アッカッシャとアヤッカッシ

毎週木曜日に講義で往復2時間のドライブをするようになった。ちょうど木曜の昼、FM山形で「ふれあい一番おしょうしなう」という番組をやっているのでよく聴いている(「おしょうしな」は米沢弁で「ありがとう」の意)。
その中の米沢弁ご紹介コーナー 「これであなたも米沢人!そいづじょさねがら、はっちゃげででぎっこで〜」がたいへん興味深い。私が住んでいる長井から30kmしか離れていないのに、言葉がだいぶ違うからだ。
今日の放送は買い物に行ったとき使う方言。まず「あっあえ」(ごめんください)でウケる。今どき、そんなことを言って入る店もなくなったが、子供の頃私は「買ーう」といってお店に入っていた。
「〇〇ありますか?」は「〇〇アッカッシャ」と言っていた。「アッカ」は「あるか」の促音便。「シ」は丁寧の終助詞。分からないのは「シ」の後の「ャ」。完了の「ハ」(食ったハ)が「ア」になり、シとくっついて「ャ」になったのだろうか。長井では、完了の「ハ」のh音が落ちることはなく、丁寧の「シ」とは共存できないように思われる。
長井では「〇〇アヤッカッシ」という。「ヤル」は尊敬の助動詞で、「シヤル」(なさる)「アガヤル」(召し上がる)などというように使う。存在を表す「アル」に付いて、「アヤル」になり、その疑問形が促音便化して「アヤッカ」、そしてやはり丁寧の終助詞「シ」が付く。
長井では「カ」にアクセントが来るが、祖母の実家である飯豊では「シ」にアクセントが来るという。同じ置賜でも、ずいぶん違うのが面白い。
ところで番組名になってる「そいづじょさねがら、はっちゃげででぎっこで〜」の意味、分かりますか?(長井ではこういう文脈で「はっちゃげで」とは言わない)

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