法華七喩

佐々木閑『大乗仏教―ブッダの教えはどこへ向かうのか』でまとめられていた「法華七喩」を講読。声聞・独覚・菩薩の三乗を方便として、最終的には誰でも仏になれる一乗があることが、法華経の中では「三車火宅」など7つの喩え話で示されている。お経では細部まで描かれているものもあり、実話に基づいているのではないかと思うほど。

一番納得感があったのは、目的地が遠くて諦めそうになっているのを途中にごほうびを設けて導く「化城宝処」。実際、気の遠くなるような長い仕事も、小さい目標を設定していくといつの間にか終わる。考えるほど深みが感じられるのは、気付かれないように衣の端に縫い付けられていた宝玉に気付く「衣裏繋珠」。上杉謙信の「宝在心」も、これに触発されたものだろうか。

七番目の喩えとして如来寿量品に出てくる「良医病子」は一番おなじみで、一休さんの「毒の水飴」はこれのパロディなのではないかと思った。

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