映画(13) 愛することは先天か後天か








インディアダイジェスト
(The Times of India 9/3)
「蛇のマヌ」として知られているギネス世界記録保持者C.マノーハランは、新記録の練習中。それは生きている蛇を鼻から入れて口から出すものだ。木曜日にチェンナイにて。蛇のマヌは30秒以内にミミズを200匹飲み込むという記録を持っている。(写真:涙を流しながら緑色の蛇を鼻から口に通しているところ。)

先月日本で取り直してきたビザの外国人登録をしに行く。案の定、書類が足りなくてまた今度となった。インドでは半年以上滞在する外国人は登録を行わなくてはならない。学生ビザの場合1.申請用紙(3枚コピー)、2.写真3枚、3.パスポートのコピー、4.在学証明書、5.アパートの契約書が必要。4と5は家にあった。ちなみに学生ビザの延長申請は提出書類が7つか8つあって気が遠くなりそうだった。日本に帰れば簡単に取れるのだが。
ついでに来月ドイツに遊びに行くチケットを購入(エアーフランス、パリ経由フランクフルト往復で約95,000円)、マクドナルドで昼食、映画を見てバリスタ(コーヒーショップ)でおやつ、駅で電車の時刻を確認して帰宅。市内にはたまにしか行かないので、用事は思いつく限りまとめるのである。
ほらそうなっちゃったでしょキョーン・ホー・ガヤー・ナ(ほらそうなったでしょ)
〈あらすじ〉
 レーサーのアルジュンは恋愛に関しては鈍感で、結婚はお見合いでよいと考えていた。一方、田舎で孤児院を手伝うディヤーは恋愛結婚を夢見る。ディヤーがムンバイで試験を受けるのをきっかけに、アルジュンもムンバイの実家に呼び戻される。お互い知り合いである両方の親が2人の出会いを画策したのだった。
 アルジュンの率直でひょうきんな性格にディヤーは恋をし始める。しかしアルジュンはディヤーをからかってばかりでまともに取り合わない。そうしているうちにアルジュンのいたずらがもとでディヤーは悲しみ、田舎に帰ってしまう。
 空虚感に襲われたアルジュンはディヤーを訪ね、孤児院でしばらく手伝いをすることになる。そこに昔孤児院にいたイーシャンが颯爽と登場、久しぶりに会ったディヤーはイーシャンと仲良くし始め、結婚の段取りまで決まってしまう。傷心でムンバイに戻るアルジュン。
 そこで父親から愛しているならディヤーに会いに行けと諭され、再びディヤーを訪ねるアルジュン。しかし時すでに遅く、結婚式が執り行われようとしていた。引き止めたいアルジュンを尻目に、花嫁衣裳に身を包んだディヤーは式場に行ってしまった。
 結婚式を呆然と見つめていたアルジュンは、孤児院を経営するおじさんにもう一度ディヤーと会いたいことを告げる。するとどうしたこと、イーシャンのそばにいた花嫁は実はディヤーではなかった。陰から現れるディヤー。そう、これは親たちが画策して一芝居売ったものだった。アルジュンはとうとうディヤーに愛を告げ、抱き合う。ハッピーエンド。
〈感想〉
 8月に入ってから公開されたものだが、1ヶ月でもう特別上映(客が入らない映画を昼間に安い値段で上映する)入り。新聞にはアルジュンが最後まで煮え切らないのが面白くないと書かれているが、ディヤー役の超美人女優アイシュヴァリヤー・ライに惚れられていて鈍感なのはおかしいというのが見る人の本音だろう。そうした観点で見ると、前半はさんざんディヤーを邪険に扱っていて、後半になると途端にメソメソし始めるアルジュンは、確かに煮え切らない。それがアルジュン役のヴィヴェーク・オベロイの役柄にぴったりとも言えるのだが。
 さらにラブストーリーを盛り上げる大きな場面の転換がないため、よく言えば平和裏、悪く言えば単調というのも客を呼ばない理由かもしれない。ロングヒットしたラブストーリー映画を見ると、『カルホーナホー』は主人公の心臓病、『ハム・トム』はヒロインの旦那が事故死するというところが場面を急転させ、感動を生んでいる。普通の恋愛なら映画の中だけでなく巷にもある。それを感動的なものにするのは、悲劇というスパイスなのではないだろうか。夫が子どもを残してインドに行ってしまった妻とか(?)。
 付け加えるならば、最後の結婚式が芝居だったというオチは無理のあるどんでん返しでいただけない。ただ2人を引き合わせたいだけで親たちもそこまでするだろうか。また『マスティー』もそうだったが、芝居とはいえ嘘をついた訳で、騙された側(主人公も観客も)には悔しさが残って当然ではないだろうか。こういうオチはどうも誠実さに欠ける気がしてならない。
 と批評すればきりがないが、私は面白かった。客席には30人もおらず少し寂しいものがあったが。まず第一にアイシュヴァリヤーは見とれるほど美しい。ちょっと老けたかなと思う場面もあったが、細身なのでどんな服でも映える。プリーティ・ズィンターやラーニー・ムケルジーのような年毎に太っている女優がジーンズなど穿くと、その腰の太さにはっきり言って興ざめするものだ。華奢なのにパワフルな踊りも、アイシュヴァリヤーの大きな魅力だ。
 それから音楽もすばらしかった。ひとつのモチーフが断片的に用いられている。例えばディヤーが田舎に戻って本を読んでいると、口笛が聞こえてくる。気のせいだとまた本を読み始めると次のフレーズ。そしてアルジュンが現れるのだ。前半の酒場の場面で流れるタンゴも新鮮で面白い。
 そしてコメディーが楽しめた。孤児院の院長をするおじさん役のアミターブ・バッチャンが珍しくファニーな役をして、子どもたちといたずら合戦を繰り広げていたのが印象的。アルジュンがムンバイに行く駅で荷物を全て盗まれ、その上駅弁を頭からかぶって泣き面に蜂、そして飲み物売りになって列車に乗り込み、「コールドドリーンク」と言って回っているのも笑えた。余計なことを考えずに頭をからっぽにして楽しむべき映画なのかもしれない。
公式サイト


まだ電話が通じていないので、ネットカフェ通いの毎日。1時間10ルピーでDSL回線という申し分のない環境だが、家から自転車で10分、途中ナガルロードという幹線を渡るのが危険。さらに帰りは真っ暗なので夜道も不安だ。今日はじっくり時間をかけてメールを書いていたらいきなり停電で全てパー。ヘナヘナ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


The reCAPTCHA verification period has expired. Please reload the page.