中部経典第8経。悟りを開くために削減すべき悪を44項目列挙している。44項目の内容は十善法戒(殺生~邪見)、八正道(邪見~邪定)、心所法(大煩悩地・小煩悩地・大不善法地・不定地)ですが、そういった分類をせずに並べてあるところが面白いと思った。

十善法戒の最後と、八正道の最初が「正見」で共通しているのも、このお経での並べ方を見ると納得できる。

44項目には八大人覚に通じるものも多く、また最後はまるで『遺教経』のような書き方だ。考えてみれば「放逸を捨つること」という教えは、お釈迦様が臨終時だけでなく普段から口を酸っぱくして仰っていたのではないだろうか。

「チュンダよ、このように私は、諸悪を削減する方法、向上の心を起こす方法、諸悪を避ける方法、上の境遇に行く方法、諸悪が消滅する方法を示した。およそ声聞弟子たちの利益を願い、憐れみをもって師匠がなすべきことを、私は君たちのためになしたのだ。木の根元であれ、空き家であれ、君たちは禅思して、決して放逸であってはならない。後になって後悔する者となってはならない。これが君たちに対する私達の教誡である。」

削減経の44項目:悩害、殺生、盗み、不貞、嘘、中傷の言葉、粗暴な言葉、飾りの駄弁、貪欲、怒りの心、邪悪な見解、邪悪な思惟、邪悪な言葉、邪悪な行為、邪悪な生活、邪悪な努力、邪悪な思念、邪悪な精神統一、邪悪な智慧、邪悪な解脱、落ち込んだ心、浮ついた心、疑い、怒り、恨み、隠蔽、欺瞞、嫉妬、物惜しみ、狡猾、たぶらかし、強情、過度の慢心、難渋な言葉、悪い友、放逸、不信心、内心への恥(慚心)、外部への恥(愧心)、少聞、怠惰、思念の忘失、劣る智慧、自分の見解・立場への執着

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