親と地域の教育力と二極化

人権擁護委員の仕事で、近くの小学校で人権教室を行う。いじめをテーマにした紙芝居を読んで、命の大切さや自分らしさ、そしていじめを見て見ぬふりをしないことを説く。市井のおじさんおばさんがやっているので、押し付けがましくならないのがいいみたいだ。

終わってから校長先生としばらく懇談。子供は大人の鏡というが、落ち着きはあるが活気がないのが悩みだという。いろいろな人とコミュニケーションする機会が圧倒的に少なくなったのが原因で、学校だけ何とかできるものではない。地域・家庭の教育が欠かせないので、積極的にPTA行事・地域伝統行事に参加することを親にもお願いしているそうだ。

また、少子化に伴い、スクールバスの学区が広がっていることに懸念を表明。歩いて登下校する中で、体力がつき、上級生は下級生の世話を覚え、危機回避能力を身につけ、四季の移り変わりを知る。それが奪われることを心配なさっていた。

さらに運動をする子供としない子供、行事に参加する子供としない子供の二極化も問題だという。学校が自主的にまとまっていくのに、この二極化が足かせとなるのは想像に難くない。地域も同じ問題を抱えていると思う。

道徳に関しては子供たちが先生に迎合して、先生が喜ぶ答えをいうのでは何にもならないとして、自分の弱さを知るところから始めたのがよかったとお褒め頂いた。人権 教室では最初に、学校で嫌な思いをしたことがある人に手を挙げてもらうところから始める(中身までは聞かないが)。

校長先生は紋切り型のお話に終始しがちなものだが、自分の言葉で(しかも少々刺激的な表現も使いつつ)お話しされたので、感心しながらお伺いした。

先日、近くの公民館で行われた講演「いま私がしていること、思っていること」で、私は5つのポリシーを挙げてきた。偶然にも共通していることがあったのも、感心した理由である。同じことを近くの校長先生も考えていらっしゃるのだと思って嬉しかった。

1.過ぎ去ったこと、未来のことよりも今
2.安請け合い上等
3.地域行事・伝統行事に積極的に参加する
4.少数派に目を向ける
5.地元でお金を使う

校長先生が二極化とおっしゃったことを、私は格差社会と捉えている。地域に出てこない人には情報が届かず、経済格差にもつながりかねない。地域でも、檀家さんでも、あまり顔を合わせない人も住みよい地域を考えていこうと思っている(それが「ボードゲームで村づくり」とか飛躍するのも問題だが)。

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