カウンセリングの視点を加えた人権相談

仙台で人権擁護委員の精神保健の研修会。相談者に精神疾患があった場合、どのように対応するかを2日間にわたって学んだ。面接練習ではちょっと聞いただけで大変そうな事例が次々と出てきて、ほかの皆さんのご苦労が忍ばれる。

私なりにまとめたところは以下の通り。檀家さんとお話するときにも取り入れていきたい。

0.温かな決心
受容(私は相談者の味方であり、肯定的なまなざしをもちたい)
共感(私は相談者と同じように感じていたい、同じ景色を見たい)
※相談者の妄想と思われることも、「どういう背景でそう思っているのか」という観点で捉える
純粋さ(自分の気持ちに誠実であることによって、相談者にも誠実さが伝染してほしい):疲れたら切り上げる提案も

1.前置き
秘密保持とその例外「これからお話し頂くことは秘密ですので、安心して何でもお話下さい。ただし、命にかかわること、法に触れることはその限りではありませんのでご了承下さい」
※相談票やメモについては特に断る必要はない。気になるときは「メモをとってもいいですか?」

2.始まり
「今日はどのようなご相談ですか?」
「どういう経緯でこちらにいらっしゃいましたか?」
※見た目の印象、ボディランゲージ、声のトーン、声の大きさに気を配る

3.聞き取り
ほめる「ご家族からとても信頼されているんですね」「よくここまで耐えてこられましたね」
ねぎらう「こんなに大変な状況にもかかわらず、よく話してくださいました」「辛いですね」
言い直す「一番の問題は◯◯ということですね」
前置き「きちんと理解できているか分からないのですが」「誤解を生むかもしれないので話してよいかためらってしまうところですが」「うまくお伝えできるか自信がありませんが」
外在的な会話(承認)「このような状況では、どうしても不安になってしまいますよね」「それは不本意ですね」
※十分に話を聞かずに分かったと言わない

4.アドバイス
説明と同意「私は◯◯と考えていますが、いかがでしょうか」「先ほどこう申し上げたと思うのですが、いかがでしょうか」
※情報を言い過ぎない、簡潔に、専門用語を使わない、相手が理解しているか確認しながら
最小限度の自己開示「私もそうだったので分かる部分もあります」
正誤より効果的かどうか「これは大事な話ですから、継続してお話を聴いてくれるところのところに行きましょう」
※妄想も本人にとっては事実、相談者を説得しようとしない
できることとできないこと「ここまでは私が知っていることですが、これ以上は専門の方に聴いてみないと分かりません」
※先の見通しを示す、暴言がひどいときは正直に怖いという
アサーション(自他尊重の伝え方)
みる:相手は今どのような状態か?
かんじる:自分が相手の状態だったらどう思うか?
ていあんする「私はこう思いますが、あなたはどうですか?」
いな:断られたら別案を提案する「もしくは◯◯はどうですか?」

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