ガンツシュンクレバー(Ganz schön clever)

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かわいいふりしてあの子

5年前、『クウィックス』がドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされてから、ダイスロール&記入式(Roll 'n Write)のゲームが注目されている。『ヤッツィー(1956)』『ダイスビンゴ(2007)』『ロール・スルージエイジズ(2008)』などそれ以前にも皆無ではなかったが、『クウィックス』以降は毎年10タイトル以上発売されるようになった。

その中で発売されたこの作品が、今年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた。タイトルは「割とやるもんだね」という意味。『クウィックス』よりも確かに選択肢が多く、プレイ時間も2~3倍かかる。ダイスゲームだから運の要素は大きいが、という手があってゲーマーの快楽ポイントを押さえている。

手番プレーヤーは6個のダイスを振り、そのうち1個を選んで自分のシートに記入し、残ったダイスを振って、また1個選び......ということを3回まで行う。選んだダイスより小さい目のダイスは除外されるので、はじめに大きい数字を選んでしまうと残ったダイスが減り、選択肢の幅が狭まる。しかし大きい数字ほど得点につながるので取っておきたいというジレンマがある。

手番以外のプレイヤーは、手番プレイヤーが使わなかったダイスから1つ選んで記入する。あまり大きい数字は残らないが、自分のシートの状況を見て、得点が伸びそうなものを選ぶ。

こうして記入するシートはダイスの色別になっていて、それぞれ得点が入る仕組みが異なる。ビンゴのように縦か横が全部埋まったら得点になる色もあれば、書き込んだ出目がそのまま得点になる色も。

このゲームの醍醐味は、得点だけでなくボーナスが入ってゲームが加速していくところにある。リロールできる、もう1個多くダイスを取れる、別の色のマスを埋められる、色別の得点が倍になるの4つ。後半になるとこれが連鎖して、別の色のマスを埋めたら、その効果でさらに別の色のマスが埋まり、その効果で......という「ずっと俺のターン」が起こる。

ただ調子に乗りすぎて「リロールできる権利」や「もう1個多くダイスを取れる権利」を使い果たすと、終盤どのダイスを選んでも記入できない事態に。ダイス運を上手にコントロールできた人が勝つのだ。

4人プレイで30~40分。連鎖が始まる中盤から、連鎖の処理だけでなく考えどころがぐっと増えてじっくりゲームになる。ダイス目に一喜一憂する醍醐味を残しつつも、ダイスゲームはライトに遊ぶものだという固定観念を打ち破る作品だ。

Ganz schön clever
ゲームデザイン・W.ヴァルシュ/イラスト・L.シファー
シュミットシュピーレ(2018年)
1~4人用/8歳以上/30~45分
メビウスゲームズ:ガンシュンクレバー
お金ないんでルール読んで妄想遊戯:『ガンシュンクレバー』 1人用の無料ブラウザ版で遊ぼう

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