『坊主白書―仏教も坊主も嫌いなあなたのための日本仏教入門 』

僧侶の生活とお寺の仕組みをネガティブな視点も交えつつ説き明かす書。
第1章では肉食妻帯高級車、日本の僧侶がどうしてそんなふうになってしまったのかを建前と現実から説明。第2章は檀家制度と寺院運営について説明し、宗教法人としての課税・非課税の線引きを探る。第3章ではお葬式についてでお金のかからない自宅密葬の提案など。第4章ではお墓の今を見る。
第5章の本末制度と第6章の13宗57派では各宗派の問題点や改革の道筋などを考え、運営への平等な市民(檀信徒)参加を呼びかける。第7章では仏教再生に取り組む活動を紹介する。そして第8章では宗教法人法をもっと厳しくする、介護系のNPOを立ち上げるなどの提言を行う。今のお寺の凋落は僧侶だけの問題ではない。一般の人とともに新しい活動を模索していかなければならない。
既存の書籍の受け売りが多数という感じがなきにしもあらずだが、京都景観論争の結末、大阪・応典院の若者向けプログラムや現代仏教化ファイル、死後のことに関する生前契約を扱うNPOりすシステムなど現代の事例が紹介されていたのがよかった。

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