利行は一法なり

今年のお盆も無事に終わった。正座しすぎて、夕方には伸ばすと膝が痛いという状態。寝ているうちに自然に膝が曲がって、形状記憶合金みたいだ。行く先々でお茶だけでなく寒天や煮物などを頂くので、夕食が要らないくらいである。

お経を読みながら、お盆で生きとし生けるものを供養することは、自分の幸せ感にもつながるということを考えていた。

  • アメリカのスタンフォード大学の実験で、慈悲の瞑想を行っているチベット僧の脳の状態をMRIで調べたところ、幸福ホルモンと呼ばれるセレトニンを分泌する部位の活性度がマックスになったことが分かった。
  • カナダのブリティッシュコロンビア大学が630人以上のアメリカ人に調査したところ、どのくらいの収入があるかに関わらず、他の人のためにお金を使う人は自身の幸福度を高く評価していた。
  • カナダのサイモン・フレーザー大学の実験で、2歳未満の幼児を観察したところ、お菓子をもらうことより、与えることの方に喜びを感じ、さらに単にお菓子を与えるより、自分の持ち物を分けるときの方が喜びが高かった。

人間には利他的な行動が遺伝子レベルでプリセットされているのではないかとのこと(石川善樹『友だちの数で寿命はきまる』)。お経の後のお茶飲みでも、そこにいない方の心配をしていると、その人にとっては余計なお世話かもしれませんが、少なくとも話している人たちは幸せな感じになった。

「利行は一法なり あまねく自他を利するなり」(道元禅師)

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