坐禅

楞厳呪

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修行中に道場でよく読まれている楞厳呪の読解。長い陀羅尼だが、本文は結局最後の「オン オノリ ビシャーチイ ビラホジャラトリー ホドホドニー ホジャラーホニ ハン クキ ツリョヨウハン ソモーコー」だけである。お釈迦様の頭上から放たれる白傘蓋の仏頂尊の光によって、神々をひれ伏させ、修行を妨げようとする敵対勢力の呪詛によって引き起こされる病や害虫・害獣などを退けるという内容だ。

陀羅尼は漢字音写+日本の音読み+長年の読み癖のため訛り方が半端ないのだが、楞厳呪は特にひどく、これではもはや通じないのではないかというレベル。特に「フーン(हूँ)」が「虎𤙖(クキ)」になっているのは致命的ともいえる(中国語読みだとhǔ xīnなので割と近い)。これで何百年も読み続けられてきたわけですから今更なのかもしれないが、息を吐くように「フーン」と発声すると坐禅の調息のようで、「クキクキー」とは違った心境になれる。

「オーン アナレー ヴィシャデー ヴィーラヴァジュラダレー バンダバンダネー ヴァジュラパーネー パット フーン トルーン パット スヴァーハー」

これを調べたのは、昨年に引き続き、大本山総持寺で修行僧対象に陀羅尼について講義してくることになったのが縁。大悲心陀羅尼のほか、荒神真言、楞厳呪、消災妙吉祥陀羅尼を梵漢日対照で用意した。

サンスクリット語が漢字で音写されて、その漢字が日本の音読みで読まれ、長い年月を経て変化していくさまは、宝剣に譬えられるかなと思っている。切れ味も輝きもあった宝剣に、見よう見まねで模造品が作られ、しかも何百年も使っているうちにすっかり摩耗し錆びついてしまったと。そのままでも使えなくはないし、新品に取り替える手間もかかるし、取り替えてももう使いこなせないかもしれないので、そのままにしているが、もし機会があるならば、もともとの宝剣がどのようなものであったかを見ておくだけでも意義のあることではないだろうか。

或時んば、 則ち宝剣と作って殺活自在

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このページは、おの2019年6月19日 15:32に書いたブログ記事です。

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