2005年9月アーカイブ

SuDoku

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まもなく始まる世界最大のボードゲームイベント、シュピール・国際ボードゲームデイズ今年の目玉は何と言っても数独(Sudoku)だろう。(1)ウィニングムーヴズ、(2)コスモス、(3)ノリス、(4)ラベンスバーガー、(5)クレメントーニ、(6)カードチェスインターナショナル、(7)パーカー、(8)ジャンボ、(9)ピアトニクの9社が別々にボードゲーム版の数独を発売する。(参考:Spielboxの特集ページReich der Spieleの特集ページTGWのエッセン特集)


各社の特徴は以下の通り。



  1. ウィニングムーヴズ版は砂時計が落ちる前に早解きを競う。6段階で100問。1?4人。

  2. コスモス版はあのクニツィアがデザイン。といっても進行はオーソドックスで、手番に1つ、チップを引いて正しい場所に置くだけ。チップが置かれた縦横の列・ブロックに置かれていたチップが多いほど得点が高くなる。ボード裏面は子供用、36マスで動物の絵を揃える。

  3. ノリス版はソリテアの赤版100問とマルチプレイ用の青版150問。システム不明。

  4. ラベンスバーガー版もシステムは不明。1?4人。

  5. クレメントーニ版はイタリアのデザイナー集団ベニスコネクションが制作したもの。3つのルールがあり、チャレンジ数独はチップをめくる方式。1?4人。

  6. カードチェス版は2人用。列を完成させると1点、ブロック内により多くチップを置くと2点で、陣取りの要素も入れている。1?9の数でなく9つのシンボルマークにし、タイトルも「Sudokutive」と趣向を変えた。

  7. パーカー(ハズブロー)版はタイムズ紙公認。2人で早解きをを競う。

  8. ジャンボ版はコマを置いていくタイプ。システム不明。

  9. ピアトニク版は付属のDVDに問題が収録されている。


もともと日本でパズル雑誌を立ち読みしたニュージーランド人がイギリスのタイムズ紙に紹介し、パズル欄に掲載したところ反響が大きく、各紙に波及したのが始まりらしい。前知識を必要とせず、解くほどに上達し、また頭の体操にもなるというのが人気の原因で、イギリスからアメリカやオーストラリア、フランスやドイツへと広がっていった。新聞のパズル欄だけでなく、書店にも数独コーナーが現れ、オンラインサイトも大いに賑わっている。(参考:Wired NewsGlaubeAktuell)


今回の雨後の筍のような乱立ぶりは、ドイツでの大流行を物語ると共に、凋落傾向にあるボードゲームメーカーがチャンスを逃すまいと食いついているような気がした。日本で和訳をつけて売れる可能性は……五分五分かな。


カタンショップ

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ドイツの現代ボードゲームを代表するカタン。そのカタン関連の品だけを販売するショップのサイトを見つけた。


Catan Shop(http://www.catanshop.de/)


取り扱いアイテムはカタン基本セットから各種拡張(新旧共)、宇宙カタン、「レーベンヘルツ」「ニューエントデッカー」など作者トイバーの作品、カタンボックス、カタンのタイルやコマのパーツ(新旧共)、カタンマグカップ、カタンバスタオル、小説カタン、カタンの歴史など網羅的だ。


すごいなあと思ったが、発送はドイツ、オーストリア、スイス、オランダ、デンマーク、スウェーデン、ベルギー、フランス、ルクセンブルク限定。


悔しいのでメールで問い合わせてみたら、日本への発送はしていないがカプコンがカタンを出しているからそれを購入してはどうかという。そんなのは知ってるよ、僕がほしいのはカタンマグカップなんだ(変な日本人だ)と返事すると、それはカタンショップオリジナルだから他では買えないから、エッセンに来るかドイツに住んでいる知り合いに頼んだらとのこと。日本に送れないのは決済システムのせいだとか。


でもすぐに返事をくれるベンヤミン・トイバー氏(クラウスの次男?)には好感が持てた。


R.クニツィア・インタビュー(訳)

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たまたま手に取った雑誌に面白い記事があったので訳出。記者の許可が取れましたので公開します。しばらくはてなダイアリーに置いた後、TGW下に移します。


ライナー・クニツィア
?ボードゲームに捧げる人生?


ウド・バルチ


「私にとって大事なのは、いつもでないにせよ同じ場所をさらに深く掘り下げることだ。」ライナー・クニツィアは90年代の初め、瞬く間にマイスターの座につき、そのうちにオールラウンドのデザイナーになった。子どもゲームからアメン・ラーまで、ほとんど全てのターゲットをカバーする。今年46才になる彼はもはや単発ではなく、ボードゲームを一連のものとして構想を練っている。


ウィンザー、最近ではウィーンに済んでいる彼が1997年、ボードゲームを専門職に移してからというもの、開発はどんどん加速している。ほとんど全てのドイツのメーカーからボードゲームを発表し、クニツィアは今「国際的にいろいろな国をものにし、できるだけたくさんのメーカー、できるだけたくさんの言語で発表したい」という。スターウォーズやシンプソン、ミッキーマウスのようなライセンスものといった新しい仕事が彼をひきつけた。「機械工」として認められているクニツィアが「ロード・オブ・ザ・リング」に優れた手腕を見せ、本のゲーム化のマイルストーンを打ち立てたことは当時、世間を仰天させたものだ。しかしクニツィアの野望はとうの昔にさらに一歩進んでいる。アーサー王のような電子テクノロジーでボードゲームの新しい境界線を超え出る。そして2004年にはコスモス社で「新境地」を開くことになっている*1


オールラウンダーへの転進にあたってクニツィアはマニアの支持を失った。「全ての人々に合うものを作ることは決してできません。」彼はつらい経験をして、もう批評には付き合わないことにした。「私は自分のゲームに自信をもっています。批評家の意見が違うならば、それは所詮そうなんでしょう。」その代わりクニツィアは一般客をどんどん引きつけている。「人々に楽しさをもたらす」というのが彼のモットーだ。その裏にはひとかたならぬスローガンがある。それはもはや使命感といえる。「ボードゲームを作るというのは人々の人生を豊かにできる数少ない職業のひとつです。それは素晴らしいことですよ。このモチベーションだけが長い時間に耐えうるものだと思うんです。私がつぎ込む仕事とエネルギーは、こうして意味を持ちます。私がとても感謝しているのは、私のできることが社会への立派な貢献になっているからです。」


ゲームデザイナーを職業にしたクニツィアは、他の追随を許さない。それはアウトプットにおいてそうであるだけではない。一週間全部を、彼はひとつだけの目的「ゲームを開発すること」に費やしている。朝4時と5時の間に「何かが私をベッドから駆り立てます。待っていることができないのです。」それから午前中は邪魔を排して休憩なしに仕事。午後は事務仕事やビジネス関係があり、そうでなければほぼ毎日テストプレイである。夕方には一般プレイヤーと、その後にはフリークと、日によっては幼稚園で。クニツィアは日常の仕事をできるだけなくし、デザイナーとして自由でいようとする。例えば庭は庭師に任せ、PRの日程も切り詰め、テーマ調査や試作品の製作、シミュレーションのプログラムは親しい仲間の友人が行う。一部支払ってはいるが、たいていは趣味のうちである。


「やりたいことはたくさんあるのに、手番は少ない」というのがクニツィアの原理のひとつである。「自由」は彼の頭の中で最も重要な概念だが、今それが意味するのは、人生で自立した決定を行い、目標を定め、しなければいけないことよりもしたいことを優先するということだ。「ひとつのことを好むと同時にたくさんのことを同時にする」人間として、クニツィアが「ノー」ということはたくさんあり過ぎる。イギリスにある建設財政研究所の理事のポストを彼は辞任した。彼は家庭生活に「ノー」をつきつけ、週末や余暇にするべきことをほとんどやらない。さらに「私はずっと働きづめというわけではありませんよ。私がいつもやってきたことはただひとつ、私にとって楽しいことだけです。それに対して人々はまだお金を払ってくれるのです。」そして休暇は?「毎年夏にはスコットランドに行こうと思っています。そこの風景は感激ものですからね。でもいつも計画倒れですね。ちょうど面白いプロジェクトが来るんです。」


クニツィアはゲームを一元的に見ない。「誰でもそうだと思いますが、我々は長所の90%を逃していると思います。でも私はやりたいことだけをやっているので、間違ったこともしていないのです。」デザイナーは孤独なだけでなく、根気のいる存在だという。テスト、検討、メーカーとの連絡、ゲーム祭。「それはとてもとても広く、とても社会的な分野でもあります。ひとつのゲームでたくさんの人をつなぎ合わせることができ、私の人生は本当に満たされる。それが一方的な感覚だとは思いません。私は世界で一番幸せな人間ですよ。」


(フェアプレイ66号)




*1:この記事は2003年のものであるが、今から見れば「新境地」とは頭脳絶好調のことであろう


ドイツゲーム賞

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1位を受賞したルイ14世は、昨年秋に試作品が発表されたときから評価が高く、ドイツのゲームサイトでも、複雑さの点でやや遊びにくいものの、毎回毎回異なる展開があり、繰り返し遊べる魅力をもった戦略性の高いゲームとして軒並み高い評価を得ている。SpielphaseとH@LL9000は6段階で5、Spielteufelは10段階で8、SpielonautとStartspielerは最高の評価となっている。


国内では紋章と使命カードによる運の要素*1をマイナス評価する声もあるが、どんなに大人向けのゲームでも運の要素をしっかり入れるドイツゲームの風潮にあっては意図的なものかもしれない。


これでドイツゲーム賞は過去8年、チグリス・ユーフラテス、ティカル、タージマハル、カルカソンヌ、プエルトリコ、アメンラー、サンクトペテルブルク、ルイ14世というようにハンス・イム・グリュック社とアレア・ラベンスバーガー社がほぼ交互に取っていることになる。カタンの登場によって進展したドイツのフリークゲームレースの10年。新たに参入できるメーカーはもうないのだろうか。


さて、今回のドイツゲーム賞で10位までのリストを見ると、ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた5タイトル(2,5,6,8,10位)以外は、年間大賞で推薦リスト*2と全く重なっていないことに気づく。昨年はサンファンとアッティカが重なっていたのに、年間大賞の審査員と一般ユーザーの認識の乖離が目立つ結果となった。


重ならなかったのは1位となったルイ14世をはじめマニラ、ウボンゴ、キャメロットを覆う影、ツァヴァンドールの王笏。これらは影響力の大きい年間大賞の広報を全く受けることなく口コミで人気が広がって入賞したのだから、相当な実力があると見るべきだろう。いずれもぜひ遊んでおきたい。


ボードゲーム各賞受賞2005




*1:最後の紋章ボーナスは僅差のときに運任せになり、何が来るか分からない使命カードで強弱の差が大きいとされている。


*2:今年の推薦リストは庭師の技、ブームタウン、ダイヤモンド、電力会社、ゲシェンク、ピラニアペドロ、ボードニムト、タイポ、私の世界の見方。辛うじてこの中からピラニアペドロが金の羽根賞を受けたが、これは投票と関係ない。


フランスのメーカー・デザイナーの表記

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ドイツのボードゲーム市場に徐々に進出しつつあるフランスのメーカーとデザイナー。正直言って日本語表記に自信がなかったのでフランス文学を専攻する友人に聞いてみた。



  • Asmode'e e'ditions「アスモデ・エディション」
    オイロゲームズ、ブルーゲームズのレーベルをもつデカルト社を買収。フランスを代表するメーカーとなったが発売されているゲームは正直微妙。×アスモディ

  • Tilsit e'ditions「ティルシット・エディション」
    「ヒマラヤ」の大賞ノミネート入りでにわかに注目され始めたメーカー。フリーク向け。×ティルジット

  • Bruno Faidutti「ブルーノ・フェデュッティ」
    苗字はイタリア系ではないかという話。「操り人形」「ブームタウン」「ダイヤモンド」「修道院殺人事件」など多作。イタリア風に読めばフェドゥッティか。

  • Bruno Cathala「ブルーノ・カタラ」
    「キャメロットの影」の作者(S.ラジェとの共同作品)。フェドュッティとの共作も多い。×カサラ

  • Re'gis Bonnesse'e「レジス・ボネッセ」
    ドイツ年間ゲーム大賞ノミネート「ヒマラヤ」の作者です。

  • Philippe Des Pallie'res「フィリップ・デ・パリエール」
    「人狼」フランス語版の作者。

  • Roberto Fraga「ロベルト・フラガ」
    「ドラゴンデルタ」「スカッド7」「ダンシングエッグ」「タイムイズマネー」など異色作多数。

  • Serge Laget「セルジュ・ラジェ」
    「キャメロットの影」(B.カタラとの共作)、「修道院殺人事件」(B.フェドュッティとの共作)。

  • Bernard Tavitian「ベルナール・タビシアン」
    「ブロックス」の作者。


以下の3人はフランス語読みすべきかどうか怪しい。要確認。



  • Franz-Benno Delonge「フランツ=ベノ・ドゥロンジュフランツ=ベンノ・デロンシュ」
    ドイツ語読みなら「デロンゲ」。「ドゥロンシュ」と呼ばれているのを聞いたこともある。

  • Fre´de´ric Moyersoen「フレデリック・モイヤーセン」
    「お邪魔者」の作者。オランダ系ベルギー人。アミーゴの人は「いつもフレデリックとばかり呼んでいて、苗字はわからない」そうだ。

  • Jacques Zeimet「ジャック・ゼメ」
    ベルギー人ルクセンブルク人。名前はフランス語だが苗字はドイツ語系らしい。ドイツ語読みなら「ツァイメット」。「ツィーメ」と呼ばれているのを聞いたことがある。


その友人も話していたが、人の往来が多いヨーロッパでは綴りだけから読み方を判別できず、本人に確認するしかないことが多いとのこと(日本でもコキントウなのかフーチンタオなのかというようなことはありますが)。ただ、フランス国内ではフランス人が聞き取れるような音になるというが、同じ名前でも呼ぶ人の言語に左右され、いくつかの読み方を許容しているというのが現状のようだ。


後日談:ドイツのゲームジャーナリスト、U.バルチ氏に聞いてみたところ、Franz-Benno Delongeはドイツ人で読みはフランツ=ベンノ・デロンシュが正解。「g」をシュと読むのは北ドイツ。Jacques Zeimetはルクセンブルク人で、ルクセンブルクはドイツ語、フランス語、ルクセンブルクが公用語だが、彼の名前はフランス語流で読む。バルチ氏はドイツ語と混交しているのか語尾のtを発音しないだけで「ジャック・ザイメー」と読んだが、フランス語では「ゼメ」ではないかと聞くと、「僕のフランス語は弱いから、そっちの方が正しいだろう。」ゼメに確定。


親子で夢中 盤ゲーム

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本日付の朝日新聞朝刊23頁。



実写やアニメーションと見まがうばかりの映像を駆使したテレビゲームもあるなか、顔と顔をつきあわせる人間くさい仕組みが、子ども時代に遊んだ親の世代とその子たちに受けているらしい。



記事の中で取り上げられているのは人生ゲームと野球盤。人生ゲームは03年に70万個、04年に50万個が売れたという。今年はドラえもんとのび太の人生ゲーム(7月・発売中)、人生ゲームM&A(9月29日発売)、人生ゲーム芸人魂(10月)を発売し、さらなる飛躍を図る。野球盤は04年3月に「野球盤スタンダード」発売され、25万台。ボードゲーム後進国だなんて言わせない数字だ。


販売元のタカラ、エポック社は「家族や仲間と会話しながら一緒に過ごせる魅力が見直されているのでは」「互いに向き合い、互いの興奮が直接伝わる」と説く。これまでのこうした記事は子どもの頃遊んだ世代のノスタルジーに焦点を当てる傾向があったように思われるが、リアルなインタラクションに注目している点で、日本のボードゲーム文化もいくぶんか成熟しつつあると言えるのではないだろうか。


外箱を眺めてどうこう言っていた時代から中身を評価する時代へ。そうなればドイツゲームが入り込む可能性も高まってくるだろう。人生ゲームと比べると価格の面でも、ルール理解のしやすさの面でもまだまだ敷居の高いドイツゲームだが、傍流としてでもそれなりの太さを得られるのではないかと期待している。


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