梅花流: 2006年10月アーカイブ

御詠歌の研修で郡山のお寺に2泊3日。

つくばから電車とバスを乗り継いで行こうと思ったが甘かった。福島交通のホームページで調べたら、近くを通るバスは1日3本、始発は12:30という寂しさだった。最寄のバス停を問い合わせたら「でもお寺まで3キロありますよ。タクシーで行ったほうがいいです。」……。

でも福島交通のおばさんが親切に教えてくれて、東北本線の日和田という駅が最寄だと分かる。郡山で乗り換えて1駅。駅前にタクシーがあったので乗ろうとしたら予約で、別の車を呼んでもらった。「最近この辺もタクシーに乗る人少なくて」……。

お寺についてびっくり。噂には聞いていたが、タクシーを降りると見事な伽藍が広がっている。ご住職さんは地元の名士で、新築された本堂は、今日の講習会のために3日前にできたばかりで、ついでに庫裏も建てたという。

ご住職さんは経営手腕もさることながら、御詠歌も達人、曹洞宗でも中央の要職を務めておられる。社会にがっちりコミットして世のため人のために尽くすというかたちの仏教の実践者といえよう。

今回は僧侶と寺族を対象にした指導者研修会。要求されるレベルも高い。ここ1年、指導をすることはあっても指導されることのなかったので、知らぬ間についたいろいろな癖を矯正してもらわなければならなかった。特に音程が微妙にずれる点。

御詠歌の講習会はこれまで数知れず参加してきたが、三食付で1日中、歌のことばかり考えて過ごすのは心地よいと感じるようになった。空っぽになった頭に、先生がちょっと涙話をするとすぐ涙が滲み出てきてしまう。涙話は洗脳、もとい教化の大事なポイントなのである。

ブラジル開拓に行った檀家さんが、幼い子どもがマラリアに罹って熱を出しているとき、真っ先に考えなければならなかったのが「この子をどこに埋めたらよいか」ということだったという話。今のようにまともな病院もなければ治療費もなかったのである。

同年の僧侶が癌で亡くなったとき、見舞いに行って涙をこらえている先生に、その師匠(お父さん)が明るく振舞って慰めてくれた話。にこやかな顔で「息子が余命数ヶ月だって聞いたときは、頭の中が真っ白になりました」「新しい本堂は、息子の晋山で使えればどんなによかったか」などと仰る。慰めに行くつもりが慰められたという。

御詠歌のお誓いでは「仲良い暮らしをいたします」と書いてあるのに夫婦喧嘩が絶えなかった先生。4才の娘が部屋にドラえもんの絵を貼って吹き出しに「お父さんお母さん仲良くしてね」と書いていたのを翌日見た話。

被爆二世で子どものころ血液交換をしたが、この頃肝炎になってしまった先生。「治療に専念するので私が教えるのは今日が最後です。」

子ども、逆縁、別れの3つがどうやら涙のツボのようだ。

終わる頃には自分に今欠けているもの、これからの指針や希望、そして何よりも心の平安を手に入れることができたような気がする。いい研修会だったなぁ。来月、東京でも行われるので参加する予定である。

ところで、お寺の前でタイマー式の鐘楼を初めて見た。ウィーーーーン……ゴーン!!

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