郵便局








中央郵便局入り口の厳重な警戒
中央郵便局

 出かけるとき、タヒルさんがお手伝いのアルタープに「3,4日は帰ってこない」と冗談を言ったらアルタープが泣いてしまった。アルタープいい奴。
 日本の家族に手紙を出すため、中央郵便局に行く。しかし驚いたことにここも厳重な警戒態勢が敷かれていた。まず正門は閉まっており、外に車を停めて裏門まで歩いていかなければならない。入り口に着くと左右には土嚢、1人ずつ通れるようにシャッターが閉まっていて、入ると持ち物検査。カメラや携帯は持ち込めない。目の前には例によって銃口がこちらを向いている。
 ハガキ2枚出すためにここまでされるのは、今ひとつ腑に落ちない。銃はシュリナガルに来てからあちこちで見かけるが、何度見ても不安になってしまう。ここで生活している人の神経はこの点どうなっているのだろう。
 それから大学に行くことになったが、途中のダル湖畔でデモが行われており、回り道をしなければならなかった。政府が観光のためダル湖の中央にある島を埋め立てる計画があって、そこの住民は別の場所に移住させられることになっている。移住に反対する住民たちのデモだった。
 さらに市内ではストライキ中。こちらはイスラム教の指導者が強盗に殺されたとかで、警察が容疑者をなかなか見つけられないのに苛立った市民が、高等警察の発動を求めて仕事を休んでいる。大学に行ったはよかったが、先生がストライキで足止めを食って休んでいた。インドのデモやストライキはみんな本気なので恐い。迂闊に近づくと石が飛んでくる。
今日の観光スポット
ハルワン仏教遺跡ハルワン仏教遺跡
 近年発掘されたシュリナガルで唯一の仏教遺跡。六阿羅漢の林(シャド・アルハド・ヴァーナ)と呼ばれていたものが縮まってハルワンになったらしい。伝記によるとここで第四回仏典結集が行われ、またナーガールジュナ(竜樹)も住んでいたという。カシミールは紀元前後ごろから500年あまり、仏教の一大中心地だった。三蔵法師もここを訪れサンスクリット語を学んでいる。
ハルワン 山の中腹を利用して3段になっており、1段目には僧堂が2つと本堂、3段目にも僧堂があった。2段目はまだ土の中だが彫刻を施した壁が発掘されているらしい。ほかの仏教遺跡と同じく今はレンガの壁や台座が残っているだけだが、ここで当時最先端の仏教研究が行われていたことを思うとこちらも向学心が湧いてくるような気持ちだ。
 ここもシャンカラ寺院と同じく絶景ゆえに電子機器の持ち込みが許されていない。タヒルさんが係員を口止めしてこっそり撮影。

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