クアックザルバー(Die Quacksalber von Quedlinburg)

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あと1枚で爆発する!
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旧東ドイツの小都市クヴェードリンブルクで年に1回行われるバザーにて、クアックザルバー=やぶ医者たちが鍋にいろいろなものをぶちこんで万能薬を作るゲーム。今年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされている作品である。作者のヴァルシュは今年、この作品と『ザ・マインド』と『ガンシュンクレバー』をノミネートされ、一躍注目を浴びている。
仕入れた材料を袋に入れて1枚ずつ引いて鍋に入れていく。最初は緑の虫とかぼちゃ、それからかんしゃく玉がいくつか入っており、構成はみんな同じだ。
ラウンドのはじめに「予言カード」を引き、このラウンドのさまざまな恩恵が与えられる。それから全員同時プレイで、自分の袋から材料チップを1枚ずつ引き、鍋に置く。中央に「しずくコマ」のあるマスから、1のチップだったら次のマスへ、2のチップだったら次の次のマスへ。こうして先に進むほど、出来のよい薬ができたことになる。
しかし好きなだけ引いてよいのではない。白のかんしゃく玉が合計8以上になると、鍋は爆発してしまう。その前にどこで止めるか、袋に残っているチップを考慮した冷静な判断と度胸が試される。
全員が引くのをストップするか鍋を爆発させたら、今回の薬の出来栄えを比べる。一番先のマスまで進んでいるとダイスを振ってボーナス。また進み具合に応じてルビーや得点が入り、新しい材料の買い物ができる。
材料は緑の虫とかぼちゃのほかに5種類あり、それぞれゲームごとに効果が変わる。鍋に入れたときに発動するものと、ラウンドの終わりに発動するものがあり、次のラウンドによりよい薬を作るのを助けてくれるだろう(袋から見事引ければの話だが)。
ほかにもルビーを使って「しずくコマ」を進めたり、瓶の薬剤で白のかんしゃく玉を袋に戻したり、得点ビハインドのプレイヤーには「ネズミのしっぽ」のボーナスがあったりするが、ゲームの中心は袋に材料を入れて、そこから引くというものだ。さっき購入した高い材料が出るまで引き続けたい、でも白のかんしゃく玉を引いたら爆発するという状況で、1枚1枚引くのにもついつい気合が入る。
材料の特殊効果の処理もあるが、全員同時プレイなのでプレイ時間は短い。何人でも40分前後といったところ。インタラクションが薄く、運の要素が大きいが、コンボが決まったときの気持ちよさや、数字の高いチップを引けたときの嬉しさはそれを補って余りある。材料の効果と予言カードによって展開も毎度大きく変わるので、リプレイアビリティも高い。
Die Quacksalber von Quedlinburg
ゲームデザイン・W.ヴァルシュ/イラスト・D.ローハウゼン
シュミットシュピーレ(2018年)
2~4人用/10歳以上/45分
アークライトから日本語版発売予定