定額給付金

先日反対した生活支援給付金(現在は定額給付金)がまもなく採決されそうになっている。こんな稚拙なことしかできない自民党が政権を握っていることに歯軋りをする思いが続いていたが、最近のやり取りから、賛成してもいいかなという気持ちになってきている。
昨日、火葬に行く車中のラジオで、各党の言い分を聞いていたが、民主党は世論調査の反対意見の多さを盾に、自民党は世論調査の給付されたらもらうという意見の多さを盾に応酬していた。世論調査は説得力があるが、みんながそう思っているからといって正しいとは限らない。賛成・反対とも論理的な理由が必要である。
ちなみに、麻生総理が給付金を受け取るか受け取らないかも議論していたが、これも論点から相当ずれた話でどうでもよい。
先日のニュースで放送された国会の議論で、内閣が「減税では納税していない人が恩恵を受けられない」というのを聞き、なるほどと思った。
ドイツでは景気対策として新車購入の助成を行うという。確かに経済効果は大きいだろうが、これも車を買えるくらいの富裕層しか恩恵が受けられない。
定額給付金の恩恵が大きいのは、地方在住者だろう。不景気の影響をもろに受け、働く意欲があっても職がない。山形では「16時終業」「12月19日からずっと年末休暇」「週休4日」などの例を聞いた。60%の賃金保障より失業保険のほうが多いのだが、その先が見えないから辞められない。夏であれば野菜を作って食糧確保もできるが、冬は本当にやることがない。暖房費の節約のため、パチンコ屋やスーパーの休憩所に1日中いる。
そういう人々にとっては、12000円の給付金は1ヶ月の生活費にもならないとしても非常にありがたい。また、同じく疲弊している地方の商店にとっても、いくらかの売り上げ増が見込める。
一方、経済効果はまったく見込めないだろう。消費刺激を見込める中流層以上にとっては、金額が少なすぎるからだ。 4人家族で5万円くらい給付されたとして、それなら車を買い替えようという気になるだろうか。
以上のように、たとえ刹那的であっても、地方対策という意味で定額給付金には賛成できる。おそらく国が地方に恩恵を与えるようなこんなチャンスはもう二度と訪れまい。経済がグローバル化する中で、国家が国民の生活を守る時代は、どの党が政権についてもまもなく終焉を迎える。最後の線香花火をせいぜい楽しもう。

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