おの: 2012年4月アーカイブ

葬儀の準備で、初七日から百ヶ日までのカレンダーを作る。初七日は命日から7日目(6日後)、あとは四十九日まで7日ごと49日まで、そして+51日で百ヶ日となる。

かつてはカレンダーとにらめっこして計算していたが、ときどき数え間違ってしまう。そのうち宗門から毎年配られる手帳に、命日から百ヶ日の表が掲載されているのに気づき、それを使うようになった。

昨年、先輩が作った保育園のバス時刻表エクセルファイルを見て感心。発車時刻と所要時間を足して、自動的に各バス停の到着時刻が表示されるようになっていた。これに発想を得て、忌日表をエクセルで作ってみた。ネットで関数を調べて作成。

命日を入力すると、自動的に百ヶ日まで計算され、同時に曜日も表示される仕組み。日付は漢数字で表示されるようにした。お寺さん以外使うこともないと思うが、一応ダウンロードできるようにしておくので、お試しあれ。

忌日表エクセルファイル

戒名必要ない56%、葬式簡素派9割…読売調査 (読売新聞 - 04月08日 18:31)

この記事に対するネットでの反応に、興味深く目を通した。まとめるとこんな感じである。

●不必要
・僧侶への不信感:非課税で贅沢な暮らしをしている僧侶に名前を付けられたくない
・受戒する側の不信心:信心もないのに戒名を受けることは無意味である
・高額化への抵抗:余裕がない中、そんなにお金を出すほどの価値を感じない

●必要
・しきたり:仏式の葬儀では必要。きちんと家族を送りたい。当事者になれば望む望まないに関わらずお願いするしかない
・寺院の維持に必要:贅沢三昧のお寺なんてほんの一握り。お寺は営利団体ではなく、それ以外に収益方法がなくて苦しいのが実情

ほとんどが不必要派だったが、世代的に当然だと思う。今60代、70代の方も「若い頃は神や仏なんて飾り物だと思っていた」という方が多い。親が亡くなり、次は自分の番かと思うと見方ががらりと変わるようである。

私は必要と主張するべき立場かもしれないがが、不必要という人の意見も反論の余地なく理解できる。現に、関東で亡くなった親戚の家族が、「お金がなくて戒名がもらえない」と言っていたとき、なくてもよいのではないかとか、自分で考えればいいのではないかと助言している。埼玉に住む妻の両親はまだ健在だが、お寺との付き合いはほとんどないようなので、遺言がなければ、俗名のままで送るか、遺族で考えてもよいと思っている。葬儀の多様化が進む首都圏では、俗名のままの葬儀も不自然ではない。

戒名を付けないと仏式の葬儀ができないという方もいるが、俗名=戒名とすればよいだけの話である。私も、俗名は卓也で、得度したときにもらった戒名も卓也である(得度したときに、名前を変えずに訓読みから音読みになる人が多いが、私はもともと音読みだった)。

先日、都内にお住まいの檀家さんが、亡くなったご家族の戒名を授けてほしいとわざわざお見えになった。火葬だけして、お骨は自宅にあるという。どうして戒名が必要だったかといえば、前に亡くなった家族の戒名が墓石に彫られているので、ひとりだけ俗名のままでは格好がつかないということのようだ。

亡くなった方とは顔を合わせたことがあったが、よく知らないので、檀家さんとお会いしてお話を聞いてから決めることにした。お茶を飲みながら写真を拝見し、どんな性格で、どんなご生涯を送られたか、何が好きだったかなどを小一時間ほど伺う。その上で、戒名字典数冊を開き、その人に相応しいと思われる戒名を提案。檀家さんがたいへんよろしいと仰ったので、それで決定し、位牌と血脈を作成して、授戒式と読経を行った。

檀家さんは戒名料にとお包みを出されたが、「戒名料は頂いておりません。無料で結構です」と申し上げたところ、「それならお布施で」とそのまま置いていかれた。金額は相談されていないし、こちらからも申し上げていない。ついでにいえば公表もしない。ありがたく、お寺の収入にさせて頂く(その中から、寺院の維持経費や住職の給与が支出される)。

名前が赤ちゃんの同意なしに決められるのと同様、戒名も本人の同意なしに決めるべきだという意見もある。しかし赤ちゃんの名前は両親や家族の思いを込めて付けるのであるから、戒名も家族の思いを受け止めて付けるべきだと私は思う。実際の葬儀では、遺族のお話をじっくり伺ってから決める時間がなかなかもてないが、この度はそれができたのでよかった。

このようにして付けられていく戒名であれば、必要か不必要かという意見もまた、変わってくるのではないだろうか。僧侶の側と、一般の側が互いに不信感をぶつけあうよりも、お互いに歩み寄ることが大切である。

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