梅花流: 2011年3月アーカイブ

もう先月になってしまったが、地元で御詠歌をしている和尚さんと寺族さんとで、東京に研修に行ってきた。一昨年は会津だったが、雪がないところがいいということで思い切って東京へ。現在、事務局をしているので自分の好みで企画させて頂く。

メインは東京タワーのふもとにお寺がある福井寛隆先生の講習である。先生は音楽大学の出身で、他に類を見ないお話が聴ける。11年前、師範養成所で1コマだけお習いしたときのメモは、その後ずっと指針となり続けてきた。先生が一線を退かれたこともあり、その後はお習いする機会もなかったが、講師に呼ばれているという情報を掴み、思い切ってお手紙を出したところOKのご返事。とても楽しみにして行った。

往復はJRが出している宿泊付き乗車券TYOを使って、とことん安く上げるケチケチ作戦。往復で2万円かかるのに、宿泊付きで23000円。これはお得である。しかも、師範養成所の打ち上げに使った上野の鴎外ホテル水月荘がリストにあるという幸運にも恵まれた。

上野だったら、浅草は近い。そこで学生の頃デートで一度だけ行った駒形どぜうを思いついた。一鍋が1750円もするので、お金がなくて、もっと食べたいと思いつつ帰った記憶がある。ここで懇親会をすればたらふく食べれるだろうとコースに入れた。

翌日は、東京国立博物館で開催中の「仏教伝来の道 平山郁夫と文化財保護」展を考えたが、母によれば奥様方の多くは広島で平山郁夫美術館に行っているはずだという。そこで東京大学総合研究博物館の「ヒマラヤ・ホットスポット展」に変更(後日、東大病院に「健康と医学の博物館」というのができたことを妻から教えてもらった。こちらも惹かれる)。さらに寛永寺のホームページを調べていたところ、ちょうど清水観音堂で縁日であることも分かり、ご祈祷を申し込んだ。

上野界隈は大学への通り道だったので、庭のようなものである。浅草、寛永寺、東大と極めて近場を回るミニマムなコースで、移動時間を節約し、私が好きな滞在型の観光にした。新幹線も往復ともに上野から。

朝遅めの新幹線で上京し、上野のアトレで昼食後、日比谷線1本で福井先生のお寺へ。お寺の前に「梅花流山形県師範詠範」という看板があり、先生が温かく迎えて下さった。

お茶を御馳走になって、1時間ちょっとの講習。11年前のメモをなぞるような講習だったが、当時未熟だったせいで分からなかったことも多々あった。特に、拍子の強弱(いわゆる強・弱・中強・弱)と節の強弱(歌詞に合わせて一節ごとに大きな山を描く)は別物であるという先生の持論は目からウロコ。『廓然』や『妙鐘』の1・3が3・1に聞こえる現象の謎も解明できた。拍子を優先してアヤを入れないという選択もあってよいとか、イロは長さを優先して2回目のアタリとユリを一緒にするとか、興味深い話ばかり。まだまだお話をお伺いしたいところだったが、残念ながら時間切れ。記念写真を取ってお暇した。またぜひお伺いしたい。

また日比谷線で上野に戻り、タクシーで宿へ。鴎外ホテルは駅から離れているため、タクシーで行くと500円のキャッシュバックがある。荷物を置いて、和室でのんびり。

駒形どぜうへは、「めぐりん」という台東区の循環バスがあった。ちょうどホテルの前から出ており、駒形どぜうの近くで止まる。100円。途中、6時半なのにもう閉まっている店が多い下町の商店街を抜け、建設中のスカイツリーも見えて楽しかった。

駒形どぜうでは、どじょう鍋に合うというので久しぶりに日本酒などというものを飲んでみる。古い建物の中で、ネギをたっぷり乗せたどじょうに日本酒というのは乙である。望みどおりたらふくお替わりしたが、1人4000円台で上がった。

タクシーで宿に帰ったが1人300円くらい。歩いたこともあるが、浅草と上野は本当に近い。ホテルのカラオケで二次会をして、『まゆげ』なんかを歌った後、東京周辺に多い黒っぽいお湯の鴎外温泉に入浴して就寝。若い衆はその後上野駅周辺に繰り出してボッタクられてきたらしい。

2日目。宿の送迎バスで上野駅の公園口まで送ってもらい、コインロッカーに荷物を預けて散歩体制になった。今日はずいぶん歩くのである。コインロッカーがスイカ対応のタッチパネル式になっていて、皆さん混乱なさっていた。

公園口からすぐ近くの清水観音堂で10時から大般若法要。となりに座った女性が法華経普門品を(散文から)暗記していたので舌を巻く。天台宗の大般若法要を見るのは初めてで、先月大般若会の導師を務めた身としてはいろいろ興味深かった。

終わってから奥の間のお茶に誘われ、特製のドクダミ茶を頂きながら住職さんから法話をお聴きする。ちょうど鳩山さんが「方便」といって物議をかもしていたころで、方便の話や、一心十界の話など。つかみに時事ネタを取り入れるのは(これこそ方便だが)、大事なことだと思った。

信者さんもいらっしゃって話し込んだりしているうちにもうお昼。おばあちゃんのお土産に千手観音キューピーを買って、一路東大へ。不忍池を抜けて、池之端門から入り、安田講堂の前を通って、まずは赤門のそばのコミュニケーションセンター(東大お土産屋)に立ち寄る。東大泡盛とか、蓮の香水とか、アミノ酸飲料とか、不思議なものが売っている。

研究博物館の「ヒマラヤ・ホットスポット展」とは、ヒマラヤの植物調査標本展だった。夏が短いヒマラヤでは、寒さに耐えるように植物が進化している。シェルパを連れてテントで何泊もしながら、丹念に集めて帰ってくる植物学の研究者の熱意がすごい。

それから安田講堂わきの工学部に入っている松本楼で昼食。ここもたまにデートで来たものだが、1日20食限定のプリン(500円)があることまでは知らなかった。私が食べたのはクリームソースのハンバーグ。相変わらず美味い。

そして東大病院のところからタクシーで上野に行き、コインロッカーの荷物を出すとちょうど新幹線の出発時刻。私はもう一泊することにして、皆さんをお送りした。

お金のかからないケチケチ旅行だったが、私自身も懐かしくて楽しかったし、同行した寺族さんたちは「ひとりでは決して行けないところに連れていってもらえた」と好評。鴎外ホテル、駒形どぜう、清水観音堂、東大コミュニケーションセンターと、変わったお土産を買うところもたくさんあったのもよかったみたい。2年に1度、このような研修を行っているので、アンコールでまた上野ということになるかもしれない。

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