祖母の逝去(2)

翌日は短大の講義があり、用事もあったので出かけることにした。葬儀の準備としては、宗務所で曹洞宗管長弔辞を頂き、それを読んで下さる本寺の和尚さんに届け、市役所に死亡届を出して火葬許可証をもらい、お布施にするお金を郵便局から新券で下ろし、当座の食料をスーパーで買った。このような仕事は喪主が本来すべきではないのかもしれないが、人手不足なので致し方ない。その間、母と妻はひっきりなしの弔問客の対応。寺役員さんは、境内の草刈りをして下さった。

短大の講義トピックは折しも『苦と解脱』で、祖母の具合が悪い中行なった先週のトピックは『無常について』だった。着替える時間がないため、改良衣のままの講義である。死や別れの苦しみについて話すとき、思わず力がこもってしまう。

夕方からは近所の梅花講員の方が集まって枕元で御詠歌の奉詠で、母と私も一緒にお唱えさせて頂く。穏やかな祖母の死に顔の前で追弔御和讃をお唱えしていると何度も声がつまる。祖母は御詠歌に長年親しんでおり、今月末の全国大会では特別昇等の申請をして一級詠範になるはずだった。今月の梅花講総会にも出て一緒にお唱えしていたのが昨日のことのようである。

御詠歌が始まる前、檀家さんのお母さんがお亡くなりになったことを知る。そのため終わってすぐ枕経に行かなければならなくなった。友引もあるため、葬儀の日程をどのようにしたらよいか大いに迷う。結局、祖母の葬儀と友引をはさんで4日後に葬儀を行うことになったが、祖母の葬儀が終わった夜に入棺、翌日の昼、4件の法事の合間に出棺という過密日程である。

奇遇なことに、この檀家さんのお父さんは15年前、祖父がなくなった直後に亡くなっている。何かの縁であろうか。

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