Book: 2004年11月アーカイブ

 葬式仏教というあり方をもつ現代の日本仏教の問題を知るための本をご紹介します。仏教学者が書いた歴史的な経緯や教学的な問題は、現実とのリンクがどうしても薄くなりがちです。そのような本は巷にたくさん見ることができますので、ここでは、現実から出発し、現状に否定的な論調の本を中心にし紹介します。

 中には極論に走っているものも少なくありませんので、人によっては刺激が強すぎるかもしれません(御覧の方が僧侶の場合は特に)。しかし、感情的になることなく、また内輪に走って耳をふさぐことなく、あるいは現実に目を向けないで教義を弄ぶのでもなく、なぜこのような本が世に出るのかということを冷静に考えながら、どうやって問題を乗り越えるべきかをより多くの人と一緒に考えていきたいと思い、あえてこれらを掲載いたします。  僧侶がこのような本を紹介するのは自虐的で、益なしと思われる方がいるかもしれません。しかし、僧侶は全体としての責任もあるはずです。その責任を引き受けずに、自分だけ関係のない顔をしていることはできないと思います。

 ご質問、ご意見をお待ち申し上げます。

今のお寺に仏教はない―既成仏教教団の宗派別問題点―
(著 遠藤誠/現代書館)
 ―法曹界にいた著者が、仏教を求めて遍歴した結果、現代の既成教団の堕落をまざまざと思い知って、各宗派が宗祖の教えにどれほど違背しているか個々の事例を挙げながら厳しく糾弾する。ちなみに曹洞宗は戦争責任・皇家への歩み寄りが問われている。

「葬式に坊主は不要」と釈迦は言った―故人も成仏、遺族も納得の葬式とは―
(著 北川紘洋/はまの出版)
「私の葬式はいいから、自分自身の修行に専念しなさい」とのたまった釈尊の時代のインドから、現代に至るまで葬式や法事という行事がいかにして恣意的に作られてきたかを検証し、僧侶と一般人どちらにも責任を問うとともに、日本における宗教改革の可能性を示唆する。

仏教テレフォン相談10万件の中身 寺と僧への世間の期待と批判・苦情≪葬儀・戒名篇≫
(編 仏教情報センター/国書刊行会)
「葬儀の際、遠方を理由に来てくれなかった菩提寺から、後日100万円の戒名料などを請求された。払えなければ墓地を移転するように言われた。」といった生の苦情を記し、僧侶が現状と課題を分析している。

お坊さんといっしょ
(編 別冊宝島編集部/宝島社・別冊宝島218)
僧侶をめぐるノンフィクション・ドキュメンタリー。僧侶の生活から、家族、事件、そして将来の悩みまで密着取材。決して「坊主丸儲け」ではない、現実の世界で悩みのつきない僧侶の姿を舞台裏から知ることができる。

悪い坊主―なまぐさ坊主でどこが悪い!!―
(著 田村恵照/データハウス)
現役の僧侶が匿名で僧侶の裏側を暴露した本。一介の人間としての弱さ、強欲、不信心、好き嫌い、我が侭、そして悩みが本音で語られている。世の中にはここまできた僧侶もいるのだと思い知るであろう。

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