坐禅

おくりびと

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モントリオール映画祭グランプリ受賞で急に話題になった映画。オーケストラが解散になったチェロ奏者の主人公は、妻と共に故郷の山形に帰る。そこで「旅のお手伝い NKエージェント」という求人を見ていったところは、納棺の仕事だった。

笑いと涙(涙が断然多いが)がいっぱいつまった2時間。妻を喪った人(「今までで一番きれいでした」、子どもを喪った人「やっぱり私の子どもだと」、母を喪った人、大の男が泣き崩れるのを見るのはたまらない。久石譲の音楽が効果的に輪をかける。

それにしても、死体を扱う職業ってこんなに差別されているものなんだろうか。同級生は「まともな職に就け」というし、妻は「汚らわしい!」というし、仕事中にも「あんな仕事を一生して償うのか」と言われてしまう。私にはとても尊い、そして美しい、「師」とつくのにふさわしい職業だと思うが。

山形の風景も美しい。庄内弁もお見事。ただ、実際の話をすると納棺師はまだまだ都会の職業であり、山形では一般的ではないと思う(つまり家族が自ら死に化粧や納棺をしている)。

オーケストラのシーンでは現在、山形交響楽団の音楽監督である飯森範親氏が出演し、ホルンの岡本さんもちらっと写っていた。庄内の風景は残念ながら鶴岡なのか酒田なのかさえ見当もつかなかったが、そばに神社があるNKエージェントの建物(パンフレットでは酒田だそう)はすごく味わいがあっていい。

火葬場の係が「死は門です」と言い、父は息子にメッセージを残す。死者と生者は決して分断されてはいない。「いってらっしゃい、また会おうの」というセリフが強く印象に残った。

私も子どものときに父が離別し、その後一度も会っていない。学生時代にオーケストラをやっていたことがあり、来年から山形に行き、山形に行けば死者を相手にする仕事が待っている。なんと主人公と境遇が似ていることだろう。そのため非常に感情移入してしまった。

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このページは、おの2008年10月 9日 16:27に書いたブログ記事です。

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