『「女子」という呪い』

著・雨宮処凛。朝日新聞の連載”Dear Girls”で知った本。お茶や食事の用意、飲み会でのサラダの取り分けなど、女性がするものだと思っている人に、ミラーリング=男と女を入れ替えて考えてみることで見えてくるものがあるという。夫の不倫を謝罪する妻はいても妻の不倫を謝罪する夫はおらず、夫・彼氏以上に稼いだときに隠してしまう妻・彼女はいても夫・彼氏が妻・彼女以上には成功するなと言われることはない。「女の本当の幸せ」を説くオッサンはいても「男の本当の幸せ」などというオバサンはいない。若い頃は自分の性がいつも誰かに買い叩かれたり値踏みされたりして、主体的に考えることさえ許されない。男女平等はただ女性の負担が増えただけで、妻、母、祖母と「年相応に生きろ」という圧力があらゆる場面ではたらき、この「呪い」は一生続く。

ネガティブ要素満載だが、ミラーリングのすすめだけでなく、独身者同士が孤独死を防ぐための「ちょっとした迷惑をかけ合える関係」は独身者のみならず、個人化する現代において重要な指摘である。

そのへんに置いておいたら家族も読んでいた。そういう意識で世間の「当たり前」に疑問を抱いてほしい。

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