2018年7月アーカイブ

downforceJ.jpgホビージャパンは8月下旬、W.クラマーの往年の名作をリメイクしたオークション&レースゲーム『ダウンフォース(Down Force)』日本語派を発売する。ゲームデザイン・W.クラマー&R.ダビオー&J.D.ジェイコブソン、イラスト・T.コバーン&M.クランプトン、2~6人用、8歳以上、30分、5000円(税別)。

リメイク元は『ニキ・ラウダのF1(Niki Lauda's Formel 1、1980年)』。後にドイツ年間ゲーム大賞を何度も受賞することになるW.クラマーが初めて同賞にノミネートされた作品で、その後、『トップレース(Top Race、1996年)』として再ノミネート。何度もリメイクされて今日に至っている。今回の日本語版はイエロ社(フランス)の2017年版によるもの。

タイトルは空力で走行するマシンを地面に押し付ける力のこと。百万ドルのレースカーがトラックを回る最中に賭け金をつぎ込む。最高の賞金を手に入れるのは誰か。

ラウンドのはじめに手札を見て、どのレースカーが勝ちそうか考え、競りでオーナーを決める。レースカーは、次いで手札のスピードカードを使って進める。3つのチェックポイントで、どの車が上位でゴール通過するかの順位を予想。この予想の当落と、自分の競り落としたレースカーの順位に応じて賞金を獲得する。

各プレイヤーは、移動などのルールを変更する独自の能力カードをもっており、レースを有利に進めることも可能だ。コースはところどころ狭くなっており、「前の車でコースを塞がれると進めない」ルールによって渋滞も発生する。レースの勝敗は、予想だけでなく巧みなコース取りによっても変わるだろう。

コンポーネントも見やすく一新され、カーブひとつ、カード一枚が運命を分ける、友人同士からファミリーまで楽しめる手に汗握るレースゲームだ。

内容物:ゲームボード(両面印刷)1枚、(リバー・ステーションとマリーナ・ベイの各コース)、レースカー駒6個、カード54枚、ドライバータイル6枚、スコアシート1冊 他

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若年層ほどアナログゲームを多く体験、NTTコム調査

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NTTコムは、京都大学・松井啓之研究室と共同で6月に行ったアナログゲームに関するネットアンケート調査結果を発表した。1年以内にアナログゲームを遊んだことがある人が対象で、首都圏の一都三県から20~60代の1059名が回答。

アンケート結果によると、月に1回以上アナログゲームを遊んでいるという人が39%。世代別では20代と30代でアナログゲームを体験している人が多く、子どもの頃に『遊戯王』『ポケモンカードゲーム』『デュエルマスターズ』などTCGを遊んでいた世代がスムーズに移行したのではないかと分析している。アナログゲームを遊ぶ理由として全体的に「楽しいから」「手軽だから」「ヒマつぶしができるから」が上位3位だったが、20代と30代では「人と会話するのが楽しいから」「友達ができるから」という理由が目立つという。

ジャンル別(複数回答可)では「カードゲーム(トランプを含む)」が83%と最多。「ボードゲーム」が次いで58%、「パズルゲーム」が25%という順序。脱出ゲームと人狼がそれぞれ11%となっている。

一緒に遊ぶ人(複数回答可)は家族が67%で最多で、友人55%、職場の同僚12%を超えた。デジタルゲームも遊んでいる人は78%にのぼる。

また、ゲームマーケットに参加経験も尋ねている。参加したことがあるのが全体で14%。若年層ではこの比率がもっと高くなるため、ロジャースの「普及率16%の論理」に基づいて「既に普及が急速に進む段階に入りつつある」と分析している。

母集団が「1年以内にアナログゲームを遊んだことがある人」であることから、その中でのパーセンテージをもって普及しているとするのは尚早かもしれないが、アナログゲーム内の勢力分布を見る上では貴重な資料が提示されたといえる。若年層の台頭によって、ボードゲームは「懐かしの」ではなく、新しいタイプの趣味という認識が広まりそうだ。

NTTコムリサーチ:アナログゲーム(非電源系ゲーム)に関する調査結果

名古屋に8月1日、ボードゲームカフェ「Gnade von KAGURA(グナーデ フォン カグラ)」がオープンする。JR名古屋駅徒歩12分(地下鉄国際センター駅徒歩1分)、12:00~22:00(金土・祝中~29:00)、不定休。

「てーぶるまうんてん」「くいっく・たいむ」「てーぶる・まうんてんふぉう」などレトロゲーム・アニメバーを経営するQTGグループ5号店。店名は「神楽の恩寵」という意味のドイツ語。ボードゲームに特化したカフェバーとして7月のプレオープンから1ヶ月、300種類以上のボードゲームを揃えてグランドオープンする。

席数は1階喫煙10席、2階禁煙25席の計35席で、地元のボードゲーム専門店ゲームストアバネストのおすすめボードゲームの販売も行う。オムライス、パスタ、ピザ、デザート、生ビール、カクテルなどフード&ドリンクメニューも充実している。

料金は1時間500円、ワンオーダー制。フリータイムはワンドリンク付きで22時まで最大10時間2000円、22時から最大7時間2500円。グランドオープンを記念して1日から3日間、22時までのフリータイムが半額となる。

Gnade von KAGURA
名古屋市中村区名駅5丁目16-17花車ビル南館1F5/TEL:052-526-2070
[Web ] [Twitter ]

ボドゲde遊ぶよ!! phase 11-14

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メガハウスは21日、『さけべ!トントンボイス相撲』を発売した。1~4人用、6歳以上、3980円(税別)。

「世界ゆるスポーツ協会」の競技「トントンボイス相撲」をベースに商品化したもの。本体に内蔵された行司の機械音声「はっけよーい、のこった!」の合図とともに対戦がスタート。マイクに向かって「トントン」などの掛け声を発すると、声の大きなプレイヤー側の土俵が振動する仕組み。相手の力士を倒したり、土俵から出したりしたプレイヤーが勝ちとなる。

土俵の仕切り線付近には、西・東にそれぞれ赤・青のLEDが内蔵されており、声に反応して振動しているほうの土俵が点滅する。この状況を見てタイミングよく声を出し、力士を戦略的に振動させる。また、対戦中は「のこったのこった」などの行司の掛け声とともにBGMが流れ、対戦を盛り上げる。

相手の長所しか口にすることができない「ほめて!カード」や、ダジャレしか口にすることができない「ダジャレカード」など、発する言葉を制限することができる「特別ルールカード」が18枚付属。CPU対戦、マイクを共有するチーム戦、トーナメント戦なども遊べる。

また、相撲取りだけでなく金太郎やサラリーマンなどバラエティ12体と、写真やシールを貼ったりイラストを書き込んだりできる無地の力士も入っている。印刷用無料ダウンロードコンテンツ配信サイト「プリふれ」にてペーパークラフトコンテンツとして限定力士・デコパーツ・追加ルールも公開されており(LINK link)、楽しみ方を広げられる。

内容物:本体1台、マイク2本、力士12体、無地の力士4体、行司1体、特別ルールカード18枚、軍配チップ6枚、キャラクターチップ12枚、シールシート1枚。

オインクゲームズは8月4日、カードゲーム『トマトマト』『フロッサムファイト』を発売する。『トマトマト』はゲームデザイン・加藤大晴、3~6人用、6歳以上、20分、2200円(税別)。『フロッサムファイト』はゲームデザイン・マルタトモユキ、3~6人用、8歳以上、30分、2200円(税別)。本日18時から、東京・上野のボードゲームカフェ「コロコロ堂」にて、特別価格で先行販売される。

『トマトマト』は創作ゲームサークル「BGLAB(ビージーラボ)」がゲームマーケット2018春に極小部数出展したカードゲーム。「トマト」「マト(的)」「マ(魔)」「ト(戸)」の4種類のカードを1人ずつめくって並べ、すべてのカードをひといきに読みあげる。はじめは「トマト」だけなのが、次第に「トマトト!」「トマトトマトママトマ!」と難しくなっていく。うまく言えると気持ちよく、うまく言えないのもおかしい、大笑いして遊べるパーティゲームだ。

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『フロッサムファイト』はボードゲームショップ「ケンビル」がゲームマーケット2017秋に出展した『バイバイレミング』のリメイク&海外版。テーマが変わって、探検家たちが沈み始めた船から脱出ボートに財宝を移すゲームとなった。財宝にも脱出ボートにも数字が書かれており、財宝はその約数が書かれたボートにしか積むことができない。積み込みやすさの違うさまざまなカードをうまく見きわめて、相手を出し抜き自分の財宝をすべて積み込むことができるか、駆け引きが熱いカードゲームだ。

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『新作先行販売&体験イベント
ーふたつの新作に出会う夏ー』を開催します。会場では、この夏発売の新作ボードゲーム『トマトマト』『フロッサムファイト』の2作を同時先行販売いたします。

発売を記念して本日、東京・上野のボードゲームカフェ「コロコロ堂」で新作先行販売・体験イベントが行われる。18:00~20:45、入場無料。その後21時から、チャリティオークションが開催される。絶版の『スタンプス』や作者サイン入り『モダンアート』などレアな品物が出品され、落札金額は全額西日本豪雨の義援金に寄付されることになっている。司会はほらボド!のmomi氏。こちらはウェブサイトから要事前申込。

3つ以上のコミュニティに響くかどうか

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『どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた』(石川善樹・吉田尚記、KADOKAWA)で流行の話が出てくる。エンタテインメント業界は「いかに流行をつかむか、つくるか」が肝で、社会学者M.グラノヴェッターの「弱い紐帯の強み」=新しい情報はオピニオンリーダーよりも弱いつながりから入ってくるという説を紹介している。

その後で石川氏が、人がクチコミを信じる条件として、3つくらいの別々のコミュニティから薦められると乗っかる可能性が高くなるという見解を出している。例えば音楽業界でアニソンは売れると言われているのは、作品のファン、主題歌を歌うアーティストのファンをすでに持っており、もう1つのコミュニティに響くだけでよいからではないかという。複数ノコミュニティが単純にコラボするのではなく、何らかの接点を見つけることでヒットする。

だから何か企画を考えるときは、「これは異なる3つのコミュニティにウケるか」という視点をもつのは、いい気がしますね。

この話を、ボードゲームに落とし込めないか考えている。ボードゲームにはまず、ボードゲーム愛好者というコミュニティが確かに存在するが、それだけでは広がらない。ボードゲームカフェにコアなボードゲーム愛好者はなかなか行かないものである。遊ぶゲームはたくさん所有しており、遊ぶ場所も自宅なり、公民館なり安く確保でき、仲間もクローズで集められるからだ。だから長らくボードゲームは「密かなブーム」であり続けてきた。

そうなるとあと2つ、ボードゲームを支持している(または支持しうる)コミュニティは何か。

ひとつはカップル(既婚・未婚)という最小のコミュニティである。彼女たちは2人で一緒に過ごすツールとして、映画・カラオケなどと並んでボードゲームを支持する。2人専用ゲームがコアなボードゲーム愛好者はなかなか遊ばないのに好調なのは、このコミュニティの影響力にちがいない。カップルは、ボードゲームカフェにもよく訪れ、水入らずでボードゲームを楽しんでいる。

次に、アナログゲーム系のコミュニティとして、TCG、TRPG、謎解きゲーム、人狼などの愛好者には、ボードゲームも支持する人も多い。『ドミニオン』、ダンジョン・SFもの、『EXIT』『アンロック』シリーズ、正体隠匿ゲームなど、橋渡しをするボードゲームが数多く存在することで流入が容易になっている。ボードゲームカフェにも、彼らのような愛好者向けのイベントを企画しているところもある。

サブカル系(特撮、アニメ、アイドルなど)や、オタク系(パソコン、コンピュータゲーム、クイズ、模型、鉄道、格闘技など)のコミュニティもボードゲームと相性がいいようだ。こちらは特定のボードゲームが橋渡しをしているというわけではなく、フェティシスティック・マニアックな楽しみ方ができるという共通性で支持を集めているといえる。

また、『プレイジデントファミリー』などの教育雑誌でボードゲームがたびたび取り上げられていることから、親子や子どものコミュニティにもウケているといえる。幼稚園や保育園、小中学校、学童保育、子ども会などで活用されるケースも増えてきている。

現時点ですでにこれら複数のコミュニティがボードゲームを同時に支持し、それが一定のブームを生んでいると見られるが、ほかにも今後ボードゲームを支持しうるコミュニティはないだろうか。高校・大学生、企業・団体、ボランティア組織、女性団体、高齢者団体といったところも徐々にではあるがボードゲームを受容しつつある。ボードゲームカフェでは学割を導入したり、出前したり、イベントを打ち出しているところもある。これが広がれば、職場の同僚と、家族と、近所の人がボードゲームを同時に薦めてきてやってみたくなるということが起こるのかもしれない。

アークライトは8月30日、火星開拓ボードゲーム『テラフォーミング・マーズ』の拡張ボード『ヘラス&エリシウム(Hellas & Elysium)』と、拡張セット『ヴィーナス・ネクスト(Venus Next)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・J.フリクセリウス、イラスト・1~5人用、12歳以上、90~120分、各3200円、2300円(税別)。プレイするためには『テラフォーミング・マーズ』基本セットが必要。

tm-heJ.jpg『ヘラス&エリシウム』は、『テラフォミング・マーズ』の拡張第一弾として2017年夏に発売された。大いなるヘラス平原や海洋タイルを配置できる南極が含まれる「ヘラス」と、太陽系最高峰のオリンポス山からエリシウム山までを含む「エリシウム」の両面仕様の拡張マップである。基本セットのゲームボードと差し替えて使用し、配置ボーナスや海洋予定地の構成が変更され、称号と褒賞も完全に差し替わって、火星の未知なる面に挑む。

内容物:ゲームボード(両面)1枚

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tm-vnJ.jpg『ヴィーナス・ネクスト』は、続いて2017年秋に発売された拡張第二弾。金星のテラフォーミングを進め、太陽系の内惑星に新たなる都市を配置する。新規のプロジェクト、企業、それに金星特有の称号と褒賞が導入される。灼熱の地表から遠く離れ、上空の腐蝕性の雲の中で浮遊都市を建造し、温室効果の軽減のために日光を遮り、この惑星に生命を導入しよう。金星の開拓は、火星のテラフォーミングにも役立つのだ。

内容物:プロジェクト・カード49枚、企業カード5枚、滞空卿の称号タイル1枚、金星王の褒賞タイル1枚、金星ボード1枚、金星評価マーカー1個、ルール説明書1冊(カードサイズ:88×63mm)

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『ウノ』の次はこれ!『ドス』日本語版、8月上旬発売

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マテル・インターナショナルは8月上旬、カードゲーム『UNO(ウノ)』の兄弟となる新しいカードゲーム『DOS(ドス)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・N.ヘイズ、2~4人用、7歳以上、30~45分、1000円(税別)。

スペイン語で「2」を意味するタイトルの通り、「2」をテーマにしたカードゲーム。『ウノ』と同じゴーアウト系(手札を先になくしたら勝ち)だが、場のカードが2つになり、カードの数字の合計が場のカードと一致するときに2枚一緒に捨てることができる。また、最後の2枚になったときに「ドス!」と叫ばなければならない。

手番には、2つの場札のいずれか、または両方に対し、手札から同じ数字のカードを出すことができる。1枚が色も数字も同じだった場合にはボーナスとして手札から1枚を捨てることができ、2枚とも同じだと、さらにほかのプレイヤーに1枚引かせることができる。

どんな数字にもなれる「ワイルド#」カードや、何色にもなれる「ワイルドDOS」カードも入って手札マネージメントの要素が上がり、『ウノ』とは異なる戦略性のある作品だ。

『ウノ』の発売から今年で47年。今後『トレス』『クアトロ』とシリーズ化されていくのか気になるところだ。

暗号通信ゲーム『デクリプト』日本語版、8月中旬発売

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decryptoJ.jpgすごろくやは8月中旬、『デクリプト(Decrypto)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・T.ダジュネ=レスペオンス、イラスト・F.ファルシオンほか、3~8人用、10歳以上、30分、2800円(税別)。8月5日に東京・浅草橋で開かれる「すごろくや祭」で先行販売される。

ゲームは2チームの対抗戦。1番から4番のキーワードに対し、チームの代表1名が今回の「コード」(1~4からランダムに3つを並べたもの)を受け取る。そしてそのコードがどれを指しているかを、「暗号」=連想ヒントを出してチームのメンバーに当ててもらう。

分かりやすい連想ヒントを出すと相手チームに読み取られてしまうし、分かりにくすぎると自分のチームにも伝わらない。まさに暗号(クリプト)通信の難しさをコミュニケーションゲームに仕立てている。

ル・スコーピオンマスク(カナダ)から今年発売された作品。9カ国での発売が決まっている話題の作品だ。日本語版では、カードのテキストが全て日本語化されると共に、日本では馴染みのないものについてはローカライズも行われている。

カードを差し込むと文字が浮き出るレトロなコンピュータ風のコンポーネントも魅力的な作品だ。

すごろくや:デクリプト / Decrypto

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ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)選考委員会は本日10時30分(日本時間の17時30分)、ベルリン市内のホテルにて今年度大賞の発表と授賞式を行った。5月に発表されていた(TGiWニュース )各3タイトルのノミネート作品から、大賞には『アズール』、エキスパートゲーム大賞には『クアックザルバー』が選ばれた。

ボードゲームジャーナリストやボードゲーム評論家の審査員10名が授賞式の前夜に投票して大賞を決定する。当日はノミネート作品のデザイナー、イラストレーター、出版社の代表が招かれ、それぞれ3タイトルのノミネート作品を順番に紹介した後、大賞が発表された。

先に紹介されたのはエキスパートゲーム大賞。8回目の大賞に選ばれたのは『クアックザルバー』。オーストリア人デザイナーのヴァルシュ氏がデザインしたゲームで、袋から材料を引いて薬を作る。審査委員会は「ランダムに引いた材料で料理するのは、味の爆発と感情の花火をもたらす。他人の不幸の喜び、喜怒哀楽が間髪おかず次々と訪れる。これは運だけのゲームではない。デザイナーのヴォルフガング・ヴァルシュ氏は絶妙な基本レシピによって、プレイヤーにたくさんの選択肢を与える。こうして袋から引いて作るスープが、ボードゲームグルメにとって美味しい料理になるのである」とコメントしている。

TGiWレビュー:クアックザルバー(Die Quacksalber von Quedlinburg)

そして赤ポーン、ドイツ年間ゲーム大賞の発表となり、今年の大賞には『アズール』が選ばれた。ポルトガルの王様の命令で宮殿の美しい壁を作るゲームで、ドイツ人デザイナーのM.キースリング(写真下でインタビューをうけている方)がデザインし、プランBゲームズ(カナダ)が発売した。フランス年間ゲーム大賞も受賞しており、大方の予想通りの結果となった。

審査委員会は「アブストラクトゲームでありながら、おそらく相反するものを統合している。ゲームボードのほとんど無味乾燥な機能性が、対応するモザイクのすばらしい美術性と見事な対照をなしている。タイルの手触りが価値のある印象を強める。用具だけでも鑑賞に堪えるだけでなく、デザイナーのミヒャエル・キースリング氏がシンプルな選択のメカニズムで奥深さを与えるという匠の技を発揮し、尽きることなく繰り返し遊びたくなる魅力を生み出している」とコメントしている。

TGiWレビュー:アズール(Azul)

ドイツ年間キッズゲーム大賞の発表は先月11日に発表され『ドラゴンズブレス』が大賞に選ばれている(TGiWニュース )。

『アズール』はホビージャパンから日本語版が発売されており、『クアックサルバー』はアークライトが日本語版を発売する予定となっている。

Spiel des Jahres e.V.:Azul ist das Spiel des Jahres 2018!
Spiel des Jahres e.V.:Die Quacksalber von Quedlinburg ist das Kennerspiel des Jahres 2018

ボードゲーム婚活イベントレポート

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地元の居酒屋で行われた山形県長井市のボードゲーム婚活イベントに、スタッフとして参加してきた。これまでも婚活イベント内で軽くボードゲームを遊んでもらうことはあったが、メインになったのは初めて。前もって会場で市の担当者や居酒屋の店主と共に綿密な打ち合わせを行い、練りに練ったイベントである。

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参加者は20~35歳で募集し、男性11名と女性7名が参加。18名をくじ引きで6名ずつ3テーブルに分け、あいさつもそこそこにボードゲーム開始。今回選んだのは『クイズいいセン行きまSHOW! 恋愛編』『アンガーマネージメントゲーム』『プライバシー日本版(ただしエロ系は控えめ)』の3タイトルである。コミュニケーション主体で、参加者の価値観や来歴が垣間見えるものを選んだ。

30分でテーブルをシャッフルして(2ゲーム目、3ゲーム目にどのテーブルに行くかも最初のくじ引きで決定しておいた)、1時間半で3ゲーム。ゲームは15分ぐらいでやめるようにして、後はゲームの感想も交えて歓談してもらうようにした。ゲーム会あるあるとして、ゲームはすごく楽しかったが、一緒に遊んだ人が誰だったかよく覚えていないというがある。そうならないように心がけた。歓談の時間に合わせてスナックやピザを提供(飲み物はフリードリンク)。

次に行ったのは『長所マッチングゲーム』。ゲームマーケットで入手した『コルクラボの一歩深まるアイスブレーク集』に収録されていたものである。今回は異性の数だけ空白の名刺カードを封筒に入れて渡し、全員の異性と話をしてそれぞれ共通する長所を探り、その長所と自分の名前を書いて交換して、全員の名刺を集めるというルールにした。終わった人からメインディッシュのスペアリブが食べられる。

1回3~5分のお見合い回転寿司と比べると、気に入った人とはゆっくり話し、そうでない人とは早めに切り上げることができ、お互いに共通する長所を探すことで趣味や性格の話でポジティブに盛り上がれる。この前に遊んでいたボードゲームからの流れでノリもよく、終始和やかな雰囲気となった。

さらにこの全員から集めた名刺に、連絡先を交換してもいいという人に◎、気になった人に○をつけておいてもらい、返却された封筒から歓談中に集計。◎同士だった人と、自分が○で相手が◎だった人の名刺だけを封筒に入れて返却した。自分の封筒を開けて、相手のところにいって連絡先を交換するかどうかは自由である。婚活イベントでよく行われる告白タイムやカップル発表は、選ばれなかった参加者にとって酷なので行わない。

名刺の入った封筒を返却して閉会となったが、参加者はその後もほとんど帰らず、連絡先を交換するだけでなく、おしゃべりに花を咲かせていた。こっそり結果を返したことが奏功したようだ。

スタッフや居酒屋の店主さんの話から、今回良かった点として、35歳という上限を設けたことでみんな元気で積極的に参加できたこと、コミュニケーション主体のボードゲームで初対面でも打ち解けられたこと、『長所マッチングゲーム』で全員と好きなだけお話できたことなどが挙げられた。私としては、ボードゲームをもっともっと遊んでもらいたいという気持ちを我慢して、歓談の時間を多く取れたのが良かったと思う。おそらく今後も、このパターンで定期的にボードゲーム婚活イベントが開かれていきそうだ。

『レッドドラゴン・イン3』日本語版、8月23日発売

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reddragoninn3.jpgアークライトは8月23日、独立型拡張セット『レッドドラゴン・イン3(The Red Dragon Inn 3)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・G.ボットン&J.モロー&C.ボーム、イラスト・、2~4人用、13歳以上、30~60分、4500円(税別)。単体でも、ほかのレッドドラゴン・インシリーズと合わせて5人以上で遊ぶことができる。

一昨年にカナイセイジ氏の翻訳で日本語版が発売された『レッドドラゴン・イン』の続編で、オリジナルは2011年にスラグフェストゲームズ(アメリカ)から発売された。

日中迷宮を進み、モンスターを倒して持ち物を奪ってきた冒険者たちが、酒場宿「レッドドラゴン・イン」で飲んで賭けての大騒ぎをするゲーム。金貨を盗まれないように注意して、最後まで意識と金貨を保っていられるのは誰か。

新しいキャラクターとして修繕屋のウィズジル、調合の達人フレンク、はぐれ者のケイリン、敬虔なセレナが登場。1と2のキャラクターを組み合わせて遊ぶこともできる。

内容物:カード類計243枚(プレイヤーデッキ40枚×4、飲み物カードデッキ30枚、ポーションカードデッキ18枚、歯車カードデッキ18枚、ウルフリックカードデッキ12枚、セレナの信仰心カード1枚、早見表4枚/カードサイズ:88×63mm)、セレナの信仰心マーカー1個、プレイヤーマット4枚、耐久力マーカー4個、酩酊マーカー4個、金貨50枚、ルールブック1冊、キャラクター解説書1冊

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納期まで時間がなくて・・・夏

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テンデイズチームも大わらわのようだが、今月はボードゲームの日本語版制作者にとって、一年で最も忙しい時期となっている。当サイトの管理人も、非常にタイトなスケジュールで翻訳と校正が入っており、睡眠時間を削って対応している。

当サイトの管理人は主に、ドイツの出版社のボードゲームを翻訳することが多い。ドイツの出版社だからドイツ語というのは昔の話。今ではドイツの出版社でも英語のルールが優先となっている。ある出版社から、英語のルールとドイツ語のルールで違いがある場合、英語のルールを採用するように指示された。ドイツ語から翻訳できないのは少々寂しくもある。

英語も以前はドイツ語から機械翻訳した感じだったが、この頃はすごくこなれている。もしかしたら最初に英語ルールを作って、それからドイツ語訳しているのかもしれない。レイアウトも、英語ルールのほうが整備されており、ドイツ語ルールは手抜き感が漂うこともある。

英語優先になった理由は明白である。数年前まで10月のシュピール(ドイツ・エッセン)に合わせて多くの出版社が新作をリリースしていたのが、最近は8月のジェンコン(アメリカ・インディアナポリス)に合わせるようになってきている。英語版か、英語を含む多言語版を先に作らなければならないが、ドイツ語版はその後でも間に合う。

秋の新作ではなく夏の新作になったことに加え、日本市場の拡大に伴い、日本語版が前倒しで制作されるようになったのも大きい。以前であればシュピールでの評判を参考にして、初めは輸入版で様子を見て、売れ行きが良ければ日本語版に切り替えるということがよく行われていたが、そうこうしているうちに次の新作が出てしまって話題性が薄れるのが現状。そこで最も早いパターンであるオリジナル版と同時制作を目指すことになる。

というわけで海外の出版社も日本の輸入代理店も大急ぎでボードゲームを進めているこの時期。ドイツ年間ゲーム大賞のT.フェルバー氏が「納期を急ぐあまりルールの分かりやすさや漏れのないことに十分な注意が払われていない」と嘆いたのは、ドイツの出版社に限った話ではない。短い納期でも何とかエラッタを出さないで済むように、神経をすり減らす日々が続く。

archaeology-newJ.jpgホビージャパンは8月下旬、『考古学カードゲーム(Archaeology: The New Expedition)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・P.ウォーカー=ハーディング、イラスト・A.カナーニ、2~5人用、10歳以上、30分、2200円(税別)。

『クマ牧場』や『イムホテップ』など、骨太のドイツゲームテイストで人気のあるオーストラリア人デザイナー・ウォーカー=ハーディングのデビュー作を2016年にズィーマンゲームズがリメイク。旧版からイラストが変わっただけでなく、テント、6種類の遺跡、新たな工芸品が加わった。

プレイヤーは古代の遺跡を発掘する考古学者となり、財宝を発見して博物館に売却し、それによって最も多くのお金を得る。手番には山札からカードを1枚引いて、財宝や地図ならば手札に入れ、泥棒ならばほかのプレイヤーの手札から盗み、砂嵐なら全員の手札が半減する。その後、手札と場札を交換したり、地図で遺跡を調査したり、財宝のセットを作って博物館に売却したりする。ゲーム終了時に最も多くのお金を持っているプレイヤーが勝者。

泥棒や砂嵐のリスクを考えて、どこまで財宝を集め、どの時点で売却するか、スリルあふれる発掘が楽しめるカードゲームだ。

内容物:カード106枚、遺跡タイル6枚、ルールブック

熊本にボードゲームバー「Bar Delfin」7月16日オープン

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熊本に7月16日、ボードゲームと謎解きゲームが楽しめるバー「Bar Delfin(バー・デルフィン)」がオープンした。路面電車花畑町電停徒歩2分、21:00~30:00(昼間の時間外団体予約も応相談で可)、不定休。

ボードゲームに興味をもっている人を趣味として根付かせるため、その人にあったゲームのチョイスと、しっかりしたインストを心がける。カウンター5席、テーブル8席でボードゲーム40種類(近日中に60種類)が遊べる。初心者やライト層向けのルールが簡単なゲームが多め。

料金はフリードリンク制で平日1時間1500円、金土祝前日1時間2000円(女性1500円)で1時間毎に700円プラス(5時間まで)。飲み物はウイスキー3種、ビール2種、焼酎4種、カクテル5種、ソフトドリンク10種が用意されている。

岡店長によると、ゲームを前面に押し出さず、従来の愛好者も初めての方も一緒に楽しめるようなお店を目指すという。今後はフォロワー向けの特典や、常連さんが増えればゲーム会の日を設けることも検討している。

Bar Delfin
熊本市中央区花畑町12-8 銀杏会館2階
[Twitter ]

whooshJ.jpgアークライトは8月23日、『ウーシュ!!:ぼくら幻獣バスターズ(Whoosh: Bounty Hunters)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・T.K.マヴラガニス、イラスト・T.ラレク、2~8人用、8歳以上、10分、2700円(税別)。

アーティピアゲームズ(ギリシャ)から昨年発売された判断とスピードのアクションゲーム。王国のいたるところに現れたかわいいモンスターたちを捕まえよう。

各プレイヤーは自分の前に攻撃カードの山札をもっている。中央にはモンスターカードが3つの山札になっており、1枚ずつ表になっている。モンスターによって、捕まえるために必要な武器や呪文が異なる。プレイヤーは山札から攻撃カードをめくっていき、表になっている攻撃カードの組み合わせでモンスターを捕まえられると思ったら、すばやくそのカードに手を乗せる。先に手を乗せたプレイヤーがモンスターを捕まえて得点になる。お手つきは減点。

こうしてモンスターカードの山札がなくなったらゲーム終了で、得点の最も高いプレイヤーが勝利する。モンスターによってはたくさんの攻撃カードが必要になるものもあり、しかも常に複数のモンスターがいることで、なかなか手こずりそうなパターン認識ゲームだ。

内容物:モンスターカード36枚(カードサイズ:80mm×120mm)、攻撃カード108枚(カードサイズ:80mm×80mm)、ルール説明書1枚

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栃木・雀宮に7月9日、ボードゲームカフェ「キャット」がオープンした。JR雀宮駅徒歩10分、13:00~23:00、不定休。

友達の家みたいに気楽にワイワイ遊べるお洒落なカフェ。10席で130種類のボードゲームが遊べる。オープンキャンペーンでチャージ料無料、ワンオーダー制。飲食メニューはソフトドリンク、カクテル、つまみなどが300円から。そのほかの食事メニューも開発中。

店主のおやつ大根氏は以前、ひきこもり学生の支援施設に参加していたとき、ボードゲームをきっかけに子どもたちが仲良くなった経験から、人と人とをつなぐことができるボードゲームカフェの開店を決めた。近くにはあまり遊ぶところがないため、子どもたちが集まれるような場所も目指す。

現在、栃木県内で営業中のボードゲームカフェ・プレイスペースとしては、昨年8月に宇都宮の「こみゅにてぃスペース with U」が閉店したため、キャットと小山のジェリージェリーステーションの2店舗(日光のよろずや食堂を入れれば3店舗)となっている。

キャット
栃木県宇都宮市雀宮1-22-17
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coimbraJ.jpgホビージャパンは8月中旬、『コインブラ(Coimbra)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・V.ギグリ&F.ブラシーニ、イラスト・C.クイリアムス、2~4人用、14歳以上、90~120分、6500円。

昨年プランBゲームズ(カナダ)に合併したエッガートシュピーレ(ドイツ)が送るゲーマーズゲーム。デザイナーは『ロレンツォ・イル・マニーフィコ』を作ったイタリア人コンビだ。中世ポルトガルを舞台に、ダイスドラフト、カードの入札、探検の資金調達などさまざまなゲームメカニズムが組み合わせられている。

時は大航海時代。その主役だったポルトガルでは、大都市ポルト、リスボンと共に、有名な大学があるコインブラが文化の中心として賑わっていた。プレイヤーはコインブラで最も裕福な一族の長として名声を競う。そのため精鋭護衛隊を使い、聖職者、学者、評議会議員、商人の確固とした好意を集めなければならない。

金銭的収入の増加、新たな護衛の雇用、学業の振興、周辺の修道院との関係向上、この時代の航海への投資と勝利のための道筋はたくさん用意されているが、どれに注力しようとも、ゲームのたびに変わる相乗効果を見出さなければ勝者にはなれない。革新的なダイスシステムで、プレイヤーがドラフトしたダイスによって手番順や賄賂の金額だけでなく収入まで決められる。場面に応じたダイスを選択し、全4ラウンドで最も多く名声点をあげるプレイヤーは誰か。

修道院タイルと航海カードの組合せはゲームごとに変わり、絶えず変化するダイス目も加わって、毎回異なるゲーム展開が楽しめるこの夏の新作、早くも登場だ。

内容物:ゲームボード1枚、プレイヤーボード4枚、ダイス13個、修道院タイル24枚、航海カード15枚、人物カード56枚、恩恵タイル4枚、王冠トークン4枚、影響力得点計算タイル4枚、ダイスホルダー12個、ディスク100枚、巡礼者駒4個、ライオン駒4個、マーカー8個、ダイストークン5枚ほか

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ウェルカム・トゥ......(Welcome To...)

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住みよい街をめざして

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めくられたカードの数字を書き込んで、住みよい街を作るフランスの紙ペンゲーム。『ストリームス』のような同時プレイスタイルで、プレイ人数を問わず何人でも遊ぶことができる。1950年台のアメリカのレトロな雰囲気が、単なる数字合わせ以上の没入感を生み出している。

場には3つの山札があり、それぞれカードをめくって数字とジャンルの組み合わせが3つ作られる。各プレイヤーはこれを見て、3つの中からどれかを選んで自分のシートに書き込む。数字は3列ある家のいずれかに昇順に記入し、さらにジャンルに応じてチェックを付ける。

ジャンルは測量技師、不動産業者、造園業者、プール製造者、派遣業者、「2ヶ所」の6種類。測量技師は家と家の間にフェンスを作って団地を作る。不動産業者は団地の得点を上げ、造園業者は公園、プール製造者はプールを作って得点を増やす。派遣業者は数字を調整でき、「2ヶ所」は2マスに同じ数字を書ける。

昇順に数字を記入していくと後半はだんだん書き込めなくなってくるが、3択あるところが手詰まりを緩和させている。数字をどのあたりに書き込むかという悩ましさに加え、この3択の悩ましさがゲームに熱中させる要素だ。「この数字を書きたいけど、測量技師も取りたいところ。どうしよう!」

悩ましい分、インスト時間・プレイ時間も紙ペンゲームとしては長め。『ガンツシュンクレバー』と比肩しうる、遊びごたえのある作品だ。

Welcome To...
ゲームデザイン・B.チューパン/イラスト・A.エーズィック
ブルークッカーゲームズ(2018年)
1~100人用/10歳以上/25分

ボドゲde遊ぶよ!! phase 11-13

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マテル社は7月下旬、2人用ゲーム『リング迷路(Trailmazer)』『ボルテージ(Voltage)』日本語版を発売する。ともに10歳以上、15分、2200円(税別)。

同時発売となる2人用ゲーム『ブロックス・デュオ』と同じサイズでリリースされる2タイトル。『リング迷路』はユルゲン・ヘール氏の作品で、自分の色のリングを1つ投入し、スタートからゴールの対辺まで先につなげたプレーヤーが勝つアブストラクトゲーム。リングは縦横に押し込まれると移動するので、相手のルートを分断したり、その分断を先読みして別ルートを開拓したりする必要がある。

『ボルテージ』は電流がテーマにしたブライアン・ユー氏の2006年の作品。「+」「-」が書かれたターミナルブロックをボードの中央に置き、1~3の数字カードをブロックの色に合わせて縦に並べ、5枚になったら数字の合計とブロックの「+」「-」によって勝敗が決まる。「+」「-」を反転させる「トランスフォーマー」やカードを移動させられる「バイパスカード」、カードを捨てられる「ブラウンヒューズカード」などがあって戦略が求められる。

マテル:ウノやブロックスで大人気のマテルゲームより子供から大人まで楽しめる待望の2人対戦用ボードゲームが新登場!「ブロックス デュオ」7月下旬より発売

GM2018春:新作評価アンケート結果発表、1位は『Alpenzian』

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ゲームマーケット2018春(5月5-6日、東京ビッグサイト)で発表された新作の評価アンケート結果が本日、事務局から発表された。555名が投票し、425タイトルの新作の中から評価平均1位は『Alpenzian(アルペンツィアン)』(梟老堂)、評価数1位は『すずめ雀』(すごろくや+しのうじょう)となった。

新作評価アンケートはゲームマーケット終了後約1ヶ月にわたってウェブ上で行われた。Googleアカウントがあれば誰でも投票でき、各ゲームを5段階で評価したものを、とても面白い=5~全く面白くない=1として数値化してランキングした。

評価平均1位となった『Alpenzian』はオランダのゲームデザイナーが制作した作品"Sunflower Valley"のリメイク。サイコロを振り、出目のアイコンに応じた絵を自分のプレイヤーシートに描きこんで街を作るゲームで、山と花、家と羊、線路をつなぐことで得点を競う。2位の『シープマッチ』はチームで羊を逃がすカードゲーム。3位の『まじかる☆ベーカリー』はダイス目を魔法で操作してパンを作るカードゲーム。評価数ではすごろくやの『すずめ雀』がオインクゲームズの『ふくろと金貨』を抜いて1位となった。それぞれのランキングは以下の通り。

また、得票数が規定に及ばなかったものの、平均評価が高かった作品として『ガブル -GABURU-』(プレイマーケット)、『マンチェスターレイルロード(And You)』、『はっけよいゲーム』(米光と優秀なゲームデザイナーズ)、『エクストリームス』(サイ企画)、『Marché de France』(慶應大学Head Quarter Simulation Game Club)が挙げられている。

事務局では今回、対象作品への投票において著しい偏りが見られたとして6タイトルを参考評価とし、ランキングから除外した。またタイトル数の急増に伴い、投票づらくなっていることから、次回から新投票システムの導入を検討している。

【ゲームマーケット2018春:新作評価アンケート結果】
1.Alpenzian(梟老堂)4.40/57(評価数5位)
2.シープマッチ(たま々)4.32/38(評価数10位)
3.まじかる☆ベーカリー(Magi Inc.)4.31/29
4.ペーパーテイルズ(engames・日本語版)4.26/27
5.□□○○○(一年中未来)4.21/33
6.Blade Rondo(Domina)4.21/29
7.東京サイドキック(リトルフューチャー)4.18/45(評価数7位)
8.さけのぼり(こぐまやん)4.16/62(評価数4位)
9.たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ。(CRIMAGE)4.08/36
10.グラバー(New Games Order)4.06/49(評価数6位)
11.バスルートをつくろう(Saashi & Saashi)4.03/39(評価数9位)
12.ストックホールデム(OKAZU brand)3.96/27
13.HIKTORUNE (ヒクトルーン)(こぐま工房)3.94/31
14.すずめ雀(すごろくや+しのうじょう)3.77/91(評価数1位)
15.ボブジテンその3(TUKAPON)3.76/33
16.ハピエストタウン(さとーふぁみりあ)3.74/70(評価数3位)
17.アネクトパンチ(グランドアゲームズ)3.54/26
18.ふくろと金貨(オインクゲームズ)3.49/74(評価数2位)

ゲームマーケット公式:【結果発表】2018春 新作評価アンケート
TGiW:GM2018大阪新作評価アンケート結果、1位は『ダンコロ』
TGiW:GM2017秋新作評価アンケート結果、オリジナル1位は『戦国ドミノ』

ガンツシュンクレバー(Ganz schön clever)

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かわいいふりしてあの子

5年前、『クウィックス』がドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされてから、ダイスロール&記入式(Roll 'n Write)のゲームが注目されている。『ヤッツィー(1956)』『ダイスビンゴ(2007)』『ロール・スルージエイジズ(2008)』などそれ以前にも皆無ではなかったが、『クウィックス』以降は毎年10タイトル以上発売されるようになった。

その中で発売されたこの作品が、今年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた。タイトルは「割とやるもんだね」という意味。『クウィックス』よりも確かに選択肢が多く、プレイ時間も2~3倍かかる。ダイスゲームだから運の要素は大きいが、という手があってゲーマーの快楽ポイントを押さえている。

手番プレーヤーは6個のダイスを振り、そのうち1個を選んで自分のシートに記入し、残ったダイスを振って、また1個選び......ということを3回まで行う。選んだダイスより小さい目のダイスは除外されるので、はじめに大きい数字を選んでしまうと残ったダイスが減り、選択肢の幅が狭まる。しかし大きい数字ほど得点につながるので取っておきたいというジレンマがある。

手番以外のプレイヤーは、手番プレイヤーが使わなかったダイスから1つ選んで記入する。あまり大きい数字は残らないが、自分のシートの状況を見て、得点が伸びそうなものを選ぶ。

こうして記入するシートはダイスの色別になっていて、それぞれ得点が入る仕組みが異なる。ビンゴのように縦か横が全部埋まったら得点になる色もあれば、書き込んだ出目がそのまま得点になる色も。

このゲームの醍醐味は、得点だけでなくボーナスが入ってゲームが加速していくところにある。リロールできる、もう1個多くダイスを取れる、別の色のマスを埋められる、色別の得点が倍になるの4つ。後半になるとこれが連鎖して、別の色のマスを埋めたら、その効果でさらに別の色のマスが埋まり、その効果で......という「ずっと俺のターン」が起こる。

ただ調子に乗りすぎて「リロールできる権利」や「もう1個多くダイスを取れる権利」を使い果たすと、終盤どのダイスを選んでも記入できない事態に。ダイス運を上手にコントロールできた人が勝つのだ。

4人プレイで30~40分。連鎖が始まる中盤から、連鎖の処理だけでなく考えどころがぐっと増えてじっくりゲームになる。ダイス目に一喜一憂する醍醐味を残しつつも、ダイスゲームはライトに遊ぶものだという固定観念を打ち破る作品だ。

Ganz schön clever
ゲームデザイン・W.ヴァルシュ/イラスト・L.シファー
シュミットシュピーレ(2018年)
1~4人用/8歳以上/30~45分
メビウスゲームズ:ガンシュンクレバー
お金ないんでルール読んで妄想遊戯:『ガンシュンクレバー』 1人用の無料ブラウザ版で遊ぼう

福岡西新で「ボードゲームフェスタ7」、7月15日開催

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7月15日(日)、福岡・西新パレス(地下鉄西新駅徒歩1分)にて、「ボードゲームフェスタ7」が開催される。10:00〜19:00、入場料1000円(公式物販500円引き券付き)。

7回目となる九州地方最大のボードゲームイベント。試遊や購入を楽しめるほか、会場内イベントがたくさん用意されている。11:00から井尻サイコロ塾・財津塾長による講演「ボードゲームと学びについて」、13:30からポッドキャスト「おしゃべりサニバ」公開収録、14:30と17:00から人狼ゲーム、16:00から「ナンバーナイン王者決定戦!」。

公式物販はボードゲームショップagletの出張販売として新作から定番商品、当日体験したゲームのほとんどを購入可能。また出展サークルは梟老堂、ボドクマ、サザンクロスゲームズ、ビストロ怪談倶楽部、エドシュピール、グランドアゲームズ、ベリーマッチ・トイ、紙の城、agletGamesの9団体で、創作ゲームの頒布などを行う。

回を重ねるごとに充実度を増すお祭り、今回も存分に楽しめそうだ。

福岡ボードゲームフェスタ7

「ボードゲームフリーマーケット8 in 三宮」、7月14日開催

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7月14日(土)に神戸・三宮の「KIITO」にて、「ボードゲームフリーマーケット8 in 三宮」が開催される。ポートライナー「貿易センター」駅徒歩10分、13:00~17:00、入場無料。

2012年から昨年まで大阪で行われてきた中古ボードゲーム販売イベントが、三宮に会場を移して8回目を迎える。遊ばなくなった中古ボードゲームのほか、創作ゲーム、関連グッズ、輸入ゲームも販売される。出展するのはボードゲームショップ、創作ゲームサークルなど51団体。昨年の36団体から大幅に増えた。

TTBこと富本尚志氏による恒例の公開オークション、ボードゲーム研究室!のカワサキ氏によるゲームプレイスペース、さらに赤ちゃん休憩所もあり、家族連れにも対応。買って遊んで交流もできるイベントだ。

開場前の待機列は12時から。

ボードゲームフリーマーケット8 in 三宮 link

sidcivnewdawnJ.jpgホビージャパンは8月上旬、文明発展ボードゲーム『シドマイヤーズ シヴィライゼーション:新たな夜明け(Sid Meier's Civilization: A New Dawn)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・J.キニッフェン、イラスト・、2~4人用、14歳以上、60~120分、6000円(税別)。

ファンタジーフライト社から昨秋発売された作品。ベストセラーのPCゲームシリーズを戦略的ボードゲームとして再現した。このPCゲームをもとにしたボードゲームとしては、2002年のイーグル・グリフォンゲームズ版、日本語版も発売された2010年のファンタジーフライトゲームズ版に続いて3タイトル目となるが、全てデザイナーも異なる別の作品でリメイクではない。

プレイヤーは領土を拡大し、新たな技術を獲得し、世界遺産の多くを建設する文明・外交・制覇のボードゲーム。手番には5枚のカードの中からカードを1枚プレイする。近隣国家と外交関係を設立するためにキャラバンを展開したり、軍事力を用いて戦ったり、自文明の支配権を広げたり、カードをグレードアップしたりシていく。また、資源は新都市の建設に使うことも、世界遺産のために使うこともでき、強力な効果が得られる。

毎回、無作為に選ばれる目的と可変のマップで、他のすべてを超越して歴史に名を残すのはどの文明か?

「これまでにいくつもの帝国が興っては滅びてきた。過去を顧みよ。そうすれば未来を見通すこともできる」――マルクス・アウレリウス

内容物:ルールブック1冊、プラスチック製フィギュア44個、指導者シート8枚、マップタイル16枚、イベントダイヤル1枚、技術ダイヤル4枚、フォーカスバー4本、6面ダイス2個、フォーカスカード80枚、都市国家カード16枚、外交カード16枚、世界遺産カード24枚、勝利カード5枚、さまざまなトークン240枚 他


神奈川・川崎に11日、ボードゲームカフェ「FLiP DROP(フリップ・ドロップ)」がオープンする。JR川崎駅東口徒歩3分、13:00〜23:00、不定休。

28席で200種類のボードゲームが遊べる。料金は平日1時間300円(最初の1時間のみ400円)、土日祝1時間400円。ワンドリンク付きの5時間パックは平日1500円、土日祝2000円。一人や、ボードゲームが初めてでも入店しやすいように、短時間でも安めに料金設定されている。

ドリンクはソフトドリンク300円、輸入ビール、焼酎、ウィスキー、サワー、テキーラ、カクテル類が500~600円。フード持ち込み可。

ボードゲーム愛好者でもある店長の物河(ものかわ)氏は、楽しい場所、遊べる場所を作りたいという。そこで入店時に名札をつけて客同士のコミュニケーションも取りやすくしたり、各テーブルに電卓・ダイストレイ・ホワイトボードなどを入れた「お道具箱」を用意する。

同人ボードゲームの委託販売も検討中。今後の予定として、ゲームデザイナーによるインスト会、初心者向けボードゲーム会、テストプレイ会などの交流会などを考えており、持ち込み企画も歓迎する。

ボードゲームカフェ FLiP DROP
神奈川県川崎市川崎区砂子2-4-20 402号室
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ボードゲームのポジティブな効用の伝え方

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ボードゲームの卸売をしているKleeblattの畑直樹氏が、ほらボド!のインタビュー で販促イベントの興味深いエピソードを披露している。畑氏は木のおもちゃ屋さんの販促でデパートなどに手伝いにいったとき、試遊して楽しんでもらっても、なかなか買ってもらえなかったという。楽しかったといっても買うのは10人に1人もいない状況。そこで仕事のやり方を変えて、「楽しんだ後にちょっと理屈っぽいことを言う」ことにした。例えば『ドブル』を遊んでもらった後に、「ドイツではこういったゲームを遊ぶ中で、人のことをよく見る力が身につくように使われている」という。そこにはドイツの保育園で研修を積んできた保育士としての経験の裏打ちがあるわけだが、そのような説明をすることで10人に3人、4人と買ってもらえるようになり、現在では年間100回ぐらいの講演活動を行っているという。

こういったボードゲームのポジティブな効用がコマーシャルに使われることが最近多い。バンダイは『ドンジャラドラえもん』の発売について、「脳トレ」でおなじみの川島隆太・東北大学教授から「ドンジャラの遊びは、相手の手を読むなど脳が活性化し、分析力・協調力・集中力・記憶力などが育まれる。また、家族みんなで遊ぶことで、愛着と共感性が強まる」というコメントを引き出しており(ソース )、またマテルは『ブロックス』で遊んでいるときとスマホの対戦型ゲームで遊んでいるときの脳血流量を比べ、『ブロックス』のほうが脳の前頭葉のはたらきが活性化しており、それは戦略性やコミュニケーションが関係しているという古賀良彦・杏林大学名誉教授の分析を発表している(ソース )。

川島隆太教授の分析はボードゲーム一般にも言えることであり、もっと効果的なボードゲームもたくさんあるだろう。また古賀教授の実験はスマホゲームには音楽や漫画のように脳を休める/リラックスさせるはたらきがあるわけなので当然の結論といえる。しかし少なくとも「頭に良さそう」というイメージアップには成功しているといえるだろう。

ゲーム研究家の草場純氏は、当サイトの質問に対しこういった知育効果について絶対否定派であるという。

(ゲームを含めた)遊びは、楽しいからやるのであって、それ以外の理由は不要どころか有害です。「頭のよくなる......」と言ったとたんに、それはゲームの資格を失っているとすら思います。もちろん親に対する方便という意味では、分からないではないです。しかし、それはゲームを汚す欺瞞であると思います。

畑氏もボードゲームは楽しいだけでいいと思いつつも、知育効果を説いているのは、販促イベントで遊んで終わりではなく、買って帰ってもらって、毎日ちょっとした合間にお父さんお母さんと遊んでもらいたいという願いがあるからという、方便の立場である。おそらくボードゲーム愛好者の多くは、ボードゲーム自体の楽しさを知っているがゆえに、その効用など意識しないのではないだろうか。

「ボードゲームは脳を活性化する」という言説は経験的に分かるところだが、それは楽しんだ結果であって、目的とするのは、教育熱心な親の注目を集める以上の意味はないように思われる。知育の香りが少しでもすると子どもは警戒するということにも注意を払わなければならないだろう。

かくいう私もこの頃、ボードゲームで「非認知能力」を伸ばすという話をしている。ゲーム内の協力により自信、やる気、外交性、社会性、協調性が、ルールを守ることにより忍耐力、自制心、勤勉性が、負けてもめげないことにより自分を客観的に見る力や凹まない力が、戦略的思考により複眼力が、新しい手を考えることにより創造性や好奇心が養われ、それは子どものこれからに大いに役立つでしょうと。ただしこれが目的になってしまわないように、家族で一緒に楽しむことが一番大事であることを伝え、実際にボードゲームをいくつか遊んでもらってから結果として実感してもらうようにしている。

ボードゲームのポジティブな効用は、それが取っ掛かりになるのはよいとしても、それが主目的にならないように伝える工夫が、魅力を失わせないために必要である。

scotlandyardksJ.jpgアークライトは8月9日、『スコットランドヤード カードゲーム(Scotland Yard: Das Kartenspiel)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・I.ブラント&M.ブラント、イラスト・F.フォーヴィンケル&T.ヴォルバー、3~5人用、9歳以上、20分、2200円(税別)。

1983年にドイツ年間ゲーム大賞を受賞し、ロングセラーとなっている怪盗追跡ゲームのカードゲーム版。『村の人生』『脱出:ザ・ゲーム』などで知られるブラント夫妻がリデザインし、オリジナルは昨年ラベンスバーガー社から発売された。日本国内ではボードゲーム版を手がけてきたカワダが輸入し、アークライトが販売する。

ボードゲームと同様、複数の刑事役プレイヤーが、手札にミスターXのカードをもつミスターX役のプレイヤー1人と対戦する。刑事たちはバスやタクシー、地下鉄のチケットカードを駆使してミスターXを追い詰め、ミスターXは正体を隠しつつ、いざという時に強力なアクションが行えるブラックチケットで、刑事たちの邪魔をする。

手番にはカードが昇順になるように出して、その場に対応するアクションを行う。ミスターXのプレイヤーから、ミスターXカードを引き当てたら刑事側の勝利、その前に山札が尽きたらミスターXの勝利となる。

新しいのは正体隠匿の要素。はじめは誰がミスターXか分からず、しかも逃亡(全シャッフル)することでミスターX役がほかのプレイヤーへ移動することもある。最終的にミスターXは誰なのか、協力して逮捕を目指す刑事たちと、最後まで逃げ切ることを目指すミスターXの手に汗握る攻防が再び始まる。

内容物:チケットカード90枚、アクションカード3枚、拡大鏡カード3枚、ミスターXカード2枚、無地カード2枚、説明書1枚

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「ゲーム障害」とボードゲーム

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世界保健機関(WHO)が先月発表した国際疾病分類(ICD-11)において、「ゲーム障害(gaming disorder)」が依存症のひとつとして新たに加えられた。デジタルゲームやビデオゲームをすることへの抑止力が欠如し、ほかの興味や日常生活より優先し、悪影響が起こってもやめられなくなる状態で、12ヶ月以上にわたって勉強や仕事などに支障をきたす場合、そのように診断される。該当する人はごく少数であるとしながらも、特に日常生活が圧迫されたり、心身の健康に変化が見られる場合はゲーム時間に注意するべきであるという。

この認定について、無害な趣味を病気とみなした過剰な診断であるとか、単にゲームを楽しんでいる人と本当に問題を抱えている人の区別ができなくなるといった意見がある。実際、「ゲーム脳」をはじめ、デジタルゲームやビデオゲームは有害であるという言説は跡を絶たず、今回のWHOの発表によってさらに広がる可能性がある。

ボードゲーム界においても、「デジタルゲームは危険だからボードゲームを遊びましょう」というように、デジタルゲームを悪者にしてボードゲームを推すことがごく一般的に行われている。いわく、デジタルゲームはリアルなコミュニケーションがないがボードゲームにはあるとか、デジタルゲームは頭をあまり使わないがボードゲームは頭を使うだとか、デジタルゲームは独りだから無制限に遊んでしまうがボードゲームは仲間がいないと遊べないから時間が限られるとか、「あなたとは違うんです」といわんばかりだ。

しかし実際には、ボードゲーム愛好者の多くは、デジタルゲーム「も」遊んでいる。以前に当サイトでとったアンケートでは、回答者の7割がデジタルゲームも遊んでいると回答している。ボードゲーム愛好者の多くは、アナログ・デジタル問わずゲーム愛好者なのだ。そしてこの趣味は単なる気晴らしに留まらず、そこで得られた体験を仕事に活かしている人も多い。

また、WHOの定義でゲーム障害はデジタルゲームに限定されているが、ボードゲーム愛好者にも重度になると生活に支障をきたす。「ボードゲームを遊びたい」という抑止力が欠如し、日常生活より優先され、悪影響が起こってもやめられないという経験は程度の差こそあれ愛好者なら感じたことがあるだろう。それだけ、ボードゲームにはデジタルゲームに勝るとも劣らない魅力があるということでもある。過ぎたるは及ばざるが如し、薬も過ぎれば毒となる。

Yahoo!知恵袋:夫の趣味に困っています。 link

したがって今回の「ゲーム障害」認定についてボードゲーム愛好者としてできることは、デジタルゲームを貶めることではなく、デジタル・アナログを問わないゲーミング一般の魅力やポジティブな効用を再確認し、世間の誤解を解いていくということではないかと思う。どうしても我田引水と取られてしまいがちなので、なかなかに茨の道かもしれないけれども。

寺日誌:テレビ・ゲームを敵視しても

cosaicは7月27日、コミュニケーション推理ゲームのアダルト版『ブラックストーリーズ セックス&クライム(Black Stories: Sex and Crime Edition)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・N.ベルガー、2人以上、12歳以上(15歳以上推奨)、2~222分、1500円(税別)。

出題者と解答者にわかれて、イエスかノーで回答できる質問を繰り返し、謎の真相を解き明かすドイツのコミュニケーションゲーム。オリジナルは2012年に発売された。今回のテーマは性に関する悲喜劇だ。

情熱的な時間を過ごした2人を襲う悲劇、ベッドから動けなくなった男、ロマンチックな夜を演出しようとした男の末路など、サブタイトル「奇妙で不思議でエッチな50の新たな"黒い"物語」の通り、とてつもなくセクシーでミステリアスな謎があなたを待つ。

昨年に熱海で行われたTPRGフェスティバルでは、グループSNEの黒田尚吾氏と西岡拓哉氏による体験会が行われ、大好評を博した一品。満を持しての登場だ。

『ツイクスト』再版プロジェクト、権利問題でキャンセル

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故アレックス・ランドルフがデザインした2人用アブストラクトゲーム『ツイクスト(TwixT)』について、再版プロジェクト がキックスターターで立ち上がったが、遺族とライセンス契約していなかったことから批判を受け、わずか10日でキャンセルされることになった。

『ツイクスト』はペグとブリッジでボードの一方の辺から反対側の辺まで先につなげたら勝つ2人用アブストラクトゲーム。初版は1962年に3M社(アメリカ)から発売され、コスモス社(ドイツ)が1998年に再版してから20年が経過しているが、世界的に根強い愛好者がいる。

そのような中、先月20日にアメリカ人のW.ドレザル氏がキックスターターで再版プロジェクトを立ち上げた。ところが、このプロジェクトがランドルフの甥であるM.カッツ氏とライセンス契約をしていなかったため、彼が所属するドイツ・ボードゲームデザイナー連盟(SAZ)のメンバーが批判。アメリカの著作権法では1974年以前に登録されたものは一定期間の後に期限切れになるとして、「ツイクスト」の商標登録を行ったドレザル氏と対立していた。

SAZによると『ツイクスト』が1957年にウィーンで紙ペンゲームとして考案されたことから、オーストリアの著作権法が適用され、ランドルフ氏の権利は無効でないという。さらに、この再版の配送先となっているアメリカを含む各国で「文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約」に抵触するとして、ドレザル氏への批判を強めていた。

これを受けてドレザル氏は方針を転換。キックスターターの再版プロジェクトを30日にキャンセルし、アメリカ国内で限定的に再版することにした。従来の主張通り、アメリカでの商標登録に基づいて再版を強行するとみられる。

ランドルフは2004年に亡くなったが、その後も『ガイスター』『はげたかのえじき』『ウミガメの島』など再版が継続されており、遺族とのライセンス契約さえ行えば『ツイクスト』の正式な再版も不可能ではない。今回の再版プロジェクトで需要が高いことが明らかになったため、正式ライセンス版の復刻が期待される。

spielbox-online:Randolph-Erbe und SAZ gegen TwixT-Neuauflage

schuttelsJ.jpgアークライトは8月9日、カップからコマを振り出すアクションゲーム『シュッテルス(Schüttel's)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・B.ラッハ&U.ラップ、イラスト・J.ロット、2~6人用、8歳以上、30分、3800円(税別)。

オリジナルは2017年、ツォッホ出版(ドイツ)から発売された。原題は「それを振れ」という意味のドイツ語。メビウスゲームズが『ノームの村』という邦題で取り扱い、「大笑いしたり悲鳴あげたりしつつ、一度は楽しんでもらいたいゲーム」(ふうかのボードゲーム日記 )など高い評価を受け、品薄が続いていた。

魔法使いたちが魔法のカップからノームたちを召喚し、村中で働いてもらってお金を稼ぐ。手番にはノームコマが15個入ったカップを一度だけ振り、出てきたノームの数に応じた建物で商品を売買する。特定の数をカップから出してしまうと良くないことが起こり、特に勢い余って全部出してしまったり、臆病になってちょっとしか出てこないと罰金になってしまう。

収入を得るには同じ建物を訪れなければならず、しかも何度も訪れて商品をたくさん並べた後に売却できれば効率が良い。しかし特定の数を出し続けるのは難しい上に、売却する前にゲームが終わってしまうこともある。手先の器用さだけでないマネージメントもあり、考えどころも用意された作品だ。

内容物:ゲーム盤1枚、ノーム15個、品物コマ60個、紙幣84枚、魔法のカップ1個、ノーム用マットレス1枚、ルール説明書1冊

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声優ボードゲームTV番組『ボドゲであそぼ』本日スタート

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ボードゲーム大好き声優の岡本信彦氏と堀江瞬氏によるボードゲームTV番組『ボドゲであそぼ』が本日から、首都圏の地上波放送チャンネルTOKYO MX1にて放送される。毎週水曜22:30~23:00。TV視聴できない地域でもインターネット配信「エムキャス 」でリアルタイム視聴可能。

ボードゲーム同好会を発足した2人が、会員を増やすべくボードゲームの魅力を伝えていく。第1回のゲストは声優の西山宏太朗氏と野上翔氏を招いて『コンセプト』を遊ぶ。

放送開始に合わせ、全国18店舗のボードゲームカフェで「コラボカフェ」を開催。番組キャラクター「ウサこま」をイメージしたコラボメニューを注文すると岡本氏と堀江氏の月替りブロマイドをもらえる。明日から11月25日まで。

ボドゲであそぼ公式サイト

LittleBigFishJ.jpgアークライトは8月9日、『パックンギョ!(Little Big Fish)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・D.ペレズ&I.ポロウチャイン、イラスト・D.コルボック、2人用、8歳以上、15分、2900円(税別)。

ザ・フライングゲームズ(フランス)が2017年に発売した作品。大中小の魚を移動させ、相手の魚を先に5匹食べることを目指す。魚たちは自身より小さい魚しか食べることができないため、海に漂うプランクトンを食べて大きくなってから、相手の魚に接近する。しかし大きくなると沈没船の間を通ることができず、遠回りをしなくてはいけません。さらに海には危険はつきもので、漁師に釣り上げられてしまったり、突然渦巻が発生して相手の魚との距離が変わってしまうこともある。

手番には、自分の魚1匹を2マス動かすか、2匹を1マスずつ動かす。プランクトンのいるマスに入ればサイズが大きくなり、産卵のマスに入れば新たな魚を投入できる。「?」のマスはタイルを引いてみてのお楽しみ。アブストラクト色の強いゲームだが、モジュラーボードで展開も毎回異なるようになっている。弱肉強食の世界で困難を乗り越え、成長しながら相手の魚をパックンと食べてしまおう。

内容物:ゲームボード4枚、さかなコマ24個、プランクトンマーカー8個、びっくりトークン8個、ルール説明書1冊

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ヨカゲームズ(游卡桌游、中国)が現在行っている「世界オリジナルボードゲームデザインコンテスト(World Original Design Contest of Board Game、以下WODC)」について、審査員のひとりだったR.クニツィア氏(ドイツ)が、同社の知的財産権侵害を理由に審査員を辞退し、ツイッターでこのコンテストに参加しないよう呼びかけている。

WODCは今年初めて開催されるもので5月に要項が発表され、先月22日に応募が締め切られている。今年12月に結果が発表され、大賞には3000ドルの賞金が贈られることになっている。審査員にはR.クニツィア氏のほか、カナイセイジ氏と健部伸明氏も名前を連ねていた。

クニツィア氏のツイートによると、主催のヨカゲームズは『ロストシティ』や『バン!』などのコピー商品を販売してきたといい、知的財産権を軽視するヨカゲームズに審査員として協力することはできないとしている。さらに「世界のボードゲームデザイナーのみなさん、未発表のデザインを誰と共有するか、慎重に考えましょう。ボードゲーム業界の黒い羊に気をつけてください!」といってすべての人にこのコンテストに参加しないことを呼びかけている。

WODCについては開始直後からBGGで応募作品の権利の所在(デザイナーはいつまで応募作品を外部に出せないのか)について不備が指摘されており、ヨカゲームズの『三国殺』のルールが『バン!』と類似し、版元であるダヴィンチ社(イタリア)と係争になっていたことから信用できないコンテストであるという声も寄せられていた。

これを受けて日本人審査員の健部伸明氏とカナイセイジ氏も審査員を降りることを相次いで表明しており、大半の審査員を失うことになったコンテストの行方は不透明となっている。

Yoka Games:ボードゲームデザインコンテスト

アンケート:ドイツ年間ゲーム大賞2018予想

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Q131:ドイツ年間ゲーム大賞2018、どれが選ばれそう?

A.アズール 124票(83%)
B.ルクソール 15票(10%)
C.ザ・マインド 10票(7%)

今月23日にベルリンで発表されるドイツ年間ゲーム大賞とドイツ年間エキスパートゲーム大賞。ノミネート作品はそれぞれ3タイトルずつ、先々月に発表されています。その中から、どれが大賞に選ばれそうかアンケートを取りました。

結果は『アズール』がダントツの1位。昨年の『キングドミノ』は59%、一昨年の『コードネーム』は40%、3年前の『コルトエクスプレス』は38%の方が大賞を予想していましたが、それを大きく超える8割以上の方が大賞に予想しました。先の先まで読めるので長考しがちで、プレイ時間も長めですが、箱やボードのデザイン、タイルの美しさ、ルールの分かりやすさなど群を抜いているといえます。

大賞を受賞すると、拡張セットが発売されるのが昨今の流れです。『アズール』が大賞を獲ったとして、どんな拡張セットが発売されるのか想像してみると面白いかもしれません。

7月のアンケートは、ドイツ年間ゲーム大賞を購入の参考にしているかどうかです。リリースされるボードゲームが年々増えている中、大賞を取ったり、ノミネートされたり、推薦リストに入ったゲームはひときわ目立つところですが、読者の皆さんはこれを購入の参考にしますか? 3択で最も近いものをご回答下さい。なおここで「ドイツ年間ゲーム大賞」は、赤いポーンの本賞だけでなく、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞、ドイツ年間キッズゲーム大賞、さらにノミネート作品、推薦リスト作品も全て含むものとします。

羊を洪水から守れ『ローランド』日本語版、7月6日発売

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テンデイズゲームズは7月6日、北ドイツの農場経営ゲーム『ローランド(Das tiefe Land)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・C.パーテンハイマー&R.パーテンハイマー、イラスト・A.ベークホフ、2~4人用、14歳以上、50~100分、7000円(税別)。

『テラミスティカ』『オーディンの祝祭』などゲーマーズゲームのヒットを飛ばしているフォイヤーラントシュピーレ(ドイツ)の最新作。同社の設立にも携わっているU.ローゼンベルクが監修する「ウヴェコレクション」の第一弾で、新人デザイナーのデビュー作となる。

舞台は北ドイツ。海抜の低い土地に住む農家が、洪水の危機を克服しつつ農場経営に励むボードゲーム。自らの農園を経営する一方で、プレイヤー全員で協力して堤防づくりも進める。堤防づくりは自らの利益に直結しないが、農園が大きくなるほど、水害に見舞われた際のダメージも大きくなるため、農園の運営がうまくいっているプレイヤーほど注力しなければならない。

各ラウンドは5つのフェイズで行われる。はじめに洪水カードがめくられ、洪水の危機が迫る。続いて各プレイヤーは3つの農夫コマを建物の購入、堤防の建設、柵の建設、羊の売買、資材の獲得という5つのアクションに振り分ける。農夫によって力に差があり、同じアクションでも強弱が変わる簡易アクションポイント制がゲームのエンジンである。

アクションの後、羊の繁殖や収入があり、堤防が洪水を防いだかどうかチェックする。堤防が耐えきれればボーナスをもらえるが、決壊すると農場に被害が出てしまう。こうして3ラウンド行い、羊や堤防への貢献度、建物、お金、資材を勝利点に換算して勝敗を決める。

羊の飼育と堤防づくりでどのように力を配分するかが悩ましい。豊富なタイルのさまざまな効果によって毎回戦略も変わるゲーマーズゲームだ。

テンデイズゲームズ:ローランド

ボドゲde遊ぶよ!! phase 11-12

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