Buddhism: 2009年8月アーカイブ

盂蘭盆とは何か

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お盆の行事も、昨日でようやく一通り終わった。お盆は盂蘭盆(うらぼん)の略であるとされるが、意味が定かではない。

主に3つの説があって、1つはサンスクリット語のउल्लम्बन(ullambana、ウッランバナ、「架けること」)の音写、1つは古代イラン語のurvan(ウルヴァン、「霊魂」)の音写、もう1つは文字通り供物を載せるお盆である。

サンスクリット語の「ウッランバナ」は、倒懸(逆さ吊り)と訳され、死者の苦しみを表すと説明されることもあるが、人間ではなく供物を枝にかけて、お供えすると考えてもよいのではないかと思う。

出典である『仏説盂蘭盆経』のコーパスを見る。

「飯と百味五果吸灌盆器、香油、錠燭、床敷、臥具を具へ、世の甘美を尽して以て盆中に着け」
「初めて盆を受くる時、先づ安じて仏の塔前に在らしめ」
「応に此の盂蘭盆を奉じ」
「百味の飲食を以て、盂蘭盆の中に安じ」
「盂蘭盆を作して仏及び僧に施し」

これを見ると、盂蘭盆とは、供物の入れ物を指すのではないかと思われる。つまり3つ目の解釈である。

東アジアの儒教圏では、仏教とは関係なく古来より夏に先祖祭祀を行い、特にこれから収穫を迎える作物の豊作を祈念していた。この先祖祭祀は、夏祭りの盆踊りとも通底している。柳田國男は、お盆とお正月行事との類似性を指摘している。仏教が目連伝説などの由来を説くようになったのは後付けに過ぎない。

このとき、すでに行われていた供養を、先祖から僧侶に拡大したものが盂蘭盆であると考えられる。お供えの中身は変わるかもしれないが、方法に変更はなかったのではないか。

というわけで盂蘭盆というのは、精霊棚や墓座などの供物を載せる入れ物、または枝にかけるほうずき・りんご・そうめんなどのことを直接的には指すと、私は考えている。

日本印度学仏教学会のデータベースを見るといろいろ論文もあるようなので、今度調べてみたい。

盆供養の心得

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「お釈迦さま、もし亡き親族縁者が餓鬼道に生まれていなかったら、いったいだれがその布施の功徳を享受するのでしょうか?」
「ほかにも親族縁者たちが餓鬼道に生まれています。かれらがそれを享受します。」
「しかしお釈迦さま、もし今生の両親や親族がだれも餓鬼界にいず、ほかの親族もだれ一人餓鬼界に生まれていないとしたら、その功徳はだれが受けるのでしょうか?」
「バラモンよ、餓鬼道に(過去世も含めた)親族がだれ一人もいないままということはありません。しかしバラモンよ、功徳廻向した施主もまた、果報をかならず受けるのです」
『増支部』ジャーヌッソーニ章、藤本晃『仏教の正しい先祖供養』より

今年のお盆の法事は『仏説盂蘭盆経』を再び読み始めた。先祖が苦しんでいるから供養せよという恫喝的な論調に辟易して読むのを止めていたが、その元ネタとなった『餓鬼事経』などパーリ仏典でお釈迦様の意図が分かってきたからである。

お経を読んだ後、以下のように補足している。このように説明すれば、自分の家の先祖が苦しんでいると誤解させずに、慈悲の心でお盆を送ってもらうことができると思う。

「このような話を聞くと、うちの先祖が餓鬼界に落ちているのではないかと心配する方がいらっしゃるかもしれませんが、その心配は無用です。というのも、亡くなった方は戒名を頂いた時点で、もう成仏しているからです。
ではどうして毎年お盆の先祖供養をしているのかといいますと、先祖はとてもたくさんいるからです。お経の中に「七世の父母」とう言葉がありましたが、親が2人、祖父母が4人、曽祖父母が8人……と7代前まで数えますと、実際には重なっていることもありますので延べ人数ですが、全部で250人ほどにも上ります。中には、母方の母方の母方など、どこの方か分からない先祖もたくさんいらっしゃるでしょう。全員成仏しているかといえば、心許なくなります。
そこで、このお盆は、250人の先祖が1人残らず成仏して頂きたい、そのような願いで行うわけです。1回供養すれば十分なのですが、次の年には、新しい親族や縁者が増え、そのたびにまた新しい先祖がつながってきます。そこでお盆は毎年行うのです。
皆さんはそれぞれ250人の先祖を背負って生きています。お盆はその全員に思いを向ける日にして頂ければと思います。」

お盆2日目は順調に終了、50件(うちは新盆と寺役員のみ)ほどの棚経も3割が終わり、明日と明後日で全て回ることができそうだ。

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