エッセン国際ゲーム祭2006〜日記編

1日目 日本〜エッセン

 エッセン・国際ゲーム祭SPIELへの参加は今回で3回目となるが、初日からエッセンに入るのは初。1回目は交通の便がいいデュッセルドルフ泊、2回目は前々日にアーヘン近くに泊まって悠々とやってきたが、今回はギリギリの日程にした。
 成田から日本航空でフランクフルトまで12時間。機中では『嫌われ松子の一生』『ブラフ・マスター』『カーズ』と映画を立て続けに見る。映画は海外旅行の楽しみのひとつで、日本航空で行くのは邦画をたくさん見たいためである。
 フランクフルト空港に着くと、予約してあった日本航空チャーターバスでデュッセルドルフまで2時間半、ホテル日航前に21:30。眠かったのでそのままデュッセルドルフに泊まれたらどんなにいいだろうと思ったが、気を取り直してエッセンに向かうことにする。
 駅までは近いのだが、スーツケースが重いのでタクシーに乗り込んだ。エッセンまで40ユーロでいくよと言われたが、値切り交渉をした末に断る。こんなときついインドにいるときの癖が出てしまう。駅までの料金は4ユーロで、財布にちょうどあったので渡したらチップがないぞと言わんばかりに笑って首を振る運ちゃん。イヤな奴!
 気を取り直して切符を買い、電車に乗り込む。エッセンまでは1時間ぐらいで着く……はずだったが、途中で停車信号が出て全く進まない。車内放送は「数分間お待ち下さい」ばかりで、そのうち逆方向に走り出した。一緒に乗っている人に聞くとエッセンまで行くよというのだが、乗客はどんどんまばらになり、最後は4両の中にヤンキースの帽子をかぶってイタリア語を話しているカップルと私だけ。心ぼそーい!
 結局その電車はゲルゼンキルヘという駅で回送になり、カップルに教えてもらって私も降りた。そのまま乗っていたら車両基地行きだったか……。15分後にさらに逆方向でやってきた電車に乗り換えてやっとエッセン着。デュッセルドルフから2時間半ぐらいが過ぎていた。寒さもあってか夜の駅の寂しさが身にしみる。ピュ〜〜

2日目 プレス会議

ドイツゲーム賞を受賞した『ケイラス』
ケイラス

 朝、ホテル近くのネットカフェでミクシィを開けると、ヤポンブランドの荷物が遅延することが分かった。13箱のうち1箱が手違いでアメリカ経由になってしまい、先にフランクフルトに着いた荷物も足止めを食らっているという。なんで〜? さらに「商品」として発送申込をしたのに、「サンプル」として扱われていたために書類不備になり、関税で止められて大騒ぎ。このまま荷物が着かなかったら、ヤポンブランドのエッセン出展は水泡に帰してしまう。
 ここで現地で頼んでいたドイツ人スタッフが活躍した。必要な書類を至急作成して印刷し、フランクフルトにFAX。この一連の作業を日本人だけでやることなど無理。何とか間に合ってくれるだろうか。
 会場設営のお手伝いをする合間に11時からプレス会議。今回のゲーム祭は31カ国から730の出展者があり、350以上の新作が発表されるという。入場者数は15万人で頭打ちだが出展者が膨張し続けており、いくら特定のジャンルに集中したところで4日間で回りきるのは難しくなっている。出展者にしてみれば、閑古鳥が鳴くところも少なくないだろう。ふらりと立ち寄る人が期待できないため、事前のPRがとても大切になる。ヤポンブランドはその点、抜かりはなかった。
 プレス会議が終わってから新作の内覧会。主なメーカーの新作の概要を効率よくつかむことができる。デザイナー自身が説明にあたっていることも多く、プレス関係者にいい記事を書いてもらいたいと懇切丁寧だ。2時間ほどかけて30タイトルほど説明を受けた。
 その後は恒例の中古ゲーム漁り。前日から入れるプレスの特典ともいえる。5,6件を回って購入したのは、クニツィアの『市場の商人』『メディチ』『メンバーズオンリー』『はちみつくまさん』『ソクラテス』『アタック』『ツインズ』『モールヒル』、それに『アクワイア』『メキシカ』『フォーラム・ロマーナム』『イモムシイモムシ』『フィアスコ』。価格はボードゲームが20〜25ユーロ、カードゲームが5〜10ユーロといったところ。
 ヤポンブランドのブースに戻ると、ウェブやパンフレットの効果か早くもひっきりなしにお客様が来ていた。何しろ販売量がヨーロッパのメーカーなどと比べるとごくわずかなので、売り切れる前に手に入れておこうというわけである。本番は明日からとはいえ、荷物がまだ届いていないのが痛い。
 その後イスタリ社の新作『イスファハン』をテストプレイ。ダイスを使うのでゲーム感は前作に比べると軽いが、斬新なアイデアと隙のないバランス設定で楽しめた。このメーカーはしばらく目が離せそうにない。
 夜はドイツゲーム賞授賞式へ。日本からはゆうもあチームとオフィス新大陸チームが来ていて、今回もバシバシ写真を撮っていた。

(写真左)DSP1〜3位とDKP。前列左よりK.ベッカー、J-P.シュリーマン、W.アティア。後列左よりK.カップラー、B.ブルンホファー、J.リュッティンガー、C.デマージュ、K.ザイファルト、A.ザイファルト、フッフの社長、M.ゲルツ、エガートシュピーレの社長。
(写真右)DSP4〜10位。前列左よりS.ブリュック、B.ブルンホファー、W.クラマー、ハンスの社員。後列左よりS.フェルト、K.ハルトヴィヒ、K.トイバー、F.グリューバー、ファランクスの社長、R.クニツィア、アレアの社員
DSP DSP

3日目 開幕!

ヤポンブランドのある第4ホールの混雑
4番ホール

 インタビューは『ケイラス』の作者W.アティア氏。デザイナーである前に、プレイヤーでありたいというゲームへの情熱が物静な人柄からにじみ出ていた。『ケイラス』は『アメン・ラー』を遊んでいるときにアイデアをふと思いついて、建物のアクティヴェイトというコンセプトから始まった。イスタリ社とは『プエルトリコ』のトーナメントで知り合い出版につながった。はじめは建物固定だったが、テストプレイヤーの意見を取り入れた結果、フレキシブルな現在のかたちに。とにかくテストプレイをしまくってバランスがよく奥の深いゲームを作るのが、イスタリ社のゲームの秘密だ。
 夕方からはオーストリアゲーム大賞のダグマ・デ・カサン氏とゲーム賞について会談。ゲーム賞は5年前に始まったものだが、ゲームマーケットのような活動を30年続けている。ゲーム賞の選考は11ヶ月間、毎週水曜日に集まってテストプレイやディスカッションをしているということで、ちょっとやそっとでは真似できない。しかも最終選考に残ったゲームから選ぶ最後のひとつは、ゲームのことをあまり知らない芸人とか大学教授なんかに任せるという。「フリークゲームなんて、ドイツゲーム賞に任せればいいのよ。もうゲーム持ってるフリークにアピールしたってしょうがないでしょ? ゲーム持ってない、ちょっと興味がある人に手にとってもらうようなゲームを選ぶの。」
 ヤポンブランドは荷物が夕方になってやっと到着。事前の宣伝効果があってかバカ売れしている様子だ。初日で30万円ほどいったらしい。奥のほうにあるにもかかわらず、いつ行ってもブースは混んでいる。特にカワサキさんの作品は、同じデザイナーということでまとめ買いする人もいる。『R-ECO』を指差し「これはマストバイなんだ」と言うのを聞いて、ウェブの影響が大きいのだと思った。私は『キュージェット』をドイツ語でインストするという楽しい経験をさせてもらった。ドイツ人だから『アベ・カエサル』をみんな知っているのかと思ったら、名前すら知らなかった。いろんな層があるものだと妙に感心。
 夜は恒例のメビウスの能勢さんらと日本人飲み会。「死んだらどうなるのか」「幽霊は存在するか」など妙な話になっていた。

4日目 中休み

朝はヤポンブランドのサンプルをもってシュピールボックスのKMW(K-M.ヴォルフ)氏と会談。この頃ゲームの寿命が短いのはインターネットで情報がすばやく流れるせいだろうと分析していた。ゲームの評価というものは主観的、相対的なもので誰かが面白くないといっても実際遊んでみると気に入ったり、その反対だったりすることはよくあるものだ。しかし誰かつまらないと書けば買い控え、面白いといえば一斉に買うという傾向は今のウェブ社会では避けられないのかもしれない。ロングセラーや末永く遊ばれるゲームが少ないのは残念なことだ。
 お昼前から『魔法使いの夜』の作者K.ベッカー氏にインタビュー。この結果は『シュピール』に掲載される予定。禅に興味をもっていて弓道と禅は関係あるのか聞かれたが、あまり関係ないんじゃないかなぁ。(後で聞いたら、禅に弓は出てこないが、弓道に禅は頻出だそうだ)
 それから『スペースディーラー』をまる1ゲーム遊ぶ。砂時計を使って設備をグレードアップしたりものを生産して売買したりする異色のゲーム。慣れていないと自分の行動に精一杯でインタラクションが極端に少なく感じるが、これまでにないプレイ感覚はピカイチである。
 午後はヤポンブランドで過ごす。『キャメロットの影』のB.カタラ氏とS.ラジェ氏が立ち寄ったり、『アド・アクタ』のA.マイヤー氏が『R-ECO』を買いにきたりするなど、何度も鼻血が出そうになった。ドイツでのディストリビューター探しは、CEマーク(ヨーロッパのSTマーク)がないのでお預けになったが、いくつかのショップとコンタクトが取れたようだ。売り上げは今日も約30万円ほど。
 夕方にはノルウェーゲーム大賞のR.レーダー氏と情報交換。国内メーカー13社を一堂に集めてゲーム賞の立ち上げを説明し、各社は賛同してエントリー料金を1タイトル何万円か払った。国産(オリジナル外国産を含む)限定でエントリーは50〜75タイトル。子ども向け、家族向け、パーティという3つの部門でそれぞれ第一次選考委員が投票し、上位5タイトルをノミネート。そして一般公募+委嘱の最終選考委員が大賞を決定する。ノミネート料、大賞受賞料とそのたびにメーカーが負担するが、宣伝効果が大きいので不参加はいなかったという。音楽業界にいたレーダー氏がレコードやデジタルゲームの賞からヒントを得て作ったシステムだ。う〜む、これもまたすごい。
 帰りにフェアプレイのブースで人気調査を見たところ、木金の2日間の中間集計、25票以上の獲得で上位からコスモスの『大聖堂(Die Säulen der Erde、1.7)』、ダヴィンチの『レオナルドダヴィンチ(Maestro Leonardo、1.8)』、フリカンの『ミスタージャック(Mr.Jack、1.8)』、エガートシュピーレの『スペースディーラー(Space Dealer、1.9)』、イスタリの『イスファハン(Ysphahan、2.0)』、マインド・ザ・ムーブの『ヘマゴール(Hemagor、2.2)』、ラベンスバーガーの『アルカディア(Arkadia、2.2)』、ハンス・イム・グリュックの『タルヴァ(Taluva、2.4)』。
 夜はヤポンブランドでお手伝いをしているドイツ人のヘニングさんの招待でデュイスブルク観光。シュヴァインハクセ(豚のすね焼)を食べビールを飲んで、鉄工所跡を散策した。ドイツに来てもずっとメッセ会場にこもっているので、外のドイツを満喫できたのは望外の喜び。一部壊れてしまっている方もいた。車で送ってきてくれたヘニングさんのお父さんがおもむろにビールを飲んでいるので、「いいのか?」と聞いたら「ドイツでは1、2杯はいいんだよ」と。そして帰りは酒気帯びの高速道路となった。

5日目 集中プレイ

『ヘックメック』大会も開催。ダイスはバケツで
ヘックメック大会

今日はインタビューもなく、丸一日遊び倒した。まずはアレアの新作『ノートルダム』から。アレアは毎年、最小スペースで3卓だけ試作品を遊べるが、いつも満員なのでなかなか遊べない。今日は絶対遊んでいこうと思い、1時間ほど座り込んで観戦。実際にやっているのを見るとドイツ語の説明だけでも何とかルールをのみこめる。隣りの卓が空いたのですぐに入った。1ゲーム観戦していたのでコツがつかめダントツの1位。どこかで見たことがあるような要素が散見されるが、フェアプレイでは高い評価が出ているし、安心して楽しめる一品。
 次にフェアプレイの中間集計で1位になっていた『大聖堂』を観戦。これも1ゲーム観戦してから遊ぼうと思ったが、アミーゴのブースはグループでゲームを借りて遊ぶ仕組みなので一人では入りづらく断念。既存の要素をまとめて手堅く作ったという印象を受けたが、手番の決定システムなど見どころもある。
 さらにフェアプレイの上位を尋ねて回る旅。『ミスタージャック』はB.カタラとL.モーブランが制作した2人用の推理ゲームである。対戦したお姉さんが序盤に痛恨のミス。あっという間に犯人が分かり、妙に盛り上がらないゲームになってしまった。前のゲームも、ちょっとした手違いがゲームを盛り下げてしまっており、プレイヤーの能力への依存度が高いけれどもゲームに習熟すれば白熱した戦いになりそうだ。
 次に『シュヴァーベンの百万人』。自分で予想して自分で試合をする八百長サッカーゲームだ。1人2チームを担当し、合計8チームでまずA組、B組のリーグ戦を行う。私はドイツとスペイン、左どなりの人はイングランドと日本、対面の人はスイスとチェコ、右どなりの人はナイジェリアとイタリアを担当。A組にはドイツ、日本、イタリア、スイスが入り、B組にはイングランド、スペイン、チェコ、ナイジェリアが入った。私はスペインが優勝すると予想。ドイツは一次リーグで敗退するというどんでん返しを仕組んだ。予定通りドイツは日本にも負けてしまうが、その日本も敗退してしまいイタリアとスイスが準決勝進出。B組はスペインが全く振るわず、イングランドとナイジェリアが準決勝に進出した。どちらも準決勝進出までは予想していたが、まさか決勝に勝ち進むとは。結局延長の末ナイジェリアが優勝。自分のチームが全て予選敗退した上、予想も当たらずビリだった。サッカー好きな方に。
 そして最後に『タラ』はイギリスのサプライズド・ステア・ゲームズというメーカーのゲーム。たえず逆転が起こるように作られているのは落ち着きがないが、連鎖をうまく使うなどルールを聞いたときとは違うインパクトがあった。
 フェアプレイのアンケートは組織票である可能性もある。『ミスタージェック』や『レオナルド・ダヴィンチ』が高い評価を受けているのが、ブースはすぐそば。サクラが5人ぐらい最高点をつければたちまち上位に躍り出る。上位になればそれを見た客がやってくるから宣伝効果が大きい。投票結果はそれくらい差し引いて考えたほうがよいかもしれない。
 フェアプレイの人気調査、木金土の3日間の中間集計は、40票以上の獲得で上位からアレアの『ノートルダム(Notre Dame、1.7)』、サプライズド・ステア・ゲームズの『タラ(Tara、1.7)』、コスモスの『大聖堂(Die Säulen der Erde、1.7)』、ダヴィンチの『レオナルド・ダヴィンチ(Maestro Leonardo、1.8)』、イスタリの『イスファハン(Ysphahan、1.9)』、エガートシュピーレの『スペースディーラー(Space Dealer、2.0)』など、最終日の明日はどうなることやら。
 来場者自体は木金と比べものにならないほど大混雑していたが、ヤポンブランドは不思議なことに客足が落ちて売り上げも半減していた。それだけウェブなどの事前情報をチェックしない一般客が多いということで、木金にいかに事前情報を得て訪れた人が多かったかを物語る。
 夕食はヤポンブランドのメンバーと軽食のつもりがまたシュヴァイン・ハクセを頼んでしまいずいぶんヘヴィーに。軽いデザートのつもりで頼んだバニラアイスのベリーソースも大盛りで驚いた。こんなのを子どものときから食べていたら、太っている人が多いのも分かる。その上ゲームばかりで運動しなかったら……自分も気をつけよう。

6日目 もう最終日

カタン世界大会決勝最終場面。悪魔の交渉に乗るか悩む大井氏
カタン決勝

主なゲームは昨日のうちに見終わっていたので比較的のんびりと過ごす。
 最初はクニツィアの2人ゲーム『メディチVSストロッチ』を草場さんと対戦。ルールは簡単なのに値のつけ方が難しく、やりこみがいのあるゲームである。このゲームが置いてあったリオグランデのブースには、2Fゲームズなどブースがいつもいっぱいになっていて遊べないゲームが何点かあったが、遊ぶためには3〜4人で卓につかなければならなかった。いつも一緒に行動できるメンバーが2〜3人ほしい。
 お昼前にカタンの世界大会へ。日本代表は昨日の予選を勝ち抜き、準決勝を戦っていた。C卓は鬼引きでポイントカードを引いた大井さん、D卓は出目が回って開拓地で決めた迫田さんが1位。2人とも決勝に進出するという初の快挙を成し遂げた。組んだらどちらかが優勝できるんじゃないかという冗談に、フェアに戦うと誓う2人。
 今年の日本代表は地方予選と決勝の勝ち抜きなので、代表になるまで8戦中7勝か8勝するという実力が必要になった。カタンには運の要素があるが、運だけではそんなに勝つことはできない。そんな実力をもった2人が共に決勝進出すれば、1位2位独占もあるのではないかという期待が高まる。
 お昼を挟んで決勝開始。日本代表の2人は出目に恵まれない上、2人並んで座っていたせいか「日本人チーム」としてまとめて叩かれる場面もあり、かなり厳しい展開となった。このまま3、4位かと思われた矢先、フィンランド代表が上がる。拍手する中で観客がクレーム。フィンランド代表はチャンスカードを1手番に2枚公開していたのだ。そこでもう1周できることになったが、及ばず大井さんが2位、迫田さんが4位。でも立派な成績である。国別ポイントでは間違いなく1位だ。

カタン世界チャンピオン、フィンランドのM.ヌッポーネン氏
世界チャンピオン

 最後のフェアプレイ人気調査を確認し、リストの中に2、3ゲームチェックしていないものがあったので調べに行ったり来たり。最終結果は1位がイスタリの『イスファハン(Ysphahan、1.77)』とコスモスの『大聖堂(Die Säulen der Erde、1.7)』、3位がダヴィンチの『レオナルド・ダヴィンチ(Maestro Leonardo、1.81)』、4位がサプライズド・ステア・ゲームズの『タラ(Tara、1.92)』、5位がレコスの『サンティ・アンノ(Santy Anno, 1.98』、6位がエガートシュピーレの『スペースディーラー(Space Dealer、1.99)』、7位がウリカンの『ミスター・ジャック(Mr.Jack, 2.04)』、8位がマインド・ザ・ムーブの『ヘマゴール(Hemagor、2.2)』、9位がJKLMの『アンダーグランド(On the Underground, 2.10)』、10位がツォッホの『ヒツジパニック』(Haste Bock, 2.18)、時点に『ウル』『タルヴァ』『クロノス』『アルカディアの建築士』と続く。ほとんど全部をチェックしたが、『クロノス』だけはブースに「売り切れ」の紙が貼ってあって撤収されてしまっていた。
 その近くで「ゲームモブ(Gamemob)」のブースを発見する。この頃いろいろなメーカーのルールの最後にロゴが貼られており、サイトがかなりカッコいいのでどんな組織なのか興味をもっていた。聞いてみるとマルチメディア会社がプロモートしてボードゲームを若い人に普及しようという会社らしい。敷居をできるだけ下げ、音楽や映画など若者の趣味とリンクさせて、今まで遊んだことのない人にボードゲームに興味をもってもらおうとしている。ウェブページはクールなデザインで分かりやすいゲーム紹介が載っており、また居住地や遊びたいゲームを登録しておけば、検索で一緒に遊べそうな人が探せる。こういう、フリークでない人の目から作られたサイトが日本でもあったらいいなと思う。
 あっという間に時間が過ぎてヤポンブランドの片付け。最終日は1時間早く終わり、スタッフで売れ残ったゲームを箱に詰める。幸い、最後に残ったゲームを全部買ってくれるお店が現れ、日本に返送しないですむことになった。お店に送るまでは、ドイツ人スタッフのヘニングさんが預かってくれるという。ヤポンブランドに関わった日本人・ドイツ人の人脈を最大限に生かしたファインプレーである。
 最後はイタリアレストランで打ち上げ、今後の方針などを話し合った。ヤポンブランドの収穫は、日本のゲームの知名度を上げられたということもあるが、それ以上にスタッフの絆を深め、新しい出会いをたくさん作ったことにあると思う。私は海外へのPRで少しお手伝いさせていただいただけだが、とても楽しかった。また来年、エッセンで。

7日目 帰国

朝は郵便局に荷物出し。料金は5キロまで、10キロまで、20キロまでの3種類があり、10キロを超えるか超えないかで30ユーロも違う。私の荷物は11キロだったが、携帯のバネばかりでもあればあと1キロ減らして節約するんだった。
 それからお土産を買いにうろうろして、ネットカフェでメールを読んで、お昼を食べてデュッセルドルフへ向かう。来るときは2時間半かかったのに、帰りはREという快速に乗って30分で着いた。
 デュッセルドルフは本当に日本人が多い。本屋、寿司屋は看板が日本語で、ちょっと歩くと道端で日本語で会話している奥様方にすぐ出くわす。そこに住んでいる人に悪いが、旅の情緒はずいぶん少ない気がした。
 デュッセルドルフ16:00、バスでフランクフルトまで。フランクフルト21:00発で成田着14:45。満席である。ヒッチコックの『鳥』を見て眠ったが、目を覚ますと成田の天候が悪く飛行機がずっと揺れてもう少しで吐きそうになった。エチケット袋を開封したところで着陸、ギリギリセーフ。

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