ゲームマーケット大阪2018レポート

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4月1日(日)、桜の花が満開の下、大阪市住之江区にある国際展示場「インテックス大阪」にて「ゲームマーケット2018大阪」が開かれた。神戸での2年を経て会場を大阪に戻した今回、参加者は前回神戸の4700名から大幅に伸ばして6000名(事務局発表)となった。

開催前はツイッターでそれほど話題の作品が挙がらなかったにも関わらず、会場前はいつもの長い待機列。10時の開場時にはたくさんの人がどっと入場した。クラウドファンディングで話題を集めた『GANGSTER PARADISE Requiem(カイシンゲームズ)』、『Liqueur the GAME(ドイツゲーム喫茶B-CAFE/豚小屋)』の行列が特に長かったようだ。

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オインクゲームズは新作『ゾーゲン』を発表。デザイナーは『サメ警報』などで知られるA.ヴレーデとC.カンツラー(ドイツ)。今年2月のニュルンベルク国際玩具メッセでオインクゲームズのブースにアイデアを持ち込み、スピード製品化されたという。タイトルは日本語の「増減」からだが、ドイツ語風でもある。『海底探険』のTシャツも販売。

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『ゾーゲン』は、自分の手札を中央にどんどん出していっていち早く3枚まで減らすことを目指すスピード勝負のパターン認識ゲーム。前に出されたカードよりも、1パターン多いか少ないカードを、そのパターンの名前を言いながら出さなければならない。間違っていると思ったら「ゾーゲン!」といって確認し、それまで出した手札を戻さなければならない。誰も「ゾーゲン!」と言わなければそのまま続行するところがポイントで、みんな自分の手札に必死なので結構いい加減でも通る。判断力の鋭い人だけが勝つとは限らない。

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少ないカード枚数から想像もつかない駆け引きが楽しめるミニマルな推理ゲーム『トリックと怪人』(BrainBrainGames)は、もともと日英の多言語版ではあるが、韓国のボードゲームカフェが興味を示して韓国語版も製作されていた。人数別バリアント集を無料配布。

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「往き征きて されど険しき ボドゲ道 続く我が路 那由多の果てまで」という名句を体に書きつけたミープルコスプレが登場。しかし会場が混みすぎて歩き回ることができず、出入り口で皆を見送っていた。開いて顔ハメができるようになっている。

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午後3時からはフランスのボードゲームデザイナー、B.フェデュッティ氏が登場。カナイセイジ氏(カナイ製作所)、林尚志氏(OKAZU Brand)と対談を行った。司会は健部伸明氏、通訳はヤニック・ドゥプラド氏。カナイ氏から「よいゲームとは何か」と聞かれて「タイミングである」と答え、『あやつり人形』が最近発売されていたらこれほどまでに売れなかっただろうとフェデュッティ氏は答えた。

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今回目立ったのは、ボードゲームアクセサリの数々である。D列はそのようなサークルが集められており、さまざまな創造的なアイデアのアクセサリーが頒布された。Cygnusさんのダイスタワーやカードスタンド。

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尼崎の中古ボードゲームショップ「シャッツィ」の高橋夫妻が運営する「MeepRing!!」からはミープル模様のファイバークロス。ボードゲーマーはメガネ率が高いので需要も高そう。

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「駒の時間(とき)」はアグリコラのコマをあしらったネックレス。ほかにも前回のゲームマーケット東京に出展していた「たかみぃぷる」のミープルボタン、「ハコノソト」のダレカラダイス、「ノスゲム」のトートバッグなど、クオリティーの高いものがたくさん出展されていた。

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関西といえばこの人、北条投了先生(芸無工房)の新作は『平成終了のお知らせ』。漢字を組み合わせて新しい元号を作るゲームだが、それぞれの漢字がこれまでの元号でどれくらい使われてきたかというデータもあってネタを大事にするネタゲーとなっている。

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「OKAZU Brand」の最新作「メトロックス」も発表。カードをめくって指示された数だけ地下鉄路線の駅に○をつけて完成させていくゲームで、書き込み型としては『Rolling Japan』以来。「連続した駅しか○をつけられない」というルールと「路線が途中で交差する」という地下鉄の事情が見事なジレンマを生んでいる。4月1日から「大阪メトロ」になる大阪市営地下鉄と、東京メトロの両方が入っており、地下鉄の勉強にもなる。

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もうひとつの試遊は初出展となる地元大阪のサークル「Beginners」のトリックテイク『Tribes』。メイフォローで強い順に全員が出したカードから1枚を選んで取り、そのカードで資源を手に入れ、その資源の組み合わせで勝利点を得るという3段構えの作品。ほしい資源を手に入れるために必要なカードを出しても、ほかの人に取られてしまうかもしれず、テクニカルなプレイが要求される。

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関西のソーシャルゲーム会社「Rezest」は自社Webゲームをボードゲーム化し、『JOLLYROGER 〜大海の覇権〜』というタイトルで発売。デジタルゲームの会社の参入も近年の新しい動きである。

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関西といえば「Boardgame Lab!DDT」のちむ店長のコスプレも名物となっている。

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最後にriver gamesの『魔法陣のルール【仮】』のプロモコスプレ。「【仮】」も本題であるという。

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以上、写真で徒然にレポートしてみたが、会場が大きくなり、参加者が増えたとはいえ、東京に比べれば規模が小さく、その分余裕をもって楽しむことができた。東京では新作のチェックに時間を取られてこうはいかない。前日の「アダルトボードゲームフェス」に参加された方、ネットでしかお会いしたことがなかった方、しばらくぶりに会った方ともお話できてのんびりできたのが良かった。また来年もお会いしましょう!