『住職という生き方』

著・蝉丸P。ニコニコ動画で人気を集め、「ネット檀家」まで有するリア住(リアル住職)さんが、一般家庭から四国のお寺の住職になるまでの経緯や、現代の仏教について思うことなど。同い年、同じ地方寺院の住職ということで共感するところ多数でした。リアル檀家さんの中に、ネット檀家が結構いるとのこと。

・マインドルフルネスについて
「在家の人でも今まで身体と心の意識してなかった部分の使い方に習熟してくると、かえって「俺はすごいんだぞ」とエゴばかりが肥大して他の人にマウントを取り始めたりするんですが、行に専念してた僧侶にも見られる傾向でして「やり遂げた」みたいな感覚が強いとどうしても傲慢になる。(91ページ)」

・現代における葬儀の意義について
「もっと単純に言ってしまえば、伝統宗教によるお葬式は「心の城壁」のようなものですね。「うちの家はお坊さんや神父さんや神職さんに葬儀をやってもらったんだから、あなたたちにつけいる隙はありません」と言えることが、儀礼をちゃんと踏んでいることの強みになってくるのです。(101ページ)」

・人々に寄り添うという僧侶のあり方について
「これはよくあることですが人に寄り添うだけ、というのも辛いものがありますからね。それは結局のところ人の悩みをかぶるということですから。メンタル関連の勉強をしていない若いお坊さんが潰れてしまうことが多いのは、人の悩みをかぶりすぎた結果なのかもしれません。(178ページ)」

・マスコミの「寺院崩壊」報道について
「確かに楽観視はできない状況で、少子高齢化の影響が体感できるレベルになるのは2030年という予測も出ていますから厳しくなることは予想できますが、ある意味本州から隔離されてる四国という環境ゆえか、もともと低空飛行な地域なのでリーマンショックの時も如実な変化もなく、普通に寄付を募って本堂の建て替えまでやっていたのでネットやマスコミは不安を売ってなんぼの世界だから、話三割ぐらいに割り引いておくべきだなと。(186ページ)」

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