『なぜ夜に爪を切ってはいけないのか』

迷信・俗信も長い間に広まってきたものであれば何らかの知恵がその裏に隠されているはず。そんなの迷信だからといって取り合わないのではなく、その隠された知恵を大事にしよう。
標題の「なぜ夜に爪を切ってはいけないのか」=夜に爪を切ると親の死に目に会えないというのは、『日本書紀』に記述がある。曰く、爪には霊魂が宿っているから、幽鬼が暗躍する夜に爪を切ってはいけないと。
ほかにも暗いところで深爪をする恐れがあることや、ウブメという中国の怪鳥にが爪を食べにやってきて、凶事を招くという説が紹介されている。
(私は夜爪=世を詰めるという語呂合わせから、早死すると思っていたが)
このようにして「噂されるとくしゃみが出る」「ミミズに小便をかけるとオチンチンが腫れる」「夜に口笛を吹くと蛇が出る」「貧乏ゆすりは出世できない」「若ハゲの男は絶倫」「ミョウガを食べると物忘れする」など、どこかで聞いたことがあるような話を、古い書物や民間伝承と、科学的な観点から分析する。
その裏に現れるのは行儀よく賢く健康に生きようとする古人の知恵である。中には荒唐無稽なものも含まれているが、それも人の弱さを表すものなのだろう。
1つの迷信に対し説明が1ページ半だけと物足りなさを感じるがその分たくさん紹介されていて、知らないものも多く勉強になった(あまり迷信を喧伝するつもりはないが)。

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