2010年11月アーカイブ

ネッシーを追え!(Loch Ness)

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俺、ネッシーの出るとこ知ってるんだ

去年のエッセン国際ゲーム祭では『エジツィア』、一昨年は『パレ・ロワイヤル』なんかを出していたハンス・イム・グリュック社の新作にしては、イラストがファミリーゲームすぎると思っていた。対象年齢が低めだし、ゲーム紹介を読んでも運の要素が大きそうである。そこで始めから、同梱されている2つのバリアントルールを両方とも採用したところ、運の要素が抑えられ、その分駆け引きが楽しめた。

ネス湖を周遊しているネッシーの行き先を読んでカメラを設置し、見事当たれば得点になるゲーム。ネッシーが何マス進むかは、手番プレイヤーら3人が出したカードの合計で決まる。カードを出している3人が置いたカメラの位置をもとに、ネッシーがどこに止まりそうかを推理する。カメラは3台あり、得点が異なるので、どのカメラから置くかもポイントだ。

ハンス社らしいのが、毎回最初に選ぶ6つの職業。ネッシーを1マス進める、カメラを1台増やす、カメラの得点を上げる、マスの制限を超えて置ける、カードの選択の幅を拡げる、ほかの人が出したカードを見る。これらをうまく使いこなすことで、得点のチャンスを増やす。

バリアントは、使った移動カードは脇によけておいて、追加の職業を選ぶか、全部使いきらないと手札に戻らないというルール。これでネッシーの移動先が絞り込みやすくなる。もうひとつは、ゲーム中に何回か、4台目のカメラを手に入れる入札。一度競り落せば、あとはずっと4台になるので断然有利だが、入札に移動カードを使い、得点を削るという諸刃の剣。

職業で増えるカメラは、カードを選ぶ前に設置しなければならない。なのでその近辺は選ばれにくいが、逆にそれを見せ札にして、選択の幅を狭めることに成功。また、マスの制限を超えて置けるカメラは、カメラがひしめくところにも悠々と置けるので超有利だった。結局4台目のカメラは競り落とさないまま1位。

カードが減ってくると相手に足元を見られるので、全部使いきる前に戻したいところだが、そうするとほかの職業を選べないというジレンマが面白かった。3人全部のカード内容が分かっていることもあって、フェイクで別のところに置いたら誰も引っかからず、2周目には正解の場所がもう埋まっていたり。ゲーム好きなら最初からバリアント全入りで遊ぶことをオススメしたい。

Loch Ness
R.ヴェッタリング/ハンス・イム・グリュック(2010年)
2〜5人用/8歳以上/30分(バリアント入りで60分)
メビウスゲームズから発売予定

ダコタ(Dakota)

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西部開拓のゴタゴタ

先住民と開拓者に分かれて、陣営の利益を守りながら個人の得点を伸ばすイタリアのゲーム。今年のエッセン国際ゲーム祭で発表され、日本語版がホビージャパンから発売されたばかり。このところドイツでは見かけなくなったエリアマジョリティ(多数決陣取り)ゲームである。コマ1個の差が勝敗を分けるシビアなゲームだ。

ゲームの最初に、先住民か開拓者かを選ぶ。一斉に公開して、全員同じ陣営でなければ、1対3など偏っていても、最後までそれで進めることになっている。少ないほうの陣営は、中立コマ(NPC)を多くもつことで対抗できる。

盤上にはさまざまな資源を産出する5つの地形がある。木材なら山地、魚なら川、バッファローなら平原というように、地形によって取れる資源が異なる。ここに3個ずつ自分のコマを置き、さらに逆回りで3個ずつ中立コマを置く。コマはまとめて置いてもいいし、いくつかの地形に分けて置いてもいいが、分けておけばコマの数が減るので、陣取りで負ける恐れが高い。

コマは陣営別に分けられ、勝ったほうの陣営だけが資源を得られる。同数だとどちらも得られないというところが実にシビア。手番順を見て、後の人が最大限置いても上回れないようにするか、ほかに狙いがあると踏んで散らすかを考えなければならない。同じ陣営のプレイヤーと相談して協同することも重要だ。

勝ったほうの陣営は、中立コマを除いて、その土地に置いた自分のコマの数だけ資源をもらう。面白いことに、土地には上の段と下の段があって、先住民がほしい獲物は上の段に、開拓者がほしい資源は下の段にある。上の段が枯渇してはじめて下の段を取れるようになるので、原住民は枯渇を避け、開拓者は枯渇を狙う。

資源の獲得には協力が欠かせないが、ゲームの目的はあくまで個人の勝利点。獲得した資源で建物を作ったり、売ったお金で勝利点を買ったりする。建物は先住民か開拓者かによって異なり、収入を増やしたり、資源を増やしたりする特殊効果がある。ほかにコマを増やしたりコマの強さを上げたりもできるので、費用対効果を考えて資源を使いたい。

8〜10ラウンドで終了。全く資源が取れないラウンドもあるので、悠長に資源を集めていては間に合わない。どんどん建物を建てて勝利点を増やそう。

きっかり2対2に分かれ、私は先住民チーム。序盤は戦いを避け、コマをまとめて置くことで確実に資源を集める。それでトーテムポールを建てたものの、効果は資源が場に補充されるだけという弱々しいもの。一方、開拓者のPsy+さんと池田さんが建てた酒場は、毎ラウンド収入が入る。わざと先住民に不利にしているんじゃないかと思うようなバランスである。馬は乱獲され、森は荒野になって鉄鉱掘りが始まる。

しかし、その間にバッファローを狩っては売ってお金を貯め、入手難になっていた馬を市場で調達すると、相方さんのゴーストダンス(相手が中立コマを置けなくなる)も利用できてひそかに順調に。最後は建物をコンプリートした上、得点を勝ってぎりぎり1位。いい勝負だった。

イタリアのゲームというと、盛り上がりだけでもっていくような大味な印象があったが、このゲームは駆け引きが奥深くて、そんな印象を大きく覆すものだった。今度は不均等な陣営で遊んでみたい。

Dakota
P.チオーニ/テンキゲームズ(2010年)
3〜5人用/10歳以上/90分

カルカソンヌ拡張:ペスト(Die Pest)

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(spielbox 2010年6号付録)

このバリアントでゲームは劇的に変わります。国中で猛威をふるうペストによって、地形のつながりが重要性を増します。平和に見える序盤の後、すぐにペストのため得点がほとんど取れないように思われてきます。でもそれは思い違いです。伝染病はうまく相手の方にそらし、渦中のペスト発生地の向こう側で、何としてでも得点をかっさらいましょう。

アイデア
6枚のペストタイルから、ペストがカルカソンヌ中に広がります。ペストタイルが出ると、各プレイヤーは手番に病気を広げなければなりません。伝染病が広がったタイルにいる手下コマは、得点できずに戻されてしまいます。しかし同じ道路・草原・街の中で、ペストから避難を試みることはできます。さらにゲームが進むと、ペストチップを除去して、特定の地域にペストがそれ以上広がらないようにすることもできます。

用具
ペストマーク入りの地形タイル6枚。ここからペストが広がります(「ペストタイル」)。
ペストチップ6枚。表はネズミと1〜6の数字で、ペストが活動していることを表します。裏は草原で、ペストが除去されたことを表します。
ノミチップ18枚。どこにペストが広がっているかを表します。表は赤で、ペストが活動中であることを表し、裏は薄紫で、ペストが休止していることを表します。

『世界の鉄道カードゲーム』バリアントルール

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(文:Rael)

『世界の鉄道カードゲーム』とも呼ばれる表題のゲームは、一般的に長時間を要する鉄道輸送ゲームの面白さを、短時間で手軽なルールにまとめ上げようとした意欲作である。
その狙いは数ページの簡単なルールと、たった30分程度のプレイ時間で見事に表現されているのだが……さすがにゲームが早過ぎて、鉄道輸送の綾を充分に味わう前に終わってしまう。これは実にもったいない。せっかくいい感じのゲームなのに。

ということで、オリジナル・ルールに則した上で出来る限り複雑化せず、バランス調整的な改良ルールはできないかと考えてみた。
で、実際に各所で数回プレイしてみて好評だったので、ここに改良案を記す。


この改良案の大きな変更点は、「カード補充」をフェイズ2として毎手番に補充するのではなく、フェイズ1の選択アクションの1つとして扱うことにある。
また、カード補充の選択肢を増やすと共に、運搬の制約を軽くして商品運搬の活性化を主目的としている。

各手番では以下A〜Dのアクションを1つだけ行い、手札13枚の上限を確認した後、次手番へとなる。


A) 新しい都市へ線路を引く〈オリジナル・ルール通り〉

B) エンジンカードを0〜複数枚晒した後、都市から都市へ商品を1つ運搬する。
変更点→商品を運ぶ際、運搬の最初の区間か、【最後の区間】のどちらかが
    自分の線路であれば商品を運搬できる。

C) カードを2枚補充する(エンジンカードの場合は1枚のみ)。
 変更点→表向きの補充カードを3枚から【5枚】に変更する。
     ゲーム中は表向きのカードが4枚になったら即座に山札を
     めくり5枚にする。

D) 【1〜3枚】の手札を捨てて、以下のどちらかを行う。
  ※捨てたカードは表向きの補充カードに加える。
   これにより表向きの補充カードは一時的に6〜8枚になるが、表向きの
   補充カードが4枚になるまでは山札からの追加は行わない。

 選択1《手札交換》
     捨てた枚数と同数を表向きの補充カードや山札から補充する。
      ※1枚のみの交換以外ではエンジンカードを補充できない。
 選択2《商品追加》
     捨てた枚数と同数の商品を袋からランダムに引き、その商品を
     【任意の都市】に自由に振り分けて置く。

以上が改良ルールである。手番アクションの「パス」はなしとする。
他のルールに関しては全てオリジナル・ルールに則す。


プレイ時間は小1時間に延びてしまうが、かなり面白いゲームになったと自己満足。
お薦め!!

ゲームストアバネスト:世界の鉄道カードゲーム

『ギフトトラップ』日本版発売

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アークライトは本日、プレゼント交換ゲーム『ギフトトラップ』日本版を発売した。3〜8人用、12歳以上、45〜60分、4200円。

2006年にカナダで発売され、ドイツ年間ゲーム大賞パーティゲーム賞、ゲーム100選・ベストパーティゲーム、スウェーデン年間ゲーム大賞イノベーション賞など受賞したパーティゲームの傑作。

「贈り物カード」を見て、ほかの人に贈りたいものと、自分がほしいものを選ぶ。うまくマッチすれば、両者ともに得点できるが、相手が欲しくないものを贈ってしまった場合は失点になることも。あげたいものにいらないもの、あげたくないものにほしいものと、プレゼントを贈る側ともらう側のズレが楽しい。

また、ゲームが進むにつれて、ほかの人の嗜好がだんだん分かってくるが、お互いサプライズを狙った結果また大ハズレなんてこともあって笑いが巻き起こるなど、プレゼントの本質を見事に描き出している。相手がほしいもの、自分がほしいものを考えること自体が幸せだ。

「贈り物カード」は500種類以上。内容も「コスプレ衣装」や「サラミ詰め合わせ」から、「実物の戦車」まで種々多様。日本版ではいくつかのローカライズも行われ、眺めているだけでも楽しめる。ふだんゲームを遊ばない人にもおすすめでき、プレゼント交換の気分が楽しめる、これからのクリスマスシーズンにぴったりのゲームだ。

アークライト:ギフトトラップ日本版

今度の日曜日はTGF

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国内のボードゲームイベントではゲームマーケットに次ぐ規模となるテーブルゲームフェスティバルが、28日(日)、東京都立産業貿易センター(東京・浅草)にて開催される。10〜17時。入場料200円(高校生以下無料)。前情報がほぼ出揃ったところで、今回の見どころを見ておこう。

まずはデッキ構築ゲーム。ワンドロー(A)では協力型の『はやぶさ君の冒険』を新発売、ブロッコリー(B)ではグループSNEが製作中の『エンドプレイカー!』がテストプレイできる。ホビージャパン(I)はシリーズ最新作『ドミニオン:繁栄』を先行販売。アークライト(P)は発売したばかりの『リトルバスターズ! エクスタシーカードゲーム』や『サンダーストーン』が購入できる。同人ではGOTTA2(37)の『3SUKUMI』がある。

次に先月のエッセン国際ゲーム祭で発売になった新作輸入ゲーム。メビウスゲームズ(C)はハンス・イム・グリュック社やアミーゴ社、プレイスペース広島(G)はアドルング社やレゴ社、ホビージャパン(I)はエッガート社やハリケーン社、ゲームストアバネスト(V)はクワリ社などを用意している模様。韓国ヴィジョナリー社(M)の新作にも注目だ。

それから日本語版では、ホビージャパン(I)が『ドミニオン:繁栄』のほか『レース・フォー・ザ・ギャラクシー:帝国対反乱軍』を先行販売し、アークライト(P)が『ギフトトラップ』日本ローカライズ版を発売、ジーピー(O)は昨日発売したばかりの『カタンの開拓者』携帯キャリーケース版を出展する。

そしてオリジナルゲームでは、エッセン国際ゲーム祭からの凱旋出展をはじめ注目作がずらり。ワンドロー(A)の『RRR』、ピグフォンの『バスストップボードゲーム』『トラッカーズ1.5』、カナイ製作所(6)の『舞星』ほか、OKAZU brand(15)がゲームマーケットで評判の高かった『EKIDEN』を、Qvinta Essentia(16)が『キャット&チョコレート/ビジネス編』を販売する。また冒険企画局(T)の新作パーティゲーム『フルーツランド』、ゲームマーケットで注目を浴びた遊星からのフリーキック(く)の『ビーンストーク』、海外展開を始めた高天原(1)の『日本書紀』なども要チェックだ。

最後に書籍。先月発売されたムック『アメージングテーブルゲーム』(L)、売り切れになっていた『ドイツゲームでしょう!』を改訂増補した2010年版がグランペール(R)から、またトレカ番長&FT書房(こ)では『ドミニオンきまぐれカード批評』『アグリペディアvol.1〜3』が販売される。

ほかにも最近発売されたボードゲームや次のゲームマーケットで出展されるゲームのテストプレイなど、1日では遊びきれないたくさんの作品が出展される。恒例のスタンプラリーや、各ブースでもお楽しみイベントなども盛りだくさん。今度の日曜日は浅草へゴー!

テーブルゲームフェスティバル2010F:当日配布用パンフレット