が交代することもある。株券を大量に買って社長になったほうがいいかどうかは、その場次第だろう。会社が破産すれば、株券は紙切れになってしまう。
 また止まるマスにはイベントダイスを振ったり、社長にボーナスが入ったりするものもある。これによって思わぬ逆転が起こるかもしれない。コマがゴールに入った時点の株価で清算し、一番のお金持ちが勝ち。
 1プレイ30〜45分とあるが、経済ゲームにしては極端なほどコンパクトにまとめられている。その短さがゲームのポテンシャルを十分に引き出せず、不完全燃焼になる恐れはなきにしもあらずだが、おそらく何度も繰り返し遊んで展開の多様さを楽しめるようにしているのだろう。今回は残念ながらチョイスの選択肢が事実上ほとんどなく、しかもその後でダイスによって大きく左右されることが多かった。

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