電話格闘記(5)

これまでの経緯は電話その2その3その4参照。ところがまだ続きがあったのである。
電話線は確かにつながっていた。ダイヤルアップ接続でインターネットができるようになったことで目的の大半は達成されたといってもいい。しかし問題は電話機だった。
家に電話をかけてくるのはI氏かK氏か日本の実家ぐらいのもので、電話を設置してしばらくは気づかなかったが、日本から電話があったときに異変に気づいた。電話が鳴ったので受話器を取ったが何も聞こえない。「ハロー、ハロー?」無言電話か混線と思い切ったらすぐに携帯のに電話がかかってきた。どうやら私の声は聞こえるが、相手の声が聞こえないらしい。受話器がおかしいのか、電話機がおかしいのか分からない。
ひとまず不動産屋のプラモードに言ってみた。「わかった。電話屋を見つけたら行っておくから待っててくれ。」…いつものパターンの始まりである。今まで何回これを繰り返したことだろう。今度は自ら電話屋を見つけて頼んだが、「OK。明日行く」と行ったままずっと来ない。私も諦めがついていて、そのまま1ヶ月が過ぎた。
1ヵ月後思い出して、プラモードに言いに行くと驚いている。「言っておいたのになんて怠慢な奴なんだ。分かった。今度俺が連れてきてやる」…そして2週間。インターネットはよく使っているので電話代の請求書が届く。I氏が電話局に行って交換してもらったらどうかと提案するので、電話代を支払うついでに持っていくことにした。プラモードが「この電話はこっそり引いたものだから、電話局に行かないでくれ。俺が何とかするから」と言っていたがもう信用しない。電話屋のせいだということを差し引いても、この件で彼は株を落とした。
引っ越してから電話代を払うのは初めて。市内に10以上ある電話局のどこで支払ってもいいが、現金支払いを受け付けているのは私の知る限り3ヵ所しかない(後は小切手支払い)。行き慣れているナル・ストップの電話局までわざわざ行って支払った後、電話を修理できるか聞いたら、あなたの住んでいる地域ならガネーシュナガルの電話局に行けという。教えてもらってリキシャーで行ったが空港に近いかなり離れた電話局だった。
電話機を出して電話番号を告げる。係のおじさんは電話機をチェックしていたが、壊れているのを認めたらしくあっさり別の電話機に交換してくれた。プラモードが心配していたような心配はなかった。係のおじさんは電話機のメカニカルなことにしか関心がないようだった。呆気ない幕切れにほっとしたような肩透かしを食らったような気分。
約5ヶ月かかった。というわけで今、自宅にちゃんと機能する電話機がある。しかししょっちゅう断線してつながらないのと、つながったと思うと間違い電話が多くて困っている。電話をかけてきて聞きなれない声が聞こえると「誰?」と言ってガチャンと切る。何なんだろう。

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