Buddhism: 2006年5月アーカイブ

寺院会・級階査定

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夕方から教区8名のお坊さんたちで寺院会。
集金、今年の日程確認(遅すぎ)、懇親という流れだ。17時に始まって、19時過ぎに終わるという驚異の早さだが、病み上がりの方が揃っているので仕方あるまい。去年は救急車を1回呼んだ私だって、いつの日かもっと(期待してどうする)。
酒を飲んでいたのは半数。病気とか運転とか理由はあるが、不飲酒戒が徹底されてきたようだ。私もお茶でお茶を濁した。
話題はというと、曹洞宗宗制(規約みたいなもの)の矛盾点と全く官僚的な本庁職員とか、週刊誌を賑わせた元宗務総長の死とか、作務衣がスーツよりフォーマルじゃないのはおかしいとか、坊主頭に似合う洋服はないとか、麻雀研修をしようとか、でもお葬式の後に将棋を打つのはやめろとか(昔やっていたらしい)。
雑多な話には違いないが、ちょっと前は携帯の話とか車の話だったので、少しは付いていけるようになった。
曹洞宗では現在、級階査定というのをやっている。お寺が宗門などに毎年支払う費用は、そのお寺の規模によって点数化され、それをもとに計算される。うちのお寺で年に21万円。この点数が何年かに1度見直されるというわけだ。
基本的には檀信徒数だが、今回はお寺の土地も調査されており、登記謄本や国土調査結果表の提出をしなければならない。そのため法務局や市役所通いの日々。
都会のお寺さんが、広大な境内地をすごい金額で売ったり貸したりしているためにこういう調査をするようだが、田舎の土地は二束三文。何でこんな調査に付き合わなくてはならないのかと思う。

葬祭業と寺院

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何年か前のこと、お葬式でやってきた葬儀屋さんが高校の同じクラスのT君だった。それ以来何度か顔を合わせるけれども会う場所が会う場所なので世間話をしているわけにもいかず。今日は思い立って電話をして、仕事帰りに遊びに来てもらった。
同じクラスといっても部活も違い、それほど親しかったわけではないが、同級生というのは垣根が低い。君付け、ため口で話せる人は貴重だ。
私が日ごろ葬祭業について思っていること、場を仕切りすぎたり場違いなアナウンスをしたりする不自然さ(http://www.tgiw.info/weblog/2005/09/post_139.htmlで書いたようなこと)を遠慮なく指摘。担当が若くて場数が少ないとどうしてもそうなるらしい。
それから寺院側への要望を聞いてみると、司会との打ち合わせで「いつも通りに」なんて言っておきながら開式してから思いつきで変更するのはやめてほしいと(特に喪主挨拶のタイミングを変えられると喪主が大混乱する)。曹洞宗は次第を差定(さじょう)と言って重んじるので、滅多な変更をしないが、真言宗は多いとのこと。
そこから常に打ち合わせておかなければならないこととして会葬者が多いときの焼香のスムーズな進行、弔辞・弔電が多いときの省略方法、閉式後の食事にお寺さんが参加するかどうか、供え物の準備や位置など。
形式的なところばかりを追っているようにも見えるが、円滑な進行があるからこそ遺族が安心でき、感情移入もできるのだと思う。こうしたよいお葬式は葬儀社と寺院が協力してはじめてなしうるものだと思った。
それから下世話だがお布施の相場の話。もっともT君は聞かれても「お寺様によって違いますから、直接ご住職に聞いてください」と言っているそうだ。きちんとお寺を立ててくれているのは嬉しい(でも聞くと怒るお寺さんもいるので、その場合だけ相場を話すとのこと。葬儀屋さんは何でもケースバイケース)。
その話の流れで、ここだけの話の愚痴モード。T君も、家に帰ればお寺の檀家さん。昨年お父さんが亡くなって喪主を務めたときのいろいろ。
「お宅ぐらいですとこのランク以上で」などと高額なプランを勧める葬祭業者がほんとにいるのか知らないが、導師入場でドライアイスを流したりするなど(演歌歌手じゃないんだから)、サービスがエスカレートして常識外れになるケースは聞く。その点、家に帰れば普通の(=信心に厚い、しかしバブリーな葬式は所望しない)お客様と同じ立場になるT君には葬儀業者として信頼がもてた。私も、一般の人の視点は忘れないようにしたい。
最後に迷信の話。山形県置賜地方ではシダミ(死後四日目の葬儀)を避けるところがあるが、これはどうやら置賜(の一部)限定らしい。小国町では代わってツカビ(「塚(墓)」にかけて二日、五日、二十日に葬儀をしない)というのがあるそうだ。これに友引が加わるから、初七日近くまで葬儀ができなかったりする。
やめてほしいと言いながら、T君の勤め先の電話番号下4桁は4444、別の葬儀社は4242(笑)。誰も取らない電話番号だから、取りやすいのだそうだ。確かに!
もうひとつ、迷信というか少なくとも仏教の教義からは完全に外れている清め塩は、お寺さんが入れるなというので入れないと葬儀社にクレームが来る(当たり前か)。葬儀社に入れるなという前に、要らないことを皆によく説明してほしいという。ごもっとも。
今度はほかの同級生も交えて米沢で飲もうという話に。高校を卒業して14年、あの頃が懐かしくなってきた。

高畠町で開かれた住職の研修会に参加。
曹洞宗では、55歳未満の僧侶は毎年研修を受講する義務が課されている。これを3年間怠ると資格を剥奪される、という訳ではないけれども、本庁の教学部長に報告されることになっている。お寺への信頼が低下しつつある昨今、僧侶も意識改革と資質向上が求められている。
15:00〜20:00まで行われた研修は、前半が人権学習、後半がお経(『遺教経』)の勉強という構成だった。
曹洞宗の人権学習は、1979年に世界宗教者会議に参加した宗務総長(当時)が「日本に部落差別はない」と発言し、糾弾されたことから反省の意味で始められたものだが、25年経った今では慈悲・同事などの仏教的根拠も整い、さまざまな社会差別の解消に向けて自発的に活動するに至っている。
今回の研修は、自分の中にある差別の根(偏見・迷信・固定観念)を常にチェックし、思考停止せずにたえず自ら考え行動していこうというもの。被差別部落は関西だけでなく、山形にもある。また山形には旧庄屋の家が旧小作人の家を見下したりする家柄差別や、標準語しかしゃべれないといじめられるという標準語差別も残る。どこか遠くで起こっている事件として眺めるのではなくて常のこと、自分のこととして考え、全ての人の幸せを願う僧侶として生きていこうというわけだ。
質疑応答では、戒名に種類があるのは差別なのか尋ねてみた。「差別戒名(被差別部落の人に、焼印になるようなひどい戒名を付けたこと)」は解消に向けて全国的な取り組みがなされているが、戒名の種類はそのままになっている。
A家は院号、B家は居士号、C家は信士号というように違う種類の戒名を付けることはたいていの寺院でなされている。これが家柄や経済力を示す指標とみなされ、一種のランク付けとして世間が考えていることに私はいつも違和感を感じていた。同じ仏弟子なのに、どうして等しくできないんだろうかと。
戒名料、もしくはそういう性格のお布施を、うちのお寺では頂いていないので戒名によってお布施の額が変わることはない。原則としてその家の先祖に合わせた種類の戒名を授与している。
しかしそれでも、年会費として頂いている「護持会費」や大工事の寄付金についてはうちの寺でもだいぶ差がある。中には、由緒ある家で院号をもっているが老夫婦しかおらず、そういった負担が苦しいという声も聞き、不公平だなあと思っていた。
これに対する回答は、戒名の種類は家柄ということではなく、その家その家の代々の信心の積み上げによって作られている以上、そういった伝統の堆積を軽々しく崩すことはできないだろうということだった。
言われてみればお布施の額というのは他の家と比べて多い少ないという相対的なものではなく、各家に伝わる家の教えを当主が受け止め、できれば継承しようとするところから出てくる絶対的なものだ。各家の長い長い貢献の蓄積に対して寺院側が恩に報いる手段としては、それ相応の戒名で誠心誠意弔うということになるだろう。
実は同じことが、先日総代と話をしていたときに出ていた。彼らにとってほかの家と比べてどうかというのは、あまり問題ではない。自分の親たちである先祖にならってお寺を支えているだけだと。
僧侶にとっても、信者にとっても、戒名やお布施は自他を比べるところから差別は始まるのだから、比べようとしなければ違いは違いとして共存できるのではないか。まだまだ微妙な問題は残っているが、ひとまずそのように考えを改めた。
これと平行して生前戒名で信頼回復をはかってはどうかという提案が講師からなされたが、それはとても気に入った。帰依式・入信式を行い、在家得度として参加者に4文字の戒名を与える。世間では戒名の立派さを文字数でカウントしているらしいから、ひとまず全員4文字とすれば余計な悩みをもつ心配もない。
生前戒名を頂いた檀家さんは、その戒名を胸に仏の教えを日常生活に生かし、お寺でさらに学ぶ。信士だの居士だの院号だのは、その方が亡くなってから送り名として与えればよい。これはぜひ実現したいアイデアだと思った。今度の役員会でそれとなく言ってみて、反応を見てみよう。

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