2010年7月アーカイブ

2007年に発売された『お坊さんが困る仏教の話』の続編。前著はお寺の歴史や日本人の宗教観を分かりやすくまとめたものだったが、今度はさらに一歩踏み込んで、現代のお寺が抱える問題を説く。

現代のお寺が抱える問題として本書で挙げられているのは後継者不足による空き寺化と、本山(教団)への多額の上納金、葬儀の寺離れである。

空き寺化は、高齢化、結婚難、少子化によって引き起こされている。近くのお寺の住職が掛け持ちすることになるが、もう後任者を探すこともなく、「お坊さんが居ない方が、金がかからなくて助かる」という総代もいる。またこれに関連して、貧乏寺と金持ち寺の格差も広がっている。採算分岐点の檀家400戸を下回るお寺(うちもそうだ)は、お寺の維持のために副業も考えなくてはならない。

さらにお寺の重要な収入源である葬儀が、本堂ではなくホール葬になったり、直葬・自由葬が広がったりするなどお寺を必要としなくなりつつある。東京で菩提寺をもたず、いざとなってからお寺を探す人たちを「お寺難民」は、葬儀社が紹介する嘱託のお坊さんを頼んだり、テレビのチャンネルを変える気安さでお寺を選ぶ。

本山(教団)への上納金は、小さな寺で年間十万単位、標準的な寺になると百万単位になるという。さらに僧階による賦課金、大遠忌や本山の修復など何十億円の事業に臨時の負担がある。これがお布施に反映される。こうした多額のお金が社会に還元されているとは言いがたい。宗派を超えて集めて、ホスピス病院を建ててはどうかと提案した松長有慶・真言宗管長が紹介されている。

著者は伝統教団の中からルターのような改革者が出てくること、宗派を超えて住職の再研修を行うこと、檀家制度をやめて会費制・加入退会自由の護持会システムに代えること、尼僧の結婚を男性僧侶並みに一般的にすることなどを提案する。

このようなお寺を取り巻く状況は1,2年といわずどんどん厳しくなっており、私も強い危機感を持っている。帯の「檀家さんの我慢は、もはや限界寸前。」というのは肝が冷えるが、それ以上に、こうした危機的な状況を知らない檀家さんが多いだろうことを危惧する。檀家さんとこうした問題意識を共有しつつ、宗派やお寺の規模などの壁を乗り越えて協力できることを模索していきたい。

田舎の挨拶

コメント(0)

このごろだいぶ慣れてきたが、はじめは戸惑った田舎の挨拶に、車ですれ違うときに挨拶というのがある。

交差点で止まっているときだけでなく、時速60kmですれ違う瞬間に、向かいの車に誰が乗っているかを確認して、知っている人ならば手を挙げるか、会釈をする(本当に会釈すると危ないので、頭をちょっと下げるぐらい)。すばやい判断と反射神経が求められる。

つくば―東京間の高速バスに乗っていたときも、首都高ですれ違う瞬間に手を挙げて挨拶する運転手さんをすごいと思っていたが、あれは遠くからでも同じ会社のバスだと分かるからこそ。こちらは普通の乗用車である。

と思っていたが、どうやら皆は車の中に乗っている人の顔だけで判断しているわけではなさそうだ。時間帯・場所・車種・ボディの色から、「この時間にここを走るベージュのティーダは、○○さんしかいない」と推理する。

それならあまり反射神経を問われないわけだ……ってそういう推理のほうがずっと凄いんですけど!

あちらが挨拶したのにこちらが気づかないと後から言われることもあるので、今日もまた、すれ違う車に気をつけている。もちろん、交通安全が第一。

申請大杉

コメント(0)

宗務庁に提出した書類が、無事進達された。

もともとは、庫裡(住職と家族の住まい)の改築のときに出した「境内建物改築承認申請」。境内地に建っている以上、手を入れる際は包括宗教法人の曹洞宗から承認を得なくてはならない。そこでは宗教法人法の規定に従って公告を10日間行った上で、責任役員会議の議事録、設計図、工事見積書、収支予算書の添付が必要になる。

この収支予算書の収入の項目に、地元の信用金庫から借り入れがあった。そこで求められたのが「財産担保借財申請」。もし借金の返済ができなくなっても、宗門には一切迷惑をかけないことを誓約しなければならない。この場合も公告を行い、責任役員会議の議事録、保証人(総代さん)による承諾書、印鑑証明書、返済計画書、直近3ヵ年の決算書の添付が必要である。

本来ならば、この2つの承認を得てから借り入れや工事が可能となる。しかし、別の申請の必要が出たり、添付書類が足りなかったりしているうちに3年も過ぎ、借り入れも建築ももう終わっていた。そこで求められたのが「保証借財完了届」と「境内建物改築工事完了届」。金銭消費貸借契約書、収支決算書、工事請負契約書、領収書、写真を添付しなければならない。

これだけでも相当な文書量であるが、ほかにもあった。5年前に宗務庁が全国寺院に問い合わせた不動産異動の回答である。宗務庁が把握している古いデータと、現在のデータに違いがあるものについて、国土調査による修正だとか、道路や水路に提供したとか、誰かに売却したとか、そういう原因を調査して証明書と共に報告することになっていた。

異動があったのは20〜40年前。先代住職の時代で、責任役員の議事録はおろか、何も書類が残っていない。途方にくれて回答をしないできたが、とうとう上記の申請中に回答を求められた。腹をくくって土地家屋調査士の檀家さんに、調査と謄本の取り寄せをお願いする。合筆・分筆・除却ですでに存在しない地番もあり、素人ではとてもできない仕事であった。

その中で所有者が変わっているものについては「財産処分承認申請」をしなければならない。公告(今更だが)が必要で、責任役員会議の議事録、登記簿謄本、固定資産税課税台帳、公図、契約書、寄付受諾書を添付する必要がある。昔のことなので、現存しない書類があることと、責任役員会議は原因不明で承認されたということを記して提出した。

しかも調査中に、県道の一部がまだお寺の土地のままだったことが発覚。県の登記漏れが原因だったので県庁に連絡して、改めて寄付の手続きを行うことになる。これが4ヶ月もかかり、その間にほかの謄本は全部期限切れに。1枚500円なので、取り直すと相当な金額になる。そこで県に苦情を言って公用で取ってもらった。

各種届けや責任役員会議の議事録には、私だけでなく総代さんなど責任役員の実印と印鑑証明が必要。なので新しい申請が必要になるたび、集まったときにお願いしたり、それぞれのお宅にお願いに参上したりした。市役所、県庁、法務局に足を運んだ回数は数え切れない。

その申請がようやく完成し、このたび宗務庁に送られたのである。石の上にも3年、祝杯をあげたい気分だ。もしかしたらまた、不足書類があるといって返ってくるかもしれないが、ひとまずほっとしているところである。

親子で過ごす平日

コメント(0)

母が研修などで3週連続お泊まりで出かけているため、その間、子ども3人と父1人だけで過ごしている。今、長女の給食調理場が改修中で、毎日弁当を作らなければならないのがたいへん。火曜日と水曜日は長男も弁当持ちなのでダブル弁当である。

朝は6時に起きて、長女だけを起こし、朝食の準備。仏様にもお供えする関係で、目玉焼きとかウィンナーで手早く済ませるわけにもいかず、野菜を切ってコトコト煮物を作る。仏様の分と一緒にだいたい7時までに出す。

長女が食べ始めたら、弁当を作り、お茶とお水をお供えして朝のお勤め。終わって自分も朝食を食べ、7時40分に長女を送り出す。それから長男と次女にご飯を食べさせ、終わった食器を食洗機にぶちこんで、洗濯物を干しているともう8時30分過ぎ。長男と次女を保育園に送って9時ころ朝の任務終了。

夕方は16時30分から。先に帰ってきている長女におやつを出して、長男と次女を迎えに行く。帰宅して一息ついてから夕食の準備。自分が食べながら次女に食べさせて、台所の片づけをし、風呂に入れて21時30分ころ寝る。

ほかに次女がだっこしろ攻撃で足にしがみついてきたり、長女と長男がちらかしたものを片付けたりとイレギュラーに仕事が入り、朝の3時間と、夜の5時間はフルタイムジョブである。近頃は玄関に待機してひたすら外に出たがる次女。30分ほど散歩に付き合ったら虫に刺されてかゆい(次女はなぜか刺されず)。

今日は午後から米沢の法務局に書類を取りに行く用事があって、帰りにスーパーで買い物、次女と長男を迎えて、長女が帰宅する前に帰った。250円くらいの豚バラをショウガ焼き用に買ったら量が思いのほか少なかったので、玉ねぎを炒めて加えたら油が絡んで美味しかった。

明日の弁当のおかずもたっぷり買ってきたので安心だ。次女が長女が登校するまで寝ていてくれるとたいへん助かるのだが、そううまくいくとは限らず臨機応変な毎日である。

このアーカイブについて

このページには、2010年7月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2010年6月です。

次のアーカイブは2010年8月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

アーカイブ

リンク用バナー