国産の意欲作を手がけてきたグランペールは8月27日から3日間にわたって開催されるJGC2004を皮切りに、カワサキ氏の新作グラグラカンパニーを発売、イエローサブマリンはじめゲーム専門店などで販売を開始します。木製キューブを積み上げる異色の企業経営ゲーム。税込4200円。ホームページではルールが公開されており、ゲームの内容を知ることができます。
これに時期を同じくして、もうひとつの期待作ピラミッド・ピラミッドがホビーベースから発売されました。TRPGゲーム情報誌『ゲーマーズ・フィールド』のボードゲーム部門入選作で、石切り場から石材を運んでピラミッドを作るボードゲーム。税込5250円。
ドイツではニュルンベルク・トイフェアの新作が概ね紹介され、エッセン国際ゲーム祭まで新作がない時期に国内ボードゲームの本命登場で、今年の夏はまだ終わりそうにありません。
2004年8月アーカイブ
喝! 仏性ありやなしや?
師匠が決めた「仏性」を直感と推理で見つけ出すゲーム。以前『マスターマインド』という配列と色を推理するゲームがありましたが、それよりもより複雑に、そして多人数向けになっています。
師匠(=親)ははじめに公案(=規則)を設定し、それに従ってコマを並べます。写真の例では「緑が使われていない」というのが公案で、左側が公案に合っているもの、つまり「仏性アリ」、右側がそうでないもの、つまり「仏性ナシ」となります。

公案の要素として使えるものはいろいろあります。『マスターマインド』は8色と4つの順序だけでしたが、禅道で使うピラミッドのコマには4色、大中小、わきに刻まれたポッチ(穴)、直立・横・どちらでもないという向き、他のコマを指しているか否か、接地しているか否かという選択があり、さらに「〜でない」という否定的な規則や、奇数・偶数個あるなどの選択を入れていけば無限の可能性があります。実際に使われるのはそのうち1つか2つの要素の組み合わせで、それだけでも難易度は十分です。
弟子(=子)は1人1人、師匠の公案を予想しながらコマを並べます。そして師匠に仏性があるかないかを質問できます。仏性アリなら白い石、仏性ナシなら黒い石。しばらくこれを繰り返し、場にさまざまなオブジェが並ぶのを観察していると、次第に公案が分かってくるでしょう。
さて公案の予想がついてきたら、師匠にチャレンジします。当たっていればゲーム終了、外れていれば師匠は新しい反例を1つ作ってゲームを続行。したがって公案を見つけるのは早い者勝ちになるわけですが、チャレンジするためには、解答権を得なければなりません。それが「問答」です。
自分の番にコマを並べたら「問答」を宣言、そのオブジェに仏性があると思うならば白い石を、ないと思うならば黒い石を全員が握ります。一斉に公開してから、師匠が正解者全員に緑の石をプレゼント。これが解答権となります。他の人に解答権を取らせないようなうまいオブジェを作るのも腕の見せどころ。でもえてして、自分でもよくわかっていないのに見切り問答だったりするのですが……。
要素がたくさんあるため、いくつかの可能性を絞り込んでいくというよりは、直感的に思ったことを確かめていくという推理に近い感じがします。面白いことに、公案がまだまだはっきりしない状態でも、直感的に仏性があるかないか何となくわかります。これは言語化されていない前意識下で解答が形成されつつあるということかもしれません。「ありそう」「なさそう」という直感は解答を早く見つけだすために大切なのです。ただし、その直感が外れてしまうと、修正するのがたいへん。
相手を出し抜かなければならない焦りの中でじっくり推理をするという、静的かつ動的な頭の使い方が新鮮でした(相当疲れましたが)。アブストラクトな物体の中に隠された法則を探すというシステムが、参禅という雰囲気をよく出しています。ちなみに本物の禅問答では「片手で拍手する(仏性アリ)」に対して「花をかざしてニッコリする(仏性アリ)」が答えになるなど、仏性の有無は別の実例で答えることが多く、その論理は日常を超越しています。筆者も禅宗の僧侶として、禅問答の儀式をしたことがありますが、すべて台本通りでした(笑)。
Zendo
K.ヒース/ルーニーラボ(1997年)
3〜5人用/8歳以上/60分
独シュピールボックス誌で過去15年のクロスレビューを集計。評価の高かった順にランキングを発表した。1位からプエルトリコ、サンファン、サンクトペテルブルグ、ゴア、アメンラー。平均が同じでも、評価の分かれたゲームより評者全体に評価の高かったゲームを優先している。ランキングの上から順に、まだ遊んでいないゲームをチェックしてみてはいかが?
ハンス社が公式に回答しているルールFAQは以下の通り。特に4番目は多くの人が1周少なくプレイしていると思われるので注意されたい。
- 倉庫(Lagerhaus)で手札を4枚持っているときに、倉庫をアップグレードしたら?
→その時点では手札を3枚に減らす必要はなし。その後は新しいカードを取って4枚以上になってはいけない。
- 酒場(Schenke)で勝利ポイントを買えるのはいつ?
→建物フェイズの得点計算の後。つまり建物フェイズで手に入ったお金を勝利ポイント購入に使える。
- 天文台(Sternwarte)を使った建物フェイズで、その天文台をアップグレードできるか?
→不可。続く貴族フェイズの最初に表にし、それからアップグレードできるようになる。
- アップグレードフェイズの最後に、ディーラーが職人カードを補充していたら山札がなくなった。この時点でゲーム終了となるのか?
→次の職人フェイズは行われ、次のアップグレードフェイズまで続行してゲーム終了となる。ルールの文面からはこの時点でゲーム終了とも取れるが、フェイズの中心はあくまで行動(購入・確保・パス)であり、職人カードの山札がなくなった回の職人フェイズは行われる。なおこの点は不明確だったので新版ではルールに明記するとのこと。
(Sankt Petersburg - FAQ, Hans im Glück)
オーストリア・ゲームアカデミーは17日、2004年のオーストリアゲーム大賞(Spiel
der Spiele、ゲーム・オブ・ゲームズ)を発表しました。4年目の栄冠にはR.クニツィア作の多人数アブストラクトゲーム、頭脳絶好調が輝きました。同時に発表された6部門11タイトルのヒットゲーム(Spiele Hits)には、サンクトペテルブルク、サンファンなどが入りました。
オーストリアゲーム大賞は一般応募で寄せられた候補作品から、ゲームやコミュニケーションのエキスパートが選出する賞。歴史の浅い賞ながら、受賞ゲームにロゴが印刷されるなど、ドイツ語圏で発表されるゲーム賞として愛好者やメーカーから注目を集めています。ドイツ年間ゲーム大賞、ドイツゲーム賞とは異なるゲームが多く選ばれており、今年の傑作ゲームを知る上で面白い資料となっています。
受賞した頭脳絶好調はプレイスペース広島から発売されていましたが、奇しくも受賞日の17日にメビウスからも発売となりました。ドイツ年間ゲーム大賞ノミネートと国際ゲーマーズ賞にもノミネートされており、また国内の評価も上々です。お買い求めはお早めに!(Spiel der Spiele)
【オーストリアゲーム大賞】
・頭脳絶好調(R.Kinzia/Kosmos)
【ヒットエキスパートゲーム部門】
・サンクトペテルブルク(M.Tummelhofer/Hans im Glück)
【ヒット友達ゲーム部門】
・イグルーイグルー(B.Cathala&B.Faidutti/Goldsieber)
・トンギアキ(T.Rauscher/Schmidt)
【ヒット家族ゲーム部門】
・アストロスライド(F.Sindon/Hasbro)
・メイクンブレイク(A.&J.Lawson/Ravensburger)
・イエローストーン(U.Rosenberg/Amigo)
【ヒット子どもゲーム部門】
・密輸業者の島(A.Wrede/Haba)
・たんぽぽの綿帽子(H.Punke/Piatnik)
・ベンガベンガ(A.Steinwender&R.Hofstatter/Selecta)
【ヒット多人数ゲーム部門】
・クラニウム(R.Tait&A.Whit/Jumbo)
【ヒット2人ゲーム部門】
・サンファン(A.Seyfarth)
巷で人気のようなので、バリアントを試してくださる人もいるかと思って訳出。よりタイトなプレイをお好みの方に。「天文台が引けなかったから」という言い訳はもう通用しない!というのが売り文句。
- 初期資金30ルーブル、全員にチップを2枚(2人プレイ時は3枚)ずつ。
- チップは各自見えるところにおいておく。
- チップを出すことで、その時点の手番プレイヤーに「割り込み」を申し込むことができる。チップを出した人は、持ち金の範囲内で金額を提示する。
- 手番プレイヤーは「割り込み」を許すか否かを決める。許さないことにした場合、提示された金額より1ルーブル多く銀行に払って通常どおり手番を行う。チップは戻る。
- 「割り込み」を許すことにした場合、提示された金額を受け取る。チップを出したプレイヤーが先に手番を行ってから、元のプレイヤーの手番になる。その代わり、チップを出したプレイヤーの元々の手番は飛ばされる(割り込みによって順番の変更があるだけで、追加の手番があるわけではない)。
- 何人かが同時に割り込みを申し込んだ場合は、手番プレイヤーの左から順に金額を提示していく。後から提示する人は前の人よりも高い金額を提示しなければならない。後出しを避けるため、手番プレイヤーは金額が提示される前に他に割り込みたい人がいないか確認するとよい。
- 1手番中に何人かが連続で割り込みを申し込んだり、同じ人が2回割り込みを申し込むということは原理的に可能だが、そのようなエゲツないプレイはやめよう(注:禁止したほうがよいでしょう)。
- 2人プレイでは割り込みによって追加の手番が生じるものとする(割り込んだ人→手番プレイヤー→割り込んだ人…)。
(Spielbox2004年3号)
ドイツのゲームメーカー、アミーゴでデモンストレーターの募集。18才以上でメールアドレスと携帯があり、マジック級のゲームも説明できる人。ドイツ・オーストリア圏内。すでにコスモスのカタンバスでも導入されているプロのゲームインストラクター、日本でも!
山口のゲームショップ・クロノノーツは14日、クニツィアの2人専用カードゲームバトルラインの「日本版」を出版、翌15日から発しました。版元のGMT(米)と共同出版とし、箱表とルールブックが日本語で書かれています。2205円、送料390円(2個以上500円)。
このゲームは2人専用ゲームの傑作として評価の高いゲームでしたが、日本では長い間入手難が続いていました。大阪の輸入販売会社・桃源郷の「日本語版バトルライン製作委員会」が日本語化についてアンケートをとっていましたが、その結果が出る前にクロノノーツが発売することになったかたちです。
7月に発売されたサンファンとは異なりコンポーネント(カード)までは日本語化されていませんが、海外メーカーが直接日本語化を手がける背景には、日本で一定の販売数を見越しつつ、さらに増加を狙う戦略があると見られ、国内のゲーム市場の活性化が期待されます。(クロノノーツ)
→写真入り紹介(moon Gamer)
国際ゲーマーズ賞(International Gamers Award)選考委員会は11日、今年のノミネート作品を発表しました。この賞は歴史シミュレーション部門と一般ストラテジー部門に分かれており、前者は6月に発表、今回は後者の発表となります。一般ストラテジー部門は多人数部門と2人部門に分かれており、それぞれ14タイトル、5タイトルがノミネートされました。対象は昨年6月1日から今年6月30日までに発売された新作です。
アメリカのゲーマーズ・チョイスに端を発するゲーム賞ながら、例年通りノミネート作品のほとんどをドイツゲームが占め、アメリカのゲーム界でのドイツゲーム偏重が続いていることを物語っています。この賞はゲーマーズゲームが好まれてきており、今年のリストからはドイツでゲーマーズゲームが多く発表されたことを伺うことができます。(Boardgamegeek)
【IGA2004ノミネート・一般ストラテジー多人数部門】
・アッティカ(M-A.Casasola Merkle) ・頭脳絶好調(R.Kinzia)
・暗黒の大広間(F.Friese) ・電力会社(F.Friese)
・ゴア(R.Dorn) ・ハンザ(M.Schacht)
・インダストリア(M.Schacht) ・マハラジャ(W.Kramer&M.Kiesling)
・ルネッサンスの王子(M.Wallace) ・サンクトペテルブルク(M.Tummelhofer)
・サンファン(A.Seyfarth) ・サンチアゴ(R.Palek&K.Helly)
・タフアンティンスユ(A.Ernstein) ・乗車券(A.R.Moon)
【IGA2004ノミネート・一般ストラテジー2人部門】
・ブルームーン(R.Knizia) ・カルカソンヌ・ブルグ(R.Knizia&K-J.Wrede)
・メモア'44(R.Borg) ・トムチューブ(R&T.Goslar)
・インシュ(K.Burm)
SAZ(ゲームデザイナー連盟)は来夏、故アレックス・ランドルフ氏にちなんだ新しい賞「アレックス(ALEX)」を発表することを明らかにしました。
この賞はゲームの個別タイトルについて与えられるものではなく、ゲームを扱ったドイツ語のテレビ・ラジオ番組および新聞記事を対象に、ゲーム・ジャーナリストたちがゲームの伝え方を競うものです。
今年放送された番組、掲載された新聞記事が年明けまで応募され、その中からメディア関係者3名、ゲームデザイナー関係者2名が「ゲーム体験と社会的意義がわかりやすく紹介され、広く周知されているもの」を選びます。発表は2005年の6月5日、ゲッティンゲン・ゲームデザイナー会議で連盟の議長であるA.R.ムーン氏から発表されます。賞金は総額1000ユーロ。
ゲーム文化が根付いたドイツにおいてもなお、ゲームを宣伝していく努力を怠らない姿勢は、宣伝自体の少ない日本でも大いに見習われるべきものとなるでしょう。(SAZ)
シド・サクソンの遺作からスタートしたFace2Faceが、今秋に発売を予定している新作カードゲーム。メーカーから日本語訳を仰せつかった。
このメーカー、ムーンとボルグのウォリアーズ、その拡張ドラゴンホーズではまだ有名デザイナーを使っているが、このゲームはJ.M.フーバーというほぼ無名のデザイナー。ドイツゲーム化が進んでいるアメリカのゲーム界で、無名デザイナーのゲームを発表するというのはリスクを伴うと思うがどうなのだろう。
ゲームの内容は、ランダムに仕入れたアイスクリーム(ストロベリー、チョコレート、バニラ、チョコレートチップ、ピスタチオ)に合わせて、お客様が注文するアイスクリーム(1?4段重ね)をコーンに組み合わせ、できるだけ多くのアイスクリームを販売するというもの。仕入れはランダムなのに、客の注文は操作できるというちょっと不思議なシステム(普通、逆でしょう)。他の店に客を取られないように品揃えを外しつつ、自分の店では4段重ねを販売できるような注文を組み合わせる。
「ストロベリー&チョコレート&ダブルバニラアイスはうちの店で取り扱っています!」「くー、チョコレートさえあればその注文を受けられるのに……」というような感じ。もちろん、たくさんのアイスクリームを販売したお店が勝つ。この暑い夏には涼しいテーマだろう。
このテーマがゲームショップだったら面白いかもしれない。「6ニムト&操り人形&コロレット2つならうちの店に全部在庫あります!」「くー、操り人形さえ切らしていなければ注文を受けられるのに……」いや、ゲームはアイテム数が多すぎてダメか。

