二段階の供養

お盆の行事は、ブータ・ヤジュニャ(バラモン教)、盂蘭盆会(仏教)、中元普度の祭(道教)が入り混じった行事だ。生きとし生けるものを供養し、そこで生まれた多大な功徳で、亡くなった親を供養するという二段構えになっている。

お盆飾りはその第1段階である生きとし生けるものの供養。精霊棚も掛ける供物も、祖霊を祀る仏壇(祠堂)の外に設置されており、先祖以外も家を訪れる前提で行われているように思う。

このことから、今年の棚経の回向では故人の戒名や先祖代々だけでなく「六親眷属、七世父母、有縁無縁三界万霊、法界含識」と広げて読み込むようにした。古い仏様の法事などでも、お盆でお迎えするのは自分が知っている人かどうかといえば、知らない人が大半ではないかというお話をしている。

ブータ・ヤジュニャ:バリ(神々に捧げる料理の一部)を撒いて徘徊する生き物や動物など一切の生き物に献供する。バラモン教が推奨する家長の務めとしての五大供犠(ブラフマン、祖霊、神々、生き物、特別客)のひとつ。日常的に行われる。

盂蘭盆会:僧自恣/鉢和羅/プラヴァーラナの日(雨季の集団生活が終わってめいめいに旅の修行に出る7月15日)に、信者がご馳走をふるまい、その功徳を亡き父母に捧げる行事。盂蘭盆はこのとき出される「ご飯をのせた盆」のこと(辛島説)。

中元普度の祭:地官(道教における大地を司る神様)の誕生日である7月15日に、村ぐるみで孤魂(祀り手のいない霊魂)を救済する行事。故人に功徳を積ませることと、身寄りのない亡者の気をそらすため。

今年の棚経の道中は嘉門達夫の『HEY! 浄土』を聴いている。『墓参るDAY♪』がお気に入り。

檀家さんの家でお盆礼の先客。「車動かしておきますんで、鍵貸してください」エンジンを掛けると『タンバでルンバ』が大音量で流れてきたはず。

♪ 人が死んだら行く霊界どこにある タンバ

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