Morning Concert

芸大に在学中のオケの先輩伴野さんが出演するというので、奏楽堂に聴きに行く。
芸大の学生が2人ずつ、協奏曲を演奏するという11回のシリーズの8回目。ヴィオラは伴野さんだけである。今回の指揮者は小林研一郎氏。
曲目はシュニトケの協奏曲。シュニトケというとオーケストラアンサンブル金沢がシチェドリンとカップリングで出した「合奏協奏曲」くらいしか知らなかったが、あちこちに気の利いた仕掛けが施されており、とても面白かった。特にハープシコードとの掛け合いは耳にも新鮮である。
(シュニトケのページ→http://www.age.ne.jp/x/ramos/schnittke/index.htm、オーケストラアンサンブル金沢のHP→http://www.oek.or.jp/index.htm
この曲に流れるテーマは「死」。演奏中には以前流行った「臨死体験」をしているような気分に襲われたが、演奏が終わって伴野さん自身の解説を読むと「荒れ狂う人生」「死の入口での、人生の悲しい概観」と書かれている。まるで冥界の番人ハーデスのような顔つきをした伴野さんの内面を垣間見る気がした(読んでたらごめんなさい!)。
会場にはOGの木村さんが小児科の患者さんを連れてきていた。音楽の効用のは意外に大きいらしい。小学生のときに肺炎で入院して、夜の不安をラジオで打ち消していた古い記憶がよみがえった。ちなみにもう1人はラフマニノフのピアノ協奏曲だった。
演奏者は演奏マシーンであってはなるまい。「ミスなく、ソツなく、面白くなく」という無味乾燥の奏者ばかりにならないためにも、紆余曲折を経た伴野さんの存在は非常に重要だし、応援していきたいと思う。

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