『<スピリチュアル>はなぜ流行るのか』

築地本願寺にあるX JAPANのhideへの思いを書き綴ったノート、平原綾香の「Jupiter」、ビートルズの「Within you, without you」、そして「千の風になって」、全国各地で開かれている「スピリチュアルコンベンション」、アルコール依存を断とうとする集まり「アルコホリクス・アノニマス」、自己啓発本「キッパリ!」、農業運動「ディープエコロジー」、映画「地球交響曲」、NPO法人「ビーグッドカフェ」……
スピリチュアルというと謎のパワーだとか前世占いとか胡散臭いものを連想していたけれども、筆者は「自分を超えた何かとつながる感覚」と広く捉える。昔からなかったわけではないが、今の世の中はスピリチュアル文化がずいぶんいろいろなところに広まっているのだと感じた。
従来は宗教がこのような感覚を提供していた。しかし多くの人が共通して信じられる「物語」は崩れつつあり、宗教者や儀礼を通さずに個人個人が直接「自分を超えた何か」につながろうとしている。
このような動きに対し、伝統教団は傍観しておいてよいのか。このままいくとお寺離れ、教会離れは深刻なものになりそうだ。傍観しないとすれば、どのような方策が考えられるのか。
人権・環境・平和をとっても、道徳ではなくスピリチュアル面からのアプローチもありうる。私自身はこういう感覚はあまり持っていないけれども、この感覚を理解し、寄り添って行動することも必要だと思った。
新聞記者である筆者はスピリチュアル文化を肯定的にも否定的にも書かず、事実を客観的に報告しているのが非常によかった。

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