秋葉原水曜日の会 07/06/27

先週第100回を数えた秋葉原水曜日の会に連続で参加。先週のお祭騒ぎとはうって変わって落ち着いた雰囲気になる。この会は毎回のように初参加者がいるが、浮いてしまうようなことがなくすんなり溶け込んでいる。オープンでよい雰囲気だと思う。
 ちょうどメビウスの能勢店長さんが頒布会ゲームをお持ち込み。今日届くというホヤホヤの新作を遊ぶことができた。

ウマとび競争ズーロレットテーベの東魚河岸物語盲目のニワトリ

ウマとび競争(Hoppla-Hopp / R.シュタウペ / アミーゴ, 2007)

人間の知能の限界なのか

覚えては答え、答えては覚えるという子どもゲーム。概要はこちら。コマ2つだといとも簡単に解けてしまうものが、3つになると異様に難しい。今回も7〜8点どまりだった。1つずつではなく3つ組で覚えるなどの工夫をしてみたが、さしたる効果も上がらず。
 ゲームをしながら思ったことだが、イラストの残像を記憶しておいて、その名前は後で言うという作業をしていることに気が付いた。哲学の中には「言語があって初めて知覚がある」という説もあるが、このゲームでは「知覚の後に言語が後付けされる」という認識過程を体感できる。認知問題を内省によって得られることはそれほど多くないため、とても興味深い発見だった。どこかの学会で発表できそう?(ウソ)

ズーロレット(Zooloretto / M.シャハト / アバクスシュピーレ, 2007)

ズーロレット動物の整理がカナメ

というわけで今年のドイツ年間ゲーム大賞受賞作に選ばれたゲーム。詳細はこちら。タイルをめくって、貯まったら取って並べるというだけのシンプルな進行で遊ぶこともでき、慣れたらお互いけん制したり損得を考えながら並べ替えたりして戦略的にも遊べるという、ゲーム経験の多寡を問わず楽しめるところが評価されたようだ。
 前身となったカードゲーム『コロレット』で用いられた、抱き合わせで取ってくるというシステムはそのまま踏襲されている。しかし『コロレット』は取るまでが勝負、『ズーロレット』は取った後が勝負。檻にちょうどの数の動物を入れるにはどうしても余分に取らざるを得ない。また最初に集め始めた動物とは別の種類が中盤から集まり始めることもある。
 これらの事態に応じて、動物1種類同士の全とっかえ(1コイン)、空いている檻への移動(1コイン)、ほかの人からの購入(2コイン)、処分(ひでえ……2コイン)、新しい檻の拡張(3コイン)と、5つもアクションが用意されている。これらをうまく使いこなせるかが勝敗を分けるだろう。特に終盤は微調整が必要で、それまでに貯めたお金で動物の整理が行われる。管理棟に動物を余らせておけばほかの人が買ってくれて収入になり、それを元に大規模な整理もできるかもしれない。だから自分の動物園にとって要らないと思った動物でも、ほかの人が集めているならばとりあえず取っておくという手も戦略的にはありだ。
 しかしお金を使ったアクションをすればタイルをめくったり取ったりするのは1回パス。その間にほかの人がいいトラックを取っていったり、誰も欲しがらないようなトラックを残されたりするだろう。終盤ぎりぎりで動き出してはもう遅い。中盤くらいからちょこちょこと整理をし始めるのがよさそうだ。適切なタイミングも重要な要素である。
 これらの可能性を考えると、『ズーロレット』は『コロレット』を大きく進化させたゲームだと言えよう。好みは分かれるだろうが、どちらかを遊べばそれで事足りるというものでもない。ぜひどちらとも遊んでそれぞれのよさを味わってみてほしいと思う。

テーベの東(Jenseits von Theben / P.プリンツ / クイーンゲームズ, 2007)

テーベの東考古学者の愉しみ

考古学者となってヨーロッパで学んだ知識を生かし、重要な遺跡を発掘するゲーム。2004年に作者の個人メーカーで発売されたものをクイーンゲームズ社がリメイク、今年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた。「個人メーカーで発表→メジャーなメーカーがリメイク→ゲーム賞受賞」というのは、ボードゲーム界の出世コースと言えるだろう。
 ゲームはヨーロッパ各地を回るところから始まる。ボード右上に並んだ4枚のカードには、都市名とそこに行けば得られるものが書かれている。コマを移動してそれぞれの都市に行き、カードをゲットしよう。
 カードで何が得られるか? それは遺跡発掘に必要な知識や道具などである。知識がないままで発掘にいってもろくな成果が上がらないのは、考古学者でなくとも分かるはずだ。道具があればさらに発掘の効率が上がるだろう。発掘する遺跡ごとに別々の知識が色分けされており、本のアイコンの数で表される。序盤はこうしてヨーロッパの各大学を遊学するのだ。
 ここでクレバーなシステム。都市間の移動や知識の習得には時間がかかる。そこで使った時間をマーカーで減らしていくのである。手番は時計回りではなく、使った時間の少ない人から。一度にドバーッと時間をかけてたくさんの知識を手に入れるのか、こまめにいろいろな知識を集めるのかで、ほかの人の目論見と絡み合って面白い駆け引きが生まれる。
テーベの東 さて1年目も終わりごろからそろそろ遺跡発掘に出かけたくなってくる。ギリシャ、クレタ、エジプト、パレスチナ、メソポタミア――遺跡は全部東南部に集中しており、移動に時間がかかるだろう。現地に着いたら、まずその遺跡の知識をいくつ持っているか数える。そして何週間かけて発掘するかを決めるのだ。ここで登場する早見表。円盤になっており、回転させると@知識がいくつあるときに、Aいくら時間をかけると、Bいくつ発掘できるかが分かるようになっている。
 いくつ発掘するか決まったら早速発掘に取り掛かろう。対応する色の袋から、決まった数のチップを引くというのが発掘作業だ。しかし何と半分はハズレ。当たりの中にも高得点の遺跡からクズまでいろいろ混じっている。いっぱい引かないとなかなか宝にめぐり合えない。しかも宝が出たら取るがハズレは袋に戻すので当たる確率はどんどん低下。運の要素が高いわけだが、現実をリアルにシュミレートしていると思う。
 発掘した品は展覧会に出したり、全く発掘しなくても学会発表カードを集めたりして得点を増やすこともできる。こうして2年間=104週間でもっとも得点の多い人の勝ち。
 序盤から知識を貯めこんだクレタ遺跡、鬼引きで大量の宝を集めて1位。盲牌しているんじゃないかと疑われるくらい引きがよかった。一方、FRTSさんはファラオの呪いでエジプト遺跡から砂しか出てこないという不運。どの遺跡に何点の宝が入っているかはカードで示されており、それを見ながらエイヤッとチップを引くのは、スーパーなんかで年末やっている福引を思い出させる。
 勝敗は運に左右されるゲームなので気に入らない人もいるだろうが、時間を使って行動するという斬新なシステムや妙にリアルで、福引券、もとい知識を増やして引けるチップを増やす楽しみが射幸心をそそり、どっぷりと楽しめた。
 

魚河岸物語(Fangfrisch / A.ペリカン / クイーンゲームズ, 2007)

魚河岸物語魚は新鮮さが命!

魚河岸(うおがし)、そこには新鮮な魚が荷揚げされ、魚屋さんがにぎわう場所だ。魚を競りで手に入れて、数をそろえて高値で売ろう。
 順番に売り手になって山札からカードを1枚ずつめくっていく。買ってもいいと思ったら中央のベルをチーン! 何枚あっても買値は10ユーロだが、早い者勝ちである。もう1枚、あと1枚と欲張っているとほかの人に先を越されるかもしれない。
 購入した魚は自分の前のボードに並べる。1度に持てるのは3種類だけであとはゴミ箱行き(もったいない……)。売値は1匹なら1ユーロだが、10匹以上だと30ユーロまで跳ね上がる。ゴミ箱行きを少なくして同じ種類を集められるように、競りに参加しよう。
 でも集めた魚を売ることができるのは自分の番だけ。その前に同じ種類の魚をほかの人に売られてしまうとその魚は腐ってしまい1枚捨てなければならない。集めるのには腐るというリスクを伴うのだ。ただし、3つの魚ケースのうち1つは氷が入っていて腐らない。集めたい魚はこちらで。
 山札からはほかの人の魚を奪うネコカード、ゴミ箱の魚を捨てられるカンヅメカード(通称ミートホープ)が出てくることもある。これらも上手に使ってお金を儲けよう。
 しっかり計算してベルを叩いてきた能勢さんの1位。どれくらいカードをめくったところで叩けば得かというのを瞬時に判断する必要があるので、計算というよりも慣れによるところが大きいかもしれない。私は元金割れをようやく回避できた程度だったが、快い速さで競りを楽しめた。

盲目のニワトリ(Blindes Huhn / H.リシュトハウス / コスモス, 2007)

盲目のニワトリ犬も歩けば棒にあたる

「犬も歩けば棒に当たる」のドイツ語版「盲目のニワトリもエサを見つける(Ein blindes Huhn findet auch einmal ein Korn)」をカードゲームにしたゲーム。盲目のニワトリさんにエサを見つけてあげよう。テーマは人権問題的にどうかなという気もするが、ニワトリだからいいんだろうか?
 順番に山札から3枚のカードを引き、そのうち1枚か2枚を表にして競りにかける。自分がまず競り値をつけて1周。ほかの人に競り落としてもらったら、その額のカードを受け取る。最初の競り値が高かったりして誰も競り落としてくれないときは、自分がほかの人に払う破目になる。
 盲目のニワトリカードには、サングラスをかけたニワトリがさまざまな危険な状況に遭うイラストが描かれている。単独で取ると-3点だが、黄金の小麦カードを取ると+5点に変化する。黄金の小麦は単独でも+2点あり、超重要なアイテムだ。
 こうしたカードのうち、どれを隠してどれを表にするかの選択が勝敗を分ける。できるだけ高い値段で競り落としてもらいたいもの。でも最初の競り値が高すぎては誰も買ってくれない。だからといって安すぎればマイナスカードが入っているのではないかと警戒される。もちろんブラフも有効。
 最後の得点は、カードの色も重要になる。各色で最も枚数が多かった人にボーナス。また得点にできるカード3色しかない。マイナスを恐れて競りに参加していないと色を揃えるのが難しい。他の人が集めている色との駆け引きもある。
 黄金の小麦カードに恵まれず、一か八かのブラフも空振りに終わって最下位。みんなが中身を知らないまま競りに乗ってくるのを見るのは意地悪な楽しさがあった。

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