坐禅

葬儀のこまごま

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先週、市内の葬儀社4社を招いて懇談会を行った。市の仏教会の事業で、一番の目的は、喪家にお布施や伴僧のことを聞かれたら、一般的とか普通というものは全くないこと、それ故お寺に聞いてもらうしかないことを伝えてほしいと言うことだったが、副産物もあった。

まず火葬の火入れ時間であるが、予定よりも20分以上早くて、駆けつけたらもう始まっていたなんてことが何度もあった。一応、係員が喪主に確認するのだが、有無を言わせない感じなので、来るか来ないか分からない人を待っているわけにもいかない。

これに対して対応を協議したところ、原因のひとつに火葬前に読経があると判明した。読経があれば火入れは遅くなるし、なければ早まる。ところが火葬場まで行って読経するお寺さんと行かないお寺さんがおり、それなのに出棺時刻は読経の時間を見込んだくらいに設定されているので、読経がないと火入れが早まってしまうのである。

ほかの原因としては、係員ができるだけ早く仕事を終えて帰りたいというのもありそうだという意見もあった。火入れ時間に間に合うように行っても、係員から遅いと怒られたことが何度もあったという。

そこで係員の対応については市役所に要望書を出すことにして、出棺時間を、読経の有無によって±10分ほど変えるという提案になった。こういうことは、葬儀社とお寺が協議しないとできない結論だっただろう。

次は、火葬場の線香を抹香にするという提案。市では線香を推奨しているが、火がついた線香をもって待っているのは危ないし、灰が床に落ちて汚れる。それに遺族がたくさんいると、線香が香炉いっぱいになって、後から立てる人が火傷をする恐れがある。すでに近隣市町では抹香に切り替えているところも多いし、変更を要望すれば可能ではないかということになった。

そして葬儀社から寺院への要望を聞くことができたのが最大の収穫だった。どの葬儀社からも寄せられたのは、寺院によって言うことがあまりに違うので、統一した見解とまではいかなくても、ある程度共通の見解を教えてほしいということだった。

・喪家では、仏壇を開いておくか閉めておくか
・花は、亡くなった人に向けるか手前に向けるか
・出棺は、足から出すか頭から出すか
・枕経のローソクや花の数は、一本か一対か
・寺院が香典を持ってきたとき、香典返しは別にする必要があるか
・お布施や引き出物は祭壇に上げるか上げないか
・納骨でもっていった葬具はいつどのように処分するか

正直言って、こういうものは仏教ではなく民俗なので、地域によるとしか答えられなさそうだが、今度の総会で話し合うのも悪くないだろう。

寺院は、近年どんどん役割を強めている葬儀社ともっと連絡を密に取っていかなければよい葬儀ができなくなっている。葬儀も家の状況や個人主義によって多様化し「いつもの通り」とはいかない。喪家から仲がいいとか、癒着しているとか思われないようにしないといけないが、緊張感をもってお互いいい仕事ができるようにしていきたい。

昨日、神奈川に住んでいる親戚が亡くなった。病院から葬儀社の霊安室、霊安室から火葬場、火葬場からお墓といういわゆる直葬になりそうだ。娘さんは「40万円ないと戒名がもらえないので、お経は読んでもらうけど、戒名はお金がたまるまで待ってもらって、身内でお別れ会をする」という。それが口実なのかどうか分からないが、戒名は無料か、書類作成の手数料程度でなければならないと私は思う。信仰よりもお金の話が先に出る世相が、首都圏で4割といわれる直葬につながっているのかもしれない。

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このページは、おの2009年9月17日 11:45に書いたブログ記事です。

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