山形自宅ゲーム会 07/07/07

山形の実家は現在改築中なのでお寺の本堂で遊ぶ。仙台組4人と庄内組2人(相変わらず遠いところからありがとうございます)で合計7人、2卓に分かれて遊んだ。来月18日には温泉でのお泊りゲーム会「山形ゲームコンベンション」が開かれる。まだ人数に余裕がありそうなので、興味のある方はぜひ!

ズーロレット+拡張ケイラス・マグナカルタオリゴアパッチ|破滅の13|ヒマラヤ

ズーロレット(Zooloretto / M.シャハト / アバクスシュピーレ, 2007)

ズーロレット拡張計画外の出産に

今年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞した『ズーロレット』。例年、大賞を受賞すると必ずと言っていいほど拡張セットが発売されているが、このゲームの場合、親切なことに作者のサイトで無料ダウンロードできる。ルールの日本語訳や画像などはこちらの記事を参照。
 今回入れたのは拡張1「新しい檻(3つの追加檻)」と拡張2「ペット(なでなで動物園)」。檻の数が増えたとはいえ、どちらも小さい檻なので動物を無闇に入手するのが危険であることは変わらない。でも、ほんの少しだけ動物の整理が楽になる。
 「新しい檻」は種類(パンダとか)限定で2匹だけ入る檻。中盤以降、余った動物や予想外に増えない動物で得点を稼ぐことができる。ただし早い者勝ちだから買うタイミングが難しい。
 「ペット」は動物の赤ちゃんを入れてお金をもらえる檻。購入なしで最初からついているので、いつ入れてもいいわけだが、子どもが産まれたときに選ばないといけない。大きな檻が埋まる前に積極的に使って資金を手に入れるもよし、終盤の計画しない出産のために残しておくもよし、使い勝手がいい。「ペット」は引き運をやわらげて、より戦略的に遊ぶのに役立つと思う。
 タイルが偏っていたせいかみんなの動物が重なりまくる展開。重複を嫌い早めに引き取って抜けていた分、あと1枚が出なくて負けた。ゲーマー同士で繰り返し遊ぶゲームではないかもしれないが、ゲームを始めた頃の新鮮な気持ちを思い出させる作品だ。時間が短くて、セッティングも簡単なので「とりあえず」という感じで結構な回数遊んでいる。

ケイラス・マグナカルタ(Caylus Magna Carta / W.アティア / イスタリゲームズ, 2007)

経験者は強い

短時間で遊べるケイラス、と言ったら仙台ではボード版も90分くらいで遊んでいるのだそうだ。それはさておき、今日も十分楽しむことができた。監督付近の建物が活動するか否かをめぐる駆け引きはこのゲーム一番の醍醐味といえるだろう。先にパスすれば監督を自分の建物より手前に戻されてしまうかもしれない。お互いの持ち金をにらみ合いながら、あるときは手番を粘り、あるときは味方に期待して引く。
 今回は序盤に弁護士が出て、2人があっさり邸宅を作ってしまったために資源難の展開。新しい建物を建てたくとも同じ資源しかないのである。邸宅を建てられなかった私はジリ貧になっていく。やっと工場が建ち始めたところで、それまでに貯めこんだ石材をもとにお城につぎ込めた夢さんの勝利。手札の出方によってゲーム展開がすごく変わるのも『ケイラス』らしい魅力である。
 プレイ時間が仇になってか、『プエルトリコ』などに比べ遊んだことの少ない『ケイラス』。このゲームをきっかけにプレイ人口が増えるといいなと思う。

オリゴ(Origo / W.クラマー / パーカー, 2007)

オリゴクラマーの集大成

大賞作家のW.クラマーによるゲルマン民族の大移動ゲーム。『クルー』や『トリビアル・パースート』などで知られるハズブローの老舗レーベル「パーカー」は、去年から「デザイナーズ・ゲーム(Autorenspiele)」シリーズを始めた。第1弾『冒険者の谷』はR.クニツィア作でオーストリアゲーム大賞を受賞。第2弾にはドイツ年間ゲーム大賞の受賞回数が最多のW.クラマーが起用された。
 『冒険者の谷』が意図的にクニツィア得意のジレンマを薄めた作品だっただけに、この作品もファミリーゲーム指向のライトなゲームだと予想していたが大間違い。これまでクラマーが確立してきた手法を惜しげもなく注ぎ込めるだけ注ぎ込んだフリークゲームになっていた。ルールは写真も多いが23ページに及ぶ。
 ヨーロッパ中に自分の民族チップを配置して陣取りをする。ゲーム中3回決算があり、つながっている民族チップの数で多い順、海にいる民族チップの多い順、12カ国それぞれで民族チップの多い順に得点が入る。どこにチップを配置すれば得点が一番伸びるかは容易に分からない。うんうん唸りながら考えよう。
 得点方法はもう1つある。各国に最後にチップを置いた人に入るボーナスだ。一度チップが全部置かれた国はマーカーを置き、4つの国にマーカーが置かれるたびに決算が起こるようになっている。このボーナスは大きいので、みんな最後の1枚を置くチャンスを狙う。こうしてボードにチップが並ぶにつれてゲームが加速度的に早まっていく。悪いタイミングで決算を発生させてしまうと決算で得点できないので、決算のタイミングには駆け引きがある。
 そしてコマの置く方法がまた多い。カードにはA〜Jの行、1〜10の列、国名、すでに置かれたコマのとなり、海の5種類があり、指示に従ってコマを置く。すでに置いたコマを移動するときには、隣接するコマを飛び越えてその先に行くこともできる。海に置いたコマは岸から上陸。1回の手番には、これらカードプレイによるコマ配置×2、コマ移動、上陸を好きな順序で組み合わせて行うという、もう初心者お断りの世界。
 さらに(まだあるのか)、コマが全部置かれている国では、すでに置かれているコマに対して攻撃もできる。隣接するコマの数にカードを足して、強かったほうが勝つというものだ。コマが1枚変わっただけで勢力図がガラリと変わることも。
 ボード周囲にある得点ボードにも追い越しやすいよう一工夫されている。『アンダーカバー』などで有名になった「クラマーの得点表(Kramers Leiste)」だが、後ろにいるコマが前のコマと同じマスに入ったとき、空いているマスまで先にいけるというシステム。ここまで狙って得点を取りに行くのは無理にしても、逆転が起こりやすい配慮だ。
 ゲームは囲碁的な布陣で有利に展開したやっさんが最後に1手番で2カ国を埋めてダントツ勝利。私は攻撃しなければ勝てないという状況に追い込まれたが、いいカードが来なかった。でも至るところにちりばめられた駆け引きを誘発するシステムにすっかり満足。多くのシステムはこれまでのクラマーのゲームでも用いられたものだが、ここまで詰め込むと新しさが漂う。決定版。

アパッチ(Apache / S.ドーラ / アバクスシュピーレ, 2007)

アパッチ果報はほどほどに待て

S.ドーラは私の最も好きなデザイナーだ。寡作だが、1つ1つに必ず目をみはるような仕掛けがある。中には斬新すぎて空振りしたかな?というものもなくはないが、それも彼の魅力。このゲームも一見、カードをめくっては素早く取るというよくありそうなタイプの体裁を取っている。しかしそこにも仕掛けが施されていた。
 インディアンの部族となって獲物を集めるカードゲーム。テーブルいっぱいにカードを広げ、1枚ずつめくっていく。各自4枚の手札をもち、トマホークは戦士で、バッファローは狩人で、ネックレスは女の子で、トーテムポールは酋長で取る。
 でもカードを取るには、戦士なら自分の色の戦士が、狩人なら自分の色の狩人が場札に出ていないといけない。場札のインディアンは使い捨てだから、限られた回数を無駄にしないようにしたい。でも欲張りすぎるとほかのインディアンにかっさらわれてしまうだろう。ちょうどよいタイミングの見極めが大切。
 これによって場にまだカードが出ていないインディアンは出せなくなり、ゲームはこのタイプのゲームには珍しいゆったりした時間が流れる。「取ろうかな、取らないかな? あと1枚めくってから考えよう」と言っているくらいの余裕があるのだ。でも動くときは一気。場札は中央のボードの上に出し、早く出した人の獲物になる。
 事態をさらに悩ましくするのが酋長。酋長は女の子以外のインディアンを捕まえ、牢屋に入れてしまうのだ。大量のバッファローを夢見て待っていた狩人が、酋長に捕まって水の泡なんてことも。ゲームはのんびりしているように見せかけて、全く油断ができない。まるで居あい抜き。
 2回くらいチョンボしたのが響いてビリ。一瞬の判断力だけでない独特のタイミング取りに懐の深さを感じた。

ヒマラヤ(Himalaya / G.ブルクハルト / ピアトニク, 1998)

ヒマラヤ雪男は寂しがりや

登山家となって険しいヒマラヤの山頂を目指す双六ゲーム。変態なゲームを作るブルクハルトに、割と地味なゲームが多いピアトニクが組むとどうなるか。箱絵のバカさ加減から、あまり期待していなかったメンバーだが、ゲームが進むにつれて意外な面白さに気づいた。
 たくさんのサイコロをジャラジャラ〜と振り、そのうち1個を選んでコマを進める。残りのダイスは次の人へ。次の人も1個選んで進め、さらに次の人。おぉ、『イスファハン』の原点がここに!
 さて選んだダイスでは自分の登山家かシェルパ(案内役)を進める。シェルパは現地人なので好きなだけ進めるが、登山家は自分の色のシェルパ2人がいるマスにしか進めない。だからまずシェルパを先に進め、そのマスに登山家が来たらまたシェルパをその先へ、という登り方になる。
 ダイス1個でも進んでいけるのは、シェルパが止まったマスにいるシェルパの数だけ進むことができ、しかもほかのシェルパを一緒に連れて行ってもいいというルールがあるからだ。のろまな登山家に対して、シェルパの足取りは軽い。
 パズルチックなゲームをさらに面白くするのが雪男イェーティ。ラウンドの最初にカードでいくつ移動するかが発表され、全員の移動が終わってから予告どおりに移動する。雪男のいるマスに入ることはできないし、雪男が自分のいるマスにやってきたらキャンプまで戻されてしまう。しかも雪男は登山家につきまとうようにだんだんと上に登ってくる! ひぇ〜〜! 誰かが山頂に着くか、雪男カードの二回目の山札から悪天候カードが出たら終わり。
 鴉さんから私が頭ひとつ抜けたところで悪天候になり、私の勝利。山頂付近のデッドヒートは、雪男がうろうろしていてスリルがあった。掘り出し物。

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