映画(4)

ロード・オブ・ザ・リングロード・オブ・ザ・リング(ネタバレなし) 3部作の完結編。第1部・第2部と何とか毎年見てきたが、今年は日本で見られないことになった。しかしこれほどの映画ならインドでも上映されるだろうと思っていたら案の定、近くの映画館で上映されていた。時間を新聞で確認して、自転車で見に行く。
 インドでアメリカ映画を見るのは初めて。戸田奈津子の日本語字幕はもちろん付かないが、かえって映像に専念できるだろうと安心していた。第1部は、日本語字幕を読むのに気を取られてディティールまで見切れず、映画館に2回行ったものである。
 ところが始まってびっくり。何と中国語の字幕が入っているのである。これが気になって仕方ない。ミスター・フロドは「弗拉多先生」、サムは「山姆」、メリーは「梅里」、ピピンは「比平」…何だか中国映画のようだ。アルウェンが“I choose mortal life.”というくだりは「我選択凡人的生活」となっていて、感動的な場面で独り笑ってしまった。
 そしてインドの映画館のしきたりとして途中で必ず休憩が入る。客はポップコーンやアイスクリームを買いに行く。映画館の思惑通りといったところだろう。インド映画は休憩が入るように作られているが、アメリカ映画にそんなところはない。場面が切り替わるところでブツ切りだ。もっとも、いくつかの場面が同時進行する今回の映画ではそれほど気にはならなかったが、K氏によると「ラストサムライ」のいいところでIntermissionが入ったのはつらかったと言う。
 3時間というインド映画と同じ時間だったが、あっという間に過ぎた。第1部、第2部から続いていた暗い場面が第3部の終盤まで続くので、最後のカタルシスはものすごいものがある。インドらしく最後のいいところで隣の人の携帯がなったり、あまつさえ前の人が携帯で話し始めたりしたが、さほど気にならなかった。日本と比べると映画の音量が大きく、多少のおしゃべりならかき消してしまう。
 冒険映画ということでラブストーリーは控えめになっている。その埋め合わせなのか分からないが父と娘の場面が少なくない。そういう場面が来るたびにぐっと来てしまうのは、日本にいる娘を思い出してしまう私だけかもしれなかった。

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